マブラヴ・リヴァイヴ 
プロローグV 彷徨う命
 
 
俺は今、月に着ていた・・・・これがオルタネィティヴ6の正体だった。オルタ6は、地球でのBETAの数が少数になり地球への影響がほとんど無くなったか らであった。
しかし、地球は疲弊してしまった。ユーラシア大陸は、荒れた肌をさらし潤った緑は無く。降りしきる純粋な水は酸の毒液と成り果てた。
その為、オルタ6は、月奪還作戦・・・・十数発のG弾でBETAを錯乱させ、衛士部隊を投入して敵の『ハイヴ』とBETAの殲滅が内容であった。そして、 月は、最初にBETAに襲われた場所であった為に対BETAの研究がされていたためできればデータ回収も任務である。簡単に言えば特効作戦。だから、みん なから止められたよ。俺が月に行く時に。
 
模擬戦が終了して俺は、閉店したPXで全員に説明した。
「俺は・・・月に行く。」
「分かっている。だが、何故そなたが行くのだ?」
「俺が優秀な衛士、そして、大佐なんて大きな階級は言わば死ぬ者への2階級特進ってことさ。」
そう、この作戦に参加する部隊は、全員の階級が上がる。つまり、死んで来いと言っている。この人間の数が圧倒的に少ない中で馬鹿げた作戦を行う。それだ け、地球の死期が迫っているのかもしれない。
「・・・それだけではないだろう。」
武の言葉を彩峰が割り込むと全員が彩峰の方向を向いた。
「どういう意味だよ。」
明らかに不機嫌になっている武が彩峰を睨みながら聞いた。
「剛田から聞いている。この作戦は、志願制だって・・・。」
その言葉に武の表情は、変わったそして、ブツブツと呟き始めた。
「どうして白銀?みんなが知りたがってる。」
全員が武を見つめる。強い眼差し・・・・それは、自分のことの様に武を心配している仲間達の弱々しく強い優しい感情の表れであった。
「はぁー、分かった、分かった。言うよ。まったく・・・・。」
まったく剛田の奴は余計なことしやがって・・・・。
「俺は、自分の為にこの作戦に志願した。」
「自分の為?」
みんなが不思議そうな顔をして武の顔を見た。
「そう、俺のため・・・俺はさ。あの総合技術評価の時さ仲間を守りきろう。207隊だけは守り抜こうって思ったんだけどさ。俺が卒業してオルタネィティヴ 5が実行されて苦しんでいる人を何人も見てきて大陸に行ったのは話したよな?」
「そうね。あの時は、驚いたわ。」
「いきなり大陸に行くだったからね。」
榊と美琴が呆れるようにその時のことを思った。
「俺は、今度こそお前らを・・・いや、俺の目の届く範囲の奴は、守りきりたいんだよ!でもさ・・・地球のBETAを全滅させても絶対に何度も何度も敵が来 ると思うんだ・・・その為にも・・・月にいる敵を倒す。お前らが納得しなくても俺は行く!でもさ・・・・仲間であるお前らには・・・頑張れって言って貰い たいって思うんだ。」
武は、何処か弱かった。そこには何も変わらぬ白銀武がみんなの前にいた。弱いくせにそれでいて強がりで、でも本当は、強くて・・・頼りないけどだけど変な ときに頼りになったり、意地悪なんだけど優しくて、絶対に困っている人を見過ごせなくて鋭い人・・・でも、ものすごく鈍感な人・・・・そんな白銀武がみん なの前にいた。
「まったく、そんな風に言われると断れると思ってるの?」
みんなが呆れるよう頬を少し紅く染めながら武の方を見た。
「そなたは変わらないな。だが、そなたらしい・・・絶対に生きて帰って来るだぞ。」
「へっ?」
「そうね、頑張りなさいよ。貴方の実力は、知ってるんだから。」
「頑張ってねタケル〜。」
「ええっ!!」
「・・・・・生きて帰って来い。」
「身体に気をつけてね。タケルさん。」
「みんな・・・・ゴメン!それでいてありがとう!!」
それが彼らの別れではなく再会するための言葉であった。それから数日後に武は、戦闘艦に乗り月に向かった。武が月に向かったあと207隊のみんなは、今ま で彼に対して溜め込んできた思いを自分の部屋で吐き出していた・・・・・・・・・。
 
 
月では、激戦だった。何度も起こる大きな爆音、何機もの戦術機が倒れていく。だが、負けるわけには行かない!それは彼らが故郷に残してきた人達に再会する ための未練という生き残るための気力であった。
数ヵ月後・・・戦いは続いていた。BETAと月面軍の戦いは、5分と5分・・・月にあったデータが思いのほか残っていた為に対BETAの戦略と武器は、 BETAを圧倒していた。そして、地球では、全てのBETAとハイヴを全滅させたという吉報が届き月面軍の士気も高まり月面も勝利ムードが高まっていた。 そう、あのBETA達が現れるまで・・・・。
 
「HIV3の調査に行った調査隊との連絡が取れないだって!」
「ああ、どんなに連絡しても応答が無いんだ。」
「おいおい!もしかすると危険じゃねーか!!」
「だから、俺達が様子を見に行く。」
「仲間のピンチ!俺も行くぞ。白銀!!もし、あいつらに何かあったんだったら対策とる必要もあるしな。それにあいつ等は、俺と同じ『茜会』のメンバー だ!!」
言葉を遮る剛田・・・本当にこいつは、人の話を最後まで聞かない奴だ・・・・ま、元の世界でもほとんど変わんないか・・・。
「ちゃんと聞けよ。俺達って言っただろう?俺達といえば俺とお前と零夜さん。分かる?これは元々命令なの?ったく最後まで話聞かねー奴だな。」
「は、はははは・・・ま、あれだ。お前が言う結果オーライっていうやつだよ。」
「使い方を間違ってるぞ。」
「まったく、いつまでも変わらないな。剛田大尉。」
「おっと、少佐。話を聞いていたので?」
「まったく。少しは、周りに気を配れ。」
3人が口元を緩めて笑い始める。互いに生き残ろうと誓った戦友同士なのだから。

ヴァイスのメンバー、武、剛田、零夜の3人、そして他3人の計6人のメンバーが調査ポイントに向かっていった。
「けどよ。剛田・・・・お前なんで月奪還作戦に志願したんだ?」
「ん?それはだな!!愛する者を守るために遠く離れた場所でも戦う!!そして、帰ってきた俺に対して愛する俺の女神!!の熱い抱擁!そして、結婚!!」
「結婚の前に、付き合ってないだろ?」
呆れたように零夜がつぶやくのを聞いて剛田は、それを思い切り訂正する。
「何を言う!!俺達は、心の中で繋がっている!それに茜さんのお姉さんに花束持って茜さんとの結婚を認めに行って『お、おもしろい人ね・・・。』って笑顔 で言われたぞ!これは、もう認めてもらったも同じ!そう、俺たちは、心の中で少しずつだが確実に結婚という幸せが待ってるんだ!!!」
「なんだ、それは。」
熱血・・・完膚なきまでの超絶熱血有害妄想野郎だということを武の心の中での剛田は位置づけされた。
「(それって単に嫌がってるだけなんじゃ・・・。)そろそろ・・・目的地だ。」
そして・・・この会話が剛田との最後の会話だった。
 
「ここが目的地だ・・・でも、これは・・・・。」
「みんな・・・やられちまったのかよ。」
調査に行ったBETAに屍骸と一緒にボロボロにされ機能も停止させられ大破した戦術機があった。
「ん?た、大佐!BETAの反応が8つ!1つは、重量級です!」
「ちっ!BETAが姿を表したと同時に後退しながら迎撃!!」
『了解!!』
「任せろ!!」
そして、BETAが姿を現したが・・・BETAは、何かから逃げるように攻撃してこなかった。こちらが後退しながら攻撃するのだがBETAは、反撃する気 配を見せなかった。そう、ただ何かから逃げるように・・・そして、重量級のBETAが突如姿を現し1体のBETAを捕捉して頭部を噛み千切る。そして、転 がされた屍骸は、さっき散乱していたBETAの屍骸と同じ死に方であった。
「な、なんだ・・・あれは・・・。」
1人の衛士がかすれた声を出した。武達は、巨大なBETAだけを狙い銃弾を放つ。だが、銃弾全てが巨大なハサミと殻に拒まれまったく通用しなかった。
「くそ!あの巨大なBETAのデータを本部に『キャンサー(蟹座)』として送信しとけ。あとは、全速力で撤退しろ!!」
「「りょ、了解!!」」
強大さだけでいえば要塞級サイズ。だが、要撃級に似た両腕。そして、突撃級の様な甲羅に包まれていた。1人が突撃砲を構え攻撃を始めた。
「くらえ、くらえ!バラバラになっちまえ!」
「馬鹿!やめろ。」
「くっ、あの馬鹿は、さっきの要撃級が食われるところを見ておかしくなったか!」
だが、甲羅に銃弾が阻まれ要撃級を食し終わった。キャンサーは、ゆっくりと首を伸ばす。その姿は、亀が頭を出すようにゆったりとしたものだった。銃弾が キャンサーの頭に当たり血が吹き出る。
「や、やった!ほら、いけるぞ!!」
「やめろ、戻れ。」
それを言っている間に口を大きく開き火球をはきだした。その大きさは戦車級並み。つまり、戦術機の上半身を飲み込むほど。
「え?」
あっけなく戦術機は飲み込まれ炎に包まれた。
「ちっ、やるしかないか?」
全員が撤退を始めるが剛田だけが撤退しようとしてなかった。いや、それだけでなくカスタム撃震の右腕には、高速回転鉄鋼拳(ドリル付ブーストグローブ)な んというマ改造チックな巨大な腕がついていた。
「剛田!何する気だ!!」
「悪いな、白銀・・・ここでコイツを野放しにすれば他の仲間が襲われる。だから俺とコイツでアイツを倒す!!」
「剛田さん・・・。」
「中尉殿・・・。」
「馬鹿な。戦況が分からないわけではないだろう?今は、逃げるのが得策だろう!」
「行け。俺とコイツの無敵さは知っているだろう!!こいつを倒して俺のギガントパワーを見せてやるさ。」
「頼む。」
「馬鹿な。貴様も血迷ったか!?」
「感情的になるな。ここは、敵地だ。任務を優先する。」
「くっ。」
剛田のゴウダインが走り始める。進化型BETAに向かいスラスターを起動させ腕のブースターを起動させる。
そして、武たちは、その場を離れ始める。
「良かったんですか?大佐?俺たちも残てればあのBETA倒せたんじゃ・・・。」
「違うぞ。勝てただ。」
「え、ならなんで!」
「大佐殿と大尉殿・・・俺たちも一緒なら倒せたさ。だがな、俺達の任務は偵察。情報の伝達が最優先。それに、ここがHIVの近くだって忘れたのか?」
「あ。」
他の衛士達がそんな事を話していると後から大きな爆発音が聞こえてきた。
「またな・・・剛田・・・。」
「忘れぬ。」
武は、そう呟きながら下唇を噛み頬から暖かいものが流れ落ちていた。
 
 
「うおおおおおお!!行けーーーー!ゴウダーーーーイーーーンーーーー!!!」
火球を発射する。だが、それを肩部のカノン砲で打ち壊す。煙がモニターを隠す。そこで、敵はハサミで襲ってくる。しかし、ローラーを使い曲がりきり避け る。もう片方のハサミが向かってくる。それを再びカノン砲を撃ちハサミを弾く。そして、右腕を起動させる。
「俺は、茜さんとの愛を・・・いや、違う戦友との誓いは必ず守りきってみせる!!」
ブースターが起動する。さっきまでの鈍足が高速になる。そして、ドリルが唸り空気を熱し熱風巻き起こし相手の距離を一気に決める。
「いくぜ、使い捨ての一発だぁ!!」
キャンサーの顔が歪み、貌が抉られていくドリルもまた不愉快な音を立てて軋み始める。そして、ドリルが貌を潰し終えると右腕を引っこ抜く。
「あとは、盛大に花を咲かせるぜ。」
笑みを見せ、足を地面につける。そして、次の瞬間にドリルグローブが爆発した。ほっと、息をつく。いくら、BETAでもこれなら生きていないだろう。剛田 の戦術機にはエネルギーが残っていない、戻れるかどうかも不安である。しかし、そんな心配をする必要は無かった。何故ならば
キャンサーは、突然動き出し、残っていたハサミで剛田の機体を上下を絶った。
「ちっ、そこがお前の本体かよ。」
 組しきられキャンサーの身体から零れ落ちてくる赤い液体にモニターが染まる。
「だが、俺もただじゃ死なないぜ?日本人の一世一代の伝統芸を見せてやるぜ。」
キャンサーは、動き出そうとしていた。もはや、価値が無いと判断したのかもしれない。だが、剛田と撃震は、何かをキャンサーに投げつけ、カノン砲でそれを 打ち上げる。
「これが、日本の花火って奴だ。へへ、悪いな、先に待っているぜ。」
 
剛田が死んだ・・・そして、蟹型の他に11体の進化BETAが確認されていた・・・通称『ゾディアック』型BETAとして登録された。ゾディアックタイプ は、どのタイプのBETAよりも強力になっている・・・戦った戦術機が全滅というのが確認されていた。そのため月面軍は、急遽ゾディアックタイプの排除を 最優先にした。
それから半年・・・11体あったゾディアックタイプは、残り2体にまで減らしていった。残るは、ハイヴ型という拠点のような巨大なBETAであった・・・ 今までハイヴ型は、射手座と呼ばれたBETAのみだった。そして、残る天秤座、水瓶座と呼ばれるBETAの撃滅作戦が実行された。
「これよりハイヴ型殲滅作戦を始める。作戦通り俺の隊がハイヴ型を撹乱する・・・援護を頼むぞ。」
「02隊了解」
「03隊!いつでもいい!!」
「04隊準備完了!」
「05隊!!了解!御武運を。」
武以外の隊が準備完了すると武は、レバーに手を置いた。
「よし!01隊出撃!!」
「「「了解!」」」
武の一言共に飛行ユニットをつけた武の部隊が黒い空を飛び上がりBETAの発射されるレーザーと共に開戦の狼煙が上がった。
 
「うおおおお!!!」
聖神が02式速射砲を構えアクエリアス(水瓶座)に向かい発射する。レーザーで応戦するアクエリアス・・・ハイヴ型の特徴は圧倒的火力であった。それは、 サジタリウス(射手座)の交戦で圧倒的火力の威力を痛感した為その恐ろしさを知っているのでこのような錯乱部隊と援護部隊に分かれていた。そして、アクエ リアスを破壊するのは仲間との連絡や補給を妨害する役割をしていた為の破壊であった。
「くそ!コイツ無茶苦茶!堅ぇーーー!!」
レーザーを避け速射砲を何度も発射する。しかし、何故BETAのレーザーを避けられているのか?それは、月面にあった対BETA攻撃阻止システムの力で あった。これは、特殊電波を発生しBETAのレーザーを曲げるという防御システムであるがそのシステムも完全で無く30分しかもたず全てのレーザーを防ぐ 事は出来なかった。
「くそ!」
「白銀コンビネーションを組むぞ。」
「へっ、よし、観客を魅了してやるか!!」
「ふん。ステップを間違えるなよ。」
「誰に言ってんだよっ。」
アクエリアスは、いままでのBETAの中で最強の防御を誇っていた。レーザー攻撃以外にも近寄ってきた敵に向かい攻撃してくる触手も危険であった。
「触手を撃ち落す!!03、04俺たちの後をついて来い。遅れんなよ。」
「「了解した。」」
聖神の両肩に装備されたカノン砲と両腕の小型ガトリングと両腕に突撃砲を構えた。そして、零夜が大型のガトリングランチャーを装備した。
「いくぜ!」
聖神が飛び出した後をラプターが続く。聖神の多数の武器が触手を破壊していく。それでも阻む触手をラプターが撃ち砕く。
「武器の交換!」
「刹那ですませる!」
聖神とラプターは、スピードを遅れさせることなく突撃砲をガトリングランチャーの武器交換を済ませる。
そして、ラプターが邪魔な部分を突撃砲でカットしていく。聖神のカノン砲が数十本の触手を砕きガトリングランチャーでまだ残る触手を根こそぎ持っていく。
「よし、01−3から01−8!」
『了解』
隊長である武の命令が来た途端にカスタム撃震がミサイルポッドを一斉に発射する。アクエリアスは、残りの触手で破壊しようとするが触手を再生する時間と他 の触手の位置が悪く、レーザー攻撃でも落としきれずほとんどのミサイルがアクエリアスの身体を貫く。
しかし、それでも致命傷を与えられない。しかし、傷を負っている。装甲が衝撃により剥がれ落ちている。
「火力がたりないね。G弾でも欲しいところだ。」
そんな下らないことを言うが、このままでは弾薬もつきるだろうし接近戦であの装甲を破るのは無理だろう。
「白銀。」
「どうした零夜?どこかやられたか!?」
「いいえ、正常です。」
「なんだよ・・・驚かすな。で、なんだよ?これ以上話すこと出来ないぞ?」
「いくら、ミサイルでダメージ装甲を破壊するには、火力と物資が足り無すぎる。」
「あ、ああそうだ・・・。」
なんだ・・・嫌な予感がする・・・まさか零夜の奴!!
「それならば私に任せてください。」
零夜の不知火の飛行ユニットのブースターとリミットを解除してアクエリアスに向かって行った。
「くそ!全員!一度下がれ!!零夜の奴特攻する気だ!!」
「マジかよ!今時『バンザイ・アッタク』だって!!」
「大佐はどうする気ですか?」
「俺は、零夜を止める!!だから御前等は、下がれ!!」
「で、ですが・・・。『うるさい!!これは命令だ!!』は、はい!!」
他の不知火がアクエリアスを撃ちながらその場を後退していく。武は、特攻する不知火を追いながら迫ってくる触手に不知火との距離が近づかなかった。
「邪魔だーー!!零夜!零夜!!後退しろ!!!」
くそ、間に合え!間に合えよ!!
苛立ちながら武は、不知火を追いかける。しかし、不知火は、もうアクエリアスの目の前にいた。そして・・・。
「白銀・・・冥夜に宜しくと。」
ドォーーーーーーン!!!!(文字サイズ+16)
アクエリアスの表面が爆発する・・・・そして、アクエリアスの外部が剥がれピンク色の肌をさらした。
「くっ!!!よくも!よくも零夜をーーーー!!」
武は、脚部スラスターとブースターを限界にまで達し・・・カノン砲と小型ガトリングガンの全弾丸を撃ちつくすまで肉片を砕いていく。
「総員!攻撃。」
合図と共に攻撃が降り注ぐ。その中を両手にナイフを構え急上昇、そして、錐もみ状態になり両手のナイフを相手に向ける。聖神のコクピットに起こる強力なG に耐えながら黒い竜巻が砕けていったアクエリアスの肉を抉り血の噴水を沸きあがらせる。
そして、中心部の血管に包まれた重要な臓器に向かう。それを邪魔する肉の壁回転を止め、肉を捌き、心臓部に刃を入れる。
「ここで、落とす!!」
心臓部を絶たれ、アクエリアスは、ゆっくり膨張していく。そして・・・ゆっくりと光がアクエリアスの肉を切り裂いていった。
 
その爆発から離れた場所に武の乗る漆黒の戦鬼・・・聖神がボロボロになりながらその場にいた。
「ん・・・あれ?俺・・・そういえば・・・そうだ・・・アクエリアスは・・・・落とせたのか!?」
聖神のシステムをチェックしながらあたりをチェックするとアクエリアスの反応は無かった。
「よかった・・・成功したんだ・・・ゴホ!ゴホ!!」
咳をすると掌に血がついていた・・・。
「ヤヴァ・・・爆発の衝撃で肺に骨が刺さったぽい・・・ははは・・・俺死ぬのかな?」
意識がもうろうとしているところにそこに・・・戦術機の影が見える。だが、戦術機の姿をしているがそのフォルムは異形としか言いようがなかった。
「あん・・・こんな時に・・・あ、もう・・・意識が・・・・。」
《―――しろ。もうい―――ど―――あれ――を。》
一つの男の声であるのだが。だが、声色は年齢が別々であるように聞こえる。しかし、全員が同一人物であるのだと思える。
(くそ、幻覚が聞こえる。こんな所で・・・死にたくないぜ・・・・もし・・・戻れるなら・・・俺がこの世界に来たあの時に戻りたいな・・・・・・みん な・・・。)
《すく―る―――おま、、しか――いない。かの――を―――す・・み、、かを。》
「・・・純夏?・・・ああ、お前と会いたいかもな。」
《故に・・・戦う。》
異形の戦術機が青い光を発すると聖神が青い光じゃない光に包まれる。その光は、異形の戦術機はそこに何もなくモザイクのように姿を否定されて蒸発していく 聖神はそのひかりを飲み込み粒子となり砂のように飛んでいく。

プロローグ第三章「彷徨う命」     完

言い訳

どうもNEOです。このマブラヴ・リヴァイヴは、別のサイト様のところに投稿していたのですが諸事情でHPの更新ができなくなってしまい困り果てていたと ころを黒い鳩さまにお願いしたところシルフェニアに投稿させていただけることになりました。ここに、感謝させていただきます。

さて、この作品は逆行ものです。また、主人公最強形なので見る人を選ぶかもしれません。さて、1話目をジックリと改定してから送りたいと思います。それで は、では。



押して頂けると作者の励みになりますm(__)m


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