第30話『ただ今カオルは…』


2001年6月8日朝

ただ今カオルは拍子抜けてとまっていた。

昨日結局MO奪ってなかったので、また行って襲われてたまるかと、
機械化歩兵を1個小隊を借りて力んで向かっていた。
勿論非殺傷装備してもらってだが…

しかし、
「あら、そこにおいてるのに…カオル君?」

まともだったのである。

「カオル君〜?」
手をフリフリ目の前で、

「うん、もう……」
困っている様子のビダンさん。

耳元に口をよせ…
「カオル君…動かないと食っちゃうわよ」

瞬間再起動する。

「あ、あの!!」

「うふふっ……あ、MOね」

「あ、はい、わかりました。ありがとうございます」

礼をしながら退出するカオル。
それを見送り椅子をならすビダンさん。

「流石にこれじゃあねぇ……」

机に仕込んだボタンを押すとアームがおりてくるも…ひしゃげてる。
またドアもハズレて壊れたまま。
直ってたら襲う気満々であったろう。

さて機械化歩兵とは…

パワーアシストタイプの強化外骨格を纏った3m程の歩兵であり、
その強化外骨格は戦術機のコクピット部分に使われる非常用脱出装置とほぼ同等のものである。

纏えば闘士級や兵士級なら火器次第で楽。
戦車級は携行火器次第、
要撃級には1on1で対戦車ミサイル系でなんとか…複数相対は苦しい…
突撃級には無理っぽ。

といった感じである。
携行火器次第というのは、現用兵器の設置式火器であるヘビーマシンガン等が携行射撃できる…
といって良いだろう。

対人相手には過剰な戦力をもつ小隊を護衛として…その結果は…

== 副司令執務室 ==

副司令に呼び出しくらっていた。

「で?この機械化歩兵部隊の件はどういった事なの?
要人警護の為で急に連れ出して」

「あ、はい。自分が食われない為の警護をお願いしました」

「あなたが?誰に?」

「ビダンさんにです」

「…とりあえずやり過ぎね。機械化歩兵の警護の為の貸出禁止」

「ええっ?」

「少なくともあなた死なないから、それでいいじゃない」

「ち、ちょっと待ってくださいよ!」

「はいはい。実力でなんとかしなさいね」

「…実力で…ですか」

「少なくともこういった色恋沙汰に他人を借りるのは、無し、以上」

「…はい」

「あ、こんな時にだけど、金塊午後用意できるから資料お願いね。」

「わかりました」

「で、この件の始末書も忘れずに」

「了解です」

退室し廊下へと…

「流石に歩兵はやり過ぎたかなぁ…強化装甲だけじゃ操れないし…T-850か。
けど、彼らのセンサーどうかわすか」

== B55ハンガー ==

(さてとMOの中身は)

PCに入れ内容を確認しようとファイルをクリックしようと動きをとめる。

(なんだ?説明ファイルの他に必ずクリックする事ってファイルは)
判断なやんだが、クリックする。

ぴょこ
セクシーなデフォルメ、手の指サイズ下着姿のビダンさん画面内に登場。

せいだいにずっこけるカオル。

(あ、あの人はぁぁ)

以下セクシービダンはファイルを早く開けとせかしている。
椅子に座りなおしクリックするカオル。

セクシービダンは文ではわからなそうなところを、
絵で書いたり仕種で説明したりと大忙し。

結構いい味をだしている。

説明しおわったので次のファイル内容を渡せば良いらしい。
までひと通り案内したらセクシービダン、ブラジャーをとりはじめたので無言で画面off。

11号に命令してプラントに試作品を作って貰う事にする。

……

昨日騒動でできなかった部分を再開。

B6からB10、F2からJ2、C3からC5E3まで完成
D4から両方向へ…

B3、4を整備ハンガー
B5から10まで格納庫

戦艦ブロックの方は、1km×1kmの部分はくり抜き、上から削ってる状態。現在30m地点まで。

コバッタ286号まで、
ヤドカリ30号まで

とりあえず以上。

この後ピューパテスト改造機のテストの予定だが、
始末書を書きにカオルの執務室へ…が、

「だぁぁぁ〜」

煮詰まっていた。

カオルは書類作成が下手くそであり、多分1番効果的な罰であろう。

「クソッ!」

カオルは立ち上がり廊下にでるとPXに向う。

気分転換に飯みたいで…

PXにつくと見知った顔がいる。

「あ、まりもさん」

「カオルさん、珍しいですね」

いつもなら出前を頼んでB55ハンガー直結の待機室で飯を済ます事が多い…
地下深くで作業してると地上にでるのが億劫である。

「?浮かない顔してますね…どうしたんですか?」

「ああ、まぁ始末書を書いてたんですが躓いて…」

「あら、大変そうですね…何があったのです?」

「ええ、要人警護、自分ですが機械化歩兵小隊駆り出したのが……っす」

「なる程ねぇ」

手を顎にし考え中のまりもちゃん。

「あ、でしたら午後の教練までの間でしたら、お付き合い致しますよ」

渡りに手とばかり、
「本当ですか?是非ご教授をお願いします!」

「わかりました。では早く昼食をすませましょう」

早めに食事を済ませカオル執務室へ…

== カオル執務室 ==

「あのカオルさん…どこの士官学校卒業で?」
とりあえずって事で見せた始末書みてのいの一番の発言だった。

「あ〜士官学校出てませんが」

「え?訓練校です?」

「いや、違います」
(そういやぁ…)

まりもちゃんはカオルが異世界人なのをまだ話してない。

「あ〜そういえば自分が民間人で、
異世界人って知りませんでしたよね?」

「え?」

「副司令から聞いてなかったです?」

「夕呼から?…ええ……異世界人って?」

「まぁ…こことは違うBETAのいない世界の出身です。夜お暇あります?」

「……あ、はい」

「ではB55ハンガーに来て下さい。今はこっちの方を仕上げないと、
怒られちゃうので、手伝ってくれたお礼に教えますから」

「……わかりました」
顔を切替、真面目に指導する。

……

かなり苦労し…
「すみません…時間ギリギリまで、では夜お待ちしてます」

「ええ」

飛ぶように扉を出て午後の教練にいくまりもちゃん。

「まりもさんいなかったら…やばかったなぁ」

と始末書をもち副司令執務室へ…

== 副司令執務室 ==

「副司令いますか〜」

「入っていいわよ」
入室。

「始末書持ってきました」

「あら、早いわね」
始末書を渡す。

「これあなた一人で?」

「すみません、まりもさんに」

「そうだと思ったわ」
すまなそうな顔のカオル。

「まぁともかくとして、金塊ね…こっちにいらっしゃい」

部屋の外に出ていく副司令、その後をついてゆく。

「あ、そうそう。国連総会17日に決まったわ。
あなたをオルタネイティブ4の成果の一部として紹介するからよろしくね」

「了解です」

本来であれば00ユニットが最大の成果として紹介されるはずだった。
だがオルタネイティブ4の目標は諜報員の育成によるBETA情報の取得。
この段階での報告も有効。
かつカオルの異世界からの即戦力の勧誘、
また独自軍団の作成能力…

それを国連でぶちまける形でオルタネイティブ5を牽制し、
異世界の力による軍団の設立の承認をえようとしているとの説明だ。

けど、カオルは更に思惑があった…

話している間に機械化歩兵が警備している会議室前につく。
「異常ありません!!」
と副司令に報告する歩兵。

中に入りMPが4名詰めている。
「開けて」
MP頷きアタッシュケースを開ける。
中には金の延べ棒1本が入っていた…

「純金のラージバーよ。12.5kg個人に対しての活動資金としたら破格だから、そのつもりでね」

「わかりました」

「副司令、カオル少佐サインをお願いします」
カオルはサインを書くが、
「え〜あんたがしてよ」

「いえ…副司令こればっかりは」

「いいじゃない、減るもんじゃないし〜」
しかしMPも4000万円相当金塊の警護してたからひっしである。

「副司令お願い致します!」
かれこれ5分程やり取りをしとうとう土下座までして、
やっと副司令のサインを貰った。

MP涙目で退出。

金塊アタッシュケースを虚数空間の大切もの置場に。

「しかし…あんたのそれ、ふざけてるわよねぇ。どの位入るの?」

「さぁ?自分自身確認してないですから…
コロニー6個位入るんじゃないですか?」

「ふ〜ん…入ってみたいわねぇ」

「入って動きまわると…俺が認知できない状態になるので取り出せませんけど?」

「それってつまり」

「はい。手探りで探せられなかったら死んでも放置されて」

「やめとくわ」

「賢明です」

「じゃあ明日忘れないようにね後17日も」

「こっちに来るんですよね?」

「ええ、14時よ」

「了解です。では」

== B55ハンガー ==

作業の続き…今日も帝国からお届けものがくるが、
[マスターは受け取りいっちゃだめだかんね]
B-01小隊員の5名が集積所に受け取りにいってた。
[マスター、気味悪いってクレームあったよ]

「へっ?」

[トレーラーからすね毛丸だしの20脚の生足を生やしたのが…]

「……機械の足にすればよかったかな…」

[いやそういった問題じゃ…]

5号[タイヤを脚にすればよかったんだよ]

「おおっ!」

11号[だから脚からはなれる!]

3号[猫足だったらクレームないんじゃ?]

11号[あっ…]

「猫足か…なら…全身猫トレーラーは?」

11号[えっ?…うん]
5号[いいやん]
3号[にゃ〜んって癒されトレーラー]

「でも…20本の猫足の猫だと化け猫かな…?」

5号[そこを可愛くするのがマスターの腕だよ〜]

3号[シャム猫トレーラーとかぁ]

「お〜」

5号[ジャパニーズボブテイルがいいよ〜昔ながらの日本猫]

11号[アメリカンショートテイル〜]

とかヌコトレーラー談義に移行してしまっていた…

……

今日搬入されてきた機体は瑞鶴、陽炎、武御雷、

3つとも始めてみる機種…一つは撃震の改修機であるが…

瑞鶴…
正式名称と型番は82式戦術歩行戦闘機、TSF-TYPE82/F-4J改。
スペックは高さ17.9m跳躍ユニット含まず自重27.2t、
跳躍ユニットエンジン推力重量比ロケット時10.45、ジェット時4.78、
行動可能距離1520km。

(鶏冠か…)
撃震との大きな違いは頭部センターマストにあるといえよう。
青色の外見をしている。

82年斯衛軍に配備開始。
斯衛軍が戦術機を導入にするにあたり、帝国軍一般機の撃震を導入するのを渋り、新規開発を命じた。
が…純国産は当時難しく、メーカー側が妥協案として改修専用機を提案してきた。
妥協案にのり、近接強化を絶対条件として生まれた機体であった。

撃震とくらべ機動性強化及び軽量化が計られ全体的に性能は向上するが、
生産性及び整備性は悪化している。


陽炎…
正式名称及び型番は89式歩行戦術戦闘機、TSF-TYPE89/F-15J。
スペックは高さ17.4m、跳躍ユニット含まず自重22.7t、
跳躍ユニットエンジン推力重量比ロケット時18.49、ジェット時6.81、
行動可能距離4010km。


第二世代機というだけで撃震より細身。角張った印象はとれないものの、早そうな印象をうける。

第三世代機研究開発に躓いた日本帝国国防省は、
第二世代機の技術ノウハウを求め第二世代機最高傑作のF-15Cイーグルのライセンス生産を決めた。
89年実戦配備、99年新規生産終了、以後保守パーツのみ。
基本的にはF-15Cと同様だが、帝国軍仕様変更で、近接強化等が計られている。

武御雷…
正式名称と型番は00式戦術歩行戦闘機、TSF-TYPE00。
スペックは高さ17.2m、跳躍ユニット含まず自重23.2t、
跳躍ユニットエンジン推力重量比ロケット時23.28、ジェット時10.65、
行動可能距離2800km。

その外見、全身鋭い刃…と言えよう。白い塗装の機体だ。

斯衛軍専用の戦術機である最新戦術機武御雷、瑞鶴の後継機として開発された。
新技術を用いて自重は不知火より増えたが、
ずば抜けた機動性と運動性能をもち、全身刃ともいえる装甲で、近接では機体性能上世界最強ともいえる。

だが…その性能及び装甲各所に装備されたスーパーカーボン製ブレードにより生産性及び整備性は劣悪で、
初年度の生産実績は30機。
特に装甲が難儀で不知火の生産ラインを全て回してもさほど増えないだろう…


(改修要望はっと…)
瑞鶴が生産できる強化を、
陽炎は際限なく惜しみ無く、
武御雷が性能落とさずに生産性と整備性強化できないか?
との要望。

(ん〜瑞鶴は撃震同様強化か…陽炎は…フム。
武御雷はむつかしなぁ…明日以降にまわすか)
陽炎改造結果
主機…核融合炉
駆動…半生体駆動方式
OS…oro
cpu…生体CPU
コクピット部…エステのGキャンセラー追加
外装…プラント製合金Z
跳躍ユニットSRWOGF-32用ロケットジェット複合エンジン
武装
高周波ブレード
M950マシンガン
下脚部の外側内側正面に高周波レッグブレード
外側内側は収納式

(こんなもんか?)

注意点は、整備等はカオルのところで、
9月までは核融合炉の為増産不可と記載。
テスト次第で帝国軍へ返却予定。

……

瑞鶴の改造を終えると、
(さて…ネコトレーラーか…)
さっきはネタでコバッタと会話してたが、
本当にネコトレーラーを作ろうとしている。
だが作るのに最大の問題は動力源と外見や内部の生体組織の維持。
カオルが取り付いて動力源として動かすのと訳が違う。

生体組織を若干使っている魔陽炎は核動力から微力ながら維持システムに回している為に解決はしているが、
ネコトレーラー殆どが生体組織になり…どうするかをまだ決めかねていた。

(S2機関…いやいっそ餌として消費する…いや糞の問題あるから…)
完全にネコ同様餌をとるのも考えるが糞の始末があるだろう。
電気面で補うとなると、核が使えない以上S2機関や水素エンジンによる発電電力にたよるかを…

(それとも中身は機械で外見をネコにするかな…
でも癒しとはまた別になるか…あとは)

魔撃震ならカオルが生体組織維持管理できるからクリアしているが、
ネコトレーラーは管理をはなれる問題がある。
(タンパク燃料入手すれば解決つくか?)
少なくとも生体組織に対してのエネルギー問題がつくだろう。

(ガンパレいった後だな…となると…
ん〜…ネコ型戦術機も可能かな?)

思考が更に余計な方へと進む。
(なめ猫のような学ラン猫の様にできっかなぁ〜)

直立し猫に学ランをきせてにゃめんなよをしている可愛いいなめ猫を、
カオルは生きている時にみた記憶がある。
それを戦術機にとも考え…
(フルメタルパニックのボン太君の様に、
外側の毛を装甲化できれば…かもな)
できない事も無いだろう…

[マスター結果良好だよ]
ピューパテスト改造機の結果がでて思考を切り替える。ネコ系は保存し…

「なら正式生産かな?」

[了解。1号機できたら教えるね]

そうしてると、まりもちゃんがハンガー入室手前の待機室にくる。

(あ〜資格がとかだったな)

「おまちどうさま」

「カオルさん、説明お願いします」

「自分は…BETAのいない世界からきた異能力者です」

「BETAのいない世界?異能力者?」

「まずは、この力、パイル」
両腕を光の槍に…まりもちゃんはいきなりの事態で呆けている。

「で、BETAのいない世界です」
世界扉を唱え、

「く、空間に…」

「少し覗いてみます?」

「え、ええ」

「じゃあこちらに」
カオル、まりもちゃんの手をとりアテンドでくぐる。

== 現実世界 ==
「こ、ここは」

「自分のもといた世界の自分の部屋です…窓の外を見れば違いがわかりますよ」

手を離れ、窓によるまりもちゃん。
まりもちゃんの知っている日本と大分違う光景が広がっている。

「自分は元この世界の住民でした。が、今は縁あってまりもさんの世界にいます」

「……異世界人……他のところにもいける」

「ですが、……まりもさん、あなたの言葉で、あなたの世界を救う事を決めました」

「わたしの言葉で?」

「はい。その為に自分が異世界から持ち帰り、
やろうとしている事を見せましょう。戻りますよ」

またまりもちゃんの手を握りくぐる。

== B55ハンガー待機室 ==

「では、ハンガー内に」

「こ、これは」
前回夕呼さんがみた光景よりも色々あるが略。

「ええ、異世界の力です。実力は折り紙です。
あの動き回ってるのが機動戦艦ナデシコの世界での作業ロボットですね」

「色々な世界あるのですね」

「はい。これらの力でBETAを駆逐しますので自分を信じてください」

「はい」

「また…この世界の事でわからない事は教えください」

「わかりました、協力いたします。
……カオルさん一つ質問が」

「なんです?」

「わたしの言葉って?」

「前…まりもさん、ないちゃった時の事覚えてます?」

「……ええ」
顔が赤くなっていく。

「その時の言葉で、

俺にとっては、教え子の大半が死ぬのが常識…
が赦せないんですよ。
あの感謝の涙…で全力をつくすのを決めました。

……まりもさん……あなたの思いを救う為にね。
あなたが年をとった時、周りには教え子がいっぱいいる、
それが当たり前にします」

「カオ…ルさん…ありがとう…ございます」
まりもちゃんは堪えきれずに涙を流しはじめ、泣き出しカオルは慰め…

……
カオル君報告

ピューパテスト改造機正式生産化




寸劇風後書き

作者「今回は少し苦労しました…」

あ号「どこらへんが?」

作者 「まりもちゃんを泣かすか、泣かさないか、で……」

あ号「ふむ…」

作者 「なので、なきなしにしようかなぁと…してたんですが…」

あ号「最後…ないとるが?」

作者「はい、泣きありにしちゃいました…」

あ号「ほう…」

作者「まぁ、まりもちゃん教え子思いですからねぇ……
夢なんじゃないでしょうか?」

あ号「だが、殺す因果だぞ」

作者「殺させない!!世界扉の力見ておくべし!!」

あ号「この話みて対抗してやる!!」

H24年4月11日改稿

やっとスフィンクス量産化ですね…
この時点で48機差ですか…

うん大丈夫です。
あとはホバージープフラグ処理を…(汗
H25年1月改稿

ネコ型戦術機…



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