第74話『PD編5 禁忌のアトミック』


2540年7月

地球軍との戦争を戦線を維持し、
防戦一方ながら均衡をなんとか保持してたオムニ軍…

4月、リワインド作戦において、挑発大規模後退を駆使し、
敵戦線を大きく前出させ、
その時に手薄になった敵補給関係を殲滅した。
これにより地球軍は壊滅的混乱に陥り、
戦線を大きく前進させる事に成功した。

6月、オムニ側の大攻勢を防ぐ強固な陣地を作られるつつあったが、徒歩行軍で阻止し、
7月初頭、総反攻作戦グランド・スピアーに参加。

一気に独立戦争初期にとられた地域を奪取、
地球軍を追い出そうと画策した作戦。
ドールズ達は敵軍深くに強襲し、遅滞の為に爆破される前に橋を確保、
橋を護りきり見事大軍の渡航手段を確保し、任務達成した。

だが、全体的には予想以上の抵抗にあい、戦略的にはヤハルを奪還するも、優勢に留まり地球軍は殲滅出来ず、
完全成功とはいえない状態で作戦は終了した。

因みにドールズにあてられた作戦名スピアーヘッドにて、
情報は示唆されていた地球軍新型ローダー、
次世代機X-3A相当と思われる機体が確認される。

TS-3と名付けられた地球軍機、X-3系列には装備できない120mm砲を装備し、
性能もスペック上ではX-3Aをうわまわっている。

TS-3の情報入手してたオムニ軍は、
4月にはドールズに新型機X-32を、
6月のマウンテンハイク時には格闘特化機X-32Cを、
7月のスピアーヘッド時には偵察型X-32Rを配備していた。

7月前半、戦況はオムニ側に傾きつつあるが、
戦力不足の為、南北大陸で前線をはる形で、
小競り合いの膠着状態におちいっていた。

ハ「諸君、緊急事態だ。地球政府軍は出力1GW原子力発電所をつくるつもりだ。
…とうとうオムニにも核が持ち込まれた」

ブリーフィングルーム内は核に反応し、ざわめいていた。

姉「出力が1GWの原子力発電所?いったい何様のつもりなんでしょ。
そんなものを作るなんて」

惑星オムニには核がない。原子地球を思わせる若い生態系を持つこの星も、
地質学的には古く、ウランは今になっても発見されてない。
原子力発電を作れる要素がなかった。

ハ「この核により兵器生産のエネルギーだけでない。放射能廃棄物から処理したプロトニウム…
これは原子爆弾の材料にもなる…
オムニで地球での核の脅威が再現され敵の切り札になる。
私達は絶対にこれを食い止めなければならない」

ナ「そうそう前使用したカーゴバードがいよいよ完成したの。
今回これを使用して緊急展開を行えるわ」

ス「カーゴバードですか?
開発プロジェクトでも一度乗りましたけど、あんまり気持ちの良いものじゃないんですよね。
ミサイルに縛りつけられて飛ばされてるみたいで…
まぁ、そのかわり性能は折り紙つきですけど」

カーゴバードは潜水艦搭載型大陸間大型弾道ミサイルをPLD輸送用に改造開発された物で、
目標地点までマッハ4.5で運搬する。

フ「カーゴバードって事はアクエリアスからの射出後、
また時間内に帰還するんですか?」

アクエリアスはオムニ軍が誇る高速潜水艦で、
かなりの隠蔽性能を誇る大型戦略級潜水艦。

ハ「いや今回目的達成後は、各自戦闘エリア東端から徒歩行軍で脱出、
時間に追われる心配はないが、今回回収は無しだ」

フ「現地からの離脱手段は?」
南ファーティリック大陸は地球軍の勢力下であり…

司「戦闘エリアからの離脱後、現地レジスタンスと合流し、
翌200回収部隊が合流する。
レジスタンス勢力下だ。君らが来るまでまてる、と言うことだ」

ハ「カーゴバードを使うとして…今回は作戦としては奇襲だ」
映し出された映像は山岳地帯で中央に橋がある。
ハ「敵ウラニウム輸送部隊はトレーラー10台によって構成されている。

更に輸送部隊は三つのルートから3部隊にわかれて発電所に入る。
これを第一、第二、私達ドールズで、手分けして攻撃をかける。
私達の担当はこのルート。

目標が橋を渡るときだけ重量制限で、護衛なしで渡らざるえなくなる。
ここを狙う。情報ではこの橋を渡るのが27日1030。

…さて今回の奇襲だけど、今使えるカーゴバードは7機のみ。他の者は悪いけど留守番だ」

ア二「その3隊の30台のトラックが全部ウランなんですか?」

司「あ〜ほとんどがブラフだ。本命はどれかだろう…
場合によっては全部ブラフかもしれん。
そん時は情報部の連中に酒を奢ってもらうとしよう」

ミ「司令〜私まだ飲めません〜」
お酒とタバコは20歳になってから…
オムニの法律上きめられている。
司「ああ…ケーキバイキング券にするか?」

アニ「司令〜太るからやめて〜」

司「まぁ何かしら考えておこう。他には?」

セ「核物質を攻撃しても大丈夫なのです?」

司「その点は大丈夫だ。
はるばる地球から運ばれてきて、最高のプロテクトがかけられている…
これだな」

スクリーンが切り替わり映像が流れる。

司「星間輸送に使われる最高のプロテクトで、
万が一船が事故で惑星に直撃しようとも、
たとえ輸送中事故で大気圏から落下しても放射能漏れは絶対無いそうだ。
それに…」
爆破実験の映像が流れる。ここら辺は一般市民むけに対しての広報素材だろう。

司「キャノン砲直撃うけても大丈夫だ…が、
かなり重たくなるから、この様に橋で護衛が引き離される…というわけだな。
逆に護衛が一緒に橋をわたれば囮を引いた事になる」

画面切り替わり、
ハ「脱出路だが、東の山岳地帯から脱出し友軍との合流する。
ブラフと確認したか、またはトレーラー全台破壊したかで離脱をはかる事。
敵護衛は相手にする必要ない」

アリ「もし、最高のプロテクトが破れ、髪がぬけるような事ありましたら…
司令、責任もってお嫁にいかせてもらいますわよ?」

司「お、おう…」

アニ「あ〜ずっこ〜い。わたしも〜」

ラ「はいはい!わたしも」

司「おいおい、一人しか駄目だぞ一人しか…
そこ!留守番組が何故あげる!」

ハ「司令、わたくしも」

一斉に皆が手を下げる。ハーディが手を挙げたからだ…

司「おっおう…まぁなんだ、あくまでも被曝したらだからな?
…よし、行ってこい!」

……

ドールズがアクエリアスに乗船しカーゴバードに乗機をセットされてく。

そしてそれに搭載される、パワーローダーのX-32、X-32C、X-32R…
アクエリアスは任地まで静かに潜入していく…

……

「艦長、間もなくカーゴバード射出地点です」

「うむ」

「アクエリアスよりシルバーフオックス」

『こちらフォックリーダー』

「間もなく射出ポイントにつく、T-300、準備はよろしいか?」

『全機準備完了だ。いつでもいいぞ』

……

「T-60、射出可能深度まで緊急浮上!」

潜水艦から一気に泡がたち艦を押し上げてく。
深度400にいた艦が一気に深度200、深度100と上昇し、
「T-10、9」
潜水艦前方の殻壁が真ん中から割れ、上方横に開く。

前部発射口開放完了の報告が入り、発射深度に到達、
「2、1、グッラック」
管制管が発射ボタンを押し、艦に振動がくる。

「発射口閉鎖、急速潜航」
打ち出されたカーゴバードは、
後はプログラムにしたがって飛行するだけ…
一刻も速くばれた射出ポイントから離脱しなければならなかった…

……

『グッラック』
射出されたカーゴバード、
海面上にでると大型弾道ミサイルに使われるロケットエンジンが唸りをあげ、
20t近いカーゴバードが音速を突破し衝撃波を撒き散らしながら加速する。

「ヴッ」
上からシートに押し付けられるGを堪え…
『フオックスリーダーから各機、
失神はしてないな?』

各機とも異常はないと報告が入る。

『展開ポイントまであと40だ、各機戦闘にそなえよ』

『早く棺桶からでたいわね』
ファンのつぶやきが入る。
ローダーからは操作できないのが、
棺桶の異名となっているのだろう。

もっとも操作しようにも既にマッハ4.5、少しのバランス崩れで空中分解をおこす。

時間になりエンジン停止、上方の固定板が外れ空気が乱入しエアブレーキがかかる。
機体前方のカウルがはずれ、
空の光が差し込み眼下には1万メートル上空のオムニの大地が見えた。

機体を空中に身を投げる。

機体にマッハの衝撃を受けながら自然の力で減速しつつ、
予定着陸ポイントへと修正し…
地上に近づき降下ユニットの一斉逆噴射で同時的に着地、

間髪いれずにキャノン、グレネード、スモークグレネードを撃ち出す。
一斉猛攻撃を浴び10台のトラックがとたんに火の車となり、四散した。

護衛の連中がキャノン発射位置に検討つけ射撃や急行しようとするが、
スモークによる煙で視界が遮られた。

橋一帯は煙幕に包まれ爆音もしなくなる…5分後煙幕がはれると…

後にはなすすべもなく右往左往している護衛と、
黒煙をあげているトレーラーの残骸だけが残っていた。

ドールズは既に離脱、もういない…
まさに電光石火のドールズのお家芸である。

護衛達は付近を捜索したがしばらくすると作戦失敗を一報したのだろう撤退していった。

……


時間の流れに前後するが、
カオルはアクエリアスにドールズ達がのる搭乗時刻にピッタリにポイントに接触、
楔を打ちこみ世界扉をとなえ、
一番襲撃位置に近い楔の地球軍空港へ…
その後他の中隊の襲撃地点へも分裂し移動していた。

輸送隊を襲撃するのは第1、第2中隊…
第1は山岳地帯等でゲリラ戦を展開するレンジャー部隊で、
第2中隊は都市攻略戦を主体とする装甲突撃歩兵隊である。

第1、第2中隊には、
X-3Aの居住性拡大型ブロック35…辛うじて180cm台の男性…ひょろっとした体格でも操縦できるが、
適性は170cm以下…
が配備されたり、小柄な適性がある人物つまり165cm体重が60kg以下目安にはX-3CやX-32AやX-3Rが配備されていた。

まぁ…適性次第の配備になっていたのである。
勿論小柄な男性は引っ張りダコ。
その為女性兵士をドールズに習えとばかりに1から育てあげている部隊もあったが、
第1、第2中隊は男性で占められている。

さて…彼等がとった作戦は…アンブッシュ、待ち伏せ。
事前の情報通りに通過するのを待ち、トラップに引っかかると共に一斉攻撃、
殲滅するというやり方である。

そこへ何も知らずに命令された護衛や運搬任務を果たすべく進んできた輸送隊、
カオルは彼等をチョイスすべく検索していた。

(ありゃ…)

輸送トラックを運転していたのは全員少年少女兵であった。
軍歴半年未満であろう。
一方ローダーパイロット達も年若い少女達である。
精神を覗いてみると、行軍を徹底的に教えこまれ移動等は完璧だが…
という初陣であった。
新型機を与えられ訓練てがらという事であり現地徴用1ヶ月目のぺーぺーである。

ブリーフィングも護衛てがら配置転換と教えられ夜盗警戒のみと…

第一、第二、第三それぞれに向かっている隊全員がである…

(ほぼ全員チョイスか)
素行不良の悪餓鬼は更正しても無駄と一部を除き救助するときめた。

……

輸送隊が橋にさしかかる。

(擬態完璧だなぁ)
外からみると隠蔽しているのが全然わからない。

しかしいたる所にトラップが仕掛けられているのだろう。

加速して備えていると、
突如として下から衝撃が突き上げる感触が…
爆炎でもって車を包みこみ、救出しなかった悪ガキの魂を奪ってく…

「な、何?敵襲!!」

『香!アカリ!みんなぁいやぁぁぁ!』

巻き込まれなかった護衛達が混乱のドツボにはまる。
そこに周りからの一斉砲火にさらされ、

『たすけてぇままぁぁ、い……』

『なんで、なんでなのよ…な…』

一斉砲火を生き残った機体もボロボロになり、
『いやぁぁ、こんなところで死にたくない!死にたくな……』
逃げようとしたが速力が落ちており撃破させられた。

輸送隊は全滅。

生き残りがいないか?と無駄弾を撃ち込み、
悠々自適に第1は撤退していく…

……

現地に残骸調査にきた情報部員がいやに遺体がないと気がついたが、
爆発で吹き飛んだのだろうと判断、
調査を続行する…
……

2ヶ月後…
ドールズがブリーフィングルームに集められてた。
司令とハーディーが入室してブリーフィングが始まる。

ハ「地球軍は前回取り逃がしたウラニウムを使って発電所を稼動し始めたようだ。
場所は南ファーティリック大陸の南端の奥地だ。
現在試験稼動中であり、既に炉内には放射線がでて人が入ると死に至るだろう。
その原子力発電所を本格稼動の前に叩く。
勿論破壊工作のプロである私達ドールズがね。
侵入はカーゴバードにより奇襲をかけるが、任務終了後は泳ぎよ」

姉「泳ぎ?ローダーでですか?」

ハ「ローダーに浮輪でも付けるのか?
各自、ローダーを放棄し泳いで待機中のアクエリアスまでたどりつけ。
放棄したローダーは機密保持の為爆破しろ。くれぐれも溺れるな」

映像を操作してく…
ハ「さて、今回のターゲットについてだけど、
地球軍が苦労して建てた原発は勿論非常にデリケート。
下手な攻撃をしたら原子炉が暴走、
オムニの大地に取り返しのつかない被害を与える事になる。
それだけは避けなければいけない。
よって空爆、砲撃は使用プランに入いってないわ」

ヤ「逆にいえば敵も私達に対して攻撃できないわけね」

ハ「ええそうね…障害となるのは基地内部の警備隊のみ。
敵勢力圏とはいえ、すぐそばに基地もない。駐留部隊もいない。
だから応援部隊はないわ…駆け付けたとして航空部隊だけだろうし、
まして爆撃もできないわね」
映像が広がり全土的になり、地球軍の配備状況と重なる。

ハ「応援がないわけがこの最深部に建設した事による。
原発は大量の資材の輸送が簡易で、大量の冷却水を得られ、
かつ都市から離れなければならない。
その為に地理的にも孤立している…
こんな辺鄙な所に建設されたのもそのせいね。
だから周囲にも軍事的拠点もなし。
侵入さえできればある意味楽勝…
ただ、最深部だからアクエリアスからのカーゴバード以外な手段は無理。
C556だと危険過ぎる、AC15だと航続距離が足らない」

原子炉の構造に映像がうつる。

ハ「原子炉は低濃縮ウランを使った軽水炉よ。
燃料そのものが違うから核爆発はおこらないけど、
核物質の量が桁違いなので事故が起これば原爆の比ではない。
だから炉そのものに攻撃禁止になる。

このタイプの原発は制御装置を失うと自動的に閉鎖され、反応を停止する。
自己閉鎖した炉は二度と使用できないし、中の核物質を取り出す事も出来なくなる。
よってウラニウムの再利用もできなくなるって事ね」

セ「それでおさまります?」

ハ「実際にその場にならないとわからない…正直ね。
けど、暴走が起きない、かつ燃料が取り出せなく封鎖するには…制御装置爆破しかない。
あとは安全性は地球軍の建設技術にかけるしかないわ」

セ「そうですか…」

ハ「その問題の制御装置は4箇所。そこにTX48をしかける」

地形図に戻る。

ハ「帰りが泳ぎになるのだが、
この原子炉周辺は遠浅の地形で発見されずに接近できるのが、
30kmのライン」

アリ「30kmですか…」

ハ「だから今回に限り泳げないものは自己申告で基地待機の形にする。
誰かいるか?」

マーガレットがおずおずと…

マ「すみません…」

ハ「わかった。マーガレットは待機だ…他は?」

あたりを見渡すが…

ハ「さて、今回はヤオ、あなたが指揮をとりなさい」

ヤ「はい?」
司「え?」

ヤ「た、隊長!!何故です?」
フ「隊長がいないとこまります!」

ハ「ヤオ、任せたわよ」

ヤ「隊長!訳を!」

司「ハーディー」

ハ「…泳げないのよ…」
「はぁぁぁぁ?」×多数

司「おっまっ、海兵隊だろ?」

ハ「飛行機に乗れない空軍兵士もいます!」

司「鉄の女にも弱点あったか」
アイアンだからとは誰も声をだせない。

司「あ〜…お前さんは駄目だろ…明日朝までには泳げるよう大浴場で特訓してこい。
ハンナ、ミキ頼む。貸し切りにしてやる」

二人にドナドナされてくハーディ隊長…
その顔の表情は珍しいものであった…

司「出発時刻は20時間後の翌1000、フォートアカバ軍港まで空輸で移動、
そこからアクエリアスまでヘリで空輸、
3日後0600に50Km地点に接近カーゴバードで射出、しかけるぞ!!」

……

カオルは世界扉で時間を渡り、
一足先に原発へと現地入りしていた。

……

短距離の飛行が終わりローダーが着地していく。
ヤオ機が埠頭にいた車両に体当たり気味にあたり、海中に蹴落とした。

side〜装甲車内〜

「ひゃぁぁ」「うわぁぁ」

装甲車の中でギ●アンしていた二人の男性兵士が、
裸のままで天地が入れ代わる車体に翻弄されていた。

「と…とまった?」

「ああ…」

「どうなってる?」

「とりあえず服着てからだ、
上官に見つかったら離れ離れになるぞハニィ」

「ああ悪い」


「くっ開かねえ」

「え?」

「な!」

「エンジンかかったか?」

「そ…そと…」

窓から見える車外は海の中…海中に落とされていたからだ。
NBC防御で海水は車内に入って来ないものの、エンジン部分が海水に完全につかり、
救助待ちの状態になっている。

「電装も駄目か…」

「死ぬまで二人っきりの世界だな…」

「ああ…」

「愛してるぜ…」

Side〜装甲車内〜end

カーゴバードが慣れてない隊員もあり広範囲に散らばってしまう。

索敵型を基点に集結しつつカバーをするが、

ウ『やばっ…待ってます…』

ミ『ひぃぃん』

発電所内部に落ちてしまった2機から通信がはいる。
二人はX-32で索敵能力もさほどない。息を潜め、ひたすら敵にみつからないように祈るばかりだ。

ハーディとジュリィの二人が囮になるように突出、
彼女らを狙い撃ってくるが、かわした直後に、
別のドールズが露見した戦車やセンサー探知したPLDを打ち砕いてく。

二機と無事に合流でき、
その後は向かってくる遊撃隊を迎え撃ち撃退し、
持ち場を離れない部隊を撃退しつつ制御装置に爆薬をしかけてく…

原発施設内部の警備部隊は程なく掃討され、

ミ『爆薬設置完了』
ナ『こっちも終了よ!』

ハ「よし4箇所完了したな。総員撤退!」

制御装置に爆薬設置を済ませ脱出へかかった。
タイマーで作動する。
ぐずぐずはしてられない。

武装を殆ど放棄し身軽になりダッシュで埠頭にむかう。

埠頭に近づくと様子がおかしい…

ハ「総員警戒せよ!」

『了解!』

人影が見えた…
「迎えにきたぞ〜」

ハ「警戒解除、アクエリアスの方々だ」

アクエリアス潜水工作班が埠頭へ迎えにきていた。
付近の他の船舶などは穴があけられ水が侵入し沈みかけてる。

……

機体爆破用コードをうち込み作動確認、
データベース自壊コマンド打ち込み確認。
「バイバイ」
Mk30Su拳銃を機密保持用の破壊穴に銃先を鎮め3発撃ち込む。
これでこの機体は完全に死んだ事になる。
今まで訓練時以外使う事のなかった銃を持ちゴムボートへと向かう。

当初は銃も機体の中に残しての遠泳だったが、思い出として持ち帰る事ができる。

ゴムボートが乗り岸壁をはなれると、
15機のローダーが機密保持用内蔵爆薬により次々と爆発。

「ありがとうね」
「あばよ」
思い思いに愛機達に別れをつげる。

……
「時間だ」

全員原発を眺める。誰となく祈り始める。
もう少し遠くに行きたがったが、解除する時間を与えかねない。
失敗すればいの一番に被曝するであろう…
火柱が4つ破壊音が遅れて到達する。

しばらくしてもそれっきり。
「放射能測定できません。作戦成功です」
ガイガーカウンターの数値を眺めている工作員から声があがる。
安全に帰れそうだ…

「これで戦争終わるかな?」

「終わるといいな…」

だが…
……

カオル報告

まぁまぁ良い人材拉致中…




寸劇風後書き

作者「パワードール編の5作目、
アトミックバスターと、オムニシンドロームの回になります」

ナギ中尉「ウラニウム輸送隊狙いと…原子炉破壊工作ね…ね、実際に狙われたら?」

作者「おまっ…まぁ…よくある架空戦記ネタになるんですが、
基本武装してない警備員がどこまで…
というか殉職になりますよね…」

ナギ中尉「うんうん」

作者「で、自衛隊が如何に早く奪還するかが鍵で…」

ナギ中尉「次回、パワードール編6話、ラストドールお楽しみにぃ」

作者「はへ?まだ途中なのに?」

ナギ中尉「よくある架空戦記ネタでしょ?次々〜」

H25年4月改稿



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