Rの邂逅/友【なかま】


機動六課・会議室。
そこにはゼロとリインフォースは勿論、隊長陣三人と副隊長のシグナムとヴィータも同席していた。
理由は当然…。

「無限さん。何故リインフォースが貴方の許に居るんですか?」

はやてはリインフォースが生きているうえ、ゼロの助手となっていることに凄まじい疑問を感じていた。

「はやて、その質問はゼロの素性を詮索「良いだろう、教えてやる」…ゼロ!?」

リインフォースの言葉の途中でゼロが自らリインフォースと出会った一年前の日…初めて仮面ライダーイーヴィルになったあの夜のことを話した。

「その話に、嘘偽りはないんだな?」
「嘘ついてたらタダじゃ済まねえぞ!」

シグナムとヴィータはそう言った。
何せかつての同胞であったリインフォースに深く関わる話なのだから仕方ない。

「嘘をついてなんになる?やたらと牙を剥きたがる犬どもだな」
「なんだとテメー!!」

記憶の魔導書を見せびらかしながらそう言うゼロ。
ヴィータはゼロの言葉に憤慨して自らのハンマー型アームドデバイスにして相棒たる鉄の伯爵・グラーフアイゼンを構える。

「ヴィータ、お止し!無限さんに失礼やないか」
「落ち着けヴィータ!」

そんなヴィータをはやてとシグナムは止める。

「…それで無限さん」
「機動六課に御協力頂くにあたって、隊員の皆に貴方のことを紹介しておきたいんですが」

そこへなのはとフェイトが話を変えて場の空気をなんとかしようとする。

「あぁ、わかっている。…あ、それと此処のいる皆にだけ、私の正体を教えておくとしよう。幸い此処にいるのは私の助手もかなりの信頼を置いている者だけのようだし、口外することは無いだろうしな」

ゼロの言葉にリインフォース以外は理解できなかったが、次の瞬間ゼロの魔人態を見せつけられ、その表情は氷のように固まった。

『私の正体は魔界の住人、魔人だ。食糧は魂の奥底より生まれ、悪意と共に育まれていく『欲望』だ…』

さらに、自分が人間界にこうして留まっている理由すら話したゼロは人間態になると、なのはが精一杯に勇気を振り絞ってこう発言する。

「………一つ、質問良いですか?」
「構わんが」
「貴方はその…人間をどう思っていますか?」

それはゼロの人格面を少しでも知ろうとした質問だった。

「私の親友から聞いた話によれば、人間というのは一見下等な存在に見えて、我等魔人の食糧源になると同時に一人一人が未知の可能性を持ち、常に進化し続ける存在と聞く」

当たり前のようにゼロはそう言った。
その言葉を聞き、皆は何故かはわからないが、心の扉が無意識に少しだけ開いたのを感じた。

数分後、多少いざこざはあったが話はなんとか纏まり、ゼロとリインフォースは機動六課の隊員たちに紹介されることとなった。





*****

機動六課の訓練場。
なのはらと共にそこへ向かったゼロ。

「今日からこの部隊での協力依頼でやってきた無限ゼロだ。助手共々一応よろしくな」
「「「「はいッ!よろしくお願いします!!」」」」

なのは達が鍛えるフォワードメンバーはゼロに大きな声で返事をした。

「スバル・ナカジマ二等陸士です!」
「同じく、ティアナ・ランスター二等陸士です!」
「エリオ・モンディアル三等陸士です!」
「キャロ・ル・ルシエ三等陸士とフリードリヒです!」
『キュクー!』

四人と一匹は敬礼しながら自己紹介する。

「こちらこそよろしくお願いします」

リインフォースはそんな四人と一匹に挨拶を返した。

「さて、自己紹介も終わったことだし…無限、私と模擬戦をしてくれないか?仮面ライダーの力、ずっと興味があったのだ」

と唐突に言いだすシグナム。

「良かろう」

そしてあっさりと承諾したゼロ。





*****

シグナムは愛刀たる炎の魔剣・レバンティンを起動させて騎士甲冑を纏うと、ゼロもイーヴィルドライバーを装着。傍らにいるリインフォースにも同じドライバーが装着される。

【LEADER】
【MAGICAL】

「「変身!」」

【MAGICAL/LEADER】

リインフォースの身体が倒れると同時にゼロの身体はイーヴィルに変身する。
それを見てシグナムはバトルマニア魂が燃えていくのを感じた。
なにせ、イーヴィルの強さはハッキリ言って一流の魔導師の力ですら到底及ばないものがあるからだ。
そんな、自分よりも強い相手と戦えることに喜びを感じていたのである。

「それじゃあ、二人とも行くよ」
「レディー、ゴー!」

フェイトとなのはの模擬戦開始宣言と同時に、シグナムは勢いよくイーヴィルに近づき、レバンティンで彼の腕を狙う。

――ガシッ!――

しかし、それを見透かしていたかのようにイーヴィルは易々と刃を掴んだ。

「レヴァンティン!」

【EXPLOSION・SCHLANGEN FORM】

シグナムはレバンティンにカートリッジをロードさせると、連結刃形態・シュランゲフォルムに変形させて、イーヴィルと距離をとった。

「でやぁぁぁ!!」

シグナムは豪快に剣を振るい、イーヴィルに重い一撃を与えようとしたが、

【KNIGHT】
【MAGICAL/KNIGHT】

イーヴィルは即座にリーダーメモリを取り外して、青いメモリをセットすると、イーヴィルの左半身は青いナイトサイドに変わり、背中には専用の薙刀・ナイトグレイブがあった。
イーヴィルはそれを手に取ると、シュランゲフォルムにそれをぶつけた。

――ガギィーーーーーン!!――

やかましい程に響く金属音。
ナイトグレイブの刃はレバンティンの連結刃に絡みついた状態になってしまった。

(ま、まさか…!?)

一瞬で状況を理解したシグナムだったが、気づいた時にはもう遅い。

「ハアァッ!!」

掛け声とともにイーヴィルはナイトグレイブを振り回すことでレバンティンを手に持ったシグナムをもハンマー投げの要領で空中で回転させているのだ。

「(このまままでは…)レバンティン!」

【SCHWERT FORM】

シグナムは真っ向勝負に出るため、レバンティンを元の長剣形態・シュベルトフォルムにして捕縛から逃れるとそこから一気に、

【EXPLOSION】

「紫電…一閃!!」

【EVIL/KNIGHT・MAXIMUM DRIVE】

「『ナイトブロウアタック…!』」

必殺の一撃をお互いの武器に叩き込んだ。

――ガシャァーーーン!!――

何かが砕け散る音がした。

「『これで決まりだ』」

そういったのはゼロとリインフォースだった。
イーヴィルの持つナイトグレイブは全くの無傷。
それはつまり…。

「私の、完敗だ」

刀身が砕けたのはレバンティンの方だった。

「…ガイアメモリを使ったわけでもないのに、私達にマキシマムドライブを使わせるとは、人間にしては大したものだ。伊達に長い時を戦いに費やしてきただけのことはある」

ゼロは変身を解除してシグナムに称賛を贈った。
そんな模擬戦を見ていたフォワード陣は、

「凄〜い!あれがゼロさんの、仮面ライダーの力か〜!」
「リミッター付きとはいえ、あのシグナム副隊長にあっさり勝つなんて…!」
「本当に凄い!局内で持ちきりの噂は本当だったんですね」
「………」

スバル・エリオ・キャロはそれぞれイーヴィルの強さに見惚れていたが、ティアナだけは悔しそうな苦い表情だった。





*****

模擬戦が終了し、シグナムは破損したレバンティンを修復してもらうために機動六課のデバイスマスターであるシャリオ・フィニーノのところに向かうと、ゼロはまだ顔を会わせていないヴォルケンリッターのシャマルとザフィーラ…そしてリインフォースの妹とも言えるリインフォースII(ツヴァイ)のもとへリインフォースと一緒に行くことを勝手に決定した。

そんなこんなで三人を食堂に集めて実際に顔を会わせると、

「貴方がリインの基になった…お姉ちゃん///」

リインは自分の先代に会うことができて感激していた。
ついでにリインフォースを”お姉ちゃん”と呼称した際、顔をうっすら赤くしていたが。
リインフォース自身もそう呼ばれたとき、幸せそうに微笑んだ。

「にしても、少し信じ難い話ね…」
「うむ。全次元世界の情報を得られると言うのは…」

シャマルとザフィーラは次元書庫の話にいささか疑惑を感じた。

「それについては信じてほしい。私自身何度も次元書庫にアクセスして得られなかった情報は何一つとしてないのだ」

リインフォースはそう言った。
シャマルとザフィーラはかつての同胞の言葉故か、信じることにした。

「…依頼とはいえ、これから当分世話になる。一応よろしくな」

ゼロは無愛想ながらもそう言った。

「はい。風の癒し手、湖の騎士、シャマルです」
「…蒼き狼、盾の守護獣、ザフィーラだ」





*****

あらかたの紹介が終わると、ゼロとリインフォースは六課側が用意した部屋に向かった。
はやて達は来るのはゼロだけとしか聞いていなかったので、一部屋しか用意しておらず、結果としてゼロとリインフォースは相部屋ということになった。

「ほう、中々良い部屋だ」
「随分とご機嫌ですね、ゼロ」
「当然だ。クロノ提督から聞いたところ、この部隊に身を置いていれば”ジェイル・スカリエッティ”にたどり着けるかもしれんからな」



ジェイル・スカリエッティ
”Dr.”の通り名を冠し、幾つもの次元世界で広域指名手配されている次元犯罪者。
生体改造や人造生命体などの開発などといった違法研究を数えきれない程行っている。
その頭脳は次元犯罪者でさえなければ間違いなく歴史に名を遺すと称されるほどの天才科学者。

リインフォースの次元書庫で彼の情報を検索したゼロはスカリエッティの出生の秘密…時空管理局・最高評議会がアルハザードの技術で造った人工生命体であることを知っている。
開発コード”アンリミテッド・デザイア<無限の欲望>が指し示す通り、己の研究に対する探究欲は留まることを知らない。

”プロジェクトF”の基礎を築いた人物でもあり、フェイトやエリオもその技術によって生み出されたクローンの人造魔導師である。

『欲望』を喰らうゼロからすれば、そんなスカリエッティは最高の獲物とも言えた。



「クフフフフ♪…御馳走にありつく前に、前菜で舌と腹を慣らしておくか…!」

いずれ喰えるであろう食糧のことを思いながら、ご機嫌な笑顔を浮かべるゼロをリインフォースはただただ無表情に見つめていた。


ナイトメモリ
「騎士の記憶」が刻み込まれた青いガイアメモリ。
ウェポンサイドをナイトサイドに変化させ、専用の薙刀・ナイトグレイブを装備させる。

ナイトグレイブ
ナイトサイド専用の薙刀。使用されるとき以外は背中に設けられたマウントに収められている。両先端の刃にはアビリティメモリの属性の影響が付与される。総重量は20kg。


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