機動戦艦ナデシコ
〜光明は遠い世界から〜
外伝   目覚め、そして願い。



私は目を覚ました。そして全てを理解した。いや理解していた。

「おお、目を覚ましたぞ!」

「当然だ、目を覚ますのは今日の予定だった。」

「さっそく能力値テストをしよう。」

研究員が1人、2人、3人、・・・4人。全部で4人いる。3人は騒いでいるが1人は離れて私の前にいる。

私は何だろう。そこの彼らのおかげ・・・いや、せいで私は知りえることは全て知っている。でも私は私が何かわからない。

見た目は確かに人間だ。私が出来てまだ2ヶ月、しかし私の身体はすでに人間で言う7歳ぐらいに見える。私は少なくても人間ではないだろう。

「何か望みはあるか?」

他の研究員からはぐれていたあの1人が私に聞いた。なぜ彼がそのようなことを聞いたかはわからない。でも彼はつらそうな表情をしている。

私の望み?どうだろう、あるだろうか?いやある。1つだけ。漠然と、しかし絶対に必要な気がするものが。

「・・・人間になりたい。」

私はグリーンの溶媒液の中から答えた。私に質問した彼は何かに耐えるように震えている。心なしか泣いているようにも見えた。

なぜ?私は彼の感情を知っている。悲しみ、哀れみ、そういうものだ。でもなぜ彼は悲しむのだろうか?哀れむのだろうか?これも私にはわからない。

「やっぱりおかしいだろ!!お前たちは彼女になんの恨みがある!?彼女にも人生があるだろ?私は最先端の研究対象があるというからこのラボに来たんだ!私 は人の道を踏み外すつもりはない!!」

彼が突然叫びだした。でも・・・何のことだろう?

「何言ってんだ、お前?」

「あれだよ。今更道徳とか説きたくなったんじゃねぇか?」

「はぁ、たまにいるんだよね。こういう世間知らず。」

他の研究員の人も彼の言うことがわからないらしい。というよりも彼がとても馬鹿らしいことを言ったんだと理解できた。でもこの私の心臓の辺りを締めつける ようなこの感覚は何?

「お前達には人の心がないのか!?・・・もういい、私はここをやめる。そしてお前らの非人道的な行いを暴露する。じゃぁな、もう会うことはないだろう。」

彼はまだ怒っているようだ。それにこの研究所を辞める気らしい。・・・私はこのあとどうなるかわかる。裏切り者は・・・。

「困るんだよ、そういうの。」

「じゃぁな。短い付き合いだったな。」

「行き先は違うがな。」

3人が同時にブラスターを抜き、すぐに彼に撃った。そう、裏切り者は殺される。彼らに与えられた知識にはそうある。でもその中にはさっきより強くなったこ の胸の痛みの理由を教えてくれるものはない。

彼らの何気ない会話が続く。その中に私の最初の疑問の答えがあった。私はマスターマシンチャイルド、略称MMC。疑問が解決しても得体の知れない感覚は消 えない。

「そろそろ実験か?」

「そうだな、まず何からするか?」

「やることは大量にあるんだから、上からで良いだろ。」

どうやら実験が始まるらしい。しばらく痛い思いをしなくてはいけないようだ。















「実験は昨日で終わりだ。今日は任務に当たってもらう。詳細はこの中だ。目を通しておけ。」

なにやら赤い派手な服の人が私に告げた。・・・なんであれもう痛い思いをしなくて良いのはありがたい。

赤い人から受け取ったディスクには戦艦にのって、ある空域でナノマシンの遠隔操作をするようだ。

そのナノマシンは覚えている。実験のときそのナノマシンの操作のときだけ相当疲労した。効力は人体の遠隔操作だったはずだ。

「出発は2時間後。それまでに準備をしておけ。」

準備?特にないけど・・・。

「ほら着るんだ。」

いつもの研究員が服を私に差し出した。ああ、それを着るのか。“人間”はいつも着ている。でも、私は人間ではない。研究員もそう言っていた。なぜ私が着る んだろう・・・。

「これは・・・?」

「う・・・。総帥の趣味だ・・・。」

?何を言っているのだろうか。趣味?知ってる。ある種の娯楽の事だ。・・・なるほど、あの赤い人の趣味で私が服を着るのか。

それから2時間後、私は例の戦艦のオペレートをしながら目的地に向かっていた。

「なるほど優秀だ。あのヤマサキの遺品なだけはあるな。それに・・・似合っている(萌)。」

「・・・(萌)。は!ごほん、そうです!ヤマサキさんの残した彼女のおかげで我々の、火星の後継者の新たな目的も成し得るのです。」

「それ言い方は古いぞ。今の我々は世界義勇軍だ。」

・・・ベタな名前・・・。でも私には自由も権利もないから従うしかない。

「そろそろ目標を補足できるのではないか?」

「そうですね、当初の予定ではそろそろ見えてもおかしくありません。」

そう、目的地点はもう過ぎてる。レーダーにも反応はない。

・・・20分たった。けど何もない。

「なぜだ。なぜいない!」

「ひょっとしたら情報がばれて逃げてしまったのではありませんか?」

多分そうだ。・・・情報の管理も出来ないなんて。

「・・・そうだな。この作戦は失敗。シナリオはAからBに移行だ。あと情報部の担当者の処分はわかっているな。」

「心得ています。」

「それとお前。」

えらそうな方の赤い人が私に話しかけてきた。

「・・・はい。」

「お前は今から半年間、訓練だ。内容は担当の者に送っておく。それと・・・替えも送っておくからいつもその服を着ろ(赤)。」

「?・・・はい。」

偉そうな人がなぜか赤くなっている。・・・病気だろうか?まあいい。私は今から半年、訓練をするだけだ。・・・単調で意味のない日々だろう。
















後書き

RYU   こんにちは、(またはこんばんは)、今回も読んでいただいてうれしい限りです。

ルリ    言いたいことが1つあります。

RYU   ・・・お手柔らかに・・・。

ルリ    厳しくいきます。何ですかこの短さは!やる気あるんで すか!?

RYU   やる気はあるんだけど、書く内容が少ないからそれに対応して少なくなっちゃたんだ。

ルリ    だったら内容を足せばいいんです!!

RYU   ほうほう、例えば?

ルリ    もちろん、私の美しさを讃えるとか私の知能を褒めると か何より私とアキトさんとの新婚生活とか!!

RYU   この先はともかく、結婚はまだしてないから新婚生活は無理かな。と言うかこの話に全部関係ないじゃん!

ルリ    ほう、また口答えですか?死にたいようですね?

RYU   い、いえ。新婚生活書かせていただきます!!

ルリ    本当ですか?

RYU   本当です。(予定はないけど)

ルリ    今邪悪なことを思ったような気もしますが良いでしょ う。今日は見逃してあげます。

RYU   良かった。それでは今回も読んでいただきありがとうございました。

ルリ    ・・・それ私の台詞です。

RYU   (汗)
















後書き2

こんにちは、RYUです。外伝2作目も完成。・・・すみません。今回異常に短いです。でも当初の目的から書くことはこれで、カットもしてませんが、ただた だ内容が少なかったようです。

そして今回の内容。例の彼女のお話です。マスターマシンチャイルドとかいうベタな名前です。あまりに格好がつかないのでMMCと表記する予定です。

この話の言いたいことは、

1、彼女は感情はある、そして知識として知っているが理解できていない。

2、研究所では扱いがひどい(服を着せてもらっていなかったとか)

3、火星の後継者の残党(世界義勇軍)の総帥は彼女に萌えている!

実は3が重要だったりする(笑)それと彼女の服装はここでは秘密で。本編で出てきたら描写しますのでそれまで待っててください。でもこれまたベタな設定な ので期待はしないでください。

それでは次で会えることを願ってます。



感想

外伝第二弾! すばやいっす♪

私は、感想を書くのが苦手だったりしますので、多くなるとちと大変ですが。

今回のネタもいいですね!

要素的に、面白そうなネタですし、出切れば火星の後継者残党ボスの赤い人にも名前をあげたいところ。

ただ、赤い人というと、皆さん良く知るあの人かと思ってしまいますけどね(爆)

いや、あの人もロリィで有名ですし(汗)

まあ、そういったことはどうでもいいですが、彼女はヒロインクラスの様子ですね〜

確かに、彼女はアキトさんにとって第二のラピスのような存在と言うことになるのでしょう。

実は私はラピスとハーリー君で結婚というのは、イメージに合わない気がしますが、

この世界ではそれがなっている事を考えると、その代わりという気もしますね。

え? ラピスとハーリーって年齢も近そうだし、丁度いいんじゃ?

ルリ嬢にとっても、いい話だと思うし…

その通りなんですけどね。

ラピスという少女、正直言ってアキトさんが居なくて生きていけるような存在ではありません。

その理由は劇場版で語られていますから、あえて言いませんが。

ハーリー君は彼女の全て(恐怖や、自己否定、感情の停止など)を受け止められるほどハードな世界を生きていませんから…

ハーリー君が望んでもラピスが振り向く可能性は低いですね。

最近、やけに冷静に他人を分析できるね…

アキトの事でも、計算違いが出ないとは…

結局アキトさんと結ばれるためには、ラピスという少女が邪魔なのは確かです。

ですが、ラピスがどういう思いを持っているかは、結構もんだいなんです。

アキトさんはラピスとの関係をどう清算するのか気になりますね。

ははは(汗)






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