IS〜インフィニット・ストラトス〜
自由の戦士と永遠の歌姫

第六十一話
「取材」



 本日、キラとラクス、一夏、箒の四人は学園の外に居た。
 何故、この四人が学園の外に居るのかと言うと、一言で言えば取材で呼ばれたから、だろう。インフィニット・ストライプという雑誌を作っている編集部に取材させて欲しいという事で、世界初の男性IS操縦者であるキラと一夏、束から直接ISを貰った箒とラクスが呼ばれたのだ。

「ねぇ一夏、パートナーはもう決めた?」
「いや、まだ決まってねぇんだよなぁ・・・ホント、誰にしようか悩んじまって」
「相性で言えば箒かラウラだけど、鈴と組んでスピード&パワーの近接戦オンリー戦闘も面白いと思うけど・・・のほほんさんは、未知数だから判らないなぁ」
「そうなんだよ、色々と戦略とか考えてさ。だから余計に決まらなくて・・・」

 キラの隣を歩く一夏は未だにパートナーを決められずに悩んでいる様だ。キラが教えたそれぞれの候補者と組んだときの利点を考えると、魅力的過ぎて困っているらしい。

「なぁラクス、その・・・私が一夏に選ばれる様にするとしたら、如何したら良いだろう?」
「そうですねぇ・・・もう少し積極的に、素直になる事でしょうか。それから紅椿を完全に使いこなす事、これくらいですわ」
「そうか・・・もっと積極的に、素直に・・・うぅ」

 箒は想像して真っ赤になると俯き、私服のスカートを握ってモジモジし始めた。何となく、ラクスは微笑ましい気持ちと一緒に、イケナイ感情を持ってしまいそうになったが、思いとどまる。

「あ、そう言えば箒、その服いいな、どこで買ったんだ?」
「うえ!? あ、えと・・・この前、友達と買い物に行った時に」

 今日の箒の服装は黒のミニスカートに白いブラウス、アウターに薄手の秋物パーカーコートだ。何日か前にルームメイトにしてクラスメイトでもある鷹月静音と買いに行ったらしい。

「わ、私よりラクスとキラの服装も良いと思うぞ?」
「キラのは前に見たやつと同じだな、確か特注なんだっけ?」
「うん」
「ラクスは、何ていうかお嬢様って感じだな」
「こういう服が好きなもので・・・」

 キラはいつも通りの服、ラクスは白い長袖のワンピースに桜色のカーディガン、ピンクの小さいポシェットを肩からぶら下げている。

「一夏も格好良いと思うけど」
「そうか? 適当に買ったやつだけどな」

 一夏の服はグレーのジーンズに白いワイシャツ、黒のジャケットと、年齢に見合わぬ大人っぽい服装だった。

「それより、今日は少し寒いな・・・お、あそこに珈琲ショップがあるから、何か買うか?」
「そうだね、ラクスと箒は?」
「構いませんわ」
「私も、構わない」

 という事で、珈琲ショップでホット珈琲を購入、店オリジナルブレンドを買ったのだが、歩きながら飲んで、その感想は・・・。

「ちょっと、ブレンドに不満かな・・・苦味が強すぎる」
「前に飲んだバルトフェルドさんの失敗作に似てますね」

 キラとラクスには不評だった。

「う〜ん、まぁ苦味は強いかなって思うけど、豆が悪いのか?」
「豆は問題ないんだけど、ブレンドした種類が悪いかな。もう少し苦味を抑えた豆もあるから、それを混ぜたら良くなると思うけど・・・」
「本当に、キラは珈琲に煩いというか、拘りすぎだな」

 箒の言う通りなのだが、これがバルトフェルドなら更に珈琲ショップに対する罵倒まで飛んでくるだろう。

「まぁ、体も暖まったし良いかな。そろそろ着くよ」
「ん? お、見えてきた」

 漸く到着した。
 受付で名前を出すと直ぐに案内され、エレベーターで上がった所にある編集部の待合室に通されて少し待つ。
 それから数分で人が入ってきた。入ってきたのは女性なのだが、見覚えのある顔つきだった。それはこの取材の話を持ちかけてきた二年生、新聞部のエースこと、黛 薫子だ。

「どうも、私は雑誌『インフィニット・ストライプ』の副編集長をやってる黛 渚子よ。今日はよろしく」

 この女性、渚子は薫子の姉なのだ。彼女が取材をしたいという旨を薫子に伝え、薫子からキラ達に話が持ちかけられたのだ。

「あ、どうも、織斑一夏です」
「篠ノ之箒です」
「キラ・ヤマトです」
「ラクス・クラインですわ」

 早速、インタビューから始め、その後で写真撮影という事になった。渚子はペン型のICレコーダーを取り出して一度回すと、インタビューの準備を整える。

「それじゃあ、早速質問いいかしら? 織斑くんとヤマトくん、女子校に入学した感想は?」
「いきなりそれですか・・・」
「だってぇ、気になるじゃない。読者アンケートでも君達への特集リクエスト、すっごく多いのよ?」
「僕はそうですね・・・気を使う事が多いのが少し疲れます。目線だったり、話題だったり」
「俺は・・・使えるトイレが少なくて困ります」

 キラの答えはまぁ、何となく理解出来たのだろう。だが、一夏の答えを聞いて渚子は噴出して笑ってしまった。

「あははは! 妹の言ってたこと、本当だったのね。異性に興味の無いハーレムキングの片割れって」
「あの、僕はラクスと付き合ってるので、ハーレムとか興味無いんですけど」
「そういえば、そんな話もあったわね。それも後で聞かせてもらうから、次は篠ノ之さんとクラインさんに篠ノ之博士の事を聞かせてもらおうかしら」

 束の事が出てきた所で箒は帰ろうと立ち上がったのだが、報酬のディナー券のことがあって、結局座り、大人しくインタビューされる事に。

「篠ノ之さんとクラインさんは篠ノ之博士から直接専用機を貰ったみたいだけど、その感想は? どこかの国家代表候補生になる気はないの? 日本は嫌い?」
「紅椿は、感謝してます。・・・今のところ、代表候補生に興味はありません。勧誘は多いですが。日本は、まぁ、生まれ育った国ですから、嫌いではないですけど」
「私もオルタナティヴに関して感謝しています。代表候補生にはなる気がありませんわ。元々、オペレーターとして学園に入学しましたし、オルタナティヴ自体がオペレーター専用の機体ですから、戦闘は出来ませんので。日本は好きですわ、色々と面白い国ですから」

 渚子の矢継ぎ早の質問に全て答えた二人、どちらも代表候補生に興味無しというのはまぁ、誤魔化して記事にするのだろう。流石に束から直接最新鋭のISを貰っておきながら代表候補生になる気が無いというのは批判を浴びそうだから。

「じゃあ次はヤマトくんとクラインさん、二人は恋人同士って事だけど・・・付き合って何年?」
「5年になります」
「へぇ、長いのねぇ。二人は年齢的に結婚とかは考えてないの?」
「卒業したらとは、考えておりますわ」
「わお! これは凄い情報を聞いちゃったかも!?」

 隣で一夏と箒も驚いていた。まぁ、有人が卒業したら結婚すると言うのだから、驚くなという方が無理だろう。

「キラとラクス、卒業したら結婚かぁ。結婚式には呼んでくれよな」
「うむ、必ず行かせてもらうぞ」
「勿論、必ず招待するから」

 実は、よく見ればラクスの左手薬指には婚約指輪が填められていた。シルバーに10カラットのダイヤモンドが装飾された綺麗な指輪だ。

「オーケーオーケー。じゃあヤマトくん、織斑くん、篠ノ之さん、三人って誰が一番強いの?」
「「それは勿論、キラ」」
「あらら、ヤマトくんってそんなに強いんだ?」
「模擬戦で俺達、一度も勝ったこと無いし」
「事実上の学園最強でもあり、世界最強と言っても過言じゃ無いです。ちふ・・・織斑先生もキラの方が強いって認めてますから」
「うそ!? 織斑先生って、織斑千冬様よね!? あのブリュンヒルデの!?」
「その、織斑先生です。俺も姉ですね」

 凄いスクープに驚愕する渚子だが、一夏と箒が事実だと証明して、余計にビックリだった。

「えっと、それじゃあ織斑くんと篠ノ之さんだとどっちが強いのかな?」
「私です!」
「そうなの?」
「いえいえ、模擬戦だと今のところ59戦30勝で俺が勝ってますよ?」
「待て、あれはまだ紅椿を貰ったばかりだったから負けたんであって、今は私が勝つ事の方が多いぞ!」
「いや、でも短期決戦になったら俺が勝つだろ!」
「短期決戦限定だろうが!」

 実際、キラから見たらどっちもどっちなのだが、まぁあえてどちらと問われれば・・・キラは一夏だと答える。
 これは同じ男だからという訳ではなく、実際に一夏は短期決戦においてはキラを除いて最強と言えるだけの実力があるのだ。
 勿論、その短期決戦に持ち込めるか如何かはまだまだ一夏の実力だと未知数なのだが、上手く持ち込めれば本当に強い。

「えっと、ヤマトくんから見て、如何なのかな?」
「短期決戦なら確かに一夏は強いです。逆に時間が長引けば箒の方が強いんですよね。どちらの機体も単一仕様能力(ワンオフアビリティー)の能力が真逆ですから」

 零落白夜はエネルギー消滅、絢爛舞踏はエネルギー増加、だから戦いだと短期決戦では白式が有利だが、長引けば紅椿が有利になる。

「つまり・・・」
「ええ、どっちもどっちですね」
「「ううぅ・・・」」
「あらあら・・・お二人とも、お気を落とさないでくださいな」

 キラのどっちもどっちというセリフに、落ち込んでしまった一夏と箒を、ラクスが慰めていた。
 一夏も箒も、キラに教えを乞うている以上、少しは強くなったという自信があったのだが、まだまだキラに満足してもらえる域には、達していないのだ。

「ヤマトくん、実は毒舌?」
「いえ、人にモノを教える時の癖、ですね」
「軍人みたいよ?」
「あはは・・・」

 軍人でしたから、とは言えないキラであった。



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