夕食、鼻血を出して気絶していた生徒達は絶望の表情をしていた。

理由はおきたら夕飯前になっていたからだ、加えてかなりの鼻血を出したため本来の和食と違って
洋食を出された。それだけならいいが、和食を食べる生徒のために部屋を別々に用意された。

メニューはレバーやハンバーグの高カロリーなものが出されている、
味がいい分箸が進む、そして半ばヤケ食い状態である。


鼻血を出した生徒達は明日のために英気を養っているが、
臨海学校が終わったら地獄のダイエットと期末テストのことを無理やり忘れ満喫している。






それと違って、一夏に思いを寄せていたため無事だった生徒? とライ達は和食を満喫しているが。



「これって何?」


シャルロットがわさびを見て一夏達に質問した。


「これは本わさびっていって、市販のわさびとかと違うやつなんだよ」

一夏がシャルロットに説明する。

「へー・・・。そうなんだ」



(わさびって、確か辛いあれか、知識としてあったけど、
現物をみるのは初めてだな)


ライは自分の中にある知識を引っ張り出している中、シャルロットがわさびを直接かぶりつこうとした。


「シャ、シャル、ちょっと待って」



ライの言葉は間に合わず、シャルロットはかぶりついた。


「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」



「シャル、大丈夫?」


「ら、らいひょうふ」


ライは涙目になって言葉を返すシャルロットに近づいて。



「無理しなくてもいいよ、はい」



ライはお茶とハンカチをシャルロットに渡す。


「あ、ありがとう〜〜!」



シャルロットがお茶を飲んでいる中、
セシリアは正座に耐えていた。




「・・・セシリア大丈夫か? 顔色よくないぞ?」

「だい・・・じょうぶですわ・・・」



一夏の問いかけに何とか返すセシリア。



「セシリア、無理して正座しながら御飯食べても美味しくないだろ? 我慢せずにテーブル席の方に移ったらどうだ?」

「へ、平気ですわ・・・。この席を獲得するのにかかった労力に比べれば、このくらい・・・」




「あっちも大変そうだね」


「そ、そうだね」

未だ、口の中がヒリヒリするのか涙目なシャルロット。


その後すぐに、一夏がセシリアに食べさた所為で、
場は少し騒ぎになるが千冬の登場ですぐに鎮圧された。






夕食後の睡眠時間まで自由時間、シャルロット、鈴、ラウラはライの部屋に、
箒とセシリアは一夏の部屋を探し向かおうとしたが途中で千冬に見つかり、部屋に連行された。


「ちょうどいい機会だ、お前達に聞きたいことがある」


「あの二人はいないのか?」


「純菜とマリーカのことですか? 教官?」


「ああ、あいつらにも聞きたいことがあったからな」


「そういえば、見かけなかったわね?」


「そうだね、声をかけようとしたけどいなかったし」

「は! まさか、嫁の後を追いかけて・・・、クラリッサが言っていた野外プレイを三人でしているのか!?」


『ブッ!?』


「ちょ、ちょっと、あんた言ってる意味分かってんの!?」

「そ、そうだよラウラ」

「あいつは何を教えてるんだ?」


箒とセシリアは顔を真っ赤にして四人のやり取りを見ていた。


ラウラはすぐに携帯を取り出しマリーカの番号にかけた。


『どうしたんですラウラさん?』

「い、今、嫁と三人で野外プレイをしているのか?」


「って、あんたなんて事を聞いてるのよ!?」

「ラ、ラウラ」

『はい?・・・って純菜さん、やりすぎですよ!!』


『ぎゃーー!!』


『もう覗かないから――がく』



「・・・・・・・・・・・・・・」


「何をやってるんだお前たちは?」


電話越しの悲鳴で冷静になったラウラはマリーカに質問した。



『えーと、ライ様の後ろを追いかけようとしてる女子の行動を止めてます……多分』



悲鳴を聞く限り行動を止めてるという生易しい手段ではないことに自覚があるマリーカ。


それを聞いていた千冬達も顔が引き攣っていく。



「ボーデヴィッヒ、少しが話がしたいからこちらに来いと伝えてくれ」



「分かりました、マリーカ、教官が話があるそうだ。
教官の部屋まで来てくれ」


「わかりました、純菜さんに伝えます」


電話を切ると

「なんと言うか、想像通りというか斜め上というか・・・」


「女子生徒の悲鳴が突然消えたよね?」


「私は何も聞いてない、うん」

「そうだな」


「そうですわね」

千冬は頭を抱えて、シャルロットは突然悲鳴が聞こえなくなったことに不安を覚える。
鈴、箒とセシリアは現実逃避。


「まあ、あいつらが来る前に、お前達に質問がある」


千冬は箒とセシリアの方見て質問をした。


「篠ノ乃にオルコット、貴様らは私の弟のどこがいいんだ?」






「それよりどこがいいんだ?」

「わ、私は別に・・・以前より腕が落ちているのが腹立たしいだけです」


「そうか、それならそう伝えておこう」


「伝えなくていいです」



「で、アンタはどっちなのよセシリア?」


千冬と箒のやり取りの後に鈴がセシリアに質問した。


「ど、どういうことでしょうか?」


眼をそらして質問の意味を問うセシリアを疑いの視線を向ける一同。


「アンタ、今日ライに水着褒められてドキってなったでしょう?」

「そ、それは・・・」


「「「ほーう」」」

ぎくりと身体反応してしまったセシリアを睨みつける四人。

「あ、あれはいきなりだったものですから不意を疲れただけですわ」


「なら、良いんだけどね。セシリアだけじゃなく箒もたまにライに視線を送っていたよね」


シャルロットの発言に動揺する箒。

「待て、あれは武を学ぶ者として観察していただけだ」

理由を述べても、疑いの眼差しを送るシャルロット達。

「そう言うお前たちはランペルージのどこが好きなのだ?」


「それ、今更聞く?」


「そうだね、嫌いになる理由を探す方が難しいと思うよ」


「何をやっても完璧だからな嫁は」

箒の質問に今更と答える鈴達。


「い、一夏だって、やればランペルージくらいは「いや、それは無理」
って、織斑先生!?」


「身内補正をかけても、ランペルージは別格で、
とてもじゃないが弟では太刀打ちできんぞ」


「教官から見てもですか」


「以前のトーナメントでランペルージの評価は全て大きかったからな、
低評価がなかったくらいだ」


「うぅ」



「まあ、立ち振る舞いも貴族みたいで礼儀正しいし、
どこかの似非とは違うしね」

「鈴さん、似非って誰のことでしょうか?」

「あ〜れ、あたしは別にあんたのことを言ったわけじゃないのよセシリア・オルコットさん」


「きぃぃぃーーとでも言えばいいのかしら鈴さん?」


「だから、あたしは何も貴方に言ってるわけじゃないのよセシリアお嬢様?」

顔が引き攣りかけるセシリアに笑顔で答える鈴。

「ここで喧嘩するな馬鹿者」


「すいません。セシリア相手だとつい」

「ついって何ですか鈴さん。自分がライさんとデートしてリードしてるからって
調子に乗ると痛い目見ますわよ?」


「あ! 馬鹿」

「ほ〜う、その話詳しく聞かせてもらおうか?」


「そう言えばそうだね、
僕も詳しく聞きたいよ鈴」

「同感だ。嫁にキスしてもらったのだろう?」



三人が鈴に詰め寄る。

「あ、あれは口元にアイスが付いただけで、ライはそれを舐めただけよ。
それに、本人はどれだけ恥ずかしい行為か知らなかったし!!」


「つまり、今は知ってもうやらないというわけだよね?」


笑顔だが目が笑ってないシャルロットが鈴に問い詰める。


「あんただって、ライと一緒に一ヶ月近く同じ部屋で過ごしたんでしょ、
それにライにお姫様抱っこしてもらったんだし。
加えて、その時期のあんたって食事は食堂で取ってなかったわよね?」


「ふぇ!?」


「そうだったのか?」

今度はラウラが鈴の言葉に反応してシャルロットに問い詰めた。


「あ、あれは、ライがその性別が割れる可能性を低くするために、
部屋のキッチンを使って僕の分の食事を作ってくれただけで、
僕はたまにそのお手伝いをしただけだよ」


目をそらしながら答えるシャルロット。


その反応に鈴、ラウラ、千冬はライとシャルロットが仲良く二人で食事の準備をしている光景を浮かべた。


「そ、そういうラウラだって、全裸で押しかけたよね」


「お前は何をやってるんだ?」

「あんたは何をやってるのよ?」


「む、夫婦とはそういうものではなのですか? クラリッサからの情報です」


「本当の夫婦ならな。全くあいつは何を教えてるんだ」

千冬は頭を抱える。


「何を突っ立っているマリーカ?」


「あ、純菜さん!」


そとこら、聞きなれた声がした。



「用件はなんですか織斑先生?」


扉を開き、無表情で質問する純菜。

その純菜の後ろで、マリーカは場違いのようにオドオドしている。


「ど、どーも」


「いい機会だから、お前達に質問をしたい。
時間はあるか?」


「ええ、とりあえず連中の蛮行は阻止できましたので」


「あんた、何やったのよ?」


清清しい表情で答える純菜に呆れて質問する鈴にマリーカが目をそらしながら答えた。

「えーと、散歩に出かけたライ様の後を追おうとしていた子達をちょっと・・・・」


「意識を刈り取っただけだ。さすがにここで死体を出すのは面倒だからな」

純菜の答えに皆、「ここ以外だったら死体にするのか?」と口にするところを抑えた。



「というか、マリーカは先に来てるんなら、
何で入らなかったのよ?」


「入れる空気じゃなかったですから・・・
(それに、皆なんだかんだ言って、しっかりライ様にアピールしてるし、
私もうかうかしてられないよー!)」


「まあ、とにかくすわれ、私は飲み物を持ってくる、
お前たちは何が言い?」


純菜以外はジュースを頼んだ。


「ワインがあるならワインを飲みたいですが」


「ワインってアンタ未成年でしょ?」

「まあ、今回は多めに見るが、大っぴらに寮で飲まなければ
私は何も言う気はない」

いつもなら規律や規則に厳しい千冬の意外な行動を目にした女子たちは、
全員がぽかんとしている。ラウラにいたってはなんども目を瞬いていた。


千冬はそう言って、リクエスト通りそれぞれの前に置いた。

それを飲み始めた箒達を見てニヤリと笑い、ビールを取り出すと、遠慮無く開けてごくごくと飲み干した。


「おかしな顔をするなよ。私だって人間だ。酒くらい飲むさ。それとも何か? 私は作業用オイルでも飲む物体にでも思っていたか?」

「い、いえ、そういうわけでは・・・」

「ないですけど・・・」

「でもその、今は・・・」

「仕事中なんじゃ・・・?」

「固いこと言うな。それに口止め料は払ったさ)


その言葉に純菜以外の女子が「あ!」と声を漏らす。そう、先程の飲み物が口止め料だったのだ。


「それにしても、月ヶ瀬、お前は何時から酒を飲み始めたんだ?」


「はっきりとは覚えてません。それにマリーカも飲めます」

その言葉に、皆の視線がマリーカに集まる。

「す、純菜さん!?」


「お前も飲みたいのだろ? 先程からワインに視線が釘付けだぞ」


純菜はニヤリと笑みを浮かべる。

珍しくというか、初めて見る純菜の笑顔に驚く女子一同。


「ゴクリ・・・」


「まあ、今は私も飲んでいるから何も言わん」

「で、ではいただきます」


自分達と同い年の子がワインをおいしそうに飲むのをみて 
複雑な気分になる箒達。

「お、おいしいのか?」


「ああ、酒の中ではワインが好物だからな」

「そうですね、他のお酒はちょっと飲めませんけど、
ワインは私も好きです」


強がりではなく、自然に言った二人に対抗心が出てきた鈴達。


「で、私たちを呼んで、飲み物まで用意したわけは何ですか?」


「まあ、他の連中も気になっているからな、
単刀直入に聞く、ランペルージとはどんな関係なんだお前たちは?」


三人の関係は箒達も気になっていた。



「そ、それは・・・・」


言葉に詰まったマリーカをよそに、純菜は



「私の主で、私は彼の従者。
それだけですが? それ以上聞くなら本人に聞いてください」


ワインを飲みながら答える純菜に内心ホッとするマリーカ。


「お前の立場からすると逆だろ?」


純菜の実家はかなり大きな製薬会社で、
純菜はその一人娘。

普通なら従者を従えてる立場であるが本人が従者だとハッキリと口にしたことに疑問を持つ。

それ関係の質問に答える気がないと気配からにじみ出ていたため、




「なぜ、ランペルージはお前のことをレインと呼んでいるのだ?」

箒は咄嗟にライがなぜレインと呼んでいるのか質問した。


「あ!それは!!」


咄嗟の質問印マリーカが反応した。


「その名で呼んでいいのはライ様以外に、
私が認めた者だけだ」

答える気はなく、その名で呼ぶなと釘をさす純菜。


ちなみに、ライ以外でその名で呼んでいい人物は、
レイン自体はあったことないがライがお世話になったアッシュフォード学園の
生徒会メンバーである。

それ以外はもう生きていないがかつての戦友たちだけだ。



「そういえば、純菜さんはライ様の初恋の人と会ってるんですよね、
どんな方でしたか?」


マリーカは酒の所為か、一番聞きたかったことを純菜に質問した。
その質問で、千冬を含めた全員の視線が純菜に集中する。


かなり・・・というか、興味津々である。
純菜も酒が入っているのか、質問に答え始めた。


「名前はカシス様だ、周りからの評価は高い人だった。
淑女として非の打ち所がない人だったぞ。
楽器のほとんど弾け、ダンスも得意で料理も腕も高かった、
立ち振る舞いも文句なしだったな」



その言葉で、鈴達は落ち込んだ。

「もっとも、それは本性を隠すための仮面だったがな」


その言葉で千冬達は色々と勝手に妄想した。



「本性って、実はものすごい悪女とか?」


鈴の答えを純菜は否定する。


「本来の性格は天真爛漫で好奇心旺盛の方だ。
家柄の所為でその事を知っている人は少なかったがな。
その性格の所為で当初はライ様に迷惑をかけていた」


その時のことを思い出したのか純菜の機嫌が悪くなる。


「ライ様を気に入ったのか、よくライ様を引っ張り出して
町に出かけるわ、山に入るわ・・」


余程のじゃじゃ馬だったのだろうと思っていると。


「けど、だからこそ、……あの方の苦しみを唯一気付いたのかもしれん」

誰にもきこえない声で呟いた。 そしてグラスのワインを飲み干した。



「さて、もう飲み終わったし私はいく」


その言葉に反応して、ワインのビンを見た千冬達はすでに空になっている事に驚愕した。


「はや!!」

「何時の間に・・・」


「っていうか、私はまだ一杯しか飲んでませんよ?」


「ビール飲むか?」

「いえ、……それは苦手なので遠慮します」

グラスに残ったワインを惜しむように飲み始めたマリーカであった。








深夜、
アルコールが抜けてないのか、マリーカは夜風に当たるため部屋を出た。


風が通しのいい場所に行くとそこにはライがいた。


「どうしたのマリーカ、こんな時間に?」



マリーカに気づいたライは質問するとマリーカは苦笑して答える。

「眠れないので夜風にあたりに来たんですけど、ライ様もですか?」


「まあね、それに君の場合はワインの所為じゃなのか?」


「あれ、バレてました」


「まあ、部屋に空のビンがあったからね。
織斑先生はビールを飲んでいたみたいだし」


苦笑しながら、自分の部屋で目撃したものを答えるライ。


その表情を見てマリーカも苦笑する。


「ライ様は()は酒は苦手ですか?」


「今は大丈夫だよ。その様子だと僕が一時期アルコールが苦手なのを知ってるみたいだね?」


「あ、はい、ロイド伯爵が言ってましたから」


「ロイドさんが?」


「ええ・・・って、ライ様伯爵のことを知っているんですか!?」


マリーカがよく知っているライはブリタニア軍人で特派のロイドにお世話になっているが、
目の前にいるライはブリタニア軍と対立していた黒の騎士団に属していたため、
ライの口からロイドの名前が出たことで驚愕したマリーカ。



「まあ、色々あって、それで、ロイドさんは原因はなんていってたの?」


「あ、バトレー将軍が使った薬物の所為だといってました」

記憶を失う前のライは平気で酒なども嗜んでいたが、
記憶を消して眠った後、バトレーの実験の肉体強化に使われた薬物の所為で
アルコールに弱くなっていた。

記憶がよみがえり再び眠りにつき目覚めてからは体に残っていた薬物も薄まり、
記憶も戻ったのか意思というものが強くなった所為で多少以前のように戻ったらしい。


「バトレーのことも知ってたんだ?」


「はい、ライ様は部下である私達や恋人であるナナリー殿下にも教えてくれました」


「僕がナナリーの恋人だというのが僕にはしっくり来ないかな。
あのルルーシュを義兄と呼ぶ度胸はどこから来たのか不思議なんだけど」


苦笑しながら口にするライ。


「そんなに怖いんですか、ルルーシュ殿下は?」


「妹のナナリーのことになるとね。エリア11になった後、
かなり苦労したみたいだし・・・いや、それは人質として日本に送られたときからかな・・・」


「ナナリー殿下にとってもルルーシュ殿下とってもお互い大切な存在だったんですね」


「うん、僕も妹が大事だったから気持ちはよく分かってたな。
ルルーシュは生徒会のみんなにシスコンとか、過保護すぎるとか言われてもめげなかったしね。」



苦笑しながらどこか遠くを眺めるライに違和感を感じたマリーカ。


生徒会という言葉を口にした時のライの表情は少し暗くなったと思った。


(ああ、そうか、ブリタニア本国にいた時のライ様は生徒会の話をした時と少し違和感があると思ったら、
あのライ様にはナナリー殿下がいたからだったんだ)


今のライとマリーカが知っているライとはかなり環境が違うが、もし、ナナリーのような人が傍にいてやれば少しは違うのかもとマリーカ。


二人は信頼しあっていたううえお互いを支えあっていた。
その関係にあこがれもあり、羨ましいとも思っていた。


その相手が自分であるならと強く思った。

アルコールが抜けておらず夜空が見える場所で二人っきり。


チュッ


「マリーカ…?」

ライに名前を呼ばれてマリーカは自分が何をしたのか気がつき顔が真っ赤になる。


「あ…そ……その、これは…」


いきなりのことで、ライも言葉を失っているが、マリーカはその比ではない・

自分がライの頬にキスをしたときづいたら、思考がぶっ飛んでいた。
その状態で、何とか言い訳の言葉を必死に考えていると、
ナナリーの言葉を思いだした。

「お…お……御まじないです。その、ここ最近ライ様が元気がないと思っていましたので、
し、失礼しました!!」



何とか誤魔化した、そして顔から火がでそうなところで退散した。


ちなみにライはというと。


「まいったな・・・、表情に出さないようにしてたけど、
気を使わせちゃったかな」


過去の出来事を夢で見始めたらライ。

中には戦い記憶だけじゃなく、生徒会との思い出の出来事も夢に見るようになった。




記憶を無くした自分に優しくしてくれたあの場所の居心地の良さを思い出してしまう。

彼等に最後の挨拶ぐらいはしたかったと後悔の念が生まれ始めていた。

そのなかで、表情に出さぬよう気をつけていたのだが、
ナナリーと共にいたライの幸せな顔を見たことあるマリーカには違和感を感じていた。

その為、気を使わせてしまったと勘違いするライ。


全部が勘違いではないが、マリーカの気持ちなど分かるはずも泣なく
気を使わせた勘違いしたライ。





マリーカは布団に戻り、自分が無意識にとった行動を思い出し葛藤しておいたが、
数分後、睡魔が襲いかかり深い眠りに付いた。

そして、夢の中でヴァルキリエ隊の先輩達に関節技を決められる悪夢を見ることになる。

くわえて、数日後ライが自分の気持ちに気づいていないと知ったとき、
誤魔化さず自身の気持ちを伝えればよかったと後悔することになる。



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