Kが求めたもの/尾【テイル】


運命がもし、天上の神々によって定められているとしたら、その神々は相当な悪戯好きに違いない。
この風都に現れたNEVERと新しい血族。
奴等の悪意とガイアメモリの力は、正に人間の『欲望』そのものだ。
その恐ろしさは、無残な姿となってしまった風都タワーが証明している。

だがしかし、それと同時に私は知った。人間たちが秘める希望と祈りの力を。
そして、メダルの戦士・・・・・・オーズとブライの存在を。





「ゼロ」
「なんだ相棒?」

自宅の自室にて、リインフォースは魔界電池を一つもしていないゼロに言った。

「やはり、私の魔力を」
「ダメだ。それだけはな」

――ピリリリリ!ピリリリリ!――

二人が話していると、マンティスフォンが現れる。
ゼロは電話にでた。

「・・・・・・あぁ、左か」
『無限。ミュージアムの核心に、辿り着けるかもしれねーぞ』
「なに?」

電話越しで翔太朗はいきなり本題に入った。

『とりあえず、星降谷に来てくれ。イーヴィルテイルを探さなきゃならねーんだ!』
「イーヴィル、テイル?」





*****

園咲家。

「♪〜〜〜、ミーック!」

琉兵衛は鼻唄混じりにミックを呼び出す。
その手にはミックの食事が持たれている。

「ニャー!」
「静かに」

そういうと琉兵衛は、スプーンを左右に振り、最後には前方に振り下ろしてみせた。
すると、ミックはすぐさまテーブルの上に座って大人しくなる。

「よろしい。さあ、とっておきのご馳走だ」

――ガツガツ!――

特別なご馳走を口いっぱいに平らげ、食事を満喫するミック。

「お父様、ご機嫌ですのね」
「ま、何故だかは、予想つきますけど」

そこへ若菜と大地が現れる。

「いよいよ君達が、地球と次元の中枢となる日がきたのだからね。だが、寂しくもある。花嫁の父の心境か、何時の間にか子供が巣立っていく親の心境かな?」
「まあ、戸籍上では俺と若菜は夫婦ですが、挙式はまだでしたからね」
「二人の結婚式が近いかと思うと気が気でならないよ」

琉兵衛は独り言のように呟く。

「ミュージアムのキングが、らしくないですわ」
「地球と次元さえも、我々は手中にしたと思えばいいんですよ」

そういって二人がいなくなると、

「・・・後は、イーヴィルテイルのみか。・・・食べたら、張り切って探してきておくれミック」





*****

星降谷発掘現場。
園咲琉兵衛はここで貴重な化石や遺跡を数多く発掘した。
そして付近の土地を買占め、自分の邸宅とした。

「お先に」

その発掘現場に向うべく、ゼロと翔太朗、そして依頼人の轟響子はロープに捕まりながらずんずんと降りていく。

「おー、流石。行動力の女」

その瞬間、

――ズン!――

「ふがッ!?」

上方から何かが翔太朗に激突し、その勢いでそのまま下に落ちていった。

「よし、着地成功」
(俺だけ、大惨事だぞ・・・!)

かなり手荒だが、これで三人とも準備OKである。

え?亜樹子はどうしたって?
ゼロがいるのに、あのバカの出る幕があると思いますか?

まあ、なにはともあれ、三人は屋敷の真下にある巨大な空洞に辿り着く。

「evil tail・・・直訳で悪魔の尻尾。寓話の題名とかによく使われる言葉だけど、一体なにを指してるのかしら?」
「ミュージアム関連でさえなければ、あのフィリップの検索で一発なんだけどなぁ」
「ではこれを使おう。魔界777ッ能力・・・飽くなき探求者(イビルダウジング)

ゼロは両手に全てのアルファベットが重なったような形状のロッドを持つ。
すると、ロッドの先端が勝手に延び始め、向こう側に向っていく。

「よし、あっちだ」
「相変わらず便利だな、魔界能力」





*****

地球の本棚。

フィリップはここでミュージアムについて検索していたが、フィリップの力をもってしてもミュージアム関連のデータには厳重が封印が施されていて、触ることさえままならない状態だった。

『やはりダメか。僕にはミュージアム関連の本を読むことはできない。リインフォースに頼むしか・・・』

フィリップが諦めて本棚から出ようとすると、

――ビュンビュンビュンビュン!!――

本が選出された。

『まさか、これが全部、ミュージアムに関した本・・・?』

MUSEUM
GAIA MEMORY
DOPANT

『ッ!Raito Sonozaki。・・・僕の全てがわかる本・・・!』

それを恐る恐る手に取るフィリップ。
しかし、

『・・・う・・・、うあ!?』

フィリップは本を読むことができず、意識が肉体に戻る。

『意気地がなーいんだ。折角セキュリティを外して本を読めるようにしてあげたのに』

そんなフィリップを、若菜はあざ笑っていた。





*****

一方。

「ここって、昔の発掘現場?地震かなにかで崩れちゃったのかしら?」

飽くなき探求者(イビルダウジング)で辿り着いたのは、やたらと岩や土砂が崩れた場所だった。

「さて、頃合だ。好い加減ロッドが開いたことだしな。左、ここだ」
「何度も言うけどさ。便利だなー、お前」

といいつつ、しっかりと掘っている翔太朗。

「もっと丁寧に!」
「はいはい」

響子の言葉を聞き流しながら掘っていると。

「ん?・・・これって」

出てきたのは一つの小箱。
そして小箱にはこう書かれていた。


evil tail


「やったな」
「でも鍵がかかってる。軽いけど、中身なにかしら?」

その瞬間、

『キシャァァアアア!!』
「怪物!?」
「早速お出ましか」

スミロドン・ドーパントが現れる。

翔太朗とゼロがドライバーを装着。





*****

ガレージ。

(やっぱり、読むべきだったんだろうか?そうすれば、僕の家族のことも全て・・・・・・)
「フィリップ、ドライバー」

考えふけるフィリップに、協力要請によってゼロと一緒に訪れ、今は事務所でスタンバイしていたリインフォースがドアを開けてフィリップに指摘する。

「翔太朗」
「こちらもだ」





*****

「顔なじみの組織の幹部だ」

【JOKER】

『あぁ、わかった』

【CYCLONE】

「相棒、いいな?」
『当然だ』

【LEADER】
【MAGICAL】

「「変身」」
「「変身」」

【CYCLONE/JOKER】
【MAGICAL/LEADER】

「仮面ライダー!?」

響子はまさか自分の同伴者が仮面ライダーだとは夢にも思わず、驚くばかりだ。
なにしろ仮面ライダーの知名度はAtoZ事件によって全国区とかしているのだから。

『早く、それを持って逃げろ!』

イーヴィルにそういわれ、戸惑いながらも響子は逃げる。
が、それを見す見す逃すスミロドンではない。

――バッ!――

凄まじいスピードで体当たりして小箱を落とさせ、それを拾おうとしている。

『キシャァァァアア!』
「やはりそれが狙いか」

【WISEMAN】
【MAGICAL/WISEMAN】
【XTREME】

イーヴィルはマジカルワイズマン。
WはCJXとなる。

「「プリズムビッカー」」

【PRISM】

Wはプリズムソードを抜刀すると同時に斬撃波を飛ばす。
しかしスミロドンは容易く避けてみせた。

Wは瞬時に地球の記憶とアクセスし、情報を探る。

「・・・・・・・・・・・・敵はSMILODON(スミロドン)だ。その全てを閲覧した」
「では、こちらもスピードで対抗だ」
『ソニックムーブ』

――瞬ッ!――
――ガシッ!――

イーヴィルの強化型ソニックムーブによって、スミロドンは羽織い締めをかけた。

「オラァァァ!」

――ザシュ!――

『ギシャァァァァ!!』
「よし、このままメモリブレイクだ!」

と、意気込んでいると、



テラーフィールドが出現する。



『ハッハッハッハッハッハッハッハ!君達がそれを見つけるとはな。返しなさい』
「これはまさか・・・」
『園咲琉兵衛、ミュージアムの首領』

「この声、まさか館長?」

『それは我等のガイアインパクトに、どうしても必要だ!』
『ガイアインパクト、だと?』
「ふざけんな!何する気か知らねぇが、街を泣かすマネは許さねぇ!」

そう言いつつも、本人達は気付いていなかった。
Wの左足と、イーヴィルの右足がすり足で少しずつ下がっていたのを。

「翔太朗、リインフォース。ここは一旦撤退だ。轟響子もいる」
「フィリップの言う通りだ」
「・・・仕方ねー」
『轟、いくぞ』

そうして皆は一斉に脱出する。

『ハッハッハ!まあ良い。イーヴィルテイルが見つかったのだからな』
『キシャァァア!』





*****

風都ホテル。

「ガイアインパクトって、ご存知ですか?」
「・・・なんの話?」

前ふりなく訊いてきた加頭に、冴子が当然の答えを返すと、加頭は持っているティーカップを落とした。

「その為に屋敷全てを人払いし、親子三人だけになっています。遂に動き出しますね、ミュージアムが」
「・・・ッ」

それを聴くや否や、冴子は部屋をでようとする。

「冴子さん。あまり無茶しないでくださいよ。大好きな貴女に傷つかれたら、私、ショックです」
「・・・・・・どうだか」

それだけ言い、冴子は部屋を出た。





*****

探偵事務所

ここには照井とヴィヴィオも来ていた。

「ガイアインパクト・・・か。組織の最終計画に違いない。そしてそれには、その小箱が必要」
「開けてみようよ」

ヴィヴィオが小箱に触れると、

「ダメ!乱暴に扱わないで!大事な資料だったらどうするの!?」

などと言い出した。

「・・・・・・響子さん。園咲琉兵衛は、この街に悪のメモリをばら撒く張本人です」
「あぁ、そうだ。そのためなら家族さえ切り捨てる悪魔なんだ!」

といった翔太朗だが、フィリップに気付く。

「すまん・・・つい・・・」
「いいんだ翔太朗。僕も、その事実を受け入れるべきだった。さっき、ちゃんと本を読んでいれば・・・」

「フィリップ・・・?」

「僕は読めるようになっていたんだ、自分の本を。でも、読めなかった。何故か、怖くて・・・」
「無理もねえ・それだけお前には重い一冊なんだ」

翔太朗がそういってる間に、

「それはいいが、轟がいなくなっているいのだが」
「え?」
「しまった!」

リインフォースの言葉を聞いてからでは、もう遅かった。

「走ればまだ間に合うよきっと!」

そうして皆は事務所から外に飛び出す。

「流石、行動力の女」
「・・・・・・もう四の五の言ってる場合じゃない。・・・読もう、僕の本を」




*****

風都博物館。
響子の勤務先であり、ミュージアムの首領・園咲琉兵衛が持つ拠点の一つである。

轟響子は、琉兵衛に対して疑問をぶつける。

「館長、お聴きしたいことがあります。・・・貴方は――」
「見たまえ轟君。この地球で絶滅した生物は数知れない」

琉兵衛は無理やり話をズラし始めた。
いや、いきなり本題にはいってるのやもしれない。

「人類もこのままいけばその例外ではないだろう。だが、人類が未来永劫地球の種となる夢がとうとう叶う。・・・地球と一つになるのだ!ハハハハハハハハ!」

「・・・・・・・・・」
「その箱は、その為に必要なんだ。さぁ、渡しなさい」
「渡しちゃダメだ響子さん!」

そこへ翔太朗達が乱入する。

「初めまして、無限ゼロ君にリインフォース君。それにヴィヴィオ君。とでもいうべきかな?あの時は挨拶してる暇がなかったからね」
「知るか」

ゼロはあっさりと突っぱねる。

「そうか。・・・では、ここで会うのは二度目だね、左翔太朗君。そっちは文音――否、シュラウドの操り人形君か」
「黙れ!そう簡単にはお前の思い通りにはさせんぞ!」
「そうだ。この街の涙は俺たちが拭う」
「お前の野望、悪いが地中に埋まってもらう」

そういった瞬間、琉兵衛は鋭い眼つきで翔太朗とリインフォースの目を直視する。
すると、

「「ッ!」」

二人の表情と雰囲気が変わった。

「ママ、どうしたの?」
「わ、わからない・・・急に心が、凍えるような」
「左君もリインフォース君も、耐性がないからね。ヴィヴィオ君はテラーをまだ見てないから、まだ大丈夫なんだろうが」
「どういう意味だ?」

ゼロは意味深な言葉に問う。

「操り人形君は立場上、無限君は生態上の理由であったが、左君は私がミュージアムの頭目と知って尚その核心に触れようとしなかった。違うかね?」
「・・・・・・・・・」

翔太朗に返す言葉は無い。

「君の体は、私への恐怖で無意識に、我が屋敷との接触をさけていたのだ」
「成る程、名称通りだな。・・・テラーの能力は、恐怖心の増幅」
「正解だ。魔界育ちの君には無縁だろうがね。・・・ミック!」

『キシャーーー!!』
「ヒャッ!」

スミロドンは響子を追いかけ始めた。

「いかん!」
「ッ!」

【ACCEL】
【HOPPER】

「変、身!!」
「変身!」

【ACCEL】
【HOPPER】

二人はアクセルとホッパーに変身して追いかける。

「相棒!」
「あ・・・あぁ・・・」

リインフォースもゼロに渇を入れられ、手を引っ張られて如何にかこうにかで走っていく。
しかし、翔太朗は・・・。

「初めて私の姿を見たときから、君は既に負けていたんだ。私の恐怖、テラーにね」
「・・・・・・・・・・・・」

崩れ落ちる翔太朗。

「ハハハハ。ハーッハハハハハハハ!!」





*****

地球の本棚。
そこでフィリップは”Raito Sonozaki”を読んでいた。



園咲来人は、園咲家長男として、父・琉兵衛、母・文音の間に生まれる。
当時長女冴子は13歳。次女若菜は5歳。
3歳の頃にして、琉兵衛にブリティッシュ・ショートヘアの猫を飼ってもらい、来人自身が「ミック」と命名。
5歳の時、父・琉兵衛が地球意思との接触ポイントを発見。「泉」と命名されたこの場所を中心に科学施設化する。一ヵ月後、来人はその中に誤って落ち――――

(僕は・・・僕は・・・)

フィリップは信じたくなかった。余りに、余りに残酷な真実を。

「う、嘘だ・・・・・・そんなことが」

意識が半分体に戻ったフィリップは呟く。

――トントン――

「フィリップ君どうしたの?・・・フィリップ君!」
「うあッ!?」
「だ、大丈夫?」

取り乱すフィリップを案ずる亜樹子。
が・・・、

「うわああーーーッ!!」

フィリップは乱心し、事務所を飛び出してしまった。





*****

その頃、アクセル&ホッパーVSスミロドン

「速いな・・・」
「なら、これだ」

【TRIAL】

「全て、振り切るぜ!」

【TRIAL】

アクセルはスピード重視のアクセルトライアルにメモリチェンジ。

そしてそのタイミングでこの2人がくる。

「いくぞリインフォース」
「・・・・・・了解だ」

【SONIC】
【LEADER】

「「変身」」

【SONIC/LEADER】

「いっきに行くぞ」

【EVIL/SONIC・MAXIMUM DRIVE】

イーヴィルはツインマキシマムで最高スピードを発揮し、スミロドンと互角の勝負を繰り広げる。

「速い・・・!俺たちの割り込む隙すら・・・」
「確かに・・・」

「無限・・・」

2人がそういってると、ふらつきながらも翔太朗が到着する。

「しょ、翔太朗!・・・翔太朗、僕は・・・僕は・・・・・・」

さらにはフィリップまでもがやってくる。

「・・・無限・・・」
「え・・・?」

フィリップはイーヴィルの戦いを振り返って目撃する。

「ッ!なにをしてるんだ翔太朗!?変身だ!・・・翔太朗!!」
「――ッ!いけねぇ。俺はなにをボーっとして・・・・・・いくぜ、フィリップ」
「あぁ」

【CYCLONE】
【JOKER】

「「変身!」」

【CYCLONE/JOKER】

ここへきて漸くWが登場する。
そうしてイーヴィルと一時的にバントンタッチしてスミロドンと対峙する。

「なんか手はねーのか?」
『僕に任せて』

【METAL】
【CYCLONE/METAL】

『メモリの使用者を人間と想定していたのが僕らの落とし穴さ』

Wはメタルシャフトを手に取り、

『ミック、静かに』

シャフトを左右にふり、前方に振り下ろす。

『・・・・・・・・・』

すると、スミロドンが急に大人しくなった。

「よし、私達がメモリブレイクする」

そこへイーヴィルがトドメを買って出る。

【MAGICAL/KNIGHT】
【MANTIS】

マジカルナイトとなり、ナイトグレイブにマンティスフォンを直結。

【EVIL/KNIGHT・MAXIMUM DRIVE】

ナイトグレイブの先端部分の刃は魔力のエネルギーを帯び、まるで死神の処刑鎌の如き形状となる。

「『ナイトマンティス、エクスキューション』」

そして、その処刑の刃を、ミュージアムの処刑人(バニッシャー)のガイアドライバーに振り下ろす。

「『これで決まりだ』」

――ドガァァァアアン!!――

爆発が激しく巻き起こった。
そしてそれがおさまると、そこには破壊されたガイアドライバーとスミロドンメモリと、

「ニャー」

ミックだった。

「猫が、組織の幹部だと・・・・・・」
「んなアホな・・・」

意外すぎる真実を目の前に、アクセルとホッパーは脱力した。

「どういうことだフィリップ?」
「あれは一体なんだ?」

質問しながら、Wとイーヴィルは変身解除する。

「さっきのポーズは、ミックに特別なご馳走を与える時のものさ。園咲家独特のね」

フィリップは説明し、ミックを抱きかかえる。

「ミックは元々僕の飼い猫だった。・・・これでもう、ドーパントになることもないよ」
「フィリップお前・・・、本を読んだのか」
「あぁ・・・、全てを知った。・・・・・・僕は――」

その瞬間、この場にいる全員に寒気が走った。

それを表すように、向こう側にある階段にはテラーフィールドが生成されていた。

『おめでとう来人!』
「ミャーーッ!!」

ミックは恐怖心か忠誠心ゆえか、フィリップの手から離れてしまう。

『漸く己の使命を知ったな』
「どういう意味です!?」
『お前とイーヴィルテイルが揃えば、私の望み――ガイアインパクトが実現する』

テラーは白昼堂々とフィリップに宣告した。

「相棒、もう一度・・・・・・・相棒?」
「・・・・・・・・・・・・」

ゼロが呼びかけたとき、リインフォースの体は震えていた。
ベルカが戦乱の時代のときより存在し、数多もの血を、惨劇を見てきた彼女がだ。

「翔太朗、変身だ!」
「・・・・・・・・・・・・」
「翔太朗!!」

そして、翔太朗もまた然り。

『彼らはもう、終わってるよ来人。二度と私に立ち向かうことはできない』

【JET】

「インパクトキャノン!」

その瞬間、衝撃波と魔力砲撃が打ち込まれるも、テラーは咄嗟にテラーフィールドで防御する。

「生憎だが、俺にはそいつらほどの効果は無いぞ」
「私もまだ、恐怖に染まって無いよ」

しかし、テラーはアクセルに向ってこういった。
しかもホッパーを無視してだ。

『あぁ、そういう体質らしいね君は。だが、テラーを精神攻撃のみのドーパントと思うかね?』
「なに?」
『ムウゥゥン!!』

唸りをあげた途端、テラーの頭にかぶせられていた力の源・テラークラウンは、発光しだした。
そして、

『ヴアアアアアアア!!』

その腹にテラーフィールドの源たるテラークラウドを満載した邪悪な蒼き龍!
魔竜テラードラゴンとかして、アクセルを襲う。

【OVER】

「限界を、振り切るぜ!」

【OVER】

アクセルはテラードラゴンに噛み付かれる直前に、装甲と腕力に特化したアクセルオーバーにメモリチェンジする。

『君は噛み砕いてさしあげよう。物理的にね』
「ほざけ!只でやられてなるものか!!」

トライアルで噛み付かれた原作と違い、今回はアクセルオーバーの分厚い装甲と、強烈な腕力のおかげで、悪態をつけるだけの余裕があった。

【SANCTUARY】

「照井さん。加勢します!」

【SANCTUARY】

そこへホッパーサンクチュアリとなったヴィヴィオはアクセルと共にテラードラゴンを倒そうとするも、

「そうは問屋が卸さないぜ」

【KINGCOBRA】

大地がキングコブラ・ドーパントとなって阻む。

『中々やるね、仮面ライダー諸君』

テラーも原作と違って、ライダー達のことを評価する。
そんなテラーを物陰でみる人影が・・・。

「あの怪物が、館長・・・!?」

轟響子だった。

――ガシッ――

「お父様、こそ泥よ」

そこへ若菜が響子の肩をガッチリと掴む。

「は、放せ!」
「あ、そう」

若菜は響子を突き放した。突き飛ばしたという表現もあるが。

『おぉー、イーヴィルテイル』

突き飛ばされた際、地面に転がった小箱を見て、テラーは歓喜する。

「「ッ!」」
「マズい!」

翔太朗もリインフォースもゼロも、この状況に危機感を感じずにはいられない。

「・・・来人、一緒にいらっしゃい。読んだはずよ自分の本を」
「あんなの・・・・・・あんなの嘘だッ!!!!」

フィリップが肺の空気を全て吐き出さん勢いで叫ぶも、テラーが残酷に告げた。

『嘘ではない。お前は死んだのだ、十二年前に』
「「ッ!?」」
「バカな・・・!?」

「どういうことだよ・・・?フィリップ・・・」

翔太朗が辛うじて質問する。

「・・・・・・今あの人が言ったとおり、らしい。・・・翔太朗。僕はもう、死んでいる」




次回、仮面ライダーイーヴィル

Gの力!それは希望と祈り/宴【ばんさん】

これで決まりだ!


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