ライ Side

「では、本日から格闘及び射撃を含む実践訓練を行う」

「はい!」

(随分気合い入ってるな・・・、いつもこんな感じなのか?)






「今日は戦闘を実演してもらおう。ちょっと活力が溢れんばかりの十代女子もいることだしな。―凰! オルコット!」

「な、なぜわたくしまで!?」

まぁさっき雑談してたし。

「専用機もちはすぐに始められるからだ。いいから前に出ろ」

「だからってどうしてわたくしが・・・」

「一夏のせいなのになんであたしが・・・」

「まったく・・・。お前ら少しはやる気をだせ。――あいつにいいところを見せられるぞ?」



織斑先生が何か言うと二人は何かヤル気を出したようだ。


それにしても、あの二人が代表候補生かあ。
夏樹さんにある程度の情報を渡されたから余計な質問をしなくてすんだな。



「それで、相手はどちらに?わたくしは鈴さんとの勝負でも構いませんが」

「ふふん。こっちの台詞。返り討ちよ」

「慌てるなバカども。対戦相手は―――」



と、織斑先生が言おうとしたら。そらから、山田先生が突撃してきた。


しかも、こっちに向って。僕は咄嗟にシャルを抱きかかえ、後方にとんで回避したけど、
一夏は山田先生の下敷きになった。


「「「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」」」



「ランペルージ君がデュノア君をお姫様抱っこしてる〜〜〜!!」



「お、お花畑が見える・・・」



「カメラはないの?」



「一夏ッ―――――――――!!」


「おほほほほほ!!」

女子達が何か騒いでいた、しかも、代表候補生である二人は何故か一夏に攻撃し始めたし。

「大丈夫かシャル?」



「う、うん、ライが咄嗟に助けてくれたから怪我はないよ」


「それはよかった。でも周りが騒がしくなったね」


そんな事を言ったら、シャルは呆れた顔をしていた。





その後直ぐに織斑先生が騒ぎを鎮める。






その後直ぐに二人は山田先生と二対一の模擬戦になった。



山田先生はアサルトライフルを連発して、確実に二人に当てる。



山田先生はうまく攻めている。二人は山田先生の攻撃に何とか反撃に出ようとするがかすりもせず、
あえなく敗退。


「くっ、うう‥‥まさかこのわたくしが‥‥」

「あ、アンタねえ‥‥‥何面白いように回避先読まれてんのよ‥‥」

「り、鈴さんこそ!無駄にばかすかと衝撃砲を撃つからいけないのですわ!」

「こっちの台詞よ!なんですぐにビットを出すのよ!しかもエネルギー切れるの早いし!」

「ぐぐぐぐぐぐぐぐっ・・・!」

「ぎぎぎぎぎぎぎぎっ・・・!」




あの二人、仲悪いんだな。さっきは二人で雑談してたのはなにかの見違えかなと思っていたら。



「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように」

手を叩いて、織斑先生がみんなの意識を授業に戻した。

「専用機もちは織斑、オルコット、デュノア、凰、ボーデヴィッヒ、ランペルージだな。では七人グループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな? では分かれろ」



「先生、ランペルージ君は専用機持ちなら強いんですか?」



と、誰かが質問した。


確かに、代表候補生が専用機持ちなのはならわかるけど、僕見たいなのは例外だから気になるはずだな。



「あ、私も気になる。デュノア君は代表候補だからわかるけどね」


周りがざわざわし始めた。


「はぁ〜、山田先生」


「は、はい」


「まだやれますか?」


「それは大丈夫です」



「ちょうどいい、ランペルージ。今度はお前が山田先生と模擬戦だ」

「はあ」


「これより、第二アリーナにむかう、お前達は観客席に行け」



「あれ?此処でいいんじゃないですか?」


「ランペルージの転入試験の模擬戦は時間の問題で先送りにされたからな。今日ついでに行う」



その言葉で、皆は納得言った。





そのあと、ピットに案内された。
その間に、箒やセシリア、鈴音と自己紹介を済ました。




僕はISを展開した。


「これが、ライのIS・・・・」


一夏が呟いた。



「随分スマートだね」


「うん、俊敏性と機動性を重視してるからね」



「ところで、アンタさ戦闘経験は?」


中国の代表候補生の鳳さんが質問してきた。


「一度も無いよ、研究所のほうでは小さくて、ISのコアはこれだけだったからね」


「大丈夫なのか? 山田先生は鈴とセシリアが二人掛かりでも完敗した相手だぜ」



一夏がそう言ったら、二人が睨んだ。


「さっきの戦闘で幾つかの戦略を立てたから、勝機は無いわけじゃないよ」


「あんた戦闘なめてるんじゃないの?」


「そうでもないぜ、ライのやつ結構運動神経いいぜ」



「それとこれとは話は別でしょ?」


「そ、それはそうだけど」


「このデュランダルと武装の設計は僕も協力してるから、大丈夫だよ」


「そうなんだ、でも無茶しないでねライ」



「うん」



その後、僕は直ぐにアリーナに向かった。





一夏 Side



俺達はそのまま、千冬姉がいる部屋に向った。


千冬姉に色々質問できるし、都合がいいだろうと思って。


部屋に入ると、丁度ライがアリーナに入ったところだった。




ライは飛んでいたのにも関わらず、態々地面に着地したと思ったらローラーが付いていたらしくスムーズに地面を滑る。




山田先生はそのまま、ライにアサルトライフルを撃つ。
ライはそのまま避けず真っ直ぐに進む。


「おいおい、避けないのかよ!?」


そう俺が叫んだら、アサルトライフルの弾はライをすり抜けた。


その事に皆驚愕したが、千冬姉は別の意味驚いてたのがわかった。



「どうなってるんですか、弾がすり抜けるなんて!?」



セシリアはそのまま疑問を口にしたら。


「ランペルージはちゃんと回避している」


「へ!?」


「回避して、元の位置に戻っているんだ、しかも小刻み動きで最小限に回避をしてな、
相手から見たら亡霊のようなものだ」

「マジかよ!!」


最小限の動きで回避してるのに、その様子が見られないという事は驚異的な動きだって事だろう。




山田先生がグレネードを投擲したら、ライは上空に向かって飛び、投擲先を読んでいたのか、グレネードを撃ち抜いた。


爆発が起こり、煙が上がる。その煙からライの出てきたと思ったら、
ワイヤーな様なものを発射させた、そして、それを振り回すようにしたら、
煙からワイヤーにつかまってた山田先生をアリーナの壁に投げつける。


しかし、山田先生は体勢を立て直し、上空に向って飛んだが、ライは回避先を読んでいてライフルで山田先生を狙い撃った。それは命中して山田先生のシールドエネルギーが半分以上削られる。



山田先生は何とか体勢を立てなおして距離をとったが、ライのライフルが変形して少し長くなった。

それを山田先生に狙いを定めた。その弾速は先程の速度と桁違いに速く難なく山田先生に命中、
山田先生の残りのシールドエネルギーは二桁を切った。


追撃するかと思ったが、ライは動きを止め。



山田先生のに向かって飛んだ。



その途中でライフルをしまい、両肩にある棒らしきものを抜く。


それはブレードだったよう。

しかしISのブレードと違い赤くなった。



山田先生はアサルトライフルでけん制するが、先程と同じ様に弾がすり抜けるような感じでライは間合いをつめて、
剣を振り下ろし山田先生のシールドエネルギーがなくなる。





「まじ・・・かよ? ・・・すげぇ」



俺は素直にそれしか言えなかった。



「あいつ、戦闘経験がないって言ったのはうそじゃないでしょうね?」



「いや、それは本当だ。アイツのISのコアには戦闘記録のデータの経歴はなった。



「本当なんですか?」


「ああ、(だがアイツは戦いなれている。しかもかなりの高レベルな戦闘を経験している感じだ。
それに、なぜあの時ライフルで追撃しなかった? あいつの腕ならあの時点で勝負は決まっていた。
あいつの顔、何か驚愕していたな)」




「これで、ライは専用機持ちにふさわしいってことが証明されたんだね」


シャルルは嬉しそうに言う。



その後、グランドに戻って授業を再開する。



先程の戦闘でライに教えを乞う女子生徒が増えたが、千冬姉の一言で出席番号順になった。



ライは教え方がうまかったのか一番早くおわり、千冬姉に言われて遅れてるところを手伝いに行った。


ラウラ Side





ランペルージという男が気に入らなかった。


初めて教官に会ったのにも関わらず、教官にあんな顔をさせた。

以前教官が自分の弟の事を話してるときに似ていたが、明らかにアレとは違った。




それだけでも気に入らないのに、その男の戦闘は熟練したパイロットのような戦闘だった。
しかも、周りに馬鹿どもが大騒ぎをしていて、余計にイライラする。



あの男が、他の馬鹿どもに教えている所をみるとさらにイライラする。







ライ Side




昼休み、一夏に誘われて屋上で昼食を一緒にしたが。



「・・・・・・・」


箒が一夏を睨む。


「本当に僕達も一緒にしてもいいのか?」


「ん? 折角の昼飯だし、天気もすげーいいし、大勢で食ったほうがうまいだろ」



「そう・・・だな」



怒ってるな、何でだろう?何か用事でもあったのかな?



僕は弁当箱をだした。


「おまえら、転入初日なのに弁当持参って凄いな?」


「転入初日だからだよ。購買や学食など探す時間がもったいないからね。
時間が余った時にゆっくり調べるから」


「なるほどって、シャルルも同じ弁当?」



「ああ、一人分も二人分も同じだからね、作ってあげたんだよ」


「そっか」



「ありがとう、ライ」


「いいよ、そんなに変わらないからね」



「アンタ達・・・仲いいわね?」



「そっそうかな?」



「う〜ん、おかしいか?」

「いや、いいわ」


「それより、気になりましたけど、先程の山田先生の戦闘で、ライさんは最後にライフルを続けて撃っていたら、勝てたんじゃないでしょうか?」



先程の戦闘の事を言っているのだろ。


僕がスーパーヴァリスUでなく、MVS(メーザーバイブレーションソード)で決めた理由は、
あの戦闘と重なった。











シュナイゼルとの最終決戦の最後。








「ライ達がフレイヤ弾頭のスイッチを手に入れたのか?」




藤堂達に緊張が走った。



「これで、勝負は決まりだよ。降伏するんだカレン?」



スザクがカレンや藤堂達に降伏を勧める中、僕がスザクに向けてスーパーヴァリスを撃った。



「!?」

スザクはギリギリで避けた。



「へ、陛下!?」



「貴様の役目は終わりだ。ナイトオブゼロ・枢木スザク。ここで黒の騎士団と残りのラウンズともども消してやる」




「な!?」


「ブレイン役のゼロは先程私の部下で取り押さえた。シュナイゼルは私の駒となり、残りは貴様等だけだ」




「ライ、アンタ、ルルーシュ達まで裏切るつもりなの?」


「そこまで堕ちたかライ君!?」



「堕ちる? ちがうな間違っているぞ藤堂。高みに…頂点にたつんだよ。
私のかつての夢、世界を我が手にする為にな。お前達はそのための踏み台になってもらう。私直々にお前達を倒そう」 



カレンに四聖剣、藤堂、星刻、ジノ、そしてスザクを目の前で宣言する。



「この人数相手にその余裕は、私達をなめすぎているぞ!?」





「へ、陛下・・・」





「スザク君!! ここで彼を倒さなければ君も死ぬんだぞ!!」



「と、藤堂さん!?」


「スザク、アンタと協力するのは癪だけど、ライをとめる為に協力してもらうわよ」



「ぼ、僕は・・・俺は・・・・」


「そうだな、スザクも加われば少しは楽しめるか」



「さっきから、高いところからえらそうに言うのねライ?」


「おかしいか、なら見せてやろう。私が狂王と呼ばれた由縁を」



如医善方便(にょういぜんほうべん)為治狂子故(いじおうしご)顛狂荒乱(てんおうこうらん)作大正念(さくだいしょうねん)
心墜醍悟(しんついしょうご)是人意清浄(ぜにんしょうじょう)明利無穢濃(みょうりむえじょく)欲令衆生(よくりょうしょうじょう)
使得清浄(しとくせいじょう)





諸余怨敵皆悉摧滅(しょよおんてきかいしつざいめつ)




自分の狂気をさらけ出す。



狂気がナイトメア越しにでも伝わったらしく、彼等は驚愕した。


「こ、これは!?」



「な、なんという闘気・・・いや狂気か!?」




「光栄に思え、この時代でこの状態で戦うのは貴様等が初めてだ。さて、そろそろ死んでもらおうか?」



「死・・・・ぬ・・・、僕は・・・俺は死ねない!!」































ゼロレクイエムの為とはいえ、スザクにヴァリスを撃った時と山田先生が何故か重なった。










「ライ?」



「え!?・・・ごめん少し考え事してたから」



「そう」


シャルは何か心配そうな顔をうかべた。


「で、なんだって?」



「ですから、あの時なぜライフルで山田先生を攻撃しなかったのかを聞いているんです?」


「初戦闘だから、他の武器の調整も見たかったからだよ」



僕が咄嗟に言い訳をする。


「そうでしたか」


「それよね、アンタ本当に初陣なの?」



鈴音が疑いの眼差しで質問をしてきた。



「ISの戦闘(・・)は本当はじめてだよ」






その後、一夏が自分の箸で箒さんに食べさせたら、シャルが何か羨ましそうに見ていたので、
一夏にシャルにも食べさせてあげたらといったら、何故かシャルに馬鹿扱いされてしまった。










「なあ、ライ。頼みがあるんだけど?」



「どうしたの?」



「放課後、俺の特訓に付き合ってくれないか?」



「特訓?」


「ああ、俺初心者だから少しでも強くなりたいんだ」


「でも、僕も初心者だ。教えられることはないと思う」


「でも、鈴とセシリアが二人がかりでも勝てなかった山田先生を圧倒したから、
俺より強いだろ? 頼むよ」




「ちょっと、一夏。私達じゃ不服だというの?」



「そうですわ。私達だけで十分ですわ」



「でも、お前らが完敗した山田先生を倒したから・・・、
俺は少しでも強くなりたいんだよ」


「う〜ん、バイトが無い日しか教えられないけど。それでいいか?」



「ああ。ってバイトするのか?」


「ああ、家族も親戚もいないからね。生活費を稼がないといけないんだよ」


「そ、そうなのか」



一夏は地雷を踏んだかのように罰の悪そうな顔をした。


他の子たちも、なんていえばいいのか困った顔をしている。



「気にする必要は無いよ。このISの設計に関わってたから蓄えはある」




夏樹さん達からは開発費の一部を貰っている。

今回の戦闘は政府が確認するだろうから、開発費をさらに絞れるだろうし、
お金はそんなに心配は無いが、やはり自分の生活費ぐらいは自分で稼がないといけないと思って、
夏樹さんに相談したら、この近くで友達がやってる喫茶店を紹介してくれた。




今日の放課後にも顔を出すつもりだ。


希少な男というわけでIS学園や政府関係者に止められたが、天涯孤独ゆえに許可を出してくれた。





「そ、その、いいのか?」


「かまわない。僕もまだISになれるよう訓練しないといけないから、丁度言いし」



「そっか、それじゃあ、よろしく頼む」





お昼休みが終わり、僕達は教室に戻った。



千冬 Side



昼休み時間。

私と山田先生はランペルージの戦闘データを見ていた。



今映像で出ているのは、アサルトライフルを避けてる映像だ、スローで見てみるとわかる。


ランペルージは細かい動きで、弾を一つ一つ避けているのがわかる。


「お、おかしいですよ。こんな回避の仕方、人間に出来るんですか?」


「だが、現にこうして映像もあり、山田先生自身が体験した」



「そ、それはそうですけど・・・、織斑先生なら勝てますか?」


「正直言って勝てる気が全くしません」


「そ、そうなんですか?」


「ランペルージの戦い方は本能というより、計算して戦っている。
グレネードに直ぐに対応したのと、スラッシュハーケンで壁に投げつけた後の、
対応見れば一目瞭然だ。ランペルージに勝つには奴の予想を上回る攻撃じゃないと効かないでしょうね」




ランペルージの持つ実力、人柄、頭脳、どれをとってもまだ20歳にも満たない人間が持ち合わせられるものではない。



異常すぎる。




「これを、政府に渡すべきでしょうか?」



「すこし、考えたほうがいいでしょう」



ランペルージのことで政府は何かと圧力をかけている。

IS学園に入学できる資格があるのかと。もっとも彼等は希少な男子を調べたいだけだろう。


これを見せたら、学園に通う必要は無いといいそうで、対応に困る。


さて、どうしたものか。



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