第223話『宇宙のステルヴィア編1 新たなる世界、ステルヴィアの世界へ…』


宇宙のステルヴィアの世界…

西暦2167年、約20光年離れたみずへび座ベータ…通称ハイドラスベータの超新星爆発のファーストウェーブが地球へと襲いかかる。

放射線と電磁パルスにより大気圏を削りとられ、壊滅的被害を被った地球が残された。

ファーストウェーブにみまわれた地球から見上げる宇宙は…
緑色に包まれていた。

人類は壊滅的な被害をだしながらでも僅かながら生き残っていた。
人々は復興しながら…確実に太陽系に襲い掛かる物理的衝撃波、
セカンドウェーブをどう生き残るか?の問題に直面する。

脱出しようにも、恒星間航行技術…超光速技術は無く、
居住可能恒星系も今だ見つかってない。

可能性のないあてずっぽの旅に出られるわけもなく、
太陽系にしがみつくしかないと人類は判断した。

検討を重ねた結果…
人々は英知を注ぎ、全人類あげての太陽系防衛体制を作り始める。

そして時は流れ西暦2356年…

ついにセカンドウェーブが太陽系に到達する年になる。

地球人類は約190年にわたり全人類の総力を結集し、
宿命とされた太陽系防衛プランをたてていた。

惑星に巨大な傘を展開し、物理的衝撃波から太陽系を守り抜く…
グレートミッションプラン。

120層にわたるエネルギーシールドにより、
隕石群から守り抜く。

そして…そのエネルギーシールドを発生させる為の巨大スペースステーション、ファウンデーションがつくられた。
地球及び月や周辺コロニー等の地球圏を担当するのが…ファウンデーション2・ステルヴィア。

冥王星担当を除く各ファウンデーションにはグレートミッション用施設だけでなく、
次世代の宇宙人材を目指す学園が作られていた。

そんな世界である…

(さて…スティルビアまでは…どういくかな…)

二つの方法がある。生身で目指すかFUJIYAMAを利用するか…

ルーロスは使えないだろう。
理由としてはステルヴィアに潜伏している、
異星人の探知能力がまだ未明であるからでもある。

生身でいくとどうしても時間がかかる。
楔記録からみて…
(ナスカ経由でステルヴィアか…)

「じゃあいってくるわ」

[いってらっしゃい〜]

==メタルギアの世界==

南米ニカラグアへでたカオルは、
南下しペルー国内にはいりナスカの町へと目指した…
この頃のペルーは45〜68年にわたり4度の軍事クーデターが頻発しておき、
3回政権がひっくり返された。
大統領役のベラスコ将軍が病に倒れ片足切断、改革は半ば…な状況下でお世辞には治安はよいとはいえない。
あの有名な2つの左翼ゲリラは潜伏期間の時期ではあるが…

ナスカの町にて世界扉をとなえ、

==宇宙のスティルビアの世界==

町へとでると…

(ありゃりゃ?)
街影がない…廃墟すらない…
ファーストウェーブにて元の町は破壊されたのだと推測。

(そういやぁ地上絵の方だったな…)

きた足どりを逆方向へと向かう…

(おっ見えてきた…)
程なくしてナスカ宇宙港、ナスカの街なみがみえてきた。
潜入すると…

(今日はステルヴィア行きは出ちゃったか)

週7便、毎日運行しているダイヤらしい。
発着場使用はその便だけでなく、月面都市やコロニー行きのもある。

(アカプスやオデッセイや他の惑星にはどういくのだろ?)
少し交通網が気になりついでに調べてみると…

ステルヴィア以外のファウンデーション、金星のアカプス、火星のオデッセイ、
木星のエルサント、土星のビジョン、冥王星のウルティマ…
各ファウンデーションへは、地球圏コロニーから及びステルヴィアからしか出てない。
またファウンデーションへは一般観光客の入場は制限されていた。

(この後ははKAGUYA、月面都市行き…ね)
ナスカ宇宙港発月面都市行きの船がでる。

(一日の行程か…)

最短であれば9時間で軌道まで到達できるが激突確定のスピードであり、
リアルではアポロ宇宙船のサターンロケットで加減速で3日〜4日かかる。
安全に軟着陸する為でもある。

多分重力を利用したシステムの恩恵で加減速ありでその時間で行ける模様だ。

他にもOG世界やTOKIO世界では月面都市へと便もでてた筈だが取得はしてない…
少し気になり取得に向かって…

楔をナスカ港にうち、別世界経由で時間を飛ばす。

……

『ファウンデーション2・スティルビア行きは定刻通り出発します。
登場手続きは間もなく開始されます。
恐れ入りますが乗客の皆様は第三ゲートまでお越し下さい』

丁度よいころにでたようで、カオルは発着場のFUJIYAMAへと向かう…

「ブレナス・タルテス!」

艦内では乗客達への挨拶、席案内がすすんでいた。

『この度は地球公社、重力交通システムをご利用いただき真にありがとうございます』


(やはり旅客機とは大違いだよな〜)

リアル航空旅客機は一人当たりのチケット代を下げる為に、
エコノミー席をかなりつまらせるつくりだ。
今のエコノミー席は1970年代に入ってから、
大型化した機体での乗客数を埋める為につくられた。
1950年初頭に海洋横断客船からまず富裕層を奪い、
更にエアチケットに手が出せない大衆層を奪い、定期横断客船を駆逐した。

狭い胴体内部に席数確保しようと横幅狭いシートで、
B-747や777で3-4-3の10列、B-767で2-3-2の7列確保していて、
シートピッチ…座席と座席の間だが75cm〜83cmと狭く、シート幅は17インチ、約43cmだ。
因みに一般的な遠足用に使われる国内観光バス用のサイズとほぼ思っていれば良いかもしれない。

車体は道交法で許可されている申請なしでの最大幅をほとんどのバスは確保している為に、
車内幅は一定であり、15列席確保している貸出用観光バスは、
2-2の補助席1、シート幅42cmのシートピッチ75cmリクライニング120度だ。

エアバス社は2013年に18インチを標準化しようと発言してるが、
ボーイング社は航空会社に任せようと反論している。

だがいくらシート幅を広げようとも採算性の問題から、窮屈なつくりには変わりないだろう。
JR東日本の普通車のグリーン席やJR西日本の223系やJR九州の817系のクロスシート席よりも狭い。
トイレ行くときには相手のももに座ると言ってもよい状態で…
食事等してたら最悪だ。

ビジネス席でも…最近は独立型を導入している会社が多いが、
一昔前にはお隣りが寝ている上を跨がなければならない。

ファースト席だけが唯一他人を気にせずにはいける状態だ。

1、2時間程度の国内線なら新幹線等よりも早く、
スカイマークのような低料金なら我慢できよう。
だが国際線となればやはり違う…

最近高速バスでも独立型2列シート、60cm幅アーム部含め80cm、シートピッチ107cm、傾斜角が132+20…等贅沢なシート車両が出ている。

4列観光バスよりも狭いシートはほんとつかれよう…

FUJIYAMAのシートは一般席でも独立型で、かなりリクライニングの角度がある。
席に客が座ると自動シートバーがおりていく…

告知音と共にシャッターが閉まり始め…
『間もなくナスカ、スティルビア行き離陸致します。速やかにご着席下さい』

外殼をロックしていたアームが外れ、
搬入用エレベーターが下がっていく…

『間もなく離陸いたします』

スクリーンには外からの映像が入電し映されていた。
画像がみだれ…

FUJIYAMAが重力に逆らい浮かび上がる。
艦内ではGも感じない為に外からの映像が必要なのだろう。

大気圏突破すると宙は緑色に染まっていた…
宙間に星間物質が浮遊し、それが本来無の色である宇宙を染めていた。

『重力ジャンプ順調に開始致しました。これからスティルビア到着まで3時間30分、
空の旅をお楽しみ下さい。
これより機内サービスを開始いたします』
おもいおもいにシートからトイレや後方のテーブル席へと移動する人など…
かなりの余裕がある。

艦内は4つの層に別れB〜E階が一般席210席が4層、A階がエグゼクティブ席80席、合計920席となっている。

KAGUYAはテーブル席エリアが寝台エリアになっていた。

……

FUJIYAMAはまもなくステルヴィアに到着する。
新入生指定便でないが為に歓迎セレモニーはなかった…

全長15kmの巨大な宇宙ステーション、
外観的にはタツノオトシゴというべきだろう。
いや逆タツノオトシゴだ。前後が違う。
オッポにあたる部分に巨大な円盤状の構造体をもつ形となっている。

このステルヴィアは太陽系で二番目にできた宇宙ステーションで、内部には都市が形成されている。
先にあげた学園関係者だけでなく、軍事基地機能をもちその関係者と家族がすみ、
それをターゲットにした商業関係者が暮らす、巨大な都市も形成された。
都市が形成される人口であるなら、風俗店やら大人のアミューズメントも勿論ある。

更に多数のオーバビスマシンを内部に保有している。

FUJIYAMAが接舷しカオルは格納庫へと同化でむかっていた。

今回のターゲットのメインターゲット、オーバビスマシン…この世界での汎用機動作業艇の総称だ。戦闘機ではない。
戦闘機でない理由ができる事が多岐にわたり、その一つに戦闘行為があるといっていいだろう。
リアルの世界でいえば…力は段違いになるがフォークリフトに戦闘パーツ搭載し戦闘行為ができると連想してもらえればよいだろう。
だがそのフォークリフトが戦闘機にも勝つしといった次第である。

オーバビスマシンには物語の時点では2種類、訓練用のビアンカと制式量産機ケイティの二種がいるが、ケイティについてを記載しよう。

大きな特徴は有視界飛行ではなく、CG処理した情報処理で飛ぶ機体である。
推進はこの世界メジャーの重力場発生機。
マニュピレータハンド等汎用性が備わっている。
しかし、その操縦方法は汎用性の為複雑な物になっていた。
トップ中のトップしか操縦できない。

地球圏の中から毎年200名しかステルヴィアに入学できず、
しかもパイロットはその中の半数以下。
太陽系全体で養成しているオーバビスマシンのパイロット達は、
毎年300人程となる…
(ま、自分らの世界が異常だからかもな…)
このステルヴィアの世界は戦死者はいない…
なので、事故や病気などで失わない限りは、
引退以外にはパイロット有資格者は増えていくから人員制限がある。

Muv-Luvの世界の様に8分生き延びれば良しの世界ではない。
もっともそれも過去の事だが…

また現実問題として有資格者になれば一生食いっぱぐれないのもあるだろう。
宇宙には夢がある…その為に厳しい試験を突破し、
皆が宇宙学園を目指してくる。

取得したカオルはビダン菌をステルヴィアに打ち込み、世界扉を…

……

西暦2356年12月17日

まもなくセカンドウェーブが太陽系全体に襲い掛かろうとしていた。

南天の空が明るい。
衝撃波がまもなく質量エネルギーをともなってた到達する。

ステルヴィア内部の街は、衝撃予防措置により閉店や固定作業が取られていた。
次に再開されるのがセカンドウェーブを乗り越えた後だろう…

「諸君の役割は、地球、月軌道をすっぽり覆うバリア、
グレートウォールの内側に展開し、
バリアの一部が局所的に弱わったり突破されてしまった場合、
早急に対応することにある」
会議室にて本科生らへの最終ミーティングが開かれていた。

「各員自分の編隊の飛行計画をしっかりと頭に叩き込んでおけ。
いいか?189年前の第一波は電磁波だったが、今度の第二波は爆発した星の破片そのものだ。
計算上バリアは突破されないことになってるが、
何がおこるのか、その場になってみないとわからん。
ステルヴィア以外の各基地からも飛行できる全ての宇宙船が出動するが、
現状問題として、半径35万kmにも及ぶ広大な空間をカバー出来るのは、
機動性に優れたオーバビスマシンだけだ。
つまり諸君こそ地球における人類防衛における最後の盾なのだ。諸君の検討を祈る以上!!」

敬礼でもってミーティングが終了する。

学生らが何故重要なこの作戦に参加するのは最新型オーバビスマシーン操縦資格者数不足の為ともいえ、
また未来に対しての経験、更にどうせ失敗したら何処にいてもおしまいとの判断されたのだろう…

……

人々は宿命とし、計算上グレートウォールは耐えられると考えていた。
しかし、たった一回…たった一回だけである。

これが万が一失敗すると質量のもった隕石の雨が降り注ぎ、

大気圏に突入する時の加熱により地表に到達すると、
周囲の岩や土をとかす。
それがまだ一個ならよいが、数千万から数億にものぼるだろう。
小さなものでも大気圏突入時に熱が加わり、隕石がとけだす。
その熱は大地を融解し、マグマと化すまで…
また全部が全部とけきれずに地表に到達し…
地表は溶けマグマの海にそまり…その熱でもって、
地下のシェルターにいる人々も道連れに…
地球は灼熱地獄に堕ちいるだろう。

月面地下都市にしたって、降り注ぎ、
直撃が多数なら耐えられないだろう。

ましてやスペースコロニー群等もそうだ…

生活圏が滅びるには初速0の速度で落下する数十m級の隕石でも1万個程度、
数百m級なら百個程度で滅びの道へ進む…

更に亜光速度を保っているため速度エネルギーも加算される。
亜光速の9%…秒速2万7千kmの速度で太陽系に突っ込んでくる隕石群は、地上に落下してくると…
直径15m比重を2.5重さ8,400tと仮定しても…
広島型原爆エネルギーの32.4億倍の運動エネルギーとして突っ込んでくる。

リアル2013年にロシアに同サイズのが落下し空中爆発で地上に多大な被害を与えたが、
初速0で太陽と地球の重力に引っ張られて大気圏突入が秒速15kmの世界だ。
突入時の運動エネルギーは広島型原爆エネルギーの1万倍に相当する。

つまり…単純計算でロシアに落下した隕石の32万4千倍のエネルギー…
例え大気圏で爆発しようとも…亜光速度の世界で突入されたら15m級の隕石10個突入で、
地球は生物の住めなくなる惑星ENDになるだろう。

さらに15m級台だけではない…
星のかけらでもあり…
100m…1km…5km台と充分予想できていた。
地表に到達すると1km台の隕石で2500kmにわたるクレーターが掘削できよう…
5kmではコアも破壊され地球崩壊と推測されよう…

更に他の惑星が同様に砕けちると重力バランスが崩れ…
気候が崩れ滅びる可能性も否定ができない。

既に冥王星のウルティマにおいて先行試験が行われたが、
詳細がわからない…無事なのかどうも…

映像は届いていた。
グレートウォールを展開したウルティマが、セカンドウェーブをうけたが、
その直後の通信衛星が破壊されるまでしかない。

つまり結果はまだ未知数だった…

だが人々は人類に与えられた宿命とし、粛々と運命をうけいれ、
誰一人として不安はあるが、パニックせずに待ち構えていた。

……

この天文ショーを見逃す事はできないとばかりに、カオルが出現する。

セカンドウェーブがいま…

12月19日0時

太陽系中のファウンデーションからグレートウォールが展開される。
ここ地球圏では、L3、L4ディアナ、アルテミス、ルナの各ジュネレーターが稼動し、
巨大なバリアが形成された。

「オーバビス隊全機発進せよ」

『ケイティ、オーバビスマシンケイティ、これより発進します。
ケイティ、オーバビスマシンケイティ、これより発進します』

格納庫内部が宇宙空間と繋がる為警告メッセージが流れる。

万が一整備員等がいた場合大惨事になる…

『ケイティ、ゲート開きます。ケイティ、ゲート開きます』
格納庫内部の空気が宇宙に吸い出され、真空状態になる。

ゲートがせり上がり…
『ケイティ、テイクオフ』

ステルヴィアからケイティが一斉に飛び立つ。
万が一に備えての人類最終防衛ラインとして…

……

その数時間後、全機が各ポジショニングにて準備を整えていた…

『セカンドウェーブコンタクトまで1分前、カウントダウンに入ります』

カウンターの数字が1分をきった…

『10秒前、8、7、6、5、4、3、2、1…セカンドウェーブコンタクト』

光と光の衝突…そして二つの光から新たな光が生まれる。
その光は宇宙を揺るがすようにすべてを眩い輝きで照らす。

『全システム正常稼動中』

『衝撃吸収率100%』

『作戦成功です!』
興奮気味にアナウンスの声があがる。
歓喜にみちあふれるオペレーションルーム。

しかし…
ステルヴィアに地震のような衝撃がはしり、
照明が赤色の非常用に切り替わる。

「現状報告、グレートウォールは大丈夫か?」

『現在出力105%で稼動中。ですが、突破オブジェクト多数あり』
隕石がバリアを突き破って来はじめた。
広大すぎたのだ…グレートウォールが…

だが光速の9%つまり亜光速度級でバリアに当たった隕石群は、
『突破オブジェクト群、速度約秒速5km台まで落ちてます!』
速度エネルギーを奪われ落ちている。
その点グレートウォールは役に立っていた。

突き破った隕石群は、速度は落ちたものの質量の塊…
その破壊エネルギーも存在したままだった。
地球に引かれても通常の隕石レベルの、かなりの被害が出ると予測さる。
リアル2032年に落下するかもしれないとよばれる2013TV135、396mの隕石でさえも核爆弾2500発分の威力をもつ。
数百mの突破オブジェクトは撃破しなければならない。

『全オーバビス隊へ、これより迎撃行動にはいる。
日頃の成果を見せるときだ、ジュネレーターをまもれ!』

光速の9%の速度のままで飛来するなら対応する事もできなかったろう…

グレートウォールの効力は失ってない。今もグレートウォールには亜光速で衝突が続いている。
グレートウォールの崩壊を防ぐ為のジュネレーターを護る戦いが始まった。

ジュネレーターが展開しているパネルは、
1点に対しての耐加重は100kgの脆さ…
高速で飛来する質量弾に対しては脆い。

そこに隕石が当たったらすぐに破損する為、
次々と降り注ぐ隕石をレーザーで破壊する。

そして重力波レンズ展開機搭載ミサイルでバリアを保つ為の穴埋め作業が続く。

……

僅かながらの損傷はあるものの、隕石の速度は音速以下に落ちてる為、
ジュネレーターを守りぬくことができていた。
照明が蛍光色、普通の色へと切り替わった。
『館内システム復帰しました』
「被害状況は?」
『衝撃波そのものはグレートウォールが食い止めていますので、被害は小さな隕石によるものだけです』
『現在地上への影響を確認中。ただL4で1基、L5で2基のジュネレーターに隕石が衝動。
数名の負傷がでているもようです』

「月は?」

『月面にも何個かの隕石が落ちていますが、地下都市に被害はでていません』

「月周辺の何個かのオーバビスマシン隊を他のポイントに振り分けろ」

『了解』

進行に問題ないと安堵した瞬間、
グレートウォールに衝撃がはしり、それがステルヴィアに伝わる。
館内がまた非常用に切り替わり警報が鳴り響く。

バリアから巨大な岩が頭を出してくる…
次第に全貌を表すと…

『巨大隕石直径約100km、地球への落下コースを辿っています』

「到達可能な全機を攻撃にまわらさせろ!!」

100kmの巨大隕石、衝突すると、地球は灼熱の死の星になる。
10kmでさえも700万MT、
リアル火星に2014年10月に衝突するかもしれない50kmでさえも50億MT…

速度エネルギーはないものの、質量の塊は重力に引かれ加速し地上に衝突する。
衝突の衝撃により1kmあたりまで粉砕した岩が、宙に逃れまた重力に引かれ地上に降り注ぐ…
それで衝突から1000km圏内は瞬時に壊滅的になる。

しかしそればかりでない。衝撃によりめくれあがる地殻津波が更に被害を及ぼすのだ。
また中心部では岩石蒸気が発生し、周囲に広がる事になる。
その結果…地球は数千度の灼熱に一年程覆われる事になる。

そんな死の星にさせまいと、巨大隕石を破壊すべくケイティが群がる。
しかし巨大すぎた…

ケイティは10m程、実に10万分の1の大きさ…

破砕レーザーの出力も足らず破壊できずに時間がすすむ。

『オーバビスの火力では全く歯がたちません!目標の破壊は不可能です!』

『L4で3基、L5で2基のジュネレーターに直撃、グレートウォールの出力が低下してます』

『司令!バリアに開いた穴が大きすぎてグレートウォールのバランスが崩れかかっています。
このままでは、このままではグレートウォール全体が崩壊します!』

「何か手はないのか…後は頼む、対策方法を絞ってみる…
グレートウォール安定化に最善をつくせ!」

……




寸劇風後書き

ナギ少尉「ステルヴィアの世界って凄まじいですね」

作者「だろうね。ファーストウェーブで大量に死人がでてるにも関わらず、
なんとか復興し、セカンドウェーブを乗りきったし」

ナギ少尉「乗りきったら…もう物語的には終了ですよね〜?」

作者「ところがどっこい。本来なら超新星爆発が起きなかった筈のハイドラスベータ…
実は、があるんだこれが…」

ナギ少尉「次回…巨大隕石、宇宙紐お楽しみにぃ…
ところで作者…ファーストウェーブの死者救助は…?」

作者「あっ……」

H26年3月再改稿



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