IS〜インフィニット・ストラトス〜
自由の戦士と永遠の歌姫

第五十九話
「フリーダムの本領」



 一夏の誕生日の翌日、つまり月曜日、この日の放課後に早速だがキラVS一夏達の模擬戦が始まろうとしていた。
 キラのブリリアントフリーダムに対して、一夏の白式、箒の紅椿、セシリアのブルーティアーズ、鈴音の甲龍、シャルロットのエクレール・リヴァイヴ、ラウラのシュヴァルツェア・レーゲン、楯無の霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)、簪の打鉄・弐式、虚のラファール・リヴァイヴ、本音の打鉄が相手をする。

「あの〜、何で私とお姉ちゃんまで〜?」
「あら、だって虚と本音も実力はあるじゃない」
「お嬢様、お言葉ですが、私と本音は専用機持ちではありませんよ?」
「だから?」
「・・・何でもありません」

 明らかに巻き込まれた虚と本音の目尻に涙が浮かんでいたのは、言うまでも無い。
 ピットには既にISを装着して準備をしている面々が揃っており、後は出撃するだけになっている。管制室にいるラクスの発進合図を待つばかりだ。

『皆さん、準備はよろしいですか?』
「僕はいつでも」

 ラクスの声にキラが返し、他のメンバーも確りと頷いたのを確認する。
 最初にキラがカタパルトまで歩き、足を接続すると、カタパルトに電源が入った。

『X30A−ブリリアントフリーダム、発進どうぞ!』
「キラ・ヤマト、フリーダム! 行きます!!」

 カタパルトからブリリアントフリーダムが発進して、空中でバレルロールをしながらVPS(ヴァリアブルフェイズシフト)装甲が展開されると、所定の位置に着いた。
 後は一夏達だけだ。ラクスはピットに目を向けると、既にカタパルトに接続している一夏の姿が見えた。準備は充分という事だろう。

『白式、発進どうぞ!』
「織斑一夏、白式! 行くぜ!!」

 白式が発進して、次は箒が接続して、その後ろにセシリア達も並んだ。

『続いて紅椿、発進どうぞ!』
「篠ノ之 箒、紅椿! 参る!」
『続いてブルーティアーズ、発進どうぞ!』
「セシリア・オルコット、ブルーティアーズ! 参りますわ!!」
『続いて甲龍、発進どうぞ!』
「鳳 鈴音、甲龍! 行くわよ!!」
『続いてエクレール・リヴァイヴ、発進どうぞ!』
「シャルロット・デュノア、エクレール・リヴァイヴ! 行きます!!」
『続いてシュヴァルツェア・レーゲン、発進どうぞ!』
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ、シュヴァルツェア・レーゲン! 行くぞ!!」
『続いてミステリアス・レイディ、発進どうぞ!』
「皆、熱血ね〜・・・えっと、更識楯無、ミステリアス・レイディ! 行くわ!」
『続いて打鉄・弐式、発進どうぞ!』
「更識 簪、打鉄・弐式! 行きます!!」
『続いてラファール・リヴァイヴ、発進どうぞ!』
「布仏 虚、ラファール・リヴァイヴ! 推して参る!」
『続いて打鉄、発進どうぞ!』
「布仏本音、打鉄! いっくよ〜!」

 漸く全員が発進した。使っているのは第一アリーナなので広いのだが、これだけの人数だと少し狭く感じる。
 管制室では模擬戦を今か今かと待ち侘びている束と、データ収集準備を始めた真耶、模擬戦を見守る千冬とラクスが模擬戦開始の合図を待った。

【模擬戦、開始】

 模擬戦が始まった。
 始まった途端に一夏達は遠距離武器を一斉射、キラを蜂の巣にする勢いで連射したのだが、実弾やレーザー、荷電粒子砲、衝撃砲の嵐の中を高速機動で飛びながら全てを避け、そして接近して来る。

「散開!!」

 楯無の合図で全員、散り散りになったのだが、キラを相手にそれは悪手だ。
 一夏達が散開した途端、キラは両手のライフルを左右に向けて連射、ビームは一直線に移動中だった本音の打鉄とラファール・リヴァイヴに直撃して、シールドエネルギーを一瞬で0にしてしまった。

「う、うそ・・・!」
「早いよキーやん!」

 文句は受け付けない。キラは背後に迫ってきたブルーティアーズのビットに気付いてレーザーをバク転で避けると、バク転中に射出したドラグーンでビットを全て破壊、更に紅椿のビットまで飛んできたのをグリフォン2ビームブレイドで蹴り、切り裂く。

「は、早すぎますわ!?」
「足にビームブレイドだと!?」

 箒とセシリアは驚愕していたが、直ぐにドラグーンから放たれたビームを避けて、セシリアは後方からの射撃位置へ移動、箒は一夏、簪と共に接近戦に入った。

「くらええええ!!」

 撹乱加速(テンペストブースト)で接近した一夏は雪片・弐型と左手のレーザークロウで一気に切り裂こうとしたのだが、ビームサーベル一本に阻まれ、グリフォン2で斬られそうになった。そこを箒の空裂が押さえ、雨月を振った。
 しかし、雨月はもう一本のビームサーベルに抑えられ、背後から接近してきた簪の夢現はドラグーン3基で展開したバリアーに阻まれた。

「っ! 固い!」
「っ!」

 ブリリアントフリーダムの頭部の近接防御機関砲から弾丸が連射され、シールドエネルギーを少量だが消費しながら離れた一夏と箒だったが、簪の後ろに撹乱加速(テンペストブースト)で移動したキラが蹴り飛ばした打鉄・弐式と激突、ドラグーンからのビームの嵐を受けてしまう。
 その隙を狙ってラウラがレールカノンを発射して来たのだが、弾丸を切り裂いたキラは両肩のビームブーメランを投擲、ラウラは避けはしたものの、背後から戻ってきたビームブーメランが直撃しそうになる。

「ラウラ危ない!」

 二本のビームブーメランはシャルロットのダルクに落とされた。だが、既にキラはシャルロットとラウラの背後に移動しており、レール砲の直撃を受けてしまう。

「ぐっ!?」
「わぁっ!?」

 そのまま更にレール砲を連射しようとしたキラの横から鈴音の双天牙月と楯無の蛇腹剣(ラスティー・ネイル)による斬撃が迫ったので、両手で受け止めるとパルマフィオキーナで武器を破壊する。
 更にバク転しながら鈴音と楯無の後ろに移動するとバラエーナを連射、ラウラ、シャルロット、鈴音、楯無は直撃を避ける為に再び散り散りになった。

「き、キリが無いわ・・・」
「て言うか、俺達のシールドエネルギーがもう半分以下なのに、キラは未だに被弾0って何だよ・・・」

 鈴音の愚痴に近くに居た一夏が現状を嘆いた。
 一夏達は既にシールドエネルギーが半分近くまで減っているのに、キラは未だに被弾が無い。つまり、シールドエネルギーを撹乱加速(テンペストブースト)のみでしか減らしていないという事だ。

「そろそろ、本気で行くよ」

 キラは、そう宣言してSEEDを発動させる。
 ハイライトの無くなった瞳、クリアーになった思考で戦局を把握すると、ドラグーンを再度動かして一夏達を更に翻弄、その隙にマルチロックオンシステムを展開して一夏達の手足、武器、そしてたった今発射された簪の山嵐をロックすると、ドラグーンフルバーストを発射した。

「いけぇええ!!」

 フルバーストによって放たれたビーム、レール砲の嵐の中、一夏達は避けながらキラに接近しようとした。
 だが、未だ嘗て、キラのドラグーンフルバーストを避けきれた者は居ない。それがブリリアントフリーダムに進化した今のドラグーンフルバーストなら余計にだ。

 一夏たちは全員、手足、武器を破壊され、シールドエネルギーが0になる中、被弾が最も少なく、何とか持ちこたえた楯無だけがミストルティンの槍の発射準備を整えていた。

【ミストルティンの槍、発動】
「発射!!」

 放たれたナノマシンの水の攻勢エネルギーはキラを撃ち落そうと迫ったのだが、再度ドラグーンが展開したビームバリアーに阻まれ、もう動くだけのエネルギーが無くなってしまう。
 残り3しか残っていない霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)のシールドエネルギーは、目の前に降り立ったブリリアントフリーダムのビームサーベル一閃によって0になった。

「ねぇヤマト君・・・君って、本当に何者?」
「さぁ・・・何者なんでしょうね」

 既にSEEDの目ではなくなったキラ本来の瞳を見つめて、楯無は尋ねたのだが、キラははぐらかされたので、仕方が無いと肩を竦める。

【模擬戦終了。勝者、キラ・ヤマト】

 結局、一夏達はキラに一撃も与える事が出来ずに負けてしまった。
 だが、この模擬戦の経験は決して無駄ではなく、クルーゼが相手だと、この結果と同じ・・・いや、もしかしたら死んでいたかもしれないと、改めて思い知らされる事となるのだった。




あとがき
なんか、毎月一回必ず私が勤めている会社は親睦会を開くことになったらしいです。
つまり、毎月一回は絶対にネットに出没出来なくなるという事ですねぇ。



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