鈴 Side


緊張する・・・。
先日、ライがみんなの前でデートしないといわれた。
最初は言葉の意味が捕らえる事ができなかったが、徐々に何を言ったか理解ができたとき、
顔が熱くなるのを感じた。

きっとその時のアタシは顔を真っ赤にしていただろう。


シャルロットとラウラは見る見るうちに不機嫌になっていくのがわかった。


でも、その後、デートの目的は私が訓練後のスポーツドリンクやタオルなどの、
お世話になっているお礼がしたいからだといったら、シャルロット達は安堵したが、
私としては複雑だ、今までの地味なアプローチが実を結んだが、
恋愛対象としてじゃないためだ。


だが、デートだ!!

以前一夏と何度も出かけている。
が、私はその時デートとしてが、一夏は買い物だ。
だから、お互いデートだと認識してやるデートは始めてだ。



私は一足先に待ち合わせ場所に来ている。


そのせいで心臓がバクバクと鳴っている。

気を紛らわすためほかの事を考えた。

「そういえば、純菜、大丈夫かしら?」


ふと、デート相手と仲がいい?人物のことが気になった。



今朝、突然純菜がライに組み手を頼んだ。

剣道の大会で優勝した箒は、以前に純菜の噂を聞いたといっていた。

あらゆる武道をこなす同い年の女の子が居るという噂だ。

先週、箒はその子が純菜だと知って、試合を申し込んだ。

結果は箒の惨敗。



周りの子や一夏達は驚いていたが箒自身は上には上が居るとか、どこかの格闘漫画の台詞を言いたげな表情だったのが印象的だった。


そんな純菜がライに組み手を頼んだから、周りの子達も気になって二人の組み手を見る事になった。


二人はいい勝負にできるだろうと皆思っていたが、結果はライのほうが圧倒的に上だと確認させるような組み手だった。



純菜自身は不甲斐ないと思ったのか、本気で相手して欲しいと頼んだ。

結果は、同じで、しかも純菜は何度も吐いた。


一夏や周りの子がやりすぎだと叫んだが純菜自身が続けてくれと頼んだ。

純菜の動きを見ていると、動きは一流と言っても差し支えない動きだが、
ライの動きはそれ以上だった。


必要最低限の動きだけで総て避け反撃していく。


ライが凄いのはわかっていたが、改めて認識した。

それだけ差があるにもかかわらず純菜は何度もライに向かい返り討ちにあう。


「レイン、これで最後にするよ」



「・・・わかりました。時間を取らせてすいませんでした」


「何かつかめたか?」


「何とか」


「そうか、行くぞ」



ライと純菜が会話を終えた後、ライの纏う空気が変わった。


この時、純菜と見ている私たちは一気に緊張した。

そして、気付いたら、ライは純菜の目の前にいた。


ハッキリ言って、見ている私たちは全く気付かなかった。

一瞬にして移動したわけでなく、本当にライが移動したのを気付かなかったのだ。



そして、ライは攻撃に移ったが、そこからが更におかしかった。


動きが鮮やか過ぎた。まるで、風に乗った葉が飛んでいくような感覚だった。



自然すぎて、脳が記憶が出来なかった。

気が付いたら純菜は倒れていた。


誰もが唖然としていた。見えなかったわけではなかったはずだ、
けど、気付いたら純菜は倒れていた。



その後すぐ、ライとマリーカは純菜を保健室に運んでいった。



その場で唖然としていた人たちの中で、ありえないものを見たという表情をしていた人物が二人いた。

一人は箒、もう一人はいつの間に来ていた千冬さんだ。



「お、織斑先生、ラ、ランペルージは何度攻撃したか分かりましたか?」



「一応・・・認識できたと言うべきなのか?」

明らかに動揺している。


千冬さんの態度がおかしかったのか一夏は千冬さんに質問した。


「千冬姉はライが何をしたのか見えたのか?」



「・・・ああ」


何時ものように織斑先生だと言う事をわすれ、一夏の質問に答えた。



「初撃は右の二の腕、二撃目は月ヶ瀬が距離をとる前に右足の付け根、
三撃目は肋骨の下、四撃目は左腕の中心、五撃目は左足のすねの横、
六撃目は胸板への肘での突き、七撃目は六撃目で突き飛ばされ、
更に右足の甲を踏みつけバランスを崩すにかか、
八撃目はバランスを崩れたところで肩甲骨に拳で打撃を与えた、
九撃目は、右肺の下部に拳を叩きつけ、最後の十撃目は顎に掌底を打ち込んだ・・・・、
しかも強すぎず弱すぎずだ」


・・・・・・・・・・・・・は?




「十って、俺、気が付いたら純菜が倒れてたんだぜ、
んな馬鹿な・・・・」


一夏の感想はこの場にいた子達も思ったことだろう、実際私もそうだ。


「動きが鮮やか、いやこの場合は自然すぎか?」



言葉が見つからないのか美味く説明できない千冬さん。


「とにかく、動きが自然すぎて普通に認識が出来なかったんだろう、
不自然な動きより自然な動きの方が記憶に残りにくい人の脳の仕組みを利用したとしか思えん」


「私でも二撃以降は認識できませんでした、というより、
月ヶ瀬の目の前まで移動したことにすら気付きませんでしたが」



一撃目と二撃目は見えたんだ箒。というか理屈からして明らかにおかしいんだけど?



「月ヶ瀬に近づいたときの動きは早いというわけではなかった、
むしろ遅いくらいだ」


「織斑先生は見えていたんですか?」


「あくまで偶然だ、ここに入る前にランペルージが動いていたときだったから、
距離感違いだろ」



まあ、これだけ人が集まれば何事かと気になるのは当然だろし、
本当に運がよかったのだろう。

「それより、最後に言った強すぎず弱すぎずという意味は?」



ラウラが不思議そうに質問すると織斑先生は呆れるように答えた、
無論、ラウラに対してじゃなく、ライの常識外に対して。



「弱すぎないので面と向かって抵抗できない、
加えて強すぎないので衝撃を利用して後ろに逃げることが出来ない、
本来このような力加減が出来る人間は世界でも数・・・いや、三人もいないだろう」



・・・・・・・・・・・



最早、どんなリアクションをとればいいか分からなくなった。


ちなみにライが最後に出した技の名前が十杭牙(じゅっこうが)だと知ったのは少し後のことだった。
しかも、本来の力で決めていたら、数時間身体を動かせないと知った後のリアクションは言うまでもない。


その後、解散し私はライとの待ち合わせ場所に向かった。









ライは純菜を保健室に運んで言ったため、ライは待ち合わせに遅れている。









そんな風に、今朝の事を思いだしていると、ライがやってきた。


「ごめん鈴。送れちゃって」


急いできたにもかかわらず、ライは息が乱れてない。


「そ、そんなに待ってないからきにしなくてもいいわよ」


「でも、遅れたのは事実だし」


「いいって、それより保険の先生に怒られたの?」



「最初はね」

ライが苦笑しながら答えた。その仕草が可愛くついわたしは見惚れた。


「どうしたの?」

「え!? いやなんでも。それより最初はってどういうことよ?」


「実は・・・」



ライは最初は説教をされたけど、その後直ぐに純菜自身が弁護する、
ここまで終わればよかったが、何故か二人が口論になり、ライはそれを止めに入る。



「アンタも苦労したのね」


「はは・・・」



その後、ライと色々な店を見て回った。

その時、気付いたが、ライは博識なくせに何故か常識の物に疎かった。

本人は気にしていないらしいが、私としては違和感を感じる。


ライは懐かしそうにピコピコハンマーを手にして『以前、このオモチャを工具だと思ってたんだよ』
と言ってきた為だ。


違和感を感じたが、ライが楽しくピコピコハンマーで遊んでいる姿は可愛く、先程のように見惚れ
違和感はすっかり消えていた。




「ライって、どんなゲームが好きなの?」



ただ、なんとなくの質問。


「チェスかな、というか他のゲームは知らないし、
知ってるゲームはショウギくらい・・・?」




「他の知らないって、・・・・ゲームセンターに入ったことあるの?」



「ゲームセンターって娯楽施設のことだよね?」


「・・・・・・・・・・」



娯楽施設って、さすがに予想外の答えよ。


「あれ、違った?」


「いや、違わない・・・・・、
まあ、見せたほうが早いわね」

「?」


「ほら、いい機会だしゲームセンターに行くわよ」



「いいのか? 今日は僕が君にお礼するんだし」


「い、いいわよ、私もいきたいし」

そういって、ライをゲームセンターにつれてった。




「うわ〜、なんか想像してたのと違うな」

いや、何を想像してたのと質問したい。


その後、何か気になるゲームをやらせた。


確か、弾がはまってたISの対戦ゲームだが、
最初は少し手間取っていたけど、慣れ始めたのか、
最後は一気に決着がついた。

次のステージではオートロックなしでノーダメージで勝ってしまった。

そして、気付いたら、ワンコインで最初のステージ以外、ノーダメージでクリアという快挙を成し遂げた。


「・・・・・・・・・、完璧超人にも程があるわよ」


「へ〜、100円だけで、ここまで遊べるなんて、
ゲームセンターって面白いところだね」


「そ、そうね」


いや、普通は違うといいたいけど、止めた

だってライだし。










「少し小腹がすいたし、クレープでも食べる?」


「そうね」


ライと一緒に屋台のクレープ屋にむかった。


クレープを選んでる時のライの表情は学園では見る事がない表情をしていた。


私はまたしても見惚れる。それを見ていた定員さんが微笑ましい光景を見ていますよと言わんばかりに笑顔で対応された。


その後、ベンチでお互い頼んだクレープを食べる。


「ハム・・・、(うん、味はあの世界と変わらないか・・・、食文化の違いはあまり見られないのは少し残念かな、いや口にできない食べ物を食べるよりはマシかな)」


私はクレープを口にしたままライを眺めていた。そのせいで、口元にクリームがついていたのか、


「鈴? 僕の顔に何かついてる?」



私は慌てて。

「な、何もついてないわよ。ただおいしそうに食べるのねと思っただけよ」


「そう、それより」


「それより?」


「口元にクリームがついてる」

ぺロッ


と、ライは私の口元を舐めた。

「にゃ・・・にゃ・・・!!!!!」

おそらく私は今、顔が真っ赤になっているだろ、ライはなぜ、私が固まったのか気付いてないらしく。


「鈴?」



「あぅ・・・」

「どうしたの、顔が赤いけど」


そう言って、自分のおでこを私のおでこに当てた。







「にゃぅ!!(ななな、何このベタな展開、漫画じゃないんだから!!)」



「すこし、熱いな、もう帰ったほういいかも」


「!! 大丈夫よ、ちょっと日差しにあてられただけだから」



「そう、じゃあ、もう少しここで休憩しようか」

「!」

自分のクレープに口にしたときに自分が何をやったのか気付いた。
じゃなくて、今頃気付いたの!? どんだけ鈍感なの!?




そして、ライも顔が赤くなる。自分の口元にクリームがついていることに気付かず。


「ご、ごめん。そ、その今のはその・・・」


ライが慌ててるところを見ると可愛くて、少し冷静になることができた。


だから、私もお返しといわんばかりのライの口元のクリームを舐めた。

すると、ライは更に混乱して顔が真っ赤になる。



私は冷静にそれを眺めようと努力しようとしたら

「かわいい〜〜っ! 初々しすぎよ、
こっちが恥ずかしくなるわね」


などと、周りの声が聞こえて私も真っ赤になる。

「ご、ごめん」


「い、いいわよ。そ、それより水着を買いにいくわよ」


「み、水着?」


「あ、アンタ、もしかして忘れた。臨海学校があるのよ。
だから新しい水着を買いに行くのよ」


早く、この場を離れたく咄嗟に言い訳をして、この場を離れた。



後ろによく知る二つの怒気を感じながらだが、それを気にしてる余裕はない。


その後、ライに水着を選んでもらうどころかプレゼントされ、
私にとって最高のデートなった。もっとも、シャルロットとラウラに睨まれたが。











ルルーシュ Side


すこし前に、ライが他の世界で生きている事をC.C.が伝えてきた。

なぜ、早く言わなかったと責めたが、知ったのはつい最近だという。

しかも、Cの世界に誰かが干渉しようとしたお陰だというオマケ付き。


どのような方かはわからんが、今、この世界に異物を持ち込むわけにはいかない。

しかも、Cの世界に接触した人間の感情を読み取ったC.C.によると、かなり危険な人間だそうだ。

それどころか、本気になったライと戦いたいらしい感情を感じたそうだ、


ここ最近、ライの過去が夢で見るようになったのはそいつ等がCの世界に干渉している所為だとC.C.は予想した。



「ロイド、ライの手土産は?」


「ロールアウトできたよ。元陛下の機体をランスロットや紅蓮以上の出力が出せるようしただけでなく、
フレイヤを応用した、半永久機関エンジンを唯一搭載した究極のナイトメアができました〜〜♪」



ロイドは小躍りをしながらKMFを見上げる。

「ナイトメア法の所為で、ナイトメアの開発に限度ができちゃったけど〜〜、
異世界なら関係ないし〜〜」


俺達が見上げているNMFは依然、ライが乗っていた暗い蒼色の機体と違い、
透き通ったライトブルー。


ランスロット・クラブをベースにした機体だ。
Cの世界で平行世界で生まれたランスロット・クラブ。




「殿下が行くのは兎も角、ナナリー様も連れて行くんですか?」



「ああ、ナナリーもライと話がしたいといってるからな
Cの世界に渡れるのは俺とスザク、そしてナナリーだけだからな。
C.C.はCの世界に待機してもらう予定だ」



マリアンヌが、あの女が俺とナナリーをラグナロクの接続の為の道具として生んだ結果だが、
やはり感謝はできん。

ナナリーもCの世界に生身で渡る事ができるが、
やはり、俺達を道具としてしか見ていないあの女のことを思い出すと腹が立つ。



ナナリーにはもう隠し事はしないと約束した。
その為、ライが生きている事を伝えたら。
涙を流しながら良かったと何度も呟いた。



だが、C.C.の話しによると、ライはこの世界に来た瞬間に命を落とすらしい、
この世界はライが死んだ事を認識しているからだとC.C.言う。

世界に意志があるかはわからんが、あの男は世界そのものを変えようとしたから否定できない。



ライが死んだ時にナナリーはライの事を思い出した。

自分の気持ちも思い出したのに、ライとロクに話もできなく最後にはその死を看取った。

けど、生きていると知ったときのナナリーの表情は俺は一生忘れないだろう。





俺はライに送るナイトメアを見上げて平行世界で見たナナリーが騎乗していたKMFを思い出した。

クラブと同様、この世界の存在しなかった機体。

Cの世界で知った機体だ。

どこの誰だか知らんが、Cの世界に触れいるとし知ったC.C.が調べた結果、
ついでに平行世界をのぞいたと言った。


その世界ではナナリーがKMFに騎乗して、ブリタニアと戦ったといっていた、
おまけに、ゼロである俺は生身でKMFと戦える化け物だとか、
ロロが俺の双子の弟だとか、こちらの常識を覆す情報だった。



ランスロット・クラブは別の平行世界の機体だ、
しかも、ライがブリタニア軍人に入った世界。


この機体で黒の騎士団の作戦を邪魔したとか言われたが。
ライの能力なら当然だろ、そのライが敵に回っているなど考えたくもない。
俺の指揮とカレンだけでは、スザクとライを同時に止めることなどほぼ不可能だ。

当時の騎士団で使えたのはカレンぐらいだった。



今はもうそのライと一緒に過ごせない、だからせめてナナリーに最後の別れだけでもさせてやりたい。
あるいはナナリーをライの傍に・・・・・。

「待ってろよライ、俺はナナリーのためならなんだってやってやるんだぞ?」


Cの世界でナナリーが騎乗していたマークネモはCの世界で創造できるとC.C.言っていた、
ナナリーもそれに騎乗するといっている。


「ライの驚く顔が楽しみだな」


俺は苦笑しながらそう口にした。

ヘルマ Side




Cの世界とやらに何度目かの干渉。

そこから、流れるあらゆる人物の記憶。






鬼人のように次々敵を倒していくランスロットに攻撃する紅蓮。



『カレンか!?』


『スザク、戦場で出会った以上、ここで死んでもらう』


『皆馬鹿だ、あんな男にだまされて』


『その言い方むかつくね、アンタにゼロの何が分かるというの』


『じゃあ、教えてくれ、ゼロはどこにいる!!!!』



同じ生徒会だった者を躊躇なく殺し合う。


そして、映像が変わる。
そこはフレイヤに立ち向かう二人。


『よし、データ入力を』


19秒でフレイヤに関する環境探査を行い、それに対応する原子組成の正確な予測を割り出し、その予測に沿った原子組成を組み上げていく黒髪の男。


『スザク!!』


『イエス・ユア・ハイネス!!』


そして、くみ上げた原子組織を僅か0.04秒の時間内でフレイヤに投擲した栗色の髪の男スザク。





「ふふ、この二人も興味深いな」



その中でも、面白いのはやはりライという男の経歴だ。





共に戦った紅蓮のパイロットが敵に渡った時、
冷静になって後退を進言した。


生身の戦場を経験しているこの男は冷静に言う。


『僕は後退を進言する』


『見捨てろというのかカレンを!?』


『僕たちはやっているのは戦争だ。
殺すか殺されるかだ。味方一人を助けるために、
いったいどれだけの味方が殺られるか考えろ?』


『しかし、カレンは黒の騎士団のエースだぞ?』


『ゼロ、私も彼に賛成です』


『ディートハルト!?』


言い争い、ゼロは助けるために命令を出した。


ライもゼロに従いKMFがるところに向かった、
外中でC.C.がライに話しかける。


『随分と冷たいな』


『しょうがないだろ、先程言ったとおり
捕らえられた仲間一人を救うとなると何人か死ぬ』

『何だ、経験済みか?』


『まさか、逆だよ。捕らえた敵兵士を餌に、
敵軍を削ったことが何度もある』


『なるほど、その成果を知っているから、
ああも反対したのか』


『ああ』


『だが、お前は今の行動は嫌がっていない、
違うか?』


『心情としては助けたい、だけど
事を成す為すにはときに情も捨てないといけない』


『なるほど、確かにそうのとおりだ』




その思考を見て私は。


「あぁ、早く戦いたいな」


そう口にした。


だが邪魔が多い。
邪魔は兎も角、連中の所為であの男が力を発揮できないのでは楽しみがなくなる。

今、あの男の邪魔をしそうなのが、先日町であった連中だ。


戦場も知らん弱者、理想だけを語る脆弱者。


おそらく、死体をいや、血を見ただけでも戸惑うガキども、
連中が戦闘に参加した場合、あの男は足を引っ張れられて本気がだせん。


「その心配はないわよヘルマ」


突然、私に声をかけたアルヴィ。


「何かあるのか?」

笑みを浮べて私に話しかけたとなにか案があるということ。



「時期にアメリカでISが暴走するみたいなのよ。
しかもIS学園の臨海学校(おあそび)の日にね」


「ほう、亡命機関からの情報か?」



「いえ、暴走させた本人の心の中の情報」


「なるほど、で、誰だその人物は?」


「束よ。このIS(オモチャ)を造った本人。
身内に専用機を与えて、その初陣の為に暴走させた見たい」



「なるほど、これはいいタイミングだ」


その暴走を止める為、ガキ共はそちらを優先するだろ。
そして、あの男は親友の名とあの世界の名をだせば、こちらに来る。
奴にとって、この世界は執着する理由がない、
それに、死んだはずの自分が生きている事に不満があるようだ。

故に、親友の名をだせば学園の指示を無視して私達と戦うだろう。

「でしょう。教えた代わりに私が先に戦わせて貰うわよ?」


「かまわん。私としてはそのまま暴走して、
貴様を殺し、私の所まできてほしいものだな」



「あら、ひどい。でも、彼が暴走すればその可能性は大ね」


自身の命が失われるかもしれない状況も楽しんでいる。

他の屑がみたら、狂っていると思われるだろうが、別段おかしくはない、

人とは快楽に身をゆだねたいものだ、我々にとってはあの戦闘の高揚感だ。

それを楽しむ為に自身の命を対価にしただけに過ぎんのだからな。




それは、私とて同じだ。
今まで修羅となった連中と何度も戦ってきた。

あの高揚感、緊張感は病み付きなのだからな。


「ミカに言ったのか?」


「いえ、だってあの子、
なぜかあのレインって子に興味を持ったみたいだし」


「ほう、それは面白いな」


「それより、先程面白い男を見つけたって言ってたけど」


「ああ、あの男と殺し合いをしたい武人を見つけてな。
どうやらあの男と因縁があるらしい」


「へ〜、それは面白そうね。もしかして彼が王だった時代の人間?」


「ああ、国も主君も奪われた哀れな男だ」



私はそう言って、Cの世界で眠っている男を思い出した。



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