第185話『桜花作戦編3 あ号目標…』


宙空間で待機している2隻の貨物船とSLLC。
SLLCの5隻は、発令所からの突入の合図をまち、
各機体の乗員はSLLCの簡易仮眠室等を利用し身体を休めていた。

前の周とは違い、多数の再突入艦はいない、A-01部隊及び凄乃皇のSLLC単独による大気圏突入であった。

(この数で突入とはな…前周は突入でも多大な被害がでたよな…)

……

大気圏に多数の再突入駆逐艦が喀什ハイヴに対し、
軌道爆雷を慣行しようとしていた。

だが、軌道投下された対AL弾を迎撃せず、重金属雲が発生しない…
ばかりか、SW115付近に展開していた味方を全滅させるという最悪な事になってしまった…
その為に中間層に突入した駆逐艦に重光線級のレーザーが襲い掛かる。
駆逐艦は次々と爆散し大空に残華してく。

未だレーザー照射を浴びずに残存し先行していた駆逐艦が、
その機体をレーザー照射を遮る軌道へと移動する。

盾となり、わずかな時間で爆散する…

『人類をッーー頼むぞ……ッ!!』
新たな華が凄乃皇の前で生まれる。

次々と盾となり爆散、凄乃皇の後方に位置していた駆逐艦も、
再突入を分離し、凄乃皇の前に出て盾となる。

『貴様らを無傷でオリジナルハイヴに連れて行く事が我等の任務……!』
新たな華が…

『人類反撃の切り札となる決戦部隊を運んだ事は、駆逐艦乗りにとって最大の名誉だ!』

『その名誉をけがさせはせんッ!そして貴様達にも手出しはさせんッ!』

『フランスをーーユーラシアを取り戻してくれっ!!』

口々に叫びを残し華となる駆逐艦群…
爆散していく彼方に遂にオリジナルハイヴのモニュメントが視界にはいった。

地上を目指していく無傷の凄乃皇……
再突入殻から強行着陸をとる5機の武御雷がいた…

……

ガコン

貨物船からSLLCのドッキングが解除され、
アームでもってSLLCが押し出される。

『ユーハブコントロール』

「アイハブコントロール」

SLLCが地球に向けフリーホール状態になってく…

(やっとか……結構手間取ったみたいだなぁ…)
時刻をみると、29日午前3時…
宇宙にあがってドッキングしてから17時間たっていた事になる。

予定時刻を大幅に上回ったが、発令所より合図が出たため、貨物船から離れ、大気圏突入する事となる。

『ヴァルキリー01より各機へ、地上部は既に異世界軍の手に落ちた。
光線級のレーザーは上がってくる事はない筈だが、
万が一に備え、パージアウトに備えよ』

現状、成層圏中の高度15kmあたりでレーザーがあがってくる可能性がある。
白銀の経験では、90km中間層あたりの高度でも迎撃がきたのだが、
横浜にて情報が漏れた影響によるもの、またML機関臨界運転による誘引によるものとして、
報告済みの留意事項となった。

万が一…中間層でSLLCが迎撃されると、
機体の非常用のを使い単身突入にはなる。
が…やめといた方が精神的に健全であろう。

一応熱圏では迎撃されず、中間層あたり、90km以下では可能性はある…との事だ。


SLLC5隻は重力にひかれ大気圏にまもなく突入しようとしている。
SLLCの突入角度は通常よりやや浅め…

外部カメラが、SLLC自体が赤くなり始めているのを映しだす。
引力に捕われ熱圏に突入したのだ。

大気圏突入能力がない機体などは、この熱圏での強制減速の熱で一気に温度が急上昇し、
推進剤に引火するか、先にコクピット内部の高温に耐え切れずに命を絶つことになる。

SLLCは安定して高度落しながら減速していき、中間層の途中あたりで、
段々と周りをおおってた輻射熱の幕がなくなってきた。

『一次減速開始』

女性声の電子音が告げ、SLLCの外側にある空力ブレーキが展開しはじめる。
これにより秒速4kmのにおちた速度を更におとし始める。

『二次減速開始』
空力ブレーキが更に展開し秒速1km以下におとしていく。

「着地地点ズレなし……『三次減速開始』姿勢制御良好」

対流圏に突入し、高度5kmに到達したSLLCのブースターから炎が出て急激に速度を落としてく。

着地予定地点のマーカーが近寄ってる。
移動用ブースターを吹かす程でもない。

眼下には門周辺部で釣り待ち処理を行っている異世界軍がみえてくる。

『高度300……200………100』
50メートルを告げた時よりいっそうブースターが唸りをあげる。

『10』
ガイドロットが地面に接地、
着地用脚が伸ばされ、本体の傾きのレベルを合わせてく…

『着地』

『ヴァルキリー1から各機へ、SLLCは陸上部隊に委ねる。
201号挺に移乗、出番まで待機だ』

「カーゴハッチ開放、ML機関始動」

凄乃皇の出番は近いだろう。

……

帝国時間2002年1月30日午前6時

横浜基地発令所

「第1砲艦隊は、マシュハドハイヴから、
第2砲艦隊は、ボバールハイヴから、
第3砲艦隊はエキバストゥズからのBETA群に急行中」

「第101から105連隊及びカイア大隊はSE85より突入して下さい。
第111から115連隊及び沙霧連隊はSW115より突入して下さい。
第121から…」

「第1工作部隊はSE72の門を充填封鎖、護衛担当は1001大隊。
第2工作部隊はS92の門を充填封鎖護衛担当は1024大隊。
第3工作部隊はW96の門を…」

桜花作戦発動から、四日目に突入しようとしてた…

やっと次の段階、ハイヴ内部への突入、
門や横坑の充填封鎖による削減、
及び周辺からの増援対応等へと進む。

既に地上部及び門周辺は第7次迎撃を退け、また釣り待ち処理により、異世界軍の手中にあった。

だがいまだ約351万個体がハイヴ内部に釣られずに存在している。
釣られずは語弊だった…門の外までついてこないのである。
ある程度の範囲から移動せずまるで守備隊のようであった。

フェイズ6規模であるこの喀什ハイヴは、
地下4421m横に最大118kmに広がる広大なものとなっている。

広間の数が大小合わせて357、横坑が1553、門級が15、門の数が32となっている。
この広大なハイヴから、一匹残らず301万個体を殲滅しおいだそうとしていた。

その動向に対し阻止せんと喀什ハイヴに援軍として向かっているBETA群は…

……

喀什ハイヴ中心部より南140km地点

『エコーマムより各機、まもなくボバールハイヴからのBETA群が到達する。
各機戦闘態勢ととのえよ』

待ち構えるは、大東亜連合1個師団。
機体はF-4、F-5E、F-16、Mig-23、MS-6JY等多彩にとみ、支援戦車は2001式に統一されていた。

第2砲艦隊の後援が布陣する、大東亜連合軍を通り過ぎてから5分後…
先程まで上空を通り撃ち込まれていた砲弾は、
味方誤射を防ぐ為に撃ち込まれなくなった。

61cm砲搭は弾道が最短射程距離20kmでも1mはズレてしまう…

ボバールハイヴからの喀什ハイヴへの増援約100万強…
それを第2、第4砲艦隊の35隻は喀什ハイヴ地上戦後、増援100万に対応する為に、
350kmの最大戦速で急行し、約700kmの距離の区間を部隊を2つに分け、
砲弾を絶やさず撃ち込み続けた。

その結果…1日程遅滞拘束し、BETA種族の内、
突撃級、光線級、重光線級、大砲級等は全滅が確認できてた。

数は…

『射程圏内まで…残り1分、残敵10382』

「準軍団規模か…」

残りが1万強…砲弾の地獄及び特機無双をくぐり抜けた数である。

長距離砲撃においては、精密射撃は難しかった。なので砲弾数で飽和するが、
うまく隙間等で生き延びる個体がいる…

『10』
視線の先には砲弾の嵐を抜け、傷だらけになっているBETA群がみえた。
だが…準軍団規模である…
『5』
トリガーに手をかけた…

『射撃開始!!』

大東亜連合軍1個師団による砲撃が始まった…

……

この世界におけるBETA戦とはなんぞや?で、絶好の機会であり、
その為司令室隣に観戦室ができていて多数の新人が見に来ていた。その中の…

「本当に観戦してていいのか?」

「レーティア、あなた一人で何でも抱え込んだから倒れたんでしょ?
しばらく政治から離れてドクツ官僚を育て経験させないと…ね?」

「それはそうだが…」

「共有主義者もいないんだし、ドクツエリアはみんなに任せなさい」

「……わかった。ゲッベルス」

「いい娘ね」

「にしても地上戦か…」

「私達の世界じゃ…制限だらけだったわね」

「威力が絶大過ぎたから致し方ないだろう?
結局は数になってしまったんだし…」

「数といえば相手のBETAよね?」

「確かに…数ではこちら側が少数だが、
火力ではこちらが勝っているようだな」

「あれ実体弾でしょ?…禁止条約に引っ掛かったのわかるわ。
あの砲火の嵐をみると…」

「にしても…発明家としてみるとあの射撃速度は異常だよな」

「確かに早いけど…異常なの?」

「ああ。装弾システムが根本的に違わなければあのような速度はな…」

「…幻術かけてるとか?」

「魔法か…確かに発展した魔術は科学にも劣らないからな…
マウマウ族のように」

[レーティアさん〜]

「ん?なんだ?」

[ゲーニッツさんが目を覚ましましたよ]

「ゲーニッツが!?すぐいく!」

椅子から飛び降りると駆け足で医務室に……

[ゲッベルスさんは行かないの?]

「久しぶりの再開なんだから、邪魔はしないわ…
それにこっちの方が興味あるからね」

ゲッベルスの視線はスクリーンに注がれてる。

……


スクリーンでは衛星からの地上を映し出していた。

BETAの援軍は数カ所から波となって押し寄せている。
砲撃を乗り越えた波に6つの特機が突撃し無双している。

だがあくまでも点であり面で押し寄せる波に間から後方へと波が流れていく。

だがその勢いは点が流動的に動き回る事によりおちていき、

近距離火砲により楽に処理されていく…

また別のスクリーンでは地下の殲滅作業、
釣り待ち処理を行うべく広間内部に展開している部隊の様子が映し出されていた。

『右翼…準備はよいな?』

『はっ!!』

『左翼準備はよいな?』

『はっ!!』

『ズィマム、こちら沙霧01、準備は整った』

『ズィマム了解、誘導05を回します。……個体数5098、接敵まで60』

広間では、沙霧連隊の魔不知火108機及び、
スフィンクス540機が迎撃の布陣を整えている。

『30』

ハイヴ内部を釣って逃げ回っていたエアロスタットが、
沙霧連隊が布陣している広間を目指してきた。
逃げ回りながら個体数を調整している。

『10』

エアロスタットが横坑より飛び出してそのまま沙霧連隊布陣箇所へ飛んでくる。

『5』
エアロスタットがとおりこした…横坑のおくから…

『2、1』

『てぇ!!』

BETA群が飛び出てくるとともに648機の機体から射撃が開始される。

次々とMP-850、CIWS、220mm滑腔砲等をうけ、肉片に変わるBETA群…

横坑から出てはくるが、弾幕の為に中々進めずに次々と絶命してく。

『ズィマムから残り982』

『抜刀!!』
一斉に高周波ブレードを抜く魔不知火…

『突貫殲滅せよ!!』

スフィンクスを飛び越し、魔不知火が残存BETA群に襲い掛かる。

無駄弾撃つよりも近接格闘戦でBETA群を殲滅してく…

最後のBETA、要撃級が高周波ブレードで袈裟切りで真っ二つにわかれる。

最後のBETAが絶命すると、魔不知火が下がり、
プレート付けたスフィンクスが、死骸を排除し始めた…

地下の広間を占拠し、釣り待ち処理できたのが、フォールド波通信中継器の存在が大きい。
小型チューリップにつけられたこの中継器で、今まで有線や多数の中継器を設置していたが、
部隊ごとになり、通信断絶の危険性もなくなった。
また工作部隊が横坑を充填閉鎖してきている為、後方を心配せずに地下の広間にて殲滅作業を行う事ができていた。

……

「ヴァルキリーマムから各機へ、まもなく交代部隊がきます。
今日の制圧はあと2戦程までとなります」

『今日は26層までね…』

(…結構な数が喀什ハイヴいたんだなぁ)

白銀は最低限の戦闘であ号までたどり着いた前周のと比較していた。

凄乃皇は武装面でも充実して、前周を遥かに上回っている。

単独突入反応炉破壊は…というと、やれない事でもない…と判断していた。
(前はギリギリすぎたな…だから、あいつらが…)

武の視線は球瀬、鎧依に注がれた。

(前周でおんなじようにすると…地上に補給部隊がいて89往復か?
…が、純夏に負担かかり過ぎるよな…無理に等しいか…)

……

「と…こっちの方か」

釣り待ち作業の引き継ぎに、
ユウヤ率いるイーダル中隊、102、103スフィンクス各大隊他補給隊、管制機が目標地点へと向かっていた。


「あっ…」

「ん?どうした?」

「私の姉妹がいる…」

「後ろのテューリ達でなく?」

「違う…ん〜…」

「どっちにだ?」

「ん〜向かっている方向?」

交代する部隊名コードはA-01中隊、A-04特機、スフィンクス中隊が表示されている。

「どれかに乗ってるか…」

「あ、これに乗ってるだって」

「A-04特機か」

……

『イーダル・マム、こちらヴァルキリー・マム、
只今引き連れている群を迎撃次第引き継ぎにうつりたい』

『了解』


「ヒュ〜、極めてるなぁ…」

A-04特機から絶え間無い弾幕が横抗からでてこようとするBETA群に降り注ぎ、
ミサイル、レールガンにより横抗から出て来れるBETAは少ない。
抜け出してきた個体は魔不知火により個別処理されていく。

「マム、あの引き連れたBETA群個体数は?」

『…約2万です』

「あの空中要塞なら処理しきれるんか」

……

「よし、これで掃討っと」

『ヴァルキリー1より各機へ、201号挺にもどるぞ』

『了解!!』

霞が交代機がいる方向に向かって手を振っていた。

「霞、お姉ちゃんと…妹達か?」

「はい。がんばるといってました」
(リーディング会話か…)

『武ちゃん、姉妹達可愛い感じだったね』

「だなぁ…なぁ霞、喀什攻略して時間がとれたら、
姉妹達と海に泳ぎにいったらどうだ?」

「海…ですか?」

「楽しいと思うぞ」

「……はい」

途中の移動経路ではルーロス改により、喀什ハイヴ内部の全BETAの動向を把握している為、
安全が確保されている。

「う…眩しい…」

地下の薄暗い広間から太陽が注いでいる大地へとでて、
仮宿舎となっているトレインカーゴへと機体をすすめる……


〜トレインカーゴの休憩エリア〜

「当部隊は昨日と同様、翌600集合となる。各員遅れるな…解散」
ザッ
敬礼の後各員がわかれ飯や風呂等にわかれてく…

コバッタ達は整備以外は24時間戦えますか?だが、
こう長期にわたる作戦だと、有人部隊は疲労や睡眠の話になる…

3交代制でトレインカーゴにて休養をとり、
また戦場に出て貰う事に、この桜花作戦は組み立てられていた。

シフトが、戦闘時間が一日8時間、交代時間等含めて12時間、
12時間を休憩時間と組まれている。

まずは後方車両カーゴに戦術機やPTハンガー、
そこにてコバッタ達が戦場で疲労した機体のメンテナンスを行ってる。

機体から降りた衛士は前方カーゴの休憩カーゴへと連結通路を移動してもらう。

休憩カーゴ内部は……

〜食堂〜

「ど・れ・に・し・よ・う・か・な?」

「レイ、早くしなよ…好きなので良いじゃん」

「全メニュー制覇するのにぃ選んでるの」

「全メニュー制覇ってあんた何時までここにいるつもり?
百種類以上あるのに…」

「う〜」

ここ食堂は様々な人種、国の限定にそった、
多様多彩なメニューが提供できるようになっていた。

もちろん作戦参加者には無料提供しているが、
食べ過ぎは自己管理でお願いしてます。

「ところで、こんな種類の材料どうしてるんだろうね?」

「仕入れるにしても…」

[材料は合成してますよ〜]

「え?合成なの?にしては美味しくて、
ついつい食べ過ぎちゃうんだけど」

[今までのと違う技術が使われてますからね〜]

キャーティア技術の一つである合成食品技術…
それがこの食堂には導入されている。

注文すると調理機の中で料理が精製されるのだ…
ただし、同じ栄養同じ味同じ焼き焦げ等で何時かはあきるのだが…

「じゃあ…私はバッタの唐揚げと、タガメの唐揚げと…」

「う…食わせないでよ…これだからタイ人は…」

「なによ〜目の前で牛くわないでよ〜?」


〜スポーツジム〜

衛士達が食後?食前?に、汗を流してバーベル等を持ち上げてる。

短時間で効率よく身体を保つ為に、
休憩カーゴにはスポーツジムが設置されてた。


〜浴場〜

カコーン

音が響きわたる…

「ふ〜いい湯だな…日本式の大浴場もなかなかなもんだな」

「ですね、隊長」

「熱、中、低と3種類の温度の風呂か…
これなら東南アジア系の我らも入れるよな…」

「中だとまだ熱いですから…」

カコーン

勿論シャワーブース、サウナ室も併設してある。


〜仮眠カプセル室〜

静かだ…だれも起きてはない…そうカプセルはいると…


プシュードヤドヤ

一団が入ってきたようだ。

空いてるカプセルに行くと…

「じゃ、明日」

「ああ!」

カプセルの中に身体を入れ、タイマーを操作、
スイッチを入れる。

カプセルが閉まると…
衛士はもう寝ていた。

この睡眠カプセルは作動すると強制的に精神に作用し、睡眠へと持ち込む…
不眠症を発生させない脅威的なキャーティア技術が使われていた。

勿論緊急時には外部からの干渉で覚醒する事はできるが…

〜別のトレインカーゴの整備場〜

「俺の機体が戻ってる!!」

「あら…あんたの機体中破だったよね?要撃級にフルボッコにされて…」

「ああ、機体交換しなきゃ駄目だったんだけど…」

[修理しておきました。
調整とバージョンアップもしましたので、前より性能アップしてますよ]

「ありがとう!!」

衛士の休憩の12時間の内に代替え機を手配…は殆ど無いが、
完全に修理してしまう時間はあった。

……

帝国時間2001年2月3日午前1時

残敵のこすとこ…

『喀什ハイヴ所属個体数、残り154021、あと主広間残すのみです!!』

予想外な長丁場となった攻略作戦もいよいよ終わりが見えてきたようだ…

現在地は主広間手前、地下43層の広間で突入準備を整えていた。

小型チューリップから弾薬が運びだされ、スフィンクスに供給される。

最後の突入に備え、交代の有人機及び地上にて整備が済んだスフィンクスまちで今か今かと…

〜sideあ号〜

あ号はあせっていた。

要撃級なら日に15000個体を生産する勢いで増やしていったが、
どんどん所属個体がへっていき、

他拠点からの増援も一向に届く気配もない…

(我……破壊…)

あ号は何かを決定したようだ。

(命令…)

命令を下す。

過去の情報を含めて対応の……


side〜あ号end〜


『くぅぅ〜きっついわね…まだなの?』

約3万程を正面からATフィールド展開して受け止めている初号機がいた。

その後ろには、凄乃皇に20機のスフィンクスがケーブルを繋げている。
「…90…100」
霞が数値を読み上げていた。

「チャージ完了、ミサトさん、発射します!」

『了解!!』

凄乃皇の前で盾となっていた初号機が横にさけ、
「いっけーぇ!!」
白銀がトリガーを引き、荷電粒子砲が拡散モードで放たれた。
1000ギガワットの出力で放たれた拡散ビームは、
集められたBETA群を一気に消滅し…

「残敵621!!」

程なく主広間は異世界軍の手に落ちた。

内部核融合炉だけではチャージに時間かかるため、外部からも強制供給した形だ。

「ミサト機、交代きました。下がって下さい」

『5時間の制限なければ…わかったわ』

『白銀、援護にはいるぞ』

『白銀、守る度に焼きそばパン』

エヴァ初号機が交代していき、弐号機、参号機が凄乃皇の傍にきた。

(でもなんで初の後が弐や参なんだ?…わからねぇなぁ…)

武は、エヴァは軽く再放送で見ても、映画版まではみてなく、
そこまではわからない口だ。

『各機、補給後あ号目標がいる主広間に突入する。
情報では触手による浸蝕、破壊が攻撃手段だ…
触手を切断し、攻撃手段を防いだあと、
俺が洗脳する。
突入は……10分後だ』

カオルが突入部隊に向け発してた。

ゴウウン

横坑に繋がる門級がくり抜かれて向こう側に倒れこんだ。

即座に200個体程のBETAが集中砲火により肉片と化す…

……

カオル機が主広間に繋がる門級へと手をかける。

くり抜かれ向こう側に倒れ…

即座に弐号機がATフィールドを展開し触手攻撃を防いだ。
参号機が展開に加わり、主広間内部にに押し込んでいく…

主広間内部に雪崩込む異世界軍、

触手に集中攻撃を加え、
一つ、二つと無力化してく…

『はぁぁぁっ!!』
弐号機がソードで最後の触手を切り裂いた。

カオル機が抵抗できないあ号の前に立つ…

(悔しそうだな…)

無抵抗になった為対処できないあ号をみてそう思ってた。
カオルが機体から離れ、一部をあ号に同化させ…

『洗脳終了、喀什ハイヴはカシュガル基地へと変更する!!』

外部集音マイクが広いあげた。

『作戦終了だぁ!!』

ウォォォォ!!


……

カオル報告

カシュガル基地へとかわります




寸劇風後書き

ナギ少尉「やっとあ号を洗脳できたのね」

作者「やっとだなぁ…」

ナギ少尉「185話、リアル一年かけて…か…
何はともあれ、このままラストに向けて!!」

作者「ところがギッチョン…そうはいかなくなった…のが…」

ナギ少尉「はっ?人類優勢じゃ?」

作者「まぁ優勢なんだけどね…次回、桜花作戦終了後…お楽しみにぃ」



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