プロジェクト・AtoZ/心【しんねん】


探偵事務所に乗り込んできたレイカ。
その猛攻に翔太朗は苦戦する。

「折角だからあんたの泣きっ面を見に来たわ。今頃相方さん達も克己達がおさえてるでしょうね」
「フィリップが・・・?ありがたい。丁度居場所を知りたかったところだ。御転婆のファイアーガール。・・・あ、でも死んでるクールガールかな?」
「あんたって意外に腹立つ!」

自分たちの低体温を気にしていたレイカは、それを指摘されて気分を害した。
レイカは翔太朗に後ろ回し蹴りを食らわせると、

【HEAT】

ジャージのジッパーを下ろしてヒートメモリを鎖骨のコネクタに挿す。
そして熱き記憶のヒート・ドーパントなった。

『この冷たい死体(からだ)がイヤで、きっと私のHEAT(ヒート)と惹き合ったんだ!』
「メモリと、惹き合う・・・?」

ヒートは翔太朗の胸倉を掴みながらそういった。

「うっ・・・!!」

ヒートの高温に苦しむなか、此間から雨漏りの原因となっていた天井の穴に視線が向くと、そのまま視線は穴の直下へ。
そこにはある物が・・・・・・。

「まさか・・・ここに・・・?」

翔太朗は最後の逆転の鍵の一つを見つけ出した。
そしてヒートが手を放して蹴りを入れてくる瞬間に逃れ、身体を転がらせながらそれを掴む。

「ここに来てたのか・・・・・・最後の三本の内一本が、コイツだったなんて・・・」

翔太朗は勝機を見出した。
師匠から託された物と天から与えられた物によって。

「どうやら切札は、常に俺んとこに来るようだぜ・・・!」

【JOKER】

事務所に落ちてきていたのはT2ジョーカーメモリ。
運命的なことに翔太朗が最も愛用する物と同じメモリだった。

ロストドライバーを装着してスロットにT2ジョーカーをインサート。
そして構えをとり、

「変身・・・!」

左手でスロットを展開すると同時に、拳にしていた右手の指もJ字型にした。

【JOKER】

Wと同じ姿形だが、身体の正中も基本色も黒一色で、赤い複眼にW字型の触覚が俄かに光った。
そうして彼は、黒い切札(ジョーカー)たる格闘者へと変身したのだ。

『お前は・・・!?』
「仮面ライダー・・・・・・ジョーカー」





*****

マンション屋上。

「我が身の全てはシックスの為だけに在る。だから貴方を殺し、その命とメモリをあの御方に捧げるわ」

【CHARM】

メモリが起動され、ジェニュインの豊満な胸の谷間に挿しこまれる。

『ウフフフフ♪』

魅惑の記憶のチャーム・ドーパント。

「ハッ・・・貴様等如きにくれてやるものなど、なに一つとしてないな」

悪態をつきながらEXドライバーを装着するゼロ。

「あるとすれば、黄泉路への片道切符だけだな」

【LEADER】
【XCELION】

起動された二つの記憶(メモリ)
デュアルが意図的に持ってきたのであろうとしか思えないこの組み合わせは、ゼロが愛用してきたメモリとEXドライバーの起動キーと言えるメモリであった。

2本のメモリはスロットにインサートされる。

「変身」

【LEADER/XCELION】

イーヴィルと同じ姿をしていながら、身体の正中も右半身も左半身も紫色で、緑色の複眼の上にある横倒しにされたE字型の触覚が鈍く光る上、首からは二枚の黒いマフラーが風になびく。

極致の統率者、とも言える彼の名は・・・!

「仮面ライダー・・・・・・リーダー」

静かに、そして雄大に彼は名乗った。

『ふーん。でもコイツらが相手ならどうかしら?』

――バシンッ!!――

チャームが鞭で屋上の床を叩くと、階段のドアから多数の人間達がぞろぞろと出てきた。
皆、かなり虚ろな目をしている。

「ほう、ネウロから話は聞いていたが、流石の扇動ぶり・・・というわけか」
『そうね。でも以前の私でも人間を下僕にするには、ちょっとした仕草と言葉が必要だった。だけどこのチャームの力なら、そんな手間もかけることはないわ』
「洗脳に特化したメモリか。魅惑(チャーム)とはよくいったものだ」

リーダーは呟くように感心の言葉を出した。

『貴方達魔人にとって、人間一人一人は貴重なんでしょ?ならばその人間達を殺すことはしない筈。多少の痛みでは気絶しないくらいに私に熱中しているこの仔達を、果たして貴方は殺せるのかしら?』

チャームはリーダーを―――魔人をあざ笑う。

「下らん」

吐き捨てるようにリーダーがいうと、彼は一直線に前進して、操られた人間達にキックやパンチを食らわせ始めたのだ。
しかもやられた人間達は痙攣のようなものを起こしながら倒れていき、起き上がりそうに無い。

『なッ・・・!?』
「知っているかジェニュイン?人体の中には、神経が束になっている部分が数多くある。そこを的確かつ同時に攻めれば、糸も簡単に人間は動けなくなる。洗脳症状の重い者には心拍が急激低下する部分を突いた。まあ・・・想像以上に人間には弱点が多いのだ」

とうんちくを語るリーダー。
この時にチャームは悟った、戦法を間違えたと。
いや、そもそも自分の力でこの男に有効な戦法などつくれる筈もなかったと。

以前ジェニュインは自分の領域で待ち構えたことによって攻勢に出たネウロの圧倒的攻撃力に前に敗れた。ならば今回はこちらから出向いてきたのだが、ゼロは生身の人間が正気を失った状態で襲い掛かってきた場合の対処法をネウロからHAL事件を聞かされた時から考えていたのだ。

それゆえにこのような手段をもってして、自分とチャームの攻守を逆転させることに成功させたのである。
そしてリーダーが最後の一人を床に倒れ伏せさせると、その視線はチャームに向う。

「どうした?その御自慢の鞭は飾りか?」
『ふ、ふざけるな!!』

チャームは思い切り鞭を振るうが、それはリーダーの手によってガシっとつかまれる。

「あらよ」

――ブンッ!――

『キャアアアアアアアア!!』

そして掴んだ鞭ごとチャームをぶん投げた。
フェンスを突き破り落下していくチャーム。
まあ、ドーパントだからどうにか生きているだろうし、死んでいたら手間が省けるというゼロらしい考えだった。

「さてと・・・」

とりあえず下を除いてみると、

『くっ・・・うっ・・・』

どうにかこうにかで生きているチャーム。

「フムフム」

リーダーは少し考えて、ピョンとマンションから飛び降りた。
両脚をチャームに向けた状態で。

『ッッ!!』

チャームもリーダーの急接近に気づいてそこを退いた。
するとリーダーは首から棚引いている二枚の黒いマフラーを触手のように伸ばし、どっかに引っ掛けて軟着陸した。

「さーて・・・屋上から左の姿も見えたことだし、私も奴と合流するか」

――ガシッ――

リーダーはチャームの腕を掴み、

「もう一丁!」
『またかぁぁあああぁぁぁああああ!!!』

もう一度ぶん投げた。





*****

一方、とある川で、ジョーカーとヒートが肉弾戦を行っていると、

『アアアァァァああああぁぁぁぁあああああ!!!!』
「『ん・・・!?』」

いきなり聞こえてきた悲鳴。
そして、

――ズドンッ!!――

チャームが空から降ってきた。というか、投げ飛ばされてきた。
川といっても水位は決して高くない川なので、地面に直撃してしまっている。

「おぉ!我ながらナイスコントロール!」

なんて言いながらこっちに走って来るリーダーを確認すると、

「『(なにコイツ?どこをどうやった!?)』」

ジョーカーもヒートもそう思っていた。

「おい左。お互い単独変身したんだ。同時攻撃でしとめるぞ」
「お・・・応!」

「「これで決まりだ!」」

【JOKER・MAXIMUM DRIVE】
【XCELION/LEADER・MAXIMUM DRIVE】

ジョーカーはT2メモリをマキシマムスロットにインサート。
リーダーも、2本のメモリでツインマキシマムを行う。

「「ライダーダブルキーック!!」」

昭和風にいうなら、ジョーカーライダーとリーダーライダーの二人が渾身の力を込めて発動した必殺キックは、ヒートとチャームを吹っ飛ばした。


――ドガァァァアアアァァァァン!!!――


激しい爆発による爆炎を背景とするダブルライダー。
メモリブレイクこそはしないものの、変身が強制的に解除されたレイカとジェニュインは苦しそうな表情のまま、身体の力が抜けていった。





*****

風都タワー内部。
エクスビッカーとエクセルーラーが設置されたその場所で、フィリップとリインフォースは目覚めた。

フィリップは何時の間にかNEVERのジャージに着替えさせられており、エクスビッカーの椅子に座らされ、何十本ものケーブルや頭と両腕の拘束具で身動きがとれない状態だ。

リインフォースのほうは服装こそ普段どおりだが、身体中を特殊金属の鎖で雁字搦めにされている上、記憶の魔導書をエクセルーラーにセットされている。

「今お前らは、エクスビッカーとエクセルーラーの補助回路の役割を果たしている」
「データ人間とでも言うべき君達の頭脳と肉体が、Twin AtoZメモリの力を最大増幅する」

克己とシックスは説明する。

「随分と、大掛かりなことをするな?」
「これに利用するつもりで、僕らに近づいたんだな?」
「あぁ、彼女(マリア)と本城氏の発案さ」
「「・・・・・・・・・」」

そういわれたとき、マリアと二三男は視線をそらし、フィリップもリインフォースは黙ってしまった。





*****

その頃、この街を護る戦士たちは・・・・・・。

「んじゃ行くかぁ」
「奴らに目にモノを見せてやる」

皆はバイクに跨ろうとするが、その直前で、

「死ぬなよ、照井」
「貴様らもだぞ。ディアン、ヴィヴィオ」

翔太朗とゼロが仲間をきにかける。

「知らないのか?・・・俺は死なない」
「あぁ、必ず勝って帰る」
「花火大会、絶対に間に合わせたいしね」

三人はそう答えた。
そして照井はディアブロッサにまたがると、

「所長、夜までには終わらせる。・・・花火を見よう」

といって亜樹子の頭を撫でた。

そして五人はイビルホイーラー、ハードボイルダー、ディアブロッサ、リベンジャー、テンペストに乗って行った。

「皆ァァ!!死なないでねぇぇ!!」
「ちゃんと全員帰ってきてよぉ!!」

亜樹子と御霊は精一杯声を出した。





*****

それから風都タワー前では、賢と京水とヴァイジャヤと葛西とDRがメモリの受付を行っていた。
とはいうものの、受付役をしているのは実質的に京水と葛西の2人で、賢はただ黙って壁に背を預けているし、ヴァイジャヤもDRも面倒臭そうにしている。

京水と葛西は市民達がこれぞとばかりに集めてきたメモリを見るなり不機嫌になる。

「もうミュージアムのメモリばっかりじゃない!全然期待できないわ!!」
「火火火・・・・・・って、笑えたもんじゃないぞ?」

などと怒鳴ってたり呆れてたりしていると、


――ブゥゥゥウウウゥゥゥゥン!!!!!――


バイクのエンジン音に皆は、視線を向こう側に釘付けにした。
こちら側に向ってくる五機のバイクにのった五人。

その内の二人は、

【JOKER】
【LEADER】

「「変身・・・!」」

【JOKER】
【LEADER/XCELION】

変身しながらバイクを走らせる。
市民たちは一斉に逃げ出してしまった。

「まさか・・・仮面ライダー・・・!?」
「らしいなぁ」

【LUNA】
【FLAME】

京水は幻想の記憶のルナ・ドーパントとなり、葛西が火炎の記憶のフレイム・ドーパントになると、

『ワタシが愛してあげる!えぇーい!』

マスカレイドの分身を多数つくりあげた。

「皆、今すぐバイクを止めろ」
「「「「は・・・?」」」」

リーダーのいきなりの発言に皆は意味を理解できない。

「いいから止まれ・・・!今すぐだ・・・!」
「「「「は・・・はい!!」」」」

リーダーの凄んだ声に、四人はリーダーと同じタイミングでブレーキをかけた。
そして、リーダーがイビルホイーラーの収納スペースからリモコンを取り出し、なにやらパスワードを入力して大き目のスイッチを押した途端、



――ボガァァァアアアァァァァン!!!!――



「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』

皆は二の句が告げられなかった。
だってリモコンのスイッチが押された瞬間、マスカレイド達がいた地面周辺が木っ端微塵に爆発するなんて誰が予想し得るのだろうか?

「あの、パパ・・・今のって・・・?」
「あぁ。こんなこともあろうかと、前々から街中に仕掛けておいた隠密製の超強力小型爆弾だ。設計と開発は勿論この私だ」

ヴィヴィオの質問にリーダーは仮面の下でドヤ顔状態で説明する。

「いやお前なに犯ってるんだよオイ!!?」
「最早見過ごせるレベルかこれは!!?」
「何時の間にあんなものを街中に仕掛けた!!?」

ジョーカーも照井もディアンもしっちゃかめっちゃかに言いまくった。

「そういうな。現にこうして役立っているではないか。この状況を考えると、ミッドに残ってる奴もまだ・・・・・・」
「ちょっと待て!ミッドにも仕掛けてあるのか!?どこにどれだけやったんだ!!?」

もうシリアスな雰囲気もクソもない状況だ。

「ま・・・まぁ、これで兎も角、突破口は開けたはずだし・・・ね?」
「・・・・・・そうだな。左、無限、ここは俺たちに任せて上を目指せ」

ヴィヴィオの発言から照井にかけてまで、漸くシリアスが復活してきた。

「お前ら大丈夫なのか?」
「俺に質問をするな」
「・・・だったな」
「では頼んだぞ」
「任せておけ、ここは我等が抑える」

そうしてジョーカーとリーダーは風都タワーに走っていった。

すると、

【TRIGGER】
【AQUA】
【YGGDRASIL】

「・・・ゲームスタート・・・」
「懲りずにやってきたなダニ共めが!」
「随分派手にやってくれたね、かなり腹が立ってきたよ」

生身によるドーパント戦が始まった。




*****

風都タワーに侵入したジョーカーとリーダー。
そこへ、

――ブォン!――
――シュバババ!!――

棍棒と人体ドリルが二人に襲い掛かる。

それは言うまでも無く剛三と・・・・・・
身体中に刃を突き刺した状態で身体を高速回転させてドリルとなっていたテラ。

「メタルにテラか」
「いくぜ、マッチョマンにハンサム野郎」

【METAL】
【GROUND】

剛三とテラは背中と頬にメモリが挿されたことで、鋼鉄(闘士)の記憶のメタル・ドーパントと地面の記憶のグラウンド・ドーパントとなる。

メタルとグラウンドの圧倒的パワーと機動力に、ジョーカーとリーダーは何度も何度も壁や柱を壊していってしまったが、それでも二人はめげたりしない。
好機を狙い待ち、メタルの棍棒とグラウンドの身体の刃が壁にめり込んだところで、キックで距離を離した。

「勝負だ・・・!」
「見切れるかな?」

【JOKER・MAXIMUM DRIVE】
【XCELION/LEADER・MAXIMUM DRIVE】

「「ライダーダブルパンチ・・・・・・!!」」

二人が構えると、

『面白い、受けて立とうじゃないか・・・!』
『俺もだぜ・・・!』

メタルとグラウンドがのってきた。

そして、

「「オォォオオォォォオオオ!!」」
『『ヤアアァァァアアア!!』』

二組のダブルパンチが交差したとき、

――スカ・・・ッ――
――バギ・・・ッ!――

ジョーカーとリーダーの拳だけが届いた。
メタルとグラウンドの顔面は醜く歪んでいき、

『ボクの、顔がぁぁあああ!!』
『ぐあああぁぁぁぁあああ!!』

爆発が起こり、メモリが排出されたことで人間形態に逆戻りした剛三とテラは、体力を使い果たして動けなくなった。




*****

風都タワー中枢。
ジョーカーとリーダーは強引に扉を殴って開けた。

「翔太朗!」
「ゼロ!」
「助けに来たぜ」
「もう少し待ってろ」

すると、

「最後のメモリを持ってきてくれてありがとう」
「皮肉を込めて感謝するよ」
「ふざけんな!貴様フィリップ達になにを!?」
「返答次第ではタダではすまさんぞ!」

聞く耳もたずといわんばかりに、克己もシックスもロストドライバーとシングルドライバーを装着。

【ETERNAL】
【IMMORTAL】

そしてライダーに変身する。
そこからの戦況は、ハッキリ言って悪い。
最初はどうにかこうにか対等に渡り合っていたが、やはりゼロは魔人の記憶(イーヴィルメモリ)の恩恵を受けられないのが一番キツいようだ。
とはいっても、魔人でしか扱えないような超限定的なメモリを管理局が態々再現するはずはない。

死の淵から蘇ったことで強化された肉体に、様々な戦場を駆け抜けた経験と、人間の新種とさえ言える悪意の強さ。戦闘経験もテクニックもメモリの性能も、完全に向こうのほうが上だ。

敵は武器を持たず、こちらと同じく純粋な格闘戦をしていて、ジョーカーとリーダーの圧倒しているのだ。先ほども言ったように、戦闘経験とテクニックと性能と・・・・・・そして悪意によって。

「T2を使ったところで、俺たちとの差は埋まらん」

エターナルとイモータルは、盤上に安置していたT2のうち、一本ずつを手に取る。
そして起動した。

【UNICORN】
【UNICORN・MAXIMUM DRIVE】

「なに・・・!?」

ユニコーンメモリの力で拳に一本角を連想させるエネルギードリルが発生し、エターナルはその拳をジョーカーにぶつけた。

「うあぁぁああ!!」
「左ッ!」

吹っ飛ばされたジョーカーは、メモリがスロットから抜けて変身解除されてしまう。

「後はお前のメモリだけだ、仮面ライダーリーダー(極致の統率者)
「・・・・・・・・・ッ!」

【XCELION/LEADER/MAXIMUM DRIVE】

「電光ライダーキーック!!」

片足を思い切り突き出して敵に必殺キックを叩き込もうとする。

【MAGICAL】
【MAGICAL・MAXIMUM DRIE】

イモータルはT2マジカルメモリを使い、目の前に強力な魔力障壁を展開。
バチバチという音を立てながら、リーダーの電光ライダーキックと張り合っている間に、

【HOPPER】
【HOPPER・MAXIMUM DRIVE】

――バリィィィィン!!――

障壁が割られた瞬間、今度はT2ホッパーメモリを使い、脚力を極限まで強化して

――ズドォォオオォォォン!!――

「グォォアアア!!」

見事な回転蹴りによってリーダーをぶっ飛ばし、変身を強制解除させる。

「どうかな?相棒と愛娘のメモリの(ちから)は?」

皮肉たっぷりにそう言いながら2本のメモリを回収するイモータル。

「A〜to〜Z――漸く全てのメモリが揃った」
「計画の最終段階の始まりだ」

エターナルとイモータルは、あるメモリを一本ずつ、エクスビッカーとエクセルーラーのマキシマムスロットにインサートする。

【ZONE・MAXIMUM DRIVE】
【PSYCHO・MAXIMUM DRIVE】

それが発動した頃、京水・賢・葛西・DR・ヴァイジャヤの使っていたT2メモリが自動的にこの場所に集まってきた。
そして先ほど回収した三本と、彼ら自身が今使っているメモリ―――T2は全て例外なく、エクスビッカーとエクセルーラーのマキシマムスロットに集まっていく。


【ACCEL・MAXIMUM DRIVE】
【BIRD・MAXIMUM DRIVE】
【CYCLONE・MAXIMUM DRIVE】
【DUMMY・MAXIMUM DRIVE】
【ETERNAL・MAXIMUM DRIVE】
【FANG・MAXIMUM DRIVE】
【GENE・MAXIMUM DRIVE】
【HEAT・MAXIMUM DRIVE】
【ICEAGE・MAXIMUM DRIVE】
【JOKER・MAXIMUM DRIVE】
【KEY・MAXIMUM DRIVE】
【LUNA・MAXIMUM DRIVE】
【METAL・MAXIMUM DRIVE】
【NASCA・MAXIMUM DRIVE】
【OCEAN・MAXIMUM DRIVE】
【PUPPETEER・MAXIMUM DRIVE】
【QUEEN・MAXIMUM DRIVE】
【ROCKET・MAXIMUM DRIVE】
【SKULL・MAXIMUM DRIVE】
【TRIGGER・MAXIMUM DRIVE】
【UNICORN・MAXIMUM DRIVE】
【VIOLENCE・MAXIMUM DRIVE】
【WEATHER・MAXIMUM DRIVE】
【XTREME・MAXIMUM DRIVE】
【YESTERDAY・MAXIMUM DRIVE】


財団X製のAtoZのT2ガイアメモリ。


【AQUA・MAXIMUM DRIVE】
【BLASTER・MAXIMUM DRIVE】
【CHARM・MAXIMUM DRIVE】
【DARKNESS・MAXIMUM DRIVE】
【ELEMENTAL・MAXIMUM DRIVE】
【FLAME・MAXIMUM DRIVE】
【GROUND・MAXIMUM DRIVE】
【HOPPER・MAXIMUM DRIVE】
【IMMORTAL・MAXIMUM DRIVE】
【JOINT・MAXIMUM DRIVE】
【KNIGHT・MAXIMUM DRIVE】
【LEADER・MAXIMUM DRIVE】
【MAGICAL・MAXIMUM DRIVE】
【NAIL・MAXIMUM DRIVE】
【OMEGA・MAXIMUM DRIVE】
【QUERZALCOATLUS・MAXIMUM DRIVE】
【ROGUE・MAXIMUM DRIVE】
【SONIC・MAXIMUM DRIVE】
【TRICK・MAXIMUM DRIVE】
【ULTIMATE・MAXIMUM DRIVE】
【VANITY・MAXIMUM DRIVE】
【WISEMAN・MAXIMUM DRIVE】
【XCELION・MAXIMUM DRIVE】
【YGGDRASIL・MAXIMUM DRIVE】
【ZODIAC・MAXIMUM DRIVE】


そして時空管理局製のアナザーT2メモリ。


「「うああああああああああああああああああああ!!!!!!」」

26本のガイアメモリの増幅器にされていたフィリップとリインフォースには凄まじい負荷がかかり、二人の悲鳴は、エクスビッカーとエクセルーラーが発する光のように、天まで届く勢いだ。

そんな二人のことを無視して、克己とシックスは中継カメラを作動させて再び風都とミッドでのTVジャックをする。

「風都とミッドの諸君、朗報だ。これから街に光が満ちる時・・・諸君らは、死ぬ」
「エクスビッカーのある此処風都は勿論、エクセルーラーによってその光はミッドチルダにも降り注ぐだろう」
「エクスビッカーの光が、諸君らの肉体を変質させ、俺たちと同じ、不死身の怪物へと変えてくれるだろう」

そして、克己とシックスは決めセリフとともに、例の仕草をする。

「さあ市民諸君、地獄を楽しみな・・・!」
「そして、苦痛を味わいなさい・・・!」

その一言を皮切りに、風都もミッドも、混乱と恐怖が入り交ざる。

「それが貴様等の本当の目的とはな・・・!」

ゼロが悪態をついていると、後ろから弱弱しい足音が聞こえてくる。

「お前ら・・・・・・」

レイカとジェニュインだった。

「克己・・・助けて・・・可笑しいんだ。身体が維持できない・・・」
「シックス。敗北した罰は後で幾らでも受け入れます。しかしこれは・・・?」

説明と助けを求める二人に、悪党二人はこう言って、

「当然さ。お前らは負け犬だからな」
「もう用は無い。潔く消えなさい」

二人を殴った。
それを機に、身体中に血管を浮かばせて、力なく倒れていくレイカとジェニュイン。

NEVER(不死兵士)といえども、必殺技(マキシマム)に敗れれば塵に帰るさ!」
「我々もまた、本城が隠密(スパイ)を使って得た財団Xの資料から、NEVERのそれを見つけたことで蘇った。ここまで言えば理解できるだろう?」

つまり、レイカもジェニュインもここまでということだ。

「お前らの代わりなんてこれから幾らでも造れる」
「ジェニュイン、君は三年前にこういった。”最期は私の身勝手な都合で命を捻り潰して欲しい”とね。喜びなさい、今ソレを叶えて上げた」

「・・・酷いよ・・・」
「ありがたき・・・幸せ・・・」

対極の言葉を残して、二人は消滅する。

「おいッ!!」
「・・・・・・・・・」

翔太朗も感情を抑えきれずに大声をだす。
ゼロは無言だが、表情は・・・。

「フハハハハハハハ!!いい気分だ!もう実験台の化物は、俺だけじゃない!皆俺と同じ、生ける死者になれ!!」
「これで遂に完成する!我々と同じ、新しい血族足り得る者達の住まう楽園が!!」

克己とシックスはエクスビッカーとエクセルーラーの起動装置を操作する。
フィリップとリインフォースの悲鳴を通して流れていくエネルギーは今や最高潮。
エクスビッカーとエクセルーラーはいつでも発射可能な状態だ。

「このままでは、風都とミッドが・・・!」

「発射だ!」
「止めろォォオ!!」

――ドンッ!!――

乱暴で大雑把に押された最後のスイッチ。
しかし、エクスビッカーとエクセルーラーは、その光を失った。

「「なに・・・?」」

((まさか・・・!?))

この現象に、マリアと二三男は気づいた。
さっきまでは、目を閉じ耳を塞ぎ、全てから目をそらしていた二人が、人間の信念の強さを目にした。

「こんな奴らに、風都とミッドを滅ぼさせはしない!!」

フィリップとリインフォースは、互いに精神世界で繋りあい、地球(ほし)の本棚と次元書庫で複雑な術式や数式を幾冊もの本にしていく。

「こいつら・・・発射プログラムを書き換えて停めてやがる!」
「最後までしぶとい・・・」

「こいつらのメモリのマキシマム機能を破壊すれば、また私達のガイアメモリも魔力も使える筈だ!!」

リインフォースは”MEMORY STOP”と銘打たれた本を検索した。

「「させるか!!」」
「「こっちの台詞だ!!」」

二組は異口同音の言葉を発し、掴み合う。
一組は行う為、もう一組は停める為に。

しかし、先ほど喰らった攻撃が引き摺っているのか、力押しされて投げ飛ばされてしまうm。
そしてその隙に、エクスビッカーとエクセルーラーの出力を強制的に上昇させた。

「「グゥあああああああああああああ!!!!」」

それによって悲鳴をあげるフィリップとリインフォース。

「「・・・・・・!」」

それに思わず目を逸らしたか思われたマリアと二三男だが、その手には・・・・・・

「「ぐぁぁぁあああああああ!!!!」」
「「ハハハハ、ハハハハハ!」」

その瞬間、

――カチッ――
――ボムッッ・・・!――

「ごふッ・・・!!」
「し、シックス!?」

二三男がなんらかのスイッチを作動させると、シックスは胸ので何かが爆発し、大量に吐血する。
それによって克己にも隙ができて、

「止めて克己!!」

マリアの予定外の行動に不覚を取り、あるものを身体に打ち込まれた。

「マリアさん・・・・・・」
「本城博士・・・・・・」

フィリップとリインフォースの、弱弱しくもしっかりとした声。

「本城ォォ・・・!貴様ァ・・・!私の心臓に、細胞分解酵素の、小型爆弾を・・・!」

シックスは血にまみれた口で、呪詛でも唱えるかのように、呪いでもかけるかのように二三男を睨み付ける。それほどまでに二三男の行動は予測外だったのだ。

そして克己は、

「なにを・・・?まさか、細胞分解酵素を・・・!?」

NEVERにとって脅威ともいえる薬品の投与によって、克己の身体には異常なまでに血管が浮かび始める。

「「()の・・・・・・()の邪魔をするな!!」」

――バンバンッ!!――

「「うっッ・・・!」」

二発の銃弾が、マリアと二三男を撃ち貫いた。
倒れるマリアと二三男。それによってオルゴールとハーモニカが床に転がる。

それを見たフィリップとリインフォースは・・・!

「「うぅぅああああああああああ!!!!ああああああああああ!!!!」」

こらえきれい激情を爆発させ、エクスビッカーとエクセルーラーにインサートされていたT2全てが弾き飛ばされた。





*****

同時刻、T2ルナ・T2トリガー・T2フレイム・T2アクア・T2ユグドラシルが、担い手の手元に帰ってきていた。

「どうしちゃったのかしら?」
「なーんか、嫌な予感しかしねぇなぁ・・・」

葛西の勘は的中していた。

「どうやら仲間がやってくれたようだ」
「散々手間かけさせてくれた御礼参りだ」
「ここからが、本当の戦いだよ!」

「さあ思い切り、振り切るぜ」
「さあ、断罪の時間だ」
「私もこれで・・・さあ、決めるよ」

【ACCEL】
【NAIL】
【HOPPER】

「変・・・身!!」
「変身・・・!!」
「変身!!」

【ACCEL】
【NAIL】
【HOPPER】

仮面ライダーアクセル、仮面ライダーネイル、仮面ライダーホッパー。
三人のメモリ戦士が再び並び立つ。

「ワタシ様子みてくるわ!」
「あ、俺もいくぜ!」

照井たちの変身に、見事なまでの嫌な予感が的中した事を悟り、京水と葛西は風都タワーに急いだ。

「ゲームスタート・・・!」
「フン、すぐに溺死させてやる」
「そんじゃまぁ、行こうかな」

【TRIGGER】
【AQUA】
【YGGDRASIL】

賢、DR、ヴァイジャヤもトリガー、アクア、ユグドラシルに変貌する。

【TRIAL】
【VENOM】
【SANCTUARY】

そこからは加速の限界に挑戦する青きアクセルトライアル。
触れるもの全てを浸食させそうな紫色のネイルベノム。
己が心を聖域へと昇華させ、重厚な鎧を身に纏うメタリックグリーンのホッパーサンクチュアリ。

そこへ、


――ブォォオオオォォォォン!!――


バイクのエンジン音。
その音がした方向を向いてみると、一機の鉛色のバイク『アステリスク』に乗った人物がいた。
蒼いスーツを着込んだ長身、複数の逆三角形型の髪飾りを付けた姿は、

『ね、ネ・・・・・・ネェェェウゥゥゥゥロォォォオオ!!!!』

謎喰い魔人・脳噛ネウロの姿を見た途端、アクアは最大級の憎悪をこめた叫び声を散らしまくる。

「三年前と変わらず、喧しい黒ダニだな」

ネウロはアステリスクから降りてこちらに歩いてくる。

「ね、ネウロさん・・・どうして此処に?」
「怪物強盗からのお報せだ。嬉しいプレゼント付きのな」

そういってネウロが装着したのは、

「し、シングル・・・ドライバー!?」

ネイルは実に驚いた。
自分と同じドライバーを使っているのは、シックスだけと思っていたから。

【ZODIAC】

「変身」

ネウロはゾディアックメモリをスロットにインサートして展開する。

【ZODIAC】

銀色のボディに刻まれた星座型の複雑なライン。
橙色の複眼の上には2本の角があり、そのフォルムは何となく鳥類を連想させる。

「仮面ライダーゾディアック」

彼の者は、自ら名乗る。

「さあ、食事を始めよう」

それは宇宙に輝く十二宮を司りし、新たな魔人ライダーが誕生した瞬間だった。

押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


<<前話 目次 次話>>

作家さんへの感想は掲示板のほうへ♪

作品を投稿する感想掲示板トップページに戻る

Copyright(c)2004 SILUFENIA All rights reserved.