「俺をここから出せ!」

 ガイエスブルグ要塞の独房階に怒声が響き渡った。もしも「協力した者」にとってのそれは、現在進行形で迫りくる敗北・敗者・敗走・捕虜・処罰に比べれば「野獣を放つ」という一点において天秤にかけることすらしなかっただろう。

 独房の分厚い扉が二度大きく揺れた。その虜囚である装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将が体当たりをしたためだった。だが、人並外れた力を以てしても頑丈な独房の扉は意志を曲げることはなかった。

「くそったれめっ!」

 扉を拳で一撃と同時にオフレッサーは激しく吐き捨てる。衛兵たちの動きから戦況がかなり悪いことは感じていた。それが「逃げ出している」となれば彼の所属する陣営がどういった結末を迎えようとしているのか想像に難くはなかった。

 オフレッサーにとっての屈辱は、独房に繋がれた状態でラインハルト陣営の捕虜になることだった。実に耐えがたい屈辱的な未来予想図である。

 当然、ここに至って逃亡などは選択肢にない。帝国軍が独房を開けたとき、少しでも暴れて一人でも多くを道連れにしてやるつもりではいた。

 生意気な金髪の孺子(こぞう)にまったく届かなかったとしても……

 「閣下、オフレッサー上級大将殿」

 その不意の声の直後に固く閉ざされた独房の扉が開いた。

 「おお! アンスバッハ、アンスバッハ准将ではないか」

 「閣下、たいへんお待たせをして申し訳ございません」

 准将の部下に手錠と足枷(あしかせ)を外されている間に元装甲擲弾兵総監は現実を知った。

 「負けたか……」

 盟主ブラウンシュヴァイク公は「潔く自殺した(・・・・・・)」と言う。ガイエスブルグ要塞に残っていた将兵や貴族たちは大慌てで脱出した者も少なくなかったが、帝国軍に要塞周辺を包囲された状況下のため成功は疑わしい。

 「それで、准将も逃げるために俺を解放したというのか?」

 「残念ながら今からでは無駄でしょう。もうローエングラム候の軍は要塞内部に侵入し各要所を押さえ始めています」

 「ならなぜ……そうか俺も屈辱にまみれる前に公と同じく自決せよというのか?」

 「いいえ、違います。それは閣下が本当に望むことではないでしょう。実は小官に考えがございます」

 オフレッサーは、アンスバッハが示す端末に映る要塞内部の通路を一瞥しただけで熱く震える拳を握りしめ、心の奥底から歓喜した。

 「ぐふふふ……エーベンシュタインよ、お前が言っていた機会とはこの事か!」
 
 




闇が深くなる夜明けの前に
機動戦艦ナデシコ×銀河英雄伝説


第二十章(後編)

『襲撃』



T
 ジークフリード・キルヒアイスが小さな戸惑いに見舞われたのは、仮の戦勝式の会場となったガイエの間の入り口だった。

 「……わかりました。ブラスターを預けましょう」

 赤毛の提督は持っていたブラスターを衛兵に手渡す。いついかなる時も彼だけは所持することを許されていたはずだった。だが、ヴェスターラントの件からラインハルトのキルヒアイスに対する態度は明らかに変化していた。いや、これで良いのかもしれない。戸惑いと寂しさがあるものの、自分だけが特権を意識してはいけないのだ。それでは門閥貴族たちと大して変わらないではないか。ジークフリード・キルヒアイス……ラインハルト様はただ皆を平等に扱いたいだけなのだ。特権意識は捨てなければならない。ただ、それだけなのだ……

 扉をくぐるとキルヒアイスは提督たちの列に加わった。ラインハルトが赤毛の提督を視線で追ってはいたが、そのまなざしはこれまでとは違い、「部下が全員揃った」、というどこか確認めいた淡々としたものだった。

 仮の戦勝式の前に捕虜の引見が始まった。

 幾人かの引見が終わり、ついに重要な順番が回ってきた。かつてブラウンシュヴァイク公の側近として長年その懐刀と目されていたアンスバッハ准将が主の遺体が収められた冷凍カプセルと共に姿を現したのである。見守る提督たちの間から冷笑がこぼれたのも無理からぬことだろう。忠臣として誰からも一目置かれていたアンスバッハ准将が主の遺体を手土産に降伏を申し出たとあっては……。

 参列者の冷笑のなか、アンスバッハ准将は主の遺体を収めた冷凍カプセルとともにラインハルトの前に進んだ。うやうやしく一礼してカプセルの蓋を開き……

 ラインハルトを含め、アンスバッハ准将の行動に奇妙さを感じた者は少なくなかったが、どういう目的のために、という疑問の答えにたどり着く前に事件は起こった。彼がブラウンシュヴァイク公の腹部あたりから取り出したのは……

 「ローエングラム候、我が主の仇とらせていただく」

 アンスバッハ准将が取りだした二つの円盤状のそれ――ゼッフル粒子発生装置を頭上に掲げて放り投げる瞬間、誰よりも早く行動した人物が准将の右手を掴む。が、その強い眼差しは金髪の主君の背後に向けられていた。

 「ラインハルト様、危ないっ!」

 キルヒアイスの警告は、准将よりも玉座の後方から現れた八つの影に瞬時に向いた。ラインハルトはその声と視線によって全てを悟ったのか、反射的に身体を下の方向にずらして回避行動をとった。その玉座より沈んだ頭のぎりぎりを一文字に一閃が過ぎて大理石の背もたれを切り裂く。

 続けて息もつかせない第二撃は玉座を一刀両断にし、さらに加速した三撃目はついに玉座を粉砕した。襲撃者の恐ろしいまで膂力だった。

 「オフレッサー!」

 キルヒアイスの怒号の直後に彼の腹部に痛撃が走った。アンスバッハ准将が隙を突いて腹部に膝蹴りを加えてきたのである。態勢を崩しながらもキルヒアイスは逆にアンスバッハに頭突きをして踏みとどまり、相手が怯んだすきを突いて態勢を立て直し、猛然と標的に向かって走り出した。

 ラインハルトは、どうにか鋭い攻撃を回避した。態勢を崩した状態で完全武装した百戦錬磨の装甲擲弾兵総監の凶刃から回転して距離をとったが、オフレッサーの剛脚は一瞬で間合いを詰めてきた。

 その時、オーベルシュタインが身体を張って間に割って入ったが、オフレッサーにとっては殺す価値もないとばかりに左手一本で簡単に薙ぎ払われてしまう。

 「死ねぃ、金髪のこぞう!

 四撃目を封じたのはキルヒアイスだった。後方から飛び掛かってオフレッサーの腕を抑え込む。が、その腕力と戦闘のセンスはやはり人並外れていた。瞬時に巨斧を左手に持ち替え、一本背負いの要領で190センチを超えるキルヒアイスの長身を投げ飛ばして床に叩きつけたのである。そのままさらに顔面を殴りつけるが、キルヒアイスは左手でオフレッサーの右腰を掴んだ。

 「邪魔をするなっ!」

 怒号と同時にキルヒアイスの左腕が鮮血とともに飛び、その身体はオフレッサーの強烈な足蹴りで宙を舞った。

 キルヒアイスの表情が苦痛に歪む。

 「キル……!?」

 ラインハルトには血反吐を散らす親友の名を呼ぶ時間さえ与えられなかった。オフレッサーの五撃目を前に潜り抜けるようにしてどうにかかわしたが、オフレッサーは巨躯らしからぬ俊敏さで身体を瞬時にひねらせ、立ち上がろうとするラインハルトを始めて右の拳で捉えた。

 ラインハルトは、みぞおちに入ったかに思われた一撃をとっさに両腕をクロスして受け止めはしたが、骨のきしむ音とともに身体は後方に吹き飛んだ。

 「往生際が悪いぞ、金髪の孺子(こぞう)!」

 親友の血が滴り落ちるオフレッサーの巨斧がラインハルトの生命を欲するように鈍くきらめいていた。







U
 時を並行し、諸提督たちも命の危機に瀕していた。襲撃してきたのはオフレッサーとアンスバッハだけではなかった。オフレッサーの部下であろう完全武装の他七名が存在したのだ。玉座の後方からオフレッサーとともに現れた七名のうち六名はラインハルトには目もくれず真っすぐに提督たちに襲いかかり、残りの一名はアンスバッハ准将と出入り口をふさいでしまった。

 ミッターマイヤーたちは、状況の理解が追いつく前に先手を取られていた。精強をもってなるラインハルト麾下の提督たちは舌打ちする間もない。痛かったのは入口の両脇に居た衛兵二名がライフルに指を掛ける間もなく擲弾兵から投擲された戦闘用ナイフによって殺害されてしまったことだろう。これでは警報も鳴らせない。

 「ミッターマイヤー、まさかオフレッサーが生きていたとはな」

 「ああ、どうやら俺たちはまんまと騙されていたようだ」

 余裕があれば交わされたやり取りではあったかもしれないが、現実は視線をかわすのがやっとだった。六名の装甲擲弾兵に囲まれた彼らは武器もない無防備の状態で完全武装の相手と戦わねばならなかった。

 「来るぞ」

 ミッターマイヤーの静かな警告から熾烈な攻防が始まった。疾風とヘテロクロミアの提督に挑んだ三名のオフレッサーの部下はかなりの技量の持ち主だった。二人とも白兵戦においては「比類なき勇者」と評されているとはいえ、武器も防具もない状態では戦い方が違ってくる。そのせいか同僚たちまで気が回りきらなかった。

 ついに最初の犠牲者が出てしまう。自分たちよりも主君の方を気にしてしまった提督たちの連携不足と状況の把握が追いつかないなか、メックリンガー提督をかばったシュタインメッツ提督が首を切られて絶命してしまう。続けての斬撃を止めたのはワーレン提督だったが、とっさの事であり、更なる斬撃をかわしきれずに彼の左腕が血しぶきとともに吹き飛んだ。

 しかし、その白兵戦技術をキルヒアイスにも称賛されたワーレンが態勢を崩し、傷つきながらも決死の体当たりで敵を転倒させた。すかさずルッツ提督が隙を逃さず馬乗りになって戦斧を奪ったものの、相手は冷静に反撃してきてルッツは蹴りを食らい、態勢が崩れたところを戦斧ごと投げ飛ばされてしまう。

 「ちぃッ!」

 床に転がった戦斧はかろうじてルッツが制するものの、その一撃は浅く、敵は戦闘用ナイフで応戦してきた。メックリンガーはワーレンの手当てに手いっぱいでもう一人が後方から襲って来ることに気づくのが遅れてしまった。

 「メックリンガー提督!」

 ミュラーの叫び声は直後に安堵に変わった。他の襲撃者の攻撃をかいくぐったビッテンフェルト提督の右拳が襲撃者に炸裂し、芸術家提督は二度目の生命の危機を脱したのだった。

 しかし、ロイエンタールとミッターマイヤーに焦りが生じていた。まだ一人も倒せてはいない。二人の目に映ったのはジークフリード・キルヒアイスがオフレッサーの後背から飛び掛かっていく光景であった。

 (これはいろいろまずい……)

 危機感が増幅したその時だった。扉が開いたのである。

 

■■■

 ――20分前――

 ガイエスブルグ要塞の占領から数日が経ったのち、広間で執り行われるという仮の戦勝式に、あのアンスバッハ准将がブラウンシュヴァイク公の遺体を手土産にラインハルトに引見すると知ったベルトマン少将は大きな不安を覚えずにはいられなかった。

 「以前、貴官にも言ったと思うが、アンスバッハという男は忠臣の見本のような男だ。いくら主君が愚かな振る舞いをしようとも、主君の遺体を引き渡して自身の安泰を図るような卑劣な人物ではない。あるとすれば俺が准将なら……」

 急に黙ってしまった上官にウーデット大佐は怪訝そうな視線を向けたが、上官の血の気の引いた表情を見て何か重大な問題に突き当たったことを悟らねばなら なかった。

 「ウーデット大佐、念のため広間に行ってみよう。とりあえず様子を見るだけだ。俺の懸念が当たらないことを願いたいものだ」

 ベルトマンと副官がガイエの間の入り口付近に到着したのは仮の戦勝式が始まってからすでに15分ほどが経っていた。ちょうど二人の衛兵がブラウンシュヴァイク公を裏切ったアンスバッハ准将の話をしている最中だった。

 「何か変わったことは?」

 「いえ、特には……」

 衛兵が返答した直後だった。扉の向こうで大きな音がしたのだ。

 「何だ!?」

 衛兵より素早く反応したベルトマンが扉を開けようとするが、

 「内側からロックされているぞ!」

 扉は古風な木目調だがセキュリティは時代相応だった。衛兵の一人が扉の右側壁面にある開閉パネルを操作するが全く無反応。直後に今度は扉が揺れた。ベルトマンは広間で何事かが発生したと確信した。

 「緊急用の端末はあるか?」

 「はっ、詰め所にあります」

 「時間は?」

 「走れば1分ほどです」

 「よし、すぐに取りに行ってくれ」

 衛兵の一人が走り出すと、ベルトマンはすかさず副官に要請した。

 「警報が鳴らないのもおかしい、何か細工されているようだ。大佐はなるべく近場から応援と念のため軍医や救護班を呼んできてくれ。俺はここで扉を開け る」

 「はっ、軍医……医者ですか?」

 「最悪な状況を想定したほうがいい」

 「承知いたしました。すぐに向かいます」

 「頼むぞ」

 副官が去ったあと、扉の向こうから何か金属音が打ち合う音が聞こえてきた。

 「閣下、いっそ爆破してみてはいかがでしょうか?」

 もう一人の衛兵――オルト兵長の提案にベルトマンは首を縦に振らなかった。そもそもそんな爆薬が詰め所にあるとは思えない。

 「むこうの状況がまるでわからない。指向性の爆薬があったとしても、爆破して近くの味方を巻き添えにでもしたらそれこそ問題だ」

 事態が緊急を要することはベルトマンも十分承知してはいたが、彼の「見えない事態」に対する衝動ではなく理性で物事を測る想像のほうが勝った結果であっ たろう。

 そして、その判断が正しかったことをベルトマンはすぐに知ることになるのだが、彼は背筋を凍らせる時間さえ与えられなかったのである。

 「閣下、緊急開錠用の端末をお持ちいたしました」

 詰め所に戻っていた衛兵が戻ってきた。この間わずか80秒足らずだったが、ベルトマンには数十分以上に感じられたことだろう。端末を使用した強制開錠は十数秒で終わった。

 「よし、扉を開けるぞ。二人とも状況を確認してから対応しろ」

 扉の向こうには「死神」が待っていた。
 






V
  ガイエの広間が混沌を極める中、不意に閉ざされたはずの扉が突然開き、衛兵二人がブラスターライフルを構えたが、

 「撃つな! ゼッフル粒子だ」

 メックリンガー提督の必死の警告でぎりぎ思いとどまった二人だったが、彼らは直後にそろってヴァルハラに旅立った。出入り口を塞いでいたオフレッサーの部下とアンスバッハ准将によって側面の死角から戦斧と戦闘用ナイフで殺害されてしまったのである。

 一瞬にして外部からの希望を絶たれたかに思われたが、不幸な衛兵のライフルをすばやく拾ってオフレッサーの部下に一撃をお見舞いした人物がいた。

「おおっ、ベルトマン提督!」

 ミュラーの歓喜に反応してしまった部下の一人が意識を散らした隙を突かれてルッツ提督の一撃を腹部に食らって倒れこむ。そこをミッターマイヤーが俊敏に行動して戦斧を奪い、突進してきた別の擲弾兵の攻撃をなんとか防いだ。

  「誰か、キルヒアイス提督の加勢に!」

 双璧二人は手強い敵と格闘中で動けなかった。オフレッサーを相手に今の状況下で赤毛の提督だけでは極めて不利であり、このままでは彼らの仰ぐ黄金獅子の若者が生命を落としかねなかった。

 間隙を縫って応援に駆けだしたのはケンプ提督とビッテンフェルト提督だった。いずれも闘争本能と体格はラインハルトの提督たちの中では折り紙付きだ。白兵戦技術は決して双璧二人に劣るものではなかった。

 二人が鬼神のごときオフレッサーに追いついたのは、ラインハルトが腹部を殴りつけられた直後だった。

 「こっちだ、オフレッサー!」

 ケンプとビッテンフェルト提督の怒声はもちろん相手の注意を自分たちに向けるためだった。ケンプはオフレッサーが繰り出した水平の斬撃をかわし、その懐に飛び掛かった。

 しかし、オフレッサーは強引に戦斧を逆方向に振り抜き、その尖った先端でがら空きとなったケンプ提督の脇腹を深々と抉った。

 「きさまっ!」

 怒り狂ったビッテンフェルトがオフレッサーの左斜め前方から殴りかかろうとするも、逆に鋭い右ストレートが猛将の左目を破裂させ、吹き飛ばされた衝撃で床に叩きつけられ気を失ってしまった。

 オフレッサーの勝ち誇ったような表情がダメージの残るラインハルトを見下ろした。

 「貴様の才能は認める。だが、最後まで立っているとは限らない。終わりだ」

 巨大な戦斧を振り上げたオフレッサーの背中を激痛が襲った。

 「な……に?」

 血反吐をまき散らした装甲擲弾兵総監の背中には、ジークフリード・キルヒアイスが手にしていた戦斧が見事に叩き込まれていた。

 「こしゃくなっ!」

 深手を受けてなおオフレッサーの戦意は衰えずキルヒアイスめがけて戦斧を振るうが、出血によるものなのか斬撃が空を切った。その隙をキルヒアイスが見逃すはずはなく、彼の二撃目がオフレッサーの脇腹を切り裂いた。

 鈍い金属音とともにオフレッサー愛用の巨斧が初めて床に落下する。が、血走った目でキルヒアイスを睨みつけたオフレッサーの巨体が揺れたかに思うと、その直後にキルヒアイスは殴り倒されてしまった。

 「金髪の……こぞう」

 そう歯を食いしばるように呟いてオフレッサーの巨体が床に倒れ伏した。襲撃者はピクリとも動かなかった。

 「キルヒアイス!」

 ラインハルトは、オフレッサーをしり目に、自らが遠ざけようとした親友に駆け寄った。彼の顔は血で汚れていた。左の肘から先がなくなっていることに目をやってラインハルトは自分の愚かさを責めずにはいられなかった。

 「キルヒアイス、済まなかった。怪我は大丈夫か?」

 「……少し頭がぼんやりしています。ラインハルト様こそお怪我は?」

 「ああ、俺は大したことはない。お前のほうが重傷だ」

 二人はお互いの無事を抱き合って喜んだものの、影が二人を覆ったとき、ラインハルトだけ急に後方に突き飛ばされた。

 ほぼ同時にキルヒアイスの身体が宙を舞って砕けた玉座に頭から激しく落下した。

 「キルヒアイス!」

 ラインハルトの眼前には倒したと思い込んでいたオフレッサーが血まみれの姿で右の拳を大きく振り上げていた。

 「……金髪の……こぞう」

 ラインハルトは動けず、ついにオフレッサーの拳が白皙の肌を殴りつけるかに思えたが。

 「…………」

 ラインハルトは、蒼氷色の瞳で最凶の襲撃者を見上げた。

 「オフレッサー……」

 同盟軍、帝国軍の双方から恐れられた元装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将は、不倶戴天の敵であるラインハルト・フォン・ローエングラムを憤怒の形相で睨んだまま絶命していた。

 壮絶な戦闘はオフレッサーが倒れたことで部下たちが動揺し、ミッターマイヤーたちが猛反撃した結果、四名を倒し三名を降伏させ、アンスバッハ准将はベルトマン少将と対峙したのちに自殺した。

 「キルヒアイスっ!」

 我に返ったラインハルトは一目散に玉座の下に血まみれで倒れこむ親友に駆け寄ったが、血相を変えた表情がみるみるうちに怒りに変化した。

 「どけ!ベルトマン」
 
 蒼氷色(アイスブルー)の瞳に青紫色の瞳が
真っ向から立ちふさがって激突した。

 「いいえ、どきません」
 
 「卿はキルヒアイス提督が私にとってどれほど大きな存在か知っていよう」

 「もちろん存じ上げております。小官もキルヒアイス提督を心から尊敬しております。だからこそ、今ここを通すわけにはいかないのです(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 ベルトマンが鋭い視線をラインハルトの後方に向けた。戦いが終わる少し前に副官が連れてきた医師たちが「どうしたものか?」と二人のやり取りを遠巻きに見ていたからである。

 「何をぐずぐずしている。早くキルヒアイス提督を医療室に連れていけ! 本当に手遅れになるぞ!」

 叱責された医者たちは慌てて意識のないキルヒアイスに駆け寄り、応急処置を手際よく済ませ、赤毛の提督をそっと医療用カプセルに乗せると足早に広間を出て行った。その間もベルトマンはラインハルトを通すことはしなかった。

 二人は数秒間にらみ合ったままだったが、

 「卿が医者たちを呼んだのか?」

 「最悪な状況を想定して副官に依頼しました」

 「そうか」

 と言ってラインハルトは落ち着きを取り戻したのか周囲を見た。駆けつけた応援によって捕虜三名が連行され、オフレッサーの遺体なども処理される途中だった。ビッテンフェルトやワーレンといった負傷した者たちは医者たちから応急の手当を受けていた。

 「ローエングラム候……」

 悲痛な声の主はミッターマイヤーだった。ラインハルトが振り返ると、奇跡的に怪我の程度が軽かった提督たちが見守る視線の先には襲撃によって命を落としたケンプ提督とシュタインメッツ提督の遺体が並んでいた。二人とも主君や同僚を救うために犠牲となったのだ。

 ラインハルトは二人の部下の遺体に歩み寄ると、身に付けていた元帥の白いマントをそっと掛け、しばらく目を閉じてから静かに立ち上がった。

 「ロイエンタール、ミッターマイヤー、ここを頼む」

 そう言い残しラインハルトは広間を後にする。誰も引き留める者はいなかった。
 






W
 戦いの後、ジークフリード・キルヒアイスは二度生命の危機に瀕した。一度目は手術中、二度目は集中治療の最中に容体が急変したときである。その度に赤毛の提督はヴァルハラへの階段を引き返し、二日目の朝にはなんとか峠は越え、容体は安定に向かった。

 ただし、意識はまだ戻っていない。

 ラインハルトはずっと親友のそばを離れなかった。
無菌ルームの中にいる親友の姿をガラス越しに見た。様々な医療器具に繋がれ、左腕を失った痛々しい姿の赤毛の友……

 その原因をつくったのはラインハルトだった。オフレッサーは想定外ではあったが、アンスバッハ准将がゼッフル粒子発生装置を起動させる前にキルヒアイスのブラスターで倒されていれば、状況はかなり違った方向に動いたはずだった。ラインハルトは問う。

 (キルヒアイス、俺はケンプとシュタインメッツを死なせてしまった。そんな俺にまだこの先を歩く資格があると思うか?)

 親友は無言だった。だがその表情がラインハルトの心を突き動かした。

 (そうだなキルヒアイス、俺がここで歩みを止めればすべてが無駄になる)

 ラインハルトは立ち上がり、キルヒアイスの横顔を一目見てから集中治療室の扉をくぐった。

 「閣下、お待ち申し上げておりました」

 廊下で鉢合わせした人物はオーベルシュタインだった。義眼の参謀長はオフレッサーの一撃を右の目のあたりに受けて負傷し、脳震盪を起こして気絶していた。右目の義眼は当然損傷。さらにその時の衝撃がもとで眼球周りにひびが入り、専用のギプスと包帯に顔半分が覆われた状態だった。

 「オーベルシュタインか……私の情けない姿でも見に来たのか」

 ラインハルトの自虐にも、総参謀長は微塵も表情を変えななかった。

 「閣下、小官は閣下を見捨ててはおりません。私に責任を押し付けなかったことはご立派です。ですが、閣下が覇気を失われたままならばグリューネワルト伯爵夫人にご依頼するところでした」

 「そうか姉上にか……」

 ラインハルトの胸中では、このときある決意が芽生えていた。

 「それで、オーベルシュタイン、卿がわざわざここまで足を運んだのは私の様子を見に来ただけではあるまい?」

 おそらく、オーベルシュタインは主君の様子如何によっては前述の行動を実行しようと考えたことだろう。義眼の参謀長は要点を絞って現在の状況をラインハルトに伝え、彼の策謀を主君に説明した。

 「なるほど、この危機を逆に利用するとは卿らしい。その献策を是とする。よし、提督たちの下に案内しろ」






 ミッターマイヤーやロイエンタールといった諸提督たちは、ラインハルトが引きこもった後、どのように立ち直ってもらうか協議を重ねていたが一向に埒が明 くことはなかった。提督たちの中にもオーベルシュタインと同じくアンネローゼにラインハルトを説得してもらおうとは考えたが、誰一人として実行に移せる者もまた存在しなかった。まる一日半、ロイエンタールやミッターマイヤーたちは実りのない議論を続けてきたわけだったが、昼前になって戸口に彼らの主君が現れて状況が一変した。

 「卿らにはずいぶんと心配をかけた。それも今日で終わりだ」

 提督たちは立ち直った金髪の元帥を仰ぎ見るように一斉に起立して敬礼した。眼帯のビッテンフェルトなどは感動でもしているのか身体が震えていた。

 「早速だが、卿らにはこれからすぐにオーディンに向かってもらう。オーベルシュタイン、提督たちに説明を」

 「御意」

 オーベルシュタインがこの危機を逆用した権力掌握の策謀を説明すると、ミッターマイヤーなどはその恐ろしい深謀に眉をしかめたが、彼らの主君がそれを是としたのならば従うまでであった。何よりも黄金獅子はよみがえったのだから……

 「卿らは一時間以内に準備を整えてガイエスブルグを出発せよ。時間との勝負だ。艦隊の選抜は各艦隊司令官に一任する。その後はミッターマイヤー、ロイエンタールの指揮に従って任務を遂行せよ。私も準備が済み次第オーディンに向かう」

 解散! とラインハルトが号令を発すると、敬礼を残して提督たちは駆け足で室内を後にする。室内の熱気が冷めやらぬなか、彼らを見送ったラインハルトは傍らの総参謀長に言った。

 「オーベルシュタイン、オーディンにいる姉上に連絡をとってくれ」

 「よろしいのですか?」

 ほんの一瞬だけラインハルは天井を仰ぎ見た。

 「私が招いたことだ。私自身が姉上に言わなくて誰が言うというのだ」



 


■■■

 勇んではみたものの、ラインハルトは重い足取りで通信室に足を踏み入れ、画面に映る清楚な姉の姿を直視できずにいた。

 『ジークは、生きているのでしょう?』

 沈黙を破ったのはアンネローゼだった。美しい旋律ではあったが、その音色は低く抑制されていた。さらに数秒を経て、ラインハルトはようやく姉と視線を交わしたものの、すぐに逸らし、それでも三度目には意を決したように声を絞り出した。

 「はい……はい、姉上。キルヒアイスは生きています。ですが私のせいでもしかしたら一生目を覚まさないかもしれません」

 ラインハルトの声は沈痛そのもだった。その一言を皮切りにこれまで押しとどめていた感情を一気に姉に向かって吐き出した。

 「私は、私はキルヒアイスを他の提督たちと同列に扱うように決めて距離を置き、彼からブラスターを取り上げてしまいました。キルヒアイスが自分にとってどれほど大切なのか見失ってしまった結果が重大な事態を招いてしまったのです」

 重大な事態、というのは主語は抜けていたがケンプとシュタインメッツの死も含まれていた。

 「それでもキルヒアイスは私を必死に守ってくれました。何度も傷つき、血を流そうとも、自分の命を顧みず最後まで私を……」

 言葉に詰まったラインハルトの脳裏にキルヒアイスの笑顔と壮絶な血まみれ姿が交互によぎった。

 姉、アンネローゼはそんな弟の姿を碧い瞳に映して何を思ったことだろうか?

 『ラインハルト、あなたは半身を失いかけ、その大きすぎる存在を心から思い知らされたことでしょう』

 姉は責めているのではなく、今一度ジークフリード・キルヒアイスという青年の存在する意義について諭しているようにも感じられた。

 「はい、姉上。私はキルヒアイスが自分にとって大きく、かけがえのない存在であることを思い知りました。彼に甘えていたことも」

 懺悔するラインハルトの表情にも声にも後悔ばかりが先だっているようにアンネローゼには感じられたことだろう。

 『ラインハルト……』

 姉の声はとてもやさしかった。その瞳は表面的には立ち直ったように見える罪悪感と焦燥感を漂わせる弟を包み込んでいた。

 『ラインハルト、本来なら失うものはお互いだけだった。でもジークが加わって私たちの世界は広がって、彼の存在もとても大きくなりました』

 ラインハルトは黙って姉の言葉に耳を傾けていた。まったくその通りなのだ。

 「君は僕と友達になりに来たんだろう?」

 10年も昔、ラインハルトの一方的な申し出に、キルヒアイスは手を差し伸べたのだ。姉アンネローゼ以外を信じていなかった気の強い金髪の少年にとって赤毛の少年は文字とおり唯一無二の存在となった。キルヒアイスの存在がラインハルトのその後の歩みを真っすぐに決意させたと言ってもよい。

 『ねぇ、ラインハルト。ジークは私に預けてくれるかしら? 今のシュワルツェンの館も出ていきます。しばらく距離を置きましょう。どこか環境の良い小さな家をいただけるかしら?』

 「姉上……」

 『ジークは私との誓いもあなたとの誓いも守りました。次に誓いを果たすのはラインハルト、あなたのはずです』

 そうだ。あの日、幼年学校時代にキルヒアイスと誓ったあの日。本来なら自分が犯した失敗によって親友との過去を懐かしむしかなくなっていたはずだ。だがキルヒアイスは奇跡的に一命はとりとめた。ラインハルトは親友とともに未来を共有できる機会を与えられているのだ。

 共有すべき親友との誓い。それは、

 宇宙を手に入れること!

 「わかりました姉上。姉上にキルヒアイスを託します。そして必ず宇宙を手に入れて姉上とキルヒアイスをお迎えに上がります」

 ラインハルトは快く姉の申し出を承諾した。ずっとキルヒアイスを借りっぱなしだったのだ。こんな時でなければ二人を一緒に過ごせてあげることなどかなわないだろう。これでいいのだ。姉上がキルヒアイスのそばにいてくれるならこれほど安心できることはない。

 『ありがとう、ラインハルト』

 「いえ、いえ、感謝を申し上げるのは私の方です。本当にありがとうございました」

 『もう一つ重要なことがあります。ジークと同じようにあなたを命を懸けて守ってくれた人たちに心からの感謝を忘れてはいけませんよ』

 「もちろんです。姉上」

 やがて、ラインハルトは通信室を後にした。その表情には精気があふれ、蒼氷色の瞳はさらに輝きを増していた。彼には果たすべき誓いに進み続ける理由があった。

  (キルヒアイス、お前が生きていてくれてよかった。だからこそ俺は前に進める)

 ラインハルト・フォン・ローエングラムがもう一つの結末(・・・・・・・)を知ることになるのは、まだかなり先のことである。
 
 




X
 広間における凄惨な事件がまだ生々しい二日後、突然、ガイエスブルグ要塞内は慌ただしく動き始め、ラインハルトの直属の提督たちは急きょ麾下の高速部隊を率いて要塞を出撃していった。

 「こちらも問題は山積だな」

 「ええ、そうですね」

 ベルトマン少将は、部下のウーデット大佐から手渡された艦隊の再編計画データーに目を通しながら要塞内の通路をとある目的地に向かって歩いていた。

 多くの高級将官が出撃していったあと、未だ整理されていない事後処理を任されたのはジークフリード・キルヒアイス麾下の提督たちだった。ビュローとベルゲングリューンはガイエスブルグ要塞における捕虜を含めた秩序管理。ベルトマンは放棄された貴族連合軍の戦艦と要塞に残る帝国軍艦隊の管理及び再編作業であった。

 これらは最初、総参謀長パウル・フォン・オーベルシュタインからの協力要請であり、状況を理解はしていた
ベルトマンは同僚のビューローとベルゲングリューンをなだめなければならなかった。ケンプ提督とシュタインメッツ提督の死。彼らの上官であるジークフリード・キルヒアイスが生死の世界をさまようきっかけを作ったとされるオーベルシュタインに反感を抱いていたからである。同僚二人が折れたのは、最悪な結果を防いだベルトマンに感謝の念があったからだろう。ビューローとベルゲングリューンは謝意を示し、それぞれの任務に散っていった

 しかし、事態は一変した。諸提督が慌ただしくガイエスブルグ要塞を出発したあと、復活したローエングラム候ラインハルトが現れて正式に彼らに要塞の事後処理を任せたのである。

 「卿らにはいろいろ迷惑をかけた。私も準備が整い次第、オーディンに出発する。全てが済むまで要塞とキルヒアイス提督を頼む」
 

■■■


 それから現在、べルトマンは任務の傍ら、事件直後に投降してきたエーベンシュタインの副将だった男を尋問するために廊下を歩いていた。事件直後は混乱し、ラインハルトがキルヒアイスの傍を離れなかったので投降してきた彼と部下は軍港内に留められたままだった。

 混乱がひと段落したと思ったら、今度は主要な提督たちが出撃してしまった。ほとんどの高級指揮官が居なくなったので、ラインハルトの指示を受け、キルヒアイス麾下のベルトマンたちが様々な処理にあたっているわけだ。

 ベルトマンとウーデットが尋問室の扉をくぐったとき、カイザル髭も見事な壮年の男は手錠を嵌められたまま静かに席に座っていた。もともとはビューローがマルミス提督の尋問を行う予定だったが、エーベンシュタインの副将として数々の戦いを支えた威厳すらある提督はベルトマンを尋問の相手に指名してきたのだった。

 ベルトマンが対面の席に座ると、要望通り衛兵は退室し、他にはウーデット大佐だけが残った。

 「さて、わざわざ小官を指名したのは何か理由がおありか?」

 青紫色の瞳と漆黒の瞳が静かに交差した。すると、カイザル髭の提督は手錠をされた状態で胸のあたりを指さした。

 「まずは私が肌身離さず持っているこれを見てほしい」

 ベルトマンが許可すると、マルミス提督はぎこちないながらも胸のあたりから彫刻の施されたペンダントを取り出し、首から外してベルトマンに渡す。ウーデット大佐が注意を促したが、ベルトマンは「何かをするつもりなら俺のような小物にやるわけがない」といって部下を強引に黙らせた。

 「これを見ろと言うのか?」

 マルミス提督は黙ってうなづく。ベルトマンはペンダントを見た。表側は何か花――ナデシコの紋章が彫刻され、その周りを見事な金細工が彩っていた。職人の技が光るかなり良いものに違いなかった。

 ただし、問題だったのはその中身だった。開いた瞬間、ベルトマンは自分の目を疑った。古来よりの技法で写真は二つ収められていたが、彼が戦慄すら覚えたのは妙齢の女性の方だった。寝室で撮影されたものだろうか? 少しやつれてはいたが、半身を起こした状態で清楚そうな若い女性がはかなげに微笑んでいた一枚だった。

 ベルトマンはごくりと固唾を飲みこんだ。髪の毛の色がやや明るい以外は、彼が捕虜交換式で対面を果たした美貌のあの女性提督とあまりにも似すぎていたの だ。

  ミスマル・ユリカ!?

 ベルトマンはゆっくりとマルミス提督の顔を見た。

  声が出なかった。いや、なんと声を掛けるべきかわからなかったのだ。

 「娘は2年前の10月に突然の病に倒れてヴァルハラに……それまでははつらつとしていたのに」

 唐突なマルミス提督の告白にベルトマンの困惑は一層深まった。

 「亡くなった? どういう事だ」

 「エーベンシュタイン閣下は、これを貴官に見せれば私は再び娘に会えると言ったのだ」

 「会える……だって?」

 ベルトマンはかろうじて声を発した。2年前の10月と言うと、彼の部隊があの戦艦ナデシコに遭遇した月だ。

 いや、他にも不可解な事実がある。マルミス提督は何と言った? 「再び娘に会える」、だと? 何を言っているんだ。

 ベルトマンの額に汗が滲んだ。その意味を深く考えずに解釈したならば「二人は同一人物である」とでも言うのだろうか?

 ベルトマンの肩が再び震えた。

 (もしかしたら、俺や総参謀長殿が考えている以上に戦艦ナデシコとミスマル・ユリカの存在は得たいが知れないのでは?)

 ベルトマンの青紫色の瞳の奥では、二人のミスマル・ユリカが蜃気楼のように揺れ動いていた。
 
 


 
  第21章(第二部最終章)へ続く

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 涼です。今回の投稿はなんとかこれまでより短縮できました。この調子であと一話となった二部最終章を投稿できたらいいなぁ……


 さて、オフレッサーの襲撃。死人も出てしまいました。キルヒアイスに関しては、ずっと前からこうする予定でした。彼の先の展開はいくつか用意していま す。どうなるかは途中の経過によります。

 また、オフレッサーの襲撃では、進め方によってはアンスバッハ准将にもう一手打たせる展開もありました。ただ、これをやってしまうと大変な事態になって しまうのでやめた次第です。


 この話を書いている時点で新型コロナウィルスが世界に拡散し、おおきなダメージになっています。日本もここが正念場と言うくらい感染者が日々増えて、つ いに緊急事態宣言が出される事態に! アウトドアな作者には拷問ですorz

 また、意表を突いた(?)のは、NHKでノイエが2クール分まとめて放送されることになったことでしょう。それまでNHKで放送されなかっ たのが不思議な銀英伝。そのうち銀英伝特集がNHKで放送される日も近い?

OPとEDがまさかのNHKバージョンとか「本気だ」と思いました。ノイエ放送日のツイッターでは見事にトレンド入りしていましたが、ほとんどOPとED を絶賛するコメが多かったように思います……作者はうっかり録画を忘れ、NHKバージョンのOPとEDを拝聴し損ねた次第です。まあ、本編は劇場でも見た んですけどw

 このSSが少しでも時間つぶしにお役に立てれば幸いです。
 
   追伸 修正を行った現在、20年9月18日時点で、銀河英雄伝説 DNTの続編(いわゆる第5?シーズン)の制作が決定しました。だいぶ見慣れたきた方も多くなったのではW 24話制作ということで、へたにワンクールで止めるようなことはしてほしくないというのが要望。要塞対要塞から皇帝万歳! まで一気に見てこそ銀英伝の素晴らしさがわかるというもの。 制作側がファンの声を聞いて反省しているとよいのですが、どうなることか……


2020年4月10日 ――涼――

読者様のアドバイスなどを交え、ラインハルトの立ち直りが原作とは違う内容にしました。自分でも当初から予定していた通りに修正しました。

2020年9月18日 
――涼――

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