ビック・バリア攻略後のナデシコは、外部の破損箇所が多くどうにか運行している

医務室・・・ここでアキトが助けた天照隊の二人のうち一人がベッドの中で寝ていた。

「彼女は、無事なんでしょうか?」

「ええ、少し疲労が溜まってただけみたいだから大丈夫、安心して。」

ベッドで寝る彼女の毛布を正しながら彼女は答えるとホッと息を吐きアキトの方を向いた。

「それで?私たちはどうなるんです?」

「ん?そうだな・・・俺が君達をナデシコまで連れて来てしまったからな。責任は、きちんと取る。地球に帰るための手配などは、俺に任せてもらえるか?しっ かりと送り返してやる」

「そうそう、こう見えてもアキトは、顔が広いから任せていいよ。」

「はい、それは、分かりました。ですが・・・。」

光が差し込み立ち上がろうとベッドから起き上がろうとすると目の前に見知らぬ男と女。

そして、よく知っている仲間の女性の声が目覚ましになり目を覚ました。

「あ・・・の・・・。」

目をゆっくりと開けて辺りを見回すと知らない場所で戸惑った表情をしていた。

「起きたか?」

「え・・・ひっ、まっくろくろすけ!』

声のするほうに視線を向けると怖い何かを見た子供のような表情に変わって思わず後退してしまった。

「どうしたんだアイツは?それに真っ黒黒す毛・・・って何だ?」

「さ、さぁ?」

困った表情をしながら秋との質問に答えるとアカリがニッコリと微笑みかけて。

「仕方ないよね。起きた途端にそんなアキトの姿を見たら飛び退いちゃうのは当たり前だよね?」

ベッドで寝ていた女の子の方にアカリが駆けていった。

「なんか、傷ついた。」

「ははは・・・。」


機動戦艦ナデシコ〜MACHINERY/DARKNESS
第9話『華やかな戦艦』


「ええっビック・バリアも攻略いたしまして順風満帆と言いたいところですが・・・ええ、ナデシコも大きくダメージを受けてしまいネルガル月ドッグに改善修 理をいたします。」

プロスは、手元のハンカチで額の汗を拭った。

「プロスさ〜ん質問?」

「はい、メグミさん。」

大きく手を挙げたメグミにプロスは、彼女を指した。

「月には、降りられますか?」

「え〜まぁ〜確かに取り寄せられなかった物資やら皆様の生活用品に対する不安もあるでしょうから1〜2日ほどの休み・・・と言う形になるんでしょうか な。」

『おおっ』とブリッジが驚きと歓喜に沸いた。

「休みだって〜どうするルリルリ?」

「・・・休み・・・ですか?」
(休みなら久しぶりに遊びに行こうかな・・・あの人と・・・。)

「あらら、なにを考えてるかなルリルリったら。そうだ、メグミちゃん一緒に洋服でも買いに行こうか?」

「いいですね。」

「休暇、休み・・・カイトと・・・エヘヘヘ。」

女性陣は、ショッピングに対しての話し合いを男性陣は・・・。

(休み・・・ユリカと友好関係を深められるチャンス!!)

恋心を燃やし。

「むふふ。俺の新作のメカのパーツを買うチャンス。野郎共!さっさと整備済ませるぞ!!」

「「「おお!!」」」

欲望を滾らせ。

「カイト休みだぞ!!」

「お、おう。そうだな。」

「ゲキガンガー1話〜最終話まで夜通しで見直すぞ!!」

「ええっ。」

男たちは燃えていた。


そんな浮かれたクルーの中で二人は、居場所が悪いように歩いていた。

「な、なんだか戦艦じゃないみたいですね。」

「まぁ、軍では考えられないだろうな。最も俺は、まだ馴染めていない。」

彼は、イツキと一緒に歩いていた。

だが、何故イツキがナデシコ内をこうも普通に歩いてこれているのだろうか?

普通の軍艦なら捕虜として扱われるのだがナデシコの規制は、とてつもなく緩かった。だが、それがナデシコらしいと言える。

「それで?月に行くわけだが・・・どうする?月に行ってから帰したほうがいいか?今ここで帰すとなるとムネタケ達と一緒になってしまうが?」

「それだけは勘弁してください!あの、あの人は、嫌悪の対象なんです!一緒にいただけで蕁麻疹が・・・。」

異様な雰囲気にアキトは、一歩後退し「そ、そうか・・・。」とだけ言うと足早に廊下を進んでいった。

「あ、待ってくださいよ。」

それを追いかけていくイツキ・・・追いつくとアキトとまた話し始めた。そして、それを傍から見てた人は・・・。

「あれ?あの人誰だろう?」

「知らないのか?ナナシのコレだよ、コレ。」

「マジすか?」

変なデマが流れていた。


ある一室に到着すると息を吐いて部屋の中に入った。

「失礼・・・むっ。」

突然顔面を狙って枕が飛んできた。それをアキトは、片手で受け止めた。

「あっ、アキトごめん、ごめん。」

髪がボサボサになり少し疲労が見える顔をしながらアカリがやって来た。

だが、その様子を見たアキトは、顔面が一気に蒼白に変わった。

「お、お嬢様?そ、その・・・尋常でないご様子は?い、いったい・・・。」

何時もの彼と違う態度にイツキは、クスッと笑い。アカリは、苦笑するしかなかった。

「大丈夫、大丈夫、ちょっと寝不足なだけ。「寝不足!!?」・・・・。」

顔がまた、白くなっていく。

「寝不足・・・お嬢様の体調管理は・・・私の・・・仕事・・・なの・・に!」

何か言葉を発そうとすると事が途切れ途切れで聞こえてくる。周りから見ればかなり異質な雰囲気である。

「ま、まぁ、私まだ仕事・・・。」

ガシッと手を掴み取ってアキトが首をフルフルと横に振って立ち上がった。

「お嬢様は、お休みください。カザマ・・・お嬢様を頼む。俺がお嬢様の仕事を片付ける。」

「ええっ!?」

「ちょ、アキト!?」

「仕事、仕事。」

彼女たちの言葉も聞かずにテキパキと薬品を整理し医務室のベッドのシーツを直しパソコンに向かってデータ整理を始めた。

「す、すごいですね、ナナシさん。」

「大体のことは何でもできるから・・・ただ、ひたすら不器用なんだけどね。」

「そうなんですか?」

信じられない様な言い草でアキトの方を見るとカチ、カチとパソコンのキーボードを操作していた。

カチッ

「終わった。」

打ち終わったパソコンから離れると病人の様子を見ようとするとマクラを顔面に投げつけてきた。

「危ないな・・・さっきのも君か。」

「うるさい!うるさい!!なんで私がこんなところにいるんだ!?」

「俺が連れてきたからだ。」

「むっ、いや・・・なんで連れてきたんだ!」

「君が死にそうだったからだ。単なる衝撃で気絶してしまった哀れで未熟なパイロットを助けた。偽善行為とでも言うか?だが、その偽善にお前は、助けられ た。」

「う、うるさいな!悪かったな!未熟さ、そうだよ、未熟さ!!それでも戦士の誇りはあるさ!!」

「ふぅ、戦士の誇りね・・・。」

ため息をついて彼女に背を向ける。

「な、なによ!文句ある?」

「ん?別に文句は無いが?」

「うそだぁ!その目は、文句のある目だ!!」

子供のようにキーキーと喚く少女にアキトは、息をついた。

「そうだな。戦士の誇りなどと言う陳腐な想いなど早めに貝塚にでも捨てておけ。」

「なにさ、なにさっ!なんで私の誇りが陳腐なのさ!それに、貝塚ってなにさ!」

「気づかないなら別にいい。あと、貝塚と言うのは、昔のゴミ捨て場だ。分かったか?。」

「な、なにーー!」

カーテンを閉めて投げ込まれてくる物から身を隠した。

「なにしてるんですか?」

「あの、ガキを頼む。うるさくてしかたがない。」

「え、えっ!?」

喚く少女の方を見てアキトに何があったか聞こうとするがそこに姿は無くイツキは、何をしていいのか深くため息をついた。


アキトが出て行った後を彼女は、ボスボスとベッドを叩いていた。

「くそー!まっくろくろすけのくせに説教しやがってムカツクゥ〜!」

「ど、どうしたのよ?スズネちゃん。」

慌てて入ってきたイツキにスズネと呼ばれた少女は、キーキーと喚き続けた。

「イツキ姉さん!はやく、こんな船とおさらばしちゃおうよ!やだよ、アイツ嫌いだよ。」

その訴えに「ああ、あの人のことか」と苦い顔をしながらスズネの話を聞いていた。

「まったく、失礼しちゃうよね!アイツ嫌いだ!」

「まぁ、人に好かれるタイプじゃ無いけどね・・・でも、基本的にいい人よ?」

驚いたように目を見開く。

「嘘だぁ〜、どうみても悪人だもん。」

「ひ、否定できないけど・・・うん、いい人、たぶんいい人、きっといい人・・・いい人だったらいいな・・・。」

「なにそれ〜イツキ姉さんも信用してないじゃん?」

「あう〜。」

何も言い返せない。確かにいい人ではあるんだろうが彼のことを良く知らない。

だから何も言えない。弁解したいが彼のことを知らないイツキには、弁解することができない。

「そんなにアキトの事が気になる?」

ニコニコと彼女がカップに注いだ紅茶を二人の前に出した。

「飲み物を飲むと落ち着きますよ?」

ニコッと最大級の笑顔で彼女を見るとイツキは、受け取りスズネもほほを膨らましながらカップを受け取る。

「どうです?」

「おいしです。」

「おいしい〜。」

「これは、アキトが美味しい紅茶の入れ方を教えてくれたのよ。」

「え、ナナシさんが!?」

「アキトって誰よ。」

こんな美味しい紅茶の淹れ方を教えた男それでいてイツキを驚かせるほどのその名前の人のことが純粋に気になったのだ。

「さっきスズネちゃんが言ってた黒い人よ。」

「ええ〜〜〜!!」


自分のエステを見ながら紙コップの中の飲み物を飲んでいると後ろから声をかけられた。

「よぉ!元気かよナナシ!!」

「ああ、機体整備の早さは、さすがだな。」

「おおっ、そのことで一つ聴きたいんだがよ?」

「なんだ?」

振り返りウリバタケの方を見ると何処かの民族のお面を被ってアキトに向けた。

「何している?」

「ちっ、驚かないか。」

舌打ちしながら面を片付け始めた。

「いや、驚いているさ。」

「へぇ、どんな所が?」

「ちゃらんぽらんな艦長に料理人かパイロットか決められない半端者に猪突猛進のゲキガンオタク、プロスに黙って経費でメカを作る整備士。今までに無いこと で結構驚いてる。」

「うっ、プロスの旦那には黙っておいてくれ。」

「ああ、言うつもりは無い。」

「そうか・・・まぁ、お前が驚くのも無理ないだろうな。生真面目なんだよお前さんは」

「そうだな・・・居心地が悪い。」

疲れたような溜息を吐くとウリバタケが男らしい笑い声でアキトの肩を叩いた。

「ま、肩の力を抜けって。」

「緊張したくらいが俺らしい。それに、誰も俺がお気楽な姿なんぞ想像できんだろ?」

「ははは、そうだな。お・・・そういえばよ。」

「なんだ?」

「お前の両手両足とも機械なんだろ?」

キョトンとした顔をすると肯定の返事をした。

「だったらよ〜〜。」

「・・・・。」

感づいた。アキトは、大きく溜息を吐くと拳を構えた。

「俺に弄らせてくれ!!」

「断る!!」

額に軽い一撃を決めウリバタケを仕留めた。


「嘘だ〜アイツが紅茶淹れられるはず無いじゃん。」

笑いながら紅茶を飲んでいるとアカリは、笑みを絶やさずに言った。

「誤解されがち・・・ううん、誤解しかされないけどアキトは、根は優しいの例えば無言で木に掛かった子供の風船とってあげたりするのよ。」

「どっちかって言うと泣いてる子をさらに泣かすタイプだよ。あの顔は。」

これには、イツキも笑いそうになったがアカリは、少しだけ寂しそうな顔に変わった。

「うん、だろうね。いつも皮肉ばかり叩いて相手を怒らせてばかりだし。人に自分の事を分かってもらおうとしないから自分のこと語らないし。だから、誤解さ れるの。でも、本当は、優しいの今も好きでやってる訳じゃないんだと思う。」

「どう見たって好きで相手を貶してるとしか思えないんだけどな〜。ね、イツキ姉さん。」

「どうかな?私は、あの人のこと良く分からないし。」
(でも、辛そうな表情を見せることはあった。)

何度も彼に助けられた。
マシンチャイルドであるホシノ・ルリが人体実験されようとすると力づくで止めるし彼女が少しでも辛そうな表情を見ると歯をかみ締めながら耐えているのを何 度も見た。

「アキトが冷酷な人間なら私も相手にしないよ。でも・・・本当に優しい人間だからこそ私も仲良くしてるの。それに、冷酷人間なら貴女達を助けるような真似 しないでしょ?」

スズネが静かになる。しかし、彼女は全然信用できずにいた。初見があまり好い印象ではないからだろう。

「そうですね。」

「なんで、みんなアイツの肩を持つのかな・・・絶対アイツは、裏で何かやってるよ!」

「別に肩を持つとか・・・。」

「もういいよ!」

癇癪を起こして頬を膨らませて外に出て行こうとするとアキトが部屋に入ってきた。

「失礼「どいて!!」・・・おっと。」

彼女が出て行くとアキトは、外に出て行った彼女を目で追った。

「アキト追いなさい!!」

「お、お嬢様?」

「行きなさい!」

「は?しかし・・・何がなんだか?」

「行きなさい!!」

「りょ、了解。」

主人の迫力に押され彼は、追いかけなければならないという義務感と主従関係に忠実な彼は、行かなければならい、そう全力で追いかけなければ行けなかった。

「あん、なんでナナシさんに行かせたんですか?火に油注いでいるようなものですけど。」

「だって、傷ついた女の子を慰めるのは男の仕事でしょ?」

ニッコリと微笑むがイツキは、「でも」と切り替えした。

「あの人に女の子を慰めること出来るでしょうか?」

「・・・・・・そうだアキトだった。」

今頃気づいたが遅かった。


展望室で闇に浮かぶ恒星の星の海原を見ながら自分の事を考えていた。

父は、軍人で自慢できる父親だった。そんな父が好きだったけれど蜥蜴戦争で火星駐留していた父は、死んだ。

その影響で姉は、エステライダーになった。姉は、彼女にとって憧れの存在だった。しかし、彼女は、父と同じように姉も死んでしまうのではないかと不安にな り彼女もエステライダーになる。13と言う若さで精鋭の天照隊に配属された。

それからエリートとして天照隊以外のエステライダー相手なら勝てると言う傲慢と自信がついていた。

しかし、今回の相手によって全て打ち砕かれた。天照隊全員を相手にしたというのに互角以上という能力を持っていた相手に彼女は、嫉妬と共に憧れを感じてい た。だが、相手は敵なんだからという理由で認められなかった。

「ふん、なんだよ。アイツは、単なる冷血男だっていうのにさ。」

展望室で俯きながら外の何も無い景色を覗き込んで今の自分の空虚な心に似ていた。

「こんな所にいたのか?」

「なんでアンタがいんの!?」

驚いたように後ろにいた彼のほうを向くとアキトは、隣にドッカリと座った。

「なんで座るの!?」

「座りたいから座った悪いか?」

「別にいいけど。」

拗ねた様な表情をした彼女にアキトは、カップに何かを注ぎ始めた。

「・・・飲むか?」

カップの中には、真っ白な飲み物が入ってた。

「なにこれ?ミルク?」

「ああ、それ以外何に見える?飲むなら飲め・・・落ち着くぞ。」

うぅ〜と唸りながらカップに口づけし小さな口でコクコクと飲み始めた。

「あ、甘い。」

「蜂蜜が隠し味だ・・・なんだ?」

「・・・・・・イメージと違う。」

「お前の考えてるイメージなんぞ知らん。俺は単なるパイロットだ・・・食うか?」

懐からチョコレートを取り出すと唸りながらチョコを受け取る。より甘い風味が口の中にとろけスズネの顔が緩みに緩んだ。

「ふっ。」

「はっ!な、なんだよ、なに笑ってるんだよ。」

「お前も口では生意気なことを言うが年相応の女の子なんだな。」

また、唸る。それを見てアキトは、また笑う。

「な、なに?」

「いや、違うな、お前は、幼すぎる。年相応という言葉は撤回する。」

「うぅ〜やっぱりコイツ嫌な奴だ。」

「嫌な奴で結構。俺はそれで十分だ。」

また、ミルクを啜りながらチョコを齧った。

「ふぅ、安心した。一応生きる気力はあるみたいだしな。」

「なにそれ。」

変なことを言われた。この男が言うには、あまりにも不釣合い言葉に思わず聞き返してしまう。

「お前が死にたいとか馬鹿げた事を言うなら殴ってやろうかと思ったが元気で生きる気力もある。安心だろ?」

「当たり前でしょ?これでも今まで軍人やってるんだから死ぬ悲しさくらい知ってるよ。」

「そうか」と言うとゆっくりと立ち上がりアキトは、スズネの頭の上に手をのせてグシグシと頭を撫でた。

「にゃ、にゃにするかー!」

「はっはっは、子供くせに生意気だ。」

痛いのだがくすぐったい感じがして居心地良さそうな顔をしている。

しかし、彼女自身は、子ども扱いされた方がムッとしたのか顔をフルフルと横に振るとアキトの手が離れた。

「キャラ違うよ?」

「・・・・・・ああ、俺らしくない。」

自分でやったことにアキトは、あごに手を当てて考えてしまった。

「まぁ、月に着いたら送り返してやる。安心して待っていろ。」

「え?」

「だから、安心しろと言っている。」

「あ、うん。そうだね。」

思わず肯定してしまった。

それを聞いてアキトが一瞬微笑んだように見えた。そして、スズネは、アキトが誰かに似ている気がした。

「パパに似てる。」

と思ってしまった。


全員がブリッジに収集された。全員が近付いていく美しい星『月』を眺めていた。

「それでは、そろそろ月に到着しますが。ええ、皆様一応ネルガル社員となっておりますので節度を守って・・・。」

「ねぇ?ここなんていいんじゃない?」

「月限定の化粧品ですか?私一度使ってみたかったんだ〜。」

「ねぇカイト〜ここ行こうよ〜。」

「やめろ〜擦り寄ってくるな!!」

「ユリカ〜。」

ワイワイと騒がれプロスは、大きくため息をついた。

「はぁ〜、みなさん聞いてるんですかね?」

「大丈夫ですか?はい、お茶。」

「すみませんアカリさん。」

お茶をすする姿は仕事にくたびれた父と父想いの娘と言う構図だった。

「プロス。そろそろ終わらせて方がいいだろ?舞い上がってるコイツ等に何を言っても無駄だ。」

「そうですね・・・そろそろ着きますしね。」

大きくため息をついた後ゆっくりと前に出た。

「はい!それでは、月に着きますので皆さん準備をしてください!!」

「「「はーい。」」」

それぞれがバラける。だが、アキトは、突っ立っていた。

「どうしたの?アキト?」

「月につきます・・・プッ。」

「・・・・アキト?」

何か呟き笑ったアキト・・・キャラが違う。

「いえ、あ、シャトルの手配手続きがありますので。」

すぐさま冷静になりアキトは、足早に外に出て行くのを見てアカリは、思わず微笑んだ。

「アキト変わってきたな〜。」


「むぅ、調子が掴めん。俺らしくないというか阿呆になったというか・・・この艦は何だ?」

頭を抱えながら自室に戻る。すると一人の女性が真っ赤な制服を着た女性が立っていた。

「待ってたぞ。ナナシアキト!」

「・・・なんかようか?というよりその制服・・・。」

「負けっぱなしは、私の性分じゃないからね。アンタに勝つまでこの艦でパイロットすることにしたの!」

胸を張って言うがアキトは、張るほどの胸がないと言おうとしたが止めた。相手にするのが面倒だったようだ。

「・・・・ということは地球帰還者0か?」

「0?」

「カザマも残ると言っている。風変わりな奴等ばかりなのか天照隊というのは。」

それを聞いてスズネは、「ふぅ〜ん。」と何か感づいたような顔をした。

「どうした?」

「まぁ、いいか。うん、ナナシアキト!あれしきの事で私に勝ったと思うなよ!!」

それだけ言って彼女は出て行った。

「・・・ここは、俺を過労死させる気か。」

そうしているうちに月が少しずつ近付いてきた。


あとがき
やっつけですか?いいえ、やっつけではありません。限界です。
戦闘シーンならどうにか書けますが日常などは、書くのが苦手だった!ということですね。うん、努力します(汗)



感想

スズネちゃんいいです! NEOさんやりますねぇ♪

きちんとキャラが練りこまれているキャラクターを見るのは気持ちいいです。

スズネちゃんの場合、子供らしい我の強さと愛らしさ。そして軍人というより、エステ乗りとしての誇り。などを上手く練りこんでいます♪

一話だけでアキトの一面と同時にここまで表現できるのはいいですね!

以外にアカリ嬢よりポイント高いかも?(爆)

今後もスズネちゃんの活躍がたのしみです♪(爆)

イツキさんのチームメイトですか… またアキトさんを巡ってひと悶着ありそうですね。

まあ、確かに…ヒロインキャラになる可能性もゼロではないかな?

そういえば、君が静の妹キャラだったのに対して彼女は動の妹キャラといえるね。

意外にナデシコ系では始めてのキャラかも?

ナデシコSS界は広いですから何ともいえませんが、少なくともシルフェニア内において はそうですね。

こんごこの系統も増えるかな?

オリジナル度によると思いますね。

でも、結局書きたいキャラかどうかですし…

人気出るといいねぇ…

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