とあるところ、場所の特定なんて出来ないとある場所で三つの生命体はかしましく騒いでいた。

 それはそれは騒音となってお隣の住民に伝わるはずだが、ここではそんなこと関係ない、そんなとある場所。

 そこでは、古代火星人の遺跡であるボソンジャンプ演算ユニット、ブラックサレナ、夜天光の三人の女人がのさばっている。

 多少の脇役が出てくるが、それはオプションとして片隅に追いやっている、古代火星じんのいs……

 めんどいので、遺跡ちゃん、サレナ、やーちゃんと呼ぶ事にするが……

 その三人がべちゃくる話である。











「ねぇーねぇー、プリン買ってきてよ、“遺跡ちゃん”」

 はぁ……今日何度目だよ。テメーの後ろの冷蔵庫にミッチリ詰まってるだろうがよ!

 こんな糞みたいな殺風景な部屋でチマチマ作業しなきゃいけないんだよ……

 いっつも新聞に隠れて姿すらみせねーくせにえらそうに……!!


 まぁ、一様は上司だしな……偉そうでもいいのか


「……15322……15323……」

「ねーねー、遺跡ちゃ〜ん! プ・リ・ン! プ・リ・ン!」

「――16775……16776」

「プ! リ! ン! HEY! プ! リ〜ン!」

「だぁぁ!! うっせ〜〜! こっちゃーお前が課したノルマに追われてんだよ!

 新聞読んでねーで、テメーっでいけ〜!」

 そらさ、火星からジャンプしてきた戦艦の脱出指定日間違えたのはわるいけどさ、ノルマ加算することないじゃん。マジわけわかんねー。
 死にさらせ、ハゲ!

 ――ハゲかはしらんが

 プリンばっか食いやがって。冷凍庫にジャンプさせたプリン見て、叫んでろ


「でもでも〜」

「ジャンプ操作しに別室いってきまーっす」









 ――遺跡ちゃんの日常、始まります。









 はぁ、憂鬱だ。なんで、勝手にジャンプ機能とかつけるんでしょうか。寝起きでボ〜っとしてる時に間違ってジャンプさせてしまったらどうしてくれるんでしょうか。
 そりゃぁ、追われてるマスターにとっては便利な機能かもしれませんが、寝起きはボ〜っとしてたい私にとっては怖いですよ

 ……まぁ、今日うっかりマスターを木星のプラントにジャンプさせちゃったんですけど
 マスターは寝てて知らないですけどね☆
 
「あの〜“サレナ”ですけど、遺跡ちゃんいます?」


「フォォォォォァァァァァぁぁぁぁ!!!」

 ぁあ、これはまた遺跡ちゃんが悪戯したんですね。
 ストレス溜まってるんでしょうね――

 本当に憂鬱ですね――これから頼みに行くのに……ジャンプをなかった事にして貰いに……









 蚊、蚊、蚊、蚊、蚊蚊蚊蚊蚊……。

 どんだけ火星に蚊がいるんだよ。
 てか、蚊なんだからこっちで指定しないでランダムジャンプさせればいいじゃん。

 確かに、一度大量にランダムジャンプさせて太古に行っちゃった奴が恐竜のDNAを体内に保有してて、一部の世界は恐竜復活して崩壊させちゃったけどさ……

 プリン食ってるあのハゲが悪いよね。ノルマなんて課すから。こっちはOLじゃないんだからさ


 あ〜あ、サレナの黒ずくめの変態ロリ野郎か、やーちゃんの蜥蜴顔の片目ロリ野郎かジャンプしねーかな〜

 あいつらだとノルマ稼ぎやすいんだよな〜

 人間で単独でいけるから……

 雑念入って到着場所間違えたとかで言い訳しやすいし……事実雑念多すぎだけどさ

 幼女の入ってる御風呂とか脱衣所とかとか……幼女のお昼寝してる部屋とか……

 考えてみると、逮捕されていいよな。

 一度放棄された監獄にでも送ってみるか☆☆


「遺跡ちゃん、お願いがあるんですけど……」


 あ〜あ、来たよ来たよ……かかったよ! 飛ばしてくれたんだ〜黒ずくめ変態野郎を。今朝に変なデータログあったから来るとは思ってたけど

 デカイパイの癖に朝弱いとか、ありえねー(パイのでかさが朝に関係するかはしらねーけど☆)

「今朝の変なログはあなた? サレナ」

「はい……寝ぼけてて」

 来た来た来た来た来た来たーーーー! 罠張ってたかいあったぁぁ!
 絶好のノルマ達成の好機!

 ドジッ娘巨乳がやってくれたわ! 私に楽をさせてくれるなんて……蚊ばかりで気が狂いそうだったのよ。
 こいつも結構カモなのよね。言う事聞いてくれるし



「こっちのログは消させないけど、アンタの中のログは完全に消してあげるわ。ほら、いつものように」

「また……ですか? ――仕方ないですね」

 ぁあ……なんて卑猥な手付きなんでしょう。上手すぎます……

 もうおっさんじゃないですか……体の奥が熱くなってきちゃいますぅ

 でも、ここから内部にアクセスして……こない!?

 揉まれてるだけ? ただ揉まれてるだけ? えぇぇぇええええ!?

「いい加減にしてください! 早く消してください!」

「よいではないか、よいではないか」

 よくねぇぇーー! なんだよ、その卑猥な顔!

「冗談言ってないで、早く消してください!!」

「冗談通じないよね、でかぱいめ」

 おっぱい関係ないでしょう! このおっぱい魔人がぁぁ! 

「はいはい……じゃぁ、さっさとすませればいいんでしょ。ほら、上向いて」

 はぁぁ……やっとですか。って、なんで拳が降ってきてるんですか!!!? 遺跡ちゃーーーん!?

 ――ア…メン

 拳が……拳が私を貫いていきました……こん穢れたな私を受け止めてください、マスター

「ログ、修正完了」

 もうやだ……この演算ユニット。いっつもいっつも、トラウマでも仕込んでるんじゃないですか? この前は鳩尾打ち抜かれましたし、そのまた前回では脳天に指突っ込まれましたし……

 人で遊びすぎです……

「じゃぁ、向こう三日間私の業務を変わりなさい。能力は開放してるから、アンタはそこで操作すればいいだけだから」

 そして、なんでこうも事後に欲求してくるのでしょうか……

 断れないじゃないですか











「わかりました。お受けします」

 ロン! ロン! ロンロンッロ〜ン! ダブル役満上がって起死回生したみたいな気分ね☆

 掛かったわ〜。マジで掛かったよ〜

 最っ高よ。

「ホントこのデカパイ、騙されやすいわ〜。このデカパイが起きたら、ジャンプするように設定したの私なのよね〜だって無意識下でジャンプさせて人が生きていける場所にでるわけないじゃん」

「心の声……出てませんか? 遺跡ちゃん」

「?」

「貴女の仕業だったんですね……今朝のジャンプは」

「あっれ〜〜? あなた超能力者? 心読まれちゃった☆ 遺跡ちゃんショック☆」

 あ〜油断した、声出てたか〜〜

 でも、いいよね。こんなわがままボディのデカパイにわがまま言っても

「ショック☆ じゃないですよ! 三日間の業務はなしです!」

「それは駄目。絶対駄目」

「なんでですか!? 貴女が元凶じゃないですか」

「でも、私がいないとジャンプ制御できないよ?」

「ジャンプしなければいいだけじゃないですか!?」

「なら、あの変態黒ずくめ野郎が捕まりそうになってもジャンプさせてあげない」

「どうしてそうなるんですか!? てか、なんで頑なに私に業務させたいんですか!」

「いくつもの時代を渡り歩いて収集したエロ同人や、エロ雑誌を鑑賞したいから!」

「くだらねー」

「何言ってんのよ! やーちゃんも一緒に集めたんだからね!」

「あの外見で買いにいかせないでください!」

「何言ってんのよ! あの子の趣味が一番エグイわよ。私が一瞬引いたもん」

「……っえ? ちなみに……それはいったい……」

「危険用語ばっかりで言えないわよ、というわけで明日からよろしく!」














「結局こうなるんですね……」

 ハァァ、断りきれずに私は遺跡ちゃんに代わって業務についています。業務について二時間ですが、発狂しそうです。何が面白くて面白みもない操作をし続けなければならないのでしょう……

 遺跡ちゃんの罠を見分けれなかった私が悪いのでしょうか……? しかし、人がこんな単調な作業している真横で興奮しないでください……

 遺跡ちゃん、やーちゃん

 正直、蹴り飛ばしたい。キャッキャウフフもいいでしょう! 私もしたい! しかし、内容が著しく傾いてる上に濃い! 寄れませんよ……

「ぁあ、最高ね……さすがは規制がかかる寸前の作品。弾けてるわ〜」

「うんうん! やー、満足!」

「気分いいからどっか飲みに行かない? 私が送ってあげるからさ!」

「やー、行くぅ!」

「私は……これがあるので」

 もう眠りたいです……お酒で紛らわしたい気もしますが、それ以上に寝たいのですよ! 遺跡ちゃん

「そんなのちょちょいっと終わらせなさいよ。後は、やーちゃんも手伝うし」

「やー、手伝うぅ!」

 なぜでしょう……遺跡ちゃん本人は手伝わないんですね。

「いっちゃん、今日はどこ行くのぉ?」

「豪気にヴァイキングの時代でも行ってみようか!」

「行くぅぅ!」

「……」

 まさか時代を飛び越えて飲みにいくなんて……飲酒で捕まらないのでしょうか? ボソンジャンプ関係は……

 まぁいいでしょう! こうなったら自棄酒です

「いきましょう……」

「けって〜〜い! いこう!」

「いくぅぅ〜!!」

 そういうことになった……ハァ

 





  お・わ・り




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