マブラヴ・リヴァイヴ 
プロローグ 始まりと終わり
 
 
オルタネィティヴ5が実行され5年が過ぎ去ろうとしていた。そして、移住プランの対であるG弾によるBETA殲滅作戦の成功により地球上のハイヴの6割を 破壊した。
だが、それにより汚染された地球環境。酸の雨により緑が芽吹くことのない大地、生き物が暮らせないほどの空気。それにより、人々は、決死の想いで守った地 球を捨てなくてはならなくなった。まさに、滑稽としかいえない。
その中で俺、白銀武は、旧友が居る横浜基地に向かっている207隊の全員は、誰一人欠けることなく生きていた。今の俺は、207隊から離れ国連軍ユーラシ ア基地に所属していた。
ユーラシア基地とは、ハイヴとBETAの数は、地球でもっとも多い場所であり激戦地。そこに、所属したのは・・・人が生きるため、人を守るためという英雄 の願望。自分が特別な存在であるという優越感を感じていたからだ。自分がいればどうにかなる。そう思っていた。
だけど、そこで俺が見たのは荒んだ現実だった。死んでいく人々・・・子供の死を嘆く母親、子供の死に何も出来なかった自分に怒りを覚える父親、両親を亡く して大声で泣く子供・・・そんな戦場の現状を見て俺は怒りと悲しみに溢れた俺はそんな戦場を見てあることを心に決めた。これ以上これ以上は!!憎しみと悲 しみが続かない様にと・・・。
俺は、自分にできることなら何でもやった。戦術を磨き、肉体を傷つけ、効率的に敵を倒すためならば、人を殺したことだってある。裏と表で人類の勝利にのみ 殉じてきた。今では、若き天才衛士『白銀の騎士』とまで呼ばれた。そして、俺は、大陸での戦歴を認められ大佐という階級を手に入れた。この年で大佐という 地位にたっている。そんな俺を国の官僚達は、俺をアイドルかなにかにしようともした。俺としては、いくら否定しようとも幾ら俺が認めなくても、周りは俺を 英雄のように称えた。
そして、今ある作戦を前に俺は帰郷といっても俺の故郷は、この世界じゃないことに口元が笑ってしまう。そして、俺は旧友達の元に向かい。できるなら、昔の ように変わらない関係でいたい。
「国連軍横浜基地に到着します。振動に注意してください。」
3年ぶりに旧友の下に帰る。ここだからこそ、俺の心はあの、理想に燃えていた自分に戻れるのではないかという期待をしてしまった。そんなことを思うのは、 自分が老けたのではないかと少しだけ、ため息をついてしまう。
そして、艦は滑走路に着陸し入り口が開く。そして、艦の格納庫から俺の愛機である聖神(ヒジリノカミ)が降ろされた。愛機を眺めながら掛けていたサングラ スを外した。
「白銀大佐」
武が愛機を見つめていると突然後から背の高く茶髪の男性が声を掛けてきた。
「鷹嘴さん。」
声を掛けてきたのは一文字鷹嘴中尉。俺が大隊に入隊してハンガーに行ったとき巡洋艦の前で立っていたのを見つけて驚いて思わず大声で名前を呼びそうになっ た。鷹嘴さんの階級は、中尉で、駆逐艦のパイロットをやっており『神速の鷹』とまでの二つ名まで持っているエースパイロットだったらしい。また、レーザー 級BETAのレーザー攻撃を避けたという艦操舵手の間では伝説的人物って聞いてる。
「鷹嘴さん。大佐って言うのは辞めてくださいって言ってるじゃないですか。なんか背中の辺りが痒くなるんですよ。」
武は、苦笑いしながら鷹嘴の顔を見た。
「ああ、すまんな、白銀。しかし、御前は一応俺よりも上官だ。どうも呼び捨てというのは。」
「う〜ん。それじゃー上官命令って事で。」
「それなら、仕方がないな。」
笑いながら一緒に基地の周りを歩いているとやはり、俺の顔を見てヒソヒソと話している人物が多い。やはり、軍の宣伝活動の影響だろうか、それを見て息を吐 く。
「あ、鷹嘴さんここから自分1人でいいですよ。」
「そうか、それでは、武運を祈る。」
真剣な眼差しで敬礼し自分を見つめる。あの人は俺が来た意味を知っているからこそ俺に本気の目をしてくれた。それに応えるためにも俺は敬礼を返す。次に会 えるのを信じるために。
「しっかし!変わんないなココも・・・。」
基地が変わるのは変な話だが俺は自分の帰るべき場所に帰ってきた喜びを隠せない証拠でもある。そして、歩いてくると人の気配を感じながら廊下を出ると懐か しい人が俺を出迎えてくれた。
「白銀大佐に敬礼!!」
ビシッと茶色い髪の女性が凛とした姿勢で立っていた。
「敬礼は、止して下さいよ。なんか変な感じですよ・・・神宮寺軍曹。いや、今は大尉でしたか?」
「これは失礼しました。階級は、大尉であります。白銀大佐。」
互いに微笑み、タケルは、変わらないことを喜びながら大尉に右手を向ける。それを見て大尉もまたしっかりと握り返す。
「我々横浜基地一同は、貴方の帰還を心から歓迎します。」
「・・・国連軍ユーストラリア基地所属白銀武大佐!ただいまをもって国連軍横浜基地に帰還しました。また、ご指導のほうを宜しくお願いします教官。」
「こちらこそ。」
互いに会えた喜びは、内に隠さず顔には、満面の笑みを浮かべていた。そして、俺は、横浜基地・・・自分の帰るべき場所に戻ってきた事を実感する事が出来 た。
挨拶を済ませ基地司令室に来ていた。横浜基地に戻った事の挨拶とこれから始まる作戦の内容を伝えると言う任務の為に司令官室まで来ているのだ。
「なるほど、遂にオルタネィティヴ6の発動ですか・・・。」
指令が苦い顔をしながら武の話を聞いていた。
「はい。コレが最後の作戦になります世界各所での計画ですので騒がしいものになると思いますがお願いします。」
「了解しました。私共も尽力をつくします。」
俺は、敬礼を済まし司令官室を出て廊下を歩き出した。そう、懐かしい仲間に会いに行くため。
激しい音を立てながらシュミレータールームでは、三体の撃震と一体の雄々しい紫色に塗装された武御雷が画面の中を飛び回っていた。
「彩峰!前に出すぎよ。下がりなさい!!」
「榊が下がりすぎてる・・・。」
「わーー!!2人ともこんな所で喧嘩しないでよー!」
「仕方ない!私が先陣を切る珠瀬は、援護してくれ!」
「うん!分かった。」
 
207小隊は模擬戦を出来ないのでシュミレータールームでのAランクミッションをしていた。
内容は、敵BETAの全滅と市民の約4分の1の安全確保がクリア条件であった。今現在BETAの人数は、2、30体程度で市民の避難が完了していた。
冥夜が駆る戦術機が75式近接戦闘長刀を手に取り要撃級BETAの体を切り裂き、それを盾にし、後ろの相手に次の太刀をきめる。
「遅いっ!!」
冥夜の言葉に反応するように戦術機は、機動力を生かし足元にうろつく戦車級を右に左と避ける。だが、数の利を生かしたBETAに戦術機の機動性を生かしな がら真正面のBETAに向かう。
しかし、潰しても、潰しても数が減らない戦車級は、戦術機の腕に食らい付いた。それに便乗するかのように足元から押し崩そう戦車級が押し寄せてくる。
「くっ!」
冥夜が奥歯を強く噛み、BETAが食らいついた戦術機の腕を切り捨て、周りの戦車級を排除しはじめる。だが、頭上の反応に気づく、押しつぶすかのように現 れたのは要塞級。その質量に息を呑む。周りの戦車級を排除するのに気を取られ大物に気づいていなかった。
一瞬、驚きが体を硬直させるが、次の瞬間には彼女の口元は笑みを浮かべていた。そして、その理由の元から発射された鋼鉄の弾丸により体を支える部位を撃ち ぬく。
「あせりすぎだよ!」
「すまぬ、鎧衣!!」
これをチャンスにと戦術機が長刀を構え一気に距離を詰めた。今にも倒れそうな要塞級の体から次々と戦車級が排出させてくる。だが、冥夜の両隣に現れた戦術 機がそれを排除していく。
「油断大敵。」
「お膳立ては、してあげるわよ。」
「ああ、任せよ、彩峰、榊。」
戦術機のジャンプユニットのノズルが火を吐き出し戦術機を軽々と空へと誘う。要塞級は、それを叩き落そうと足を持ち上げるが突然響く爆音により足を支える 部位が撃ちぬかれた。
それは、4つ離れたビルからの遠距離射撃。207分隊のスナイパー珠瀬により前足2本を失いバランスを大きく崩す。トップスピードで近づき胴の結合部に刃 を突きたて薙ぐ!
バランスを保とうとしていた要塞級は残りの足で自重を支えようとする。すかさず、もう一太刀を打ち込む。衝撃と切り裂かれた部位がブチッブチッと繊維が切 れていき血と腸をぶちまける形で真っ二つとなり地に伏せた。
「作戦終了だ。」
「どうにか、うまくいったね。」
「それにしても、千鶴さんと慧さんのコンビネーションが絶妙だったね。」
「うむ、あれのタイミングは、見事だったぞ。」
「あ、ありがとう。」
「・・・・。」
押し黙る彩峰に千鶴が目線を向ける。そうすると目が鋭くなりはじめる。
「なにか、言いたいことでもあるの?」
「別に。ただ・・・。」
「ただ?」
「榊とコンビネーションが良かったことに自己嫌悪。」
「あなたねっ!」
今にでも唸り声を上げてつかみかかるんじゃないかという千鶴に彩峰は、笑みを絶やさず相手をする。
「まぁまぁ落ち着け2人とも。」
「そうだよ〜喧嘩はやめようよ〜。」
「もぅ・・・ほ〜らPXに行こうよ。僕お腹すいちゃったよ。」
シミュレーターから出てきた全員は、いつもどおり話している。愛も変わらない光景に笑みを浮かべ目の前に男性が1人立っていた。
「ね、ねぇ・・・みんな・・・・あれって・・・・。」
美琴は、指を震わせながら男の方を指差した。
「ん?どうしたのだ?鎧衣 あれは・・・・。」
「どうしたのよ、御剣、ってあれ・・・。」
「間違い、ない。」
「ね、ねぇ・・・・あれってタ、タ、タ、タタタタタ。」
全員が男の顔を見ると幽霊でも見たかのようにして驚いていた。その表情を見た男は、笑いながらみんな方に歩み寄ってきた。
「お前らちっとも変わらねーな。」
「「「なんでここにっ!!?」」」

言い訳はプロローグ3でまとめて

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