今回は村正レイさんが書いてる小説の主人公、黒井悠二こと熱血なスカルと、高貴なスキマ妖怪たる八雲紫が友情出演します!

銀魂のたまクエスト風に話を進めていきます。

Bの侵略/菌【ウイルス】


今回の事件は突如、何の前触れも無く訪れた。
そして、様々な真実を知らしめる事件にもなった。



「ん、ふぁ〜〜」

何時も通りの朝。
何時もと同じ時間に起床した御霊は普段通りの服装で朝食を作り始めた。

――ガラガラガラ――

そこへ部屋の引き戸から出てきたリインフォース。

「おはよう」
「おはようございます」

御霊とリインフォースは互いに挨拶する。

「いやー、今日は良い天気だ」
「ホント、昨日の土砂降りが嘘みたい」

平和な会話。

「今日の朝食は?」
「今日は、中華料理なん………」

いきなり御霊は黙った。
リインフォースの頭を凝視したまま。

「何を見ている?」

質問された御霊は、リインフォースを指差すと自分の頭を軽く小突いた。
その動きの表現に気づき、リインフォースは同じ動作で自分の頭を触ったすると、

「ッ!!?」

声が出なかった。
自分の頭に在る筈の無いモノが生えているのだから。

「おはよう♪ママ、御霊さん」
「何の話をして……」

しかも最悪なことにゼロとヴィヴィオがこのタイミングで顔をだし、リインフォースを見て少し黙って、この一言。

「相棒、私の好みに合わせたか?」
「可愛い♪」
「いや、その、これは……///」

そう、リインフォースの頭には”萌え・三種の神器”の一つ、”猫耳”があったのだ。
しかもご丁寧に尻尾付き。





*****

三十分後。
取りあえず食事を済ませた四人は、これがどういうことかを協議していた。

「さてと、原因はなんなのかな?」
「それがわかればいいんだけどね」

御霊とヴィヴィオは核心に迫ろうとする話。

「…早く治さないと///」

リインフォースも顔を赤らめている。

「別に良いのではないか?このままでも」
「「「えっ!?」」」

しかし、ゼロはトンデモないことを言い出す。

「このままでも良いと思うぞ私は。ハッキリ言って可愛いしな」
「なっっ(ゼロが堂々と私のことを・・・かか、可愛いと///)」

リインフォースは内心で喜びまくった。
多分、可愛いといって貰えた理由は、ゼロが猫好きなのが影響してると理解しつつも、一人の女として愛する男に可愛いといってもらえた喜びは大きかった。

ちなみに、肝心のリインフォースが喜びに心満ちて会議どころじゃなくなり、今日の会議は御開きになりかけたが、ヴィヴィオと御霊のお陰でなんとか話は進み、翔太郎達にも相談することになった。





*****

鳴海探偵事務所

「・・・フー、ハードボイルドだぜ・・・」

――パコン!――

「おい亜樹子、なんの用だ?」
「あれ?今日は妙に冷静じゃん」

スリッパで叩かれてもクールでいる翔太郎。

「好い加減慣れてきたんだよ。今日は何があっても驚く気が全くない」
「なら、この状況でも冷静に相談に乗ってくれるな?」
「あぁ、勿論って・・・・・・あれ?」

いきなり登場してきたゼロ。
翔太郎はゼロの後ろでコソコソしているリインフォースが気になった。

「なにしてん・・・・・・・・・だッ!!?」
「私、聞いてないィィィィ!!?」

翔太郎は驚きに驚いた。
亜樹子も目玉が飛び出しそうなほどに驚いた。

何故かだって?
そりゃあ・・・猫耳と尻尾にも驚いたが、一番度肝を抜いたのは・・・・・・。

――たゆん・・・――

「・・・お、重い///」

リインフォースのバストサイズが100cm丁度の爆乳になっていたからだ。

「おぉぉ・・・!!」
「む〜〜・・・!」

翔太郎は鼻血を垂らしまくった。
亜樹子は嫉妬と羨望の視線をおくった。

「なんだい翔太郎?うるさ・・・ってなにこれ?」

そこへフィリップもガレージから出てきてリインフォースの有様を見てしまう。

「・・・興味深いな、検索しよう」

――バタンッ――

「・・・・・・まあ、これで相棒の突然変異の理由もわかるな」

ゼロが呟いた直後、恍惚の表情で鼻血を垂らす翔太郎の眼前に、空間の裂け目が発生した。

「「「ッッ!!?」」」
(ん?あれは確か・・・・・・)

そして、

――ボカンッ!――

誰かの頭が翔太郎の顔面にクリーンヒットした。

外部から見ると不気味な目玉や手足の見える空間の裂け目=”スキマ”から現れたのは二人の男女だった。
高貴な雰囲気を漂わせ、白い帽子を被り、扇子を持った金髪美女と、見るからに熱血な雰囲気を駄々漏れにした青年だった。

「貴様は、八雲ではないか!」
「御機嫌よう。いいえ、お久しぶりとでも言うべきかしら?・・・ゼロ」

八雲と呼ばれた美女はゼロと知り合いのようだ。
一方青年は、翔太郎を見て驚く。

「祐規・・・・・・祐規なのか!?」
「あいててて、誰だお前!?祐規って誰だよ!?」

翔太郎は知りもしない人物の名前で呼ばれて困惑する。
ちなみ、停まりかけた鼻血も、さきほどの激突で再発した。

しかし、翔太郎は連続して驚く。青年の懐から、死したはずの偉大な師匠の使っていた戦う力・・・・・・スカルメモリとロストドライバーが落ちたのだから。

「お前、なんでおやっさんのメモリとドライバー持ってんだよ!?」
「なに?お前は祐規じゃないのか?」
「だから祐規って誰!?」

なんだか場の空気がどんどんカオスになっていく。



五分後



「成る程、こいつら平行世界の住民ってことか」
「そういうことだ、翔太郎」

ゼロが仲介にたったことで互の素性をどうにか理解できた双方。
因みに、ロストドライバースカルメモリを所持していた青年は、八雲という美女によって半ば拉致される形での旅行をさせられ、ここに辿り着いたらしい。

「俺は黒井悠二(くろい ゆうじ)!幻想郷から来た異なる仮面ライダースカルだ!」
「私は八雲紫(やくも ゆかり)。スキマ妖怪にして、仮面ライダーコーカサスよ」

悠二と紫は挨拶する。

――バタン!――

「無限ゼロ、喜んでくれ!リインフォースの異常事態の原因がわかったよ!」

そこへフィリップが検索を終えた。

「あれ?君達は?」

ソファーに座っている悠二と紫に視線を集中する。
そして、二人の素性や幻想郷のことを聞くと、

「興味深い、興味深過ぎる!早速検索だ!!」

また検索モード突入。

「こりゃ2・3時間待つな」

さらりと翔太郎が呟いた。





*****

3時間後。

「幻想郷の全てを閲覧した!」

嬉々とした表情でフィリップはガレージから出てきた。
待たされたメンバーはお昼寝していたが、フィリップの呼び声で目を覚ます。

そして、言っては鳴らないことを言ってしまう。


「実にゾクゾクした内容だった。まずは八雲紫。彼女はスキマ妖怪と呼ばれる存在で、扇子を使うことで”境界を操る程度の能力”を発動して空間に裂け目=スキマをつくり、それを通ることで別の空間に移動できる。年齢は既に1200歳を越え、本来なら老――ガシッ!――・・・・・・・・・」

「フィリップ。今なんと言ったかな?もう一度言ってみなさい?」
「1200歳を越えたにも関わらず、その絶世の美しさとプロポーションを保っている」
「はい、良く言えました♪」


紫は笑顔だ。
眼が一切笑っていない笑顔だ。
顔の陰も微妙に強い笑顔だ。

だからこそ、怖い。

フィリップも絶対に”大丈夫”だと思える台詞を吐いた。
え、なにが大丈夫かだって?フィリップの生命以外のなにがある?


「お、おい、八雲。話が進まんから、フィリップを解放してくれない…か?」
「あら、ごめんあそばせ」

たじろぎながらもゼロの説得によって紫はフィリップの首筋から爪を離し、顔面をガッチリと捕らえていたアイアンクローを解いた。

「こ・・・怖かった・・・」
「フィリップ、これだけは憶えておくと良い」

床に座り込むフィリップにリインフォースが話しかけるが、それは決して助け舟ではなかった。

「ッ・・・ヒィ!!」
「女性にとって”おばさん”だの”バアさん”だの、そう呼ばれるのはこの上ない屈辱であることを・・・・・・!!」
「は、はいぃぃ!!」

リインフォースの邪悪な微笑みにフィリップはすくみ上がった。
紫同様、リインフォースは古代ベルカ時代、ようするに数百年前から存在している。
なので紫の心情はよーく理解できたのだ。

「それでフィリップ、リインフォースのエロボディ化の原因はなん――ボカン!――…また?」
「フン!このドスケベが!」

翔太郎、本日二回目のスリッパ攻撃をくらう。

「あ、あぁ。リインフォースの状態異常の元凶は”バグ・ドーパント”の仕業だ」
「ドーパントの仕業なのか!?」
「だがバグメモリとリインフォースにどう関係あるのかしらね?」

フィリップの検索結果に悠二と紫が尋ねる。

「…バグ・ドーパントはその名の通り、コンピューターのプログラムやシステムに強い影響を与えるコンピューターウイルスのような存在。リインフォースは記憶の魔導書の管制人格、要するに魔力によって実体化したプログラム体だからね。何者かが彼女の正体に気付き、刺客として送り込んできたんだろう」

「そういえば、急に体が……ゲホッ!ゲホッ!…グハァァ!!」
「リインフォース!!」

説明を受けた直後、激しい咳をし、とうとう吐血までしてしまったリインフォース。

「どうすれば回復するんだ!?」
「普通のワクチンプログラムじゃ到底通用しない。直接奴を叩くしかない」
「直接ってまさか…?」
「そう、リインフォースの体内に侵入して、潜伏しているバグ・ドーパントを倒すんだ!」

「「「えぇぇぇぇエエェェェェェ!!?」」」

フィリップの大胆な策に翔太郎・亜樹子・悠二は叫んだ。

「そうか、その手があったか」
「それなら上手くいきそうね」

ただ、ゼロと紫だけは平静にしていたが。





*****

園崎家・エントランス。

「それは本当かね?・・・村木大地(むらき だいち)君?」
「本当ですとも、園崎さん」

そこで琉兵衛は二十代前半と思われる青年と会話していた。

「イーヴィルの半身、リインフォースは既に我が手の者が侵食中。脱走した山城博士が探偵事務所に転がり込んでも、助けられる状態じゃありません」
「・・・だが、驚きだな。まさか異世界や魔法なんて、漫画やアニメの世界だけのことと思っていたが・・・・・・現実に存在するとは」

どうやら村上大地は魔法文化に詳しいようだ。
リインフォースの素性まで調べ、バグ・ドーパントを送り込んだのもコイツだろう。

「わかった。約束どおり君を若菜の婿候補にする」
「ありがとうございます」
「これからも、宜しく頼むよ」

琉兵衛は大地に金色のガイアメモリとガイアドライバーを渡して自室に戻った。
それが何を意味するかは明白だった。

「フハハハ、遂に手に入れたぞ。俺だけのガイアメモリを・・・!」

【KING COBRA】





*****

所戻って、ここは無限家。

ベッドに横たわったリインフォースの周囲には、
ゼロ、悠二、紫、ヴィヴィオ、ゼロがいる。

因みに、探偵事務所の面々は、ゼロがリインフォースを外に運んだ直後に現れた影の薄いナヨナヨした中年男が”家族を捜してくれ”という依頼をしてきたことで欠番となった。

恐らくその時は気付きもしなかっただろう。
その中年男がフィリップ・・・・・・園崎来人の記憶を消去した張本人、脳科学の権威・山城博士であることなどとは。

「では行って来る。魔界777ッ能力・・・弛んだ伸縮(イビルトーチ)
「なにそれ?ドラ●もんの秘密道具?」
「違う、魔界の懐中電灯だ。これから照射される光を浴びれば、全身の細胞が収縮する」
「いやスモールライトだよね?どう見てもスモールライトだよね?」

悠二はやんわりとツッコム。

「それじゃ、行きましょうゼロ」
「当然だな」
「おい無視か?」

――ピカッ!――

ゼロはスイッチを入れて紫と悠二をミクロサイズにまで収縮させる。

「パパ・・・、ママのことお願い!」
「言われるまでもない」

そしてゼロもミクロサイズになり、悠二と紫と一緒にリインフォースの体内に入り込んだ。





*****

「真っ暗だな」
「そうね、何も見えないわ」
「しかし、何故か真っ直ぐに歩いてる感じがして妙な気分だな」

体内に入って間も無く、三人は雑談開始。
そうして歩くこと三分。

「ん?おい、あれってなにかしら?」
「なんかあそこだけくっきりハッキリ見えるな」

向こう側には巨大な門と、その門に寄り掛かっている瀕死の白き鎧の騎士。

「おい!あんた大丈夫か?というかあんた何者だ!?なにがあったんだ!?」

色んな質問を一遍にする悠二。
騎士は閉じられたまぶたをゆっくりと開けた。

「・・・・・・・・・突然、現れた、ウイルスの軍勢と、戦って・・・・・・・・・」

途切れ途切れに騎士は話す。

「・・・・・・我がワクチン軍は壊滅状態。せめて、せめて国王にだけでも、逃げ延びて欲しい・・・。そして、ウイルス共を、打ち倒す仮面の戦士を・・・御捜し下さい・・・・・・と」

騎士は喋るたびに息が絶え絶えになっていく。
すると今度は懐からあるものを取り出す。
それは刃に龍の紋章が刻まれた笛型の長剣。

「こ・・・この、ドラゴンシンフォニーを・・・・・・」

ゼロはなにも言わず、ドラゴンシンフォニーを受け取る。

「・・・・・・た、頼む――――――」

それを最期に、白い騎士は息絶えた。

「大体解った。・・・私達の置かれた現状とリインフォースに体内で起きている異変」

ゼロはゆっくりと立ち上がり、騎士の目蓋を閉じさせ、安らかな表情にさせた。
そこにはさっきまでのギャグ雰囲気は一切ない。

「貴様ら、覚悟を決めな」
「あぁ!!」
「行きましょう・・・!」

亡き兄レイズの決め台詞を拝借して、場の空気を一気に締め上げた。
そして、冒険が始まる・・・!!



フォースクエスト・スタート

次回、仮面ライダーイーヴィル

Wキング!?/2【ふたり】

「この『欲望』はもう、私の手中にある・・・」

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