第179話『マクロス編6 AD2037 スピカ事件』


惑星スピカ近傍

銀河標準時2037年9月16日

世界が広がると人の手が及ばなくなる。

古き時代では海や陸を渡って交易していたが、
交易物を狙い人の命を殺して奪う盗賊や海賊という犯罪集団が多数いた。

交易隊は自らを武装し、また国は治安を維持する為に軍隊を派遣し盗賊を討伐していく…

1900年代に入ってくると高速移動手段として飛行機が使われてくるが、
そうなってくるとむやみに人の命を狙うや交易品狙いよりか、
亡命手段としてや身代金目的としてのハイジャックがうまれ、
また海賊行為もシージャック、会社の名声を狙っての身代金目的へと変わっていく。

特にソマリアでの海賊行為は世界経済へと影響をあたえている。
7年間で179隻がソマリア近辺でジャックされ、
船舶解放に約300億円、
スエズ運河を迂回し南アフリカ周りの長期航路への変更等で回避等、
海賊対策に世界的に年間1兆円を超えている。

地球上の近代の海での交易でもそんなもんだ。

そして2000年代…
ボドル基幹艦隊戦以後交易が宇宙に広がると…

当初は移民船団と同様護送船団方式をとっていた。

海賊ではなく、はぐれゼントランの襲撃が多発していたからでもあった。
ボドル基幹艦隊の旗艦を失った者、またそれ以外の旗艦を失った者達…本能のままに襲撃略奪していく…
また艦船すらないはぐれゼントランは生き抜く為に襲ってくるのだろう…

その為に積極的治安維持活動をせざるえなく、交易できる星々が増えてくるにつれ、
新統合軍へ人員不足の足音が迫ってきた…

ただの肉体で殴りあうだけの古代兵士なら即日即戦力だが、
バルキリーパイロットや最新鋭の艦を扱うスタッフである。
訓練養成期間が必要であり追いつかなくなる。

そこで考えられたのが安定化した航路及び星において定点観測による警戒警備体制、
単独フォールド艦による航路上や惑星宙域外延部の警戒網の構築であった。

用いられた艦艇は哨戒任務を主にこなすフリーゲート艦で、
バルキリー部隊40機程搭載する艦であった。
だが更に人類圏が広がるとまた人員不足がたたってくる。

フォールドできる最小単位が駆逐艦300mサイズであり、
維持する人員がやはり150人程、
そして40機のバルキリー運用の為の整備士を含めると…600人程は必要であった。
設計中の次世代機のVF-11こそ整備士が約半数ですむが、
それでも膨大的に広がる人類圏、人数コストをカットできるところはカットすべきだった。

そこで新たに考案されたのが、長期的観測艦船による警戒網…

攻撃力はバルキリー頼み、フォールドこそ母船に頼るも、
必要最小限のスタッフによるバルキリー小隊規模の母船として機能し、
高性能観測機器を用いて約一箇月にわたる長期任務をこなし交代していく…

その様な監視船により航路の治安、星域外延部の警戒は行われる。

そして…

……

地球の標準時に合わせて制定された銀河標準時、
新統合軍の艦クルーも基本的にその時間にあわせて生活をしている。

何しろ移民星で一日が8時間の星もあれば一日が98時間の星もあり…
基本的に24時間サイクルが好ましいとされている人類種は、標準時を採用している。

宙域保安任務を行っている高速観測艦マクシミリアン級、ジーナス1212の艦内。

マクシミリアン級はは第一次星間戦争での被撃墜0という、
ありがたい記録にあやかって願って付けられたクラスで、
その艦名もジーナス+ナンバリングで統一されている。
艦種定員はバルキリースタッフ合わせて25名。
哨戒任務を主として、またはぐれゼントランに対して初あたりする艦として、
バルキリーを1個小隊4機搭載されていて、最大半年まで無補給にての単独任務可能な設計だ。


行われてるのは1ヶ月単位で交替する宙域保安任務。
主に宙賊対策の治安維持の警備パトロールであり、
いなければいないで対応等すぐには届かない宇宙空間であり、
宙賊が発生し交易治安が低下するのは理解できるだろう。
何しろ1発交易船襲って殺して分捕れば1財産。

2036年の宙賊被害は445件宇宙規模でだが発生しており、
2037年9月現在は301件、去年から減らす目標で宙賊撲滅に勤しむ任務である。

その艦内で…夜間シフト組のCICオペレーターは、
突如索敵範囲内に現れた、
デフォールド反応の光点の識別信号の受信に集中していた。

光点との距離およそ105光秒の距離、
相手の光点から光の速さで識別信号がでて、
105秒で統合軍か、民間船か、海賊かと判別できる。
105光秒はいがいと近くて遠い距離であり、約3150万km程…

またレーザーで攻撃されようとも105秒間はかかる距離でもある。
存在や発砲エネルギーは光よりも早く探知できるが…

そして…


信号判別結果が出てunknown、海賊もしくは民間船の識別信号故障…
つまり臨検業務発生により、
艦警戒シフトへ移行するボタンを押そうとして固まった。

当該光点の周囲にデフォールド反応が多数出現…
数は100…300…いやどんどん数えるまにふえてゆく。
警戒シフトへのボタンを押してないのに気づいたか、
急いで押し込む夜勤オペレーター。

艦内にブザーがなり、総員配備警戒シフトへの移行の自動アナウンスが流れる。

自動アナウンス流れている間にも光点はますます増え、
スクリーンの距離レベルでは収まらなくなる程の光点数になり、
縮尺を縮め、カウント及び当該艦の情報検索等はしらす。

数十隻クラスのはぐれゼントランなら本隊より増援がくるが…

3分程でCICに艦長がとびこんできて、
「状況報告!!」

「多数のデフォールド反応、数は5000を越えますます増大中、
識別unknown、味方ではありません。
艦サイズがでました1km強!」

「1km強?ゼントラーディ艦相当じゃない!!
でも…この数は…」

「ゼントラーディなら基幹艦隊クラスかと」

状況報告の間にも光の数は増えてく…

「駐留艦隊司令部へ報告!ゼントラーディ艦とおもわしきデフォールド反応出現、
位置と規模一万以上まだ増大中!急いで!」

「はっ!」

「不明艦隊の正確な規模及び進行方向を特定して!
ここはスピカが近いのよ!」

「はっはい!」

数はますます増えていく一方。
艦長以下艦スタッフは任務を忠実にこなそうとしている。

「unknownから多数の小型クラス射出、戦闘ポットと思われます!」

「発見された?」

「のようです」

「…限界まで粘るわ…最大戦速で逃げて、本隊に情報提供するわよ」

まだまだ増える光点、
数を限界まで計測する為にギリギリまで粘る事を選択した。

最初は百程度だった追跡光点…戦闘ポット、リガージと判明し、
高速索敵艦の推力で振り切っていたが…

……

駐留艦隊司令部、旗艦ゴルバトス級運用母艦ワラビの作戦会議室では、
揮下艦隊司令が集まり絶望的な報告を受けていた。

ジーナス1212乗員21名、バルキリー小隊4名が命をとしてもたらした情報はかなり正確であり、
艦クラスも判明していた。

艦隻数12万3912隻、
推定戦闘ポット数500万以上と過去のゼントラーディ艦搭載数から計算され、

それはまさに惑星スピカ住民にとって最期通告が告げられたのと等しかった。

「自治政府には?」

「1万超えの一報の際情報を、そして20分程前に緊急避難通告をだしてます」

「現在惑星地表では惑星政府より避難命令がでており、
こちらでも続々と避難船が出港するのが確認されてます」

「避難船の乗員人数は足りてる?」

「足りません」

「停泊中の輸送船なら貸し出しできると伝えて頂戴。
あと詳しい時間でればそれも報告頂戴」

「わかりました」

「避難の方はいいとして…」

すでに避難前提となってるのが…
相対できる一次戦力が方面駐留艦隊のみであり、
駐留艦隊構成はゴルバトス級2個艦隊8隻、
護衛駆逐艦キッド級32隻。

マクシミリアン級15隻、アルファ級母艦1隻、
近傍警備艦のスコット級60隻。
以上の構成でバルキリーはゴルバトス級とマクシミリアン級搭載機の312機という構成であった。

それだけの戦力でしかない。
ゴルバトス級は空母と違うバルキリー運用母艦であり、33機までのバルキリーを運用可能。
キッド級はバルキリーを搭載せずゴルバトス級の護衛を兼ねる艦であり、
スコット級は名の通りただの警備艇に過ぎない。

「戦えば間違いなく全滅よね」

「この数の差では流石に…」

緊急報は統合軍本部にも向け発信しているが、
付近の駐留艦隊が応援に駆け付けてくれるのに最低4時間はかかる。
だが…きても全滅前提といえ、
更に約300機と艦船約100隻のスタッフが殉職者名簿にのるだけであり、
500万を殲滅するには新統合軍の切り札反応弾及びマクロス級の応援が必要であり、
それには更に時間がかかる。
反応弾は基本地球本国が管理している。

つまりよっぽど馬鹿な司令でない限りは、
全滅必須の即座救援に駆け付ける筈がなかった。

「少なくとも惑星住民の安全は護らなきゃ…
みんな知恵を貸して頂戴」

「司令、交渉はすべきかと思います」

「交渉?…そうね」

「少なくとも過去と違い我が方にはゼントラーディ軍が何たるかを理解している知識もあります。
また言語もわかります。やるべきかとは思います」

「……そうね。通信参謀お願いできる?
ただし…ゼントラーディ軍が進み始めてから…
今すぐに通信を繋いでこちらの身元をあかすような馬鹿な真似はしないでね。
とにかく如何に時間稼ぐかが重要よ」

「わかりました」

「他には…」


一方惑星スピカ…

この惑星は約3000万人の人々が生活しており、
情報が入るといち早く個人船が…金持ちの個人所有船が家族や一族、親戚を載せ逃げ出し、
続いて惑星自治政府からの避難勧告で一般市民が情報をしり宇宙港へ殺到し始める。

自治政府軍は殺到する避難民の抑制及び規制に追われる。

より多くの住民をより早く乗船の為、
最低限の荷物と告知してるにも関わらず家財一式持ち込もうとしたり、
一人ボストンバック10個を持ち込もうとしたり…

無理に通そうと自治政府軍と衝突逮捕が出たりしていた。

惑星自治政府は公共交通機関をと告知したが、
宇宙港に移動するのに自家用車が殺到し渋滞…
確かに公共路線がバスしかないエリアがあるが…

それで車道に車放置して徒歩で移動し始めたり…更に渋滞がひどくなる。

一般客船に定員以上乗船させ立席でキャパ稼ぐ等の工夫もしはじめたが、
足らない事情がみえてきた。

その為惑星自治政府は貨物船も徴集しはじめる事を決定。

この時点ではパニック…にはなってなく何とか制御できている状態であった…
ただし、まだゼントラーディ軍の正確な数はパニックを恐れ自治政府は公表してない状態でもある。

……

ゼントラーディ旗艦内

【前方小艦隊より通信要請が入ってます】

【ほう…未開文明かとおもったが…面白い…つなげ】

『【お初にお目にかかります。わたくしは新統合軍、駐留艦隊通信参謀ニコライ・オマージュ中尉であります】』

【…ゼントラーディ軍ダダロ基幹艦隊司令ダダロザーだ…新統合軍とは知ってるか?】

【いえ…記憶にありませんな】

【未知のか…】

『【ダダロザー司令、こちらの要望をお伝えします。
この先にある惑星は我が新統合軍の統治下にあります。
これ以上進軍しないで頂きたい】』

【ふむ…力によって要請しろといいたいが…
いくつか疑問がある。それ次第だな】

『【……わかりました。疑問とは?】』

【まず。何故ゼントラーディ語を貴様は喋ってるのだ?また通信にしてもだ。
そして新統合軍の母星とやらはどこだ?】

『【……後半のには答えられませんが、
わたくしはゼントラーディのハーフです】』

【ハーフ?ハーフだと!?】

『【帰化ゼントラーディと我が母星人とのハーフです。
ですのでゼントラーディ軍の通信形態やゼントラーディ語が話せる次第です】』

【ま、まさか…】

【可能性はありますの】

【どの艦隊所属してたのか?】

『【……ボトル基幹艦隊に所属していたものの息子です】』

【…確か30年近く前に音信不通になったそうですな】

【まことか?】

【はい】

【…先の答えられない質問に答えてもらおう。新統合軍の母星は?座標は?】

『【……軍人としてお答えできません】』

【…否か】

『【…はい】』

【…我が方は今しばらく停船し貴様は見逃す変わりに、
1時間後にはあの星に攻撃を仕掛ける】

『【まって下さい!!せめて1日!】』

【我が同胞の血に免じて1時間の猶予のみだ!通信を切れ!】

……

「司令…申し訳ありません。交渉失敗です」

「いいわ…即攻撃でなく1時間稼いだもの…
惑星スピカに繋いで頂戴…猶予は1時間、迅速なる避難を求むと」

「しかし!それでは混乱が」

「混乱してでも早く撤退して貰わないと…見積もって2時間よ…」

「2時間?」

「私たちが支えきれる時間…それ以上はどう考えても無理…
生きてられないもの」

「……」
マイクをもつと…
「可愛い私の部下、聞いてちょうだい。
全艦隊スタッフに40分全休息を与えます。
その間に遺書をまとめ規定に基づき提出する事。
私達の命が惑星スピカの全住民約3000万人を支えるのよ…

覚悟を決めて頂戴。
新統合軍人として恥じぬ行動を。
酒保も解禁するわ。ただし酔っ払い操縦で敵機に追突しないようにしてね。
以上」

艦橋スタッフは通信を送り自動設定すると、
遺書を書きにや、
艦内の恋人との最後の逢瀬に…

艦橋に残った司令は…引き出しから写真を取り出すと…

……

時間がない…
駐留艦隊から通告をうけ、それを発表した惑星スピカ地上では、
混乱に滑車がかかっていた。
怒号と悲鳴がいたるところで聴こえている。

宇宙港に殺到した住民は我先にと狭い搭乗口…ゲートブリッジ使用の為だが詰めかけ、
また後ろから押され圧死者もでる事態へとなる。
既に宇宙港のキャパシティ…時間辺りの乗船許容能力を超えていた。

それに対し惑星自治政府は準備段階だった、
近くの港湾からや海岸からの直接移乗やタグボート等での乗船等で分散搭乗で、
移乗能力の拡大を確保し対応し始める。
既に避難民の乗船名簿把握等諦め、到着時に把握に切り変えた形だ。
また船の確保に最低限のエアコンディションが確保されている貨物船にも、
避難船として利用し始め、
また新統合軍駐留艦隊から輸送船が回され、
比較的浅い浅瀬に接岸しから避難民がどんどん乗船してく。

海上に多数の船が停泊して、搭乗方法が分散された事により、
人々は取り残されないだろうと安心感を覚え、
宇宙港は惑星に3箇所ありそれで惑星スピカをカバーしていた。
航空機で移動する遠隔地に関しては現在全員搭乗が確認できて向かっている最中で落ち着いてるが、

自家用車を選択した避難民は悲鳴と怒号の渦に巻き込まれてた。
高架道路で前が詰まっているのに無理矢理押し込んできて壁面におしよられ車体が持つか壁面が持つか…
壁面が崩壊し落下する押し出された車両…
前が詰まって車をすて歩いていた人に突っ込む車両…
また車通して衝突し火災が発生するも消しにくる消防車もいない。
移乗船を見た人々の混乱は収まった。

艦内では…貨物船乗船すると座る余裕なく押し込まれ、
満載になった船から順次離陸し衛星軌道から離れ順次フォールドしていく…

一方まだ宇宙港についていない住民の混乱は収まってない。

1番の原因が駐車する場所の確保及び臨時的に避難バス専用道として確保された部分だろう。

車でこれる範囲には2500万近くの住民が生活している。
それが全員車で避難を選択し宇宙港に着たら…
1家族5人と仮定し500万台、スペース的に2×4で8平方メートル。切り換えしや降りるスペースで更に16平方メートル…
合計1億2平方メートルの土地が宇宙港の車のスペースとして必要だ。
3箇所公平に分散してかつ切り替えしスペースに車を突っ込んだと仮定して2000万平方メートル…東京ドーム約434個分、台東区2個分である。
たったそれだけか?と思うが、車を止める何もない土地がそれだけ必要だと考えてほしい。

宇宙港のまわりは都心と化している。
当たり前だがビルや建造物には止められない。
つまりキャパがなく精々1万台…
しかしその部分も避難民バスで確保されており…
つまり完全な駐車難民と化していた。

勿論無理矢理止めようとしたのもいたが、
自治軍が戦車砲を放ち殺してまでも専用道や駐車場を確保し続けていた。

第一惑星自治政府は公共交通機関で避難させますと告知していたのにも関わらず、
自家用車を選択したのが悪い。

その為鉄道やリニアトレインを選択した人々は比較的空いて、
締め切り時間通りに出港し落ち着いた環境の元向かっていた。
バスに関しても専用道を計画通りに通り宇宙港や海岸へと到着し、移住していく。

避難を助けた職員等も計画通りにバスを別の場所にもってき、そこから一台のバスに纏めてのり移動してく…

現時点では満載気味にしての乗船で、惑星住民分の船はなんとか確保した。
まだ全住民脱出には時間がかかる。

宇宙港についてない住民が上記の様に把握できてない分含め約30%ほどいて…見込み4時間半…
通告された戦闘開始時間まで30分となっていた。

……

時間がきた…惑星を攻撃しようとゼントラーディ軍が動き出す。

惑星からはまだ続々と避難船が出港している状態であり、
ゼントラーディ軍を阻止しようと駐留艦隊が動き出し開戦する…

戦力差があるにも関わらず惑星駐留艦隊はよく闘った。
彼らの挺身がなければ惑星住民を逃す事ができなかったろう。
命ある限り闘いぬき1時間18分に全滅、
ゼントラーディ軍を約3時間足止めする事に成功。

その3時間は整理する事を諦めとにかく乗船を急がして、惑星スピカから船を出発させ、
ゼントラーディ機動部隊襲撃する前にスピカから離脱できた艦は約5千にも及ぶ。

後になるが惑星スピカ住民21.974.211人、
約3千万人が避難先にたどり着き約 72%の避難数を達成する事ができた。

……

【なかなかやりますね…彼らは】

【全滅まで闘い輸送船を逃がすとは…
輸送船の行き先座標は確認しているな?】

【はい】
1隻のステルス艦を戦闘行為を禁止させ、偵察させていた結果があがってきたようだ。

【我が方より優秀な機体を操るマイクローンの母星か…かなりの脅威だな】

戦闘結果も出ていてそれを見ながら考えている。
1番多かった機体と主力リガードの比率は1:68、
ツノツキとの戦闘比率が1:78…

ヌージャルガーとの戦闘結果でさえも、
1:14
クアドラン・ノナとの戦闘結果は、
1:12と多少ましになる。

少なからずの被害がでていた。
だが1%以下であり許容範囲でもある。

【いかがされます?】

【休息、補給がすみしだい向かってみよう】

【了解いたしました】

……


新統合軍は第一次星間戦争以来の基幹艦隊クラス襲来の緊急通信受け、
反応弾の配布及びバトル級マクロス級の投入を決定し、
緊急集結命令を出した。

護衛任務を達成し単独任務が可能になったバトル2、バトル4を始め、
地球近海にまだいたバトル5、バトル6…

シティが建造中のバトル7を援軍に投入、
マクロス級の1番、3番、4番が召集に間に合い、
また各駐留艦隊も惑星警備に最低限を残し、
集結地にあつまり反応弾の積み込み作業を行ってた。

つまり…駐留艦隊は見捨てた形であったが…
新統合軍及び政府の基本戦略通りと言った通りだから致し方ない。

一つの星にこだわると人類が死滅する…
襲来した基幹艦隊を足止めし、殲滅が元々の新統合軍の基本方針でもあった。

ルーロス密かにが現れ、分裂体が統合軍艦艇に取り付き、
またルーロスがワープに入る。


【デフォールド反応、識別不明艦です!距離近105光秒】

【先の新統合軍とやらの船か?】

【場所的には…だと思われます】

【小癪な…取り替えしにきたのか?
戦闘ポット部隊出撃せよ!】

この時点では敵味方がわかってないが、
万が一同胞のゼントラーディ軍なら問題ない。

軍機には付近に同胞がいた場合直ぐに通信を送る、
または問い合わせを受けるまで行動をしない、
または相手が戦闘ポッドを出したら直ぐに通信を試みると規程されている。
だが…
【敵艦小型機を多数放出】

確実に敵と判断できたようだ。

【数は?】

【先程の敵艦数から判断すると…数は300程に達するかと】

【その程度か…艦隊前進、射程入り次第蹂躙せよ】

【はっ!】

戦艦主砲の射程は80光秒、
射程に入るまで通常空間で約30分程である。
しばらくすると先行した戦闘ポッド群と敵小型機群が戦闘範囲に…

【なっ!】

出撃した敵小型機からミサイルが放たれ、戦場に花が咲き乱れ…

【閣下!は、反応兵器です】

【反応兵器だと?】

【はい。プロトカルチャーの滅びた反応兵器です】

【ま、まさか…】

ガイノスは効果範囲及びその威力から推測を出してた。
半径50km程の範囲が綺麗に味方機が刈り取られている。

宙間戦闘において100km範囲内には艦が2隻ないし4隻、
バトルポッドが100機あるかどうかになるが…
放たれた数が問題であり、300の空間がくわれていた。

【更にデフォールド反応!距離152光秒】
【なっ!いかん反応兵器を撃たせるな!全戦闘ポット部隊出撃せよ!
敵小型機群へ射撃開始!こちらに近寄らせるな!】

敵小型機に対して総攻撃命令を出し、
各艦より多数の戦闘ポッドが出撃する。

【更にデフォールド反応!251光秒】

【くっ…まずいぞ、あの反応兵器とめられんのか!】

【敵機の数を削減させない事には…】

……

3時間後…

【デフォールド反応!】

【またか…ここら辺りはマイクローンの勢力圏か…】

【のようですな】

戦闘被害は敵反応弾の為戦闘ポッドが4割を超えていた。

艦の損失も2割…だが敵に与えている被害もだが、
損失数からすると多いに負けてはいるだろう。

【デフォールド反応艦、中型クラスです】

……

【敵艦数隻変型します】

【は?変型だと?】

【間違いありません。変型してます】

【スクリーンに出せ!】

確かに変型をしている。

【何をする気だ?】

画面上の艦は大砲らしきのを構え…

【変型艦主砲発射!】
こちらの中心部へ向け敵の主砲が放たれる。
【150光秒の距離だぞ?】

迫りくる光の奔流、
100秒後には味方艦に当たり味方艦が爆発し、
その光の帯は威力を減衰する事なく迫ってくる。
【いかん!長距離射程砲だ!回避!】

判断した時には遅かった…既に30光秒の距離まで迫っている。
非常ベルがなり、艦を転舵させるが、
迫ってくる光の奔流が…

【ヤック!デカルチャー!!】

……

バトル級、マクロス級及び、
新統合軍が保有する反応弾をかき集め全体の90%近くを使用し、
VF-11及びVF-17の約2500機を投入しほぼ全力体制といってよかった援軍は、
かろうじてスピカに来襲した基幹艦隊を撃破する事に成功した。
だが…被害も大きく、援軍のバルキリーも全体の4割損失、
艦船も1割…という損害でもあり、
また駐留方面軍クラスが壊滅した事実も受け、
新統合軍は次世代主力機計画スーパーノヴァを促進するとともに…

……


1000分秒まで散らばった分裂体をルーロスで回収合流させながら…

カオルはゼントラン、新統合軍とも満足して救助し…
合流したカオルは、

世界扉を壊滅した惑星スピカ地表で唱え…

……




寸劇風後書き

作者「ということで…スピカ事件をお伝えしました」

ナギ大尉「あんまり戦闘描写がなかったけど…」

作者「本当なら2から3話分でいける話だからね…無理やり1話に…」

ナギ大尉「なら前半のミーティングとか描写削っちゃうのは?」

作者「……勘弁してください…書き替えるの当日では無理です」

ナギ大尉「確かに11月12日よね…前回11月7日に話したから…」

作者「修正分より先にスパロボの新話分が仕上がって、
そのあとに第175話176話が…」

ナギ大尉「大帝国のは?」

作者「えっと…9月には仕上がってたか?」

ナギ大尉「で後書き忘れててこの間にだったよね」

作者「まぁ…ね」

ナギ大尉「じゃ脱線したけど…歴史描写はないのね」

作者「飛ばしていた中の一点だしね〜」

ナギ大尉「で、構成数とか、新艦種等は?」

作者「まぁそこはオリジナル。高速哨戒艇に関してはあってもおかしくないなぁ〜で」

ナギ大尉「ノーザンプトン級あるじゃない公式の」

作者「船団護衛艦ね?あれ何人乗りだと思う?」

ナギ大尉「……200人?」

作者「バルキリーの整備にVF11なら1機に5人は最低限必要で、40機近く…
バルキリーのせなきゃ要員は少なくてすむとしても、
フルになら200人がバルキリー系の要員、あとその倍はスタッフが必要だよ…
それを保安任務に多数あてたらとてもじゃないが…」

ナギ大尉「…大体何隻想像してるの?」

作者「5千隻程かな?」

ナギ大尉「あ〜300万人じゃ…確かにね…」

作者「更に移民船団護衛に、惑星護衛もあるからね〜
そんなに必要とされるのはリアルの地球からで、海賊が2011年なら世界的に445件、
日本近海は治安が良いから海賊ないけど、
それは452隻の巡視艇が警備行動を行ってるからとも言えるからの計算で…」

ナギ大尉「さて次回は大帝国へ…お楽しみにぃ」



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