第006話 GXW編02 カオル、見知らぬ世界に浮かぶ


==ギャラクシー・ウォーの世界==

(と、宇宙空間にでたか…まずは楔をうてるところをさがさなければなぁ…)

世界扉で空気の流入が無かったからある程度予想はしていた。
出現場所は宇宙空間…
縛った空気の入ったビニール等を手に携帯してると0気圧で破裂する真空空間でも、
カオルは使徒のチートにより生身で生存可であった。
そして勿論移動可であるが自力加速はマッハ2…毎時約2千kmが限界であり…

恒星の光はいたるところにあるが、距離はわからないし、その速度では到底いきつけないだろう。

ルーロス改を虚数空間からだし…

『いえちゅ、まちゅたぁ』

『ルーロス…何してるの?出て早々』

『やりたかったんでちよぅ〜』

ルーロス改の船内へと…

「さてルーロス、ここいらはどこら辺かわかる?」

「ちっとまってくだちいね…むぅ〜わからないでち、星図に一致しないでち」

「わからないってNGCから位置わりだせんの?」
ニュージェネラルカタログコードとよばれる、1888年に発表されたもので、
7480の銀河や星団を赤径の小さい順につけられているもので、
地球から約50億光年以内の地球上から観測できた銀河がリストにのっている。

それ以遠にも勿論銀河はある。
2012年にMACS0647-JDと名称がつけられたおそらく銀河…こちらはNGCにはのっていない。
このMAC〜銀河は、ハップル望遠鏡が2003年2004年にかけて撮影した2000枚以上の画像を合成してあらいだした過程から発見できたもので、
約320億光年先に存在するといわれている。
詳しくは2018年打ち上げ予定の衛星を待たなくてはならない。

キャーティアの銀河も人類は撮影できていたかもしれない…

「観測できないでち、100億光年以内にNGCは存在しないでち」

つまり地球中心のNGC及びキャーティア中心とした範囲内に、ルーロスが知っている銀河がないと…

「または時間軸が10万年以上ずれてるかでちが…」
時間がずれると銀河も消滅したり、形を変えたりする。
実際問題、天の川銀河とアンドロメダ銀河は40億年以内に衝突し、融合して形を変える。

勿論太陽系にも影響あるが、約15億年以降は地球上には生命体は存在できなくなるという発表があり、
その頃には影響は心配しなくてもよさそうだ。
太陽の光度が上がりつつあるが為で、水が完全に乾上がる。
その頃は火星、またはガニメデあたりが丁度良い気候になるかもしれない…

時間が経てば地球も確認できなくなるわけで…

「…今度の世界扉はえらいところまできたなぁ…文明はあるのか…?」

「あるみたいでちよ」

「ふぇ?あるの?」

「このデブリでちが…」
空中投影される物体が…

「かなり大きい…構造片…か」
重力に引っ張られる事なく、脱出速度にて惑星からでたのだろう。
他の恒星系の重力に引きずられる事なく、
宇宙空間をひたすら進んでいる構造片だ。

「しかも戦闘の形跡がでちね」

「望めそうだな…候補地は?」

「飛んできた方向からちゅると…」

……

「動体センサーに多数反応ありでち…能動的行動なしでち。ステルス破られずでち」

同行しているジョリビー級小型輸送艦にて作業しながら5日程で、
ルーロスのセンサーに人類の物と判断できそうな反応があり、
ルーロスに移乗、反応のあった惑星へと接近している。

ルーロス改は原型は恒星系内個人用連絡船、センサー範囲は本体は1光年、
ワープドライブも恒星系内程度だ。
それをセンサーを改造し本体では限界の10光年まで強化し、
外付け式ワープユニットにより、10光年の連続跳躍可能、
センサー範囲外だと100光年までは可能になった。

ただし…センサー範囲外だとデブリ等同サイズ以上の推しきれない物の同座標に出現してしまうと、
対消滅をおこしてしまう為に基本は10光年単位でショートジャンプになる。
連続ショートはトリプルジュネレーターにて、2分間隔にてチャージ完了するため1日6000光年程度は移動可能だ。

移動に優れたルーロス用の外部ハイパースペースドライブユニットも作って保管しているが、
連続インにはむかない。ハイパースペースウィンドウ形成時に膨大なエネルギーを使い、スペース内ではトントンの消費な為に、
通常空間でトリプルでも1時間ばかし満タンにする必要がある。
連続使用は緊急的に2回目までで、その後は3時間かかろう。

またドライブ装備のハイパースペース内からの探査は5光秒程度、スペースアウトの際に衝突しない様に修正する機能のみといってもよい。
スペース内からはキャーティアセンサーも探知不能なのでやはり探査にはむかない。

同行のジョリビー級は基本通商圏内用で作業スペースを優先した為に、センサーは標準の1光年、ワープ性能は最長1万光年、
チャージ性能は大きさに比例しルーロス改のトリプルと同様。
基本航路保安庁からのデーターで長距離ワープは行う。

3万光年移動可な計算だが、惑星探知後に人類痕跡精査に14分程かかる為、今回の移動距離は約5千光年程度だ。

「ビンゴか…数はどのくらいだ?」

「惑星えいちぇい軌道上に約1000隻の艦船反応あり」

「約1000隻!?」

かなりの艦船の数だ。
宇宙艦隊の代表作、銀河英雄伝説の1個艦隊規模から比べると少ないと言えようが、
あちらの世界は何百もの惑星の工業力、及び何百億もの人口で維持できてるようなもの。
それで惑星警備艦隊が1000隻と、最前線近くの惑星につかすことができる。

だが…全ての惑星にではない。

1隻平均150人必要とざっくり考えると1000隻で15万人、
約500惑星と考え、50万隻で7500万人…
正規艦隊より艦船、人員共に合計数が多く既に破綻している計算だ。

最前線の惑星に1000隻規模の警備艦隊、
後方につれ100隻規模といえよう。
更には航路治安艦隊は5隻、小隊規模であろう。

そういった理由につき、
1惑星に1000隻の防衛艦隊及び約15万の艦隊要員を常備しているのは異常といえ驚いていた。

「しかも700隻以上が500m超えてるでち」

「まじかよ…」

恒星間航行戦闘可能クラスの基準ともいえる長さ500mを超えている艦が700隻以上…
何故500mかというと、居住区や物資等年間を通しての倉庫が通例必要であり…
極論切り詰めたら戦闘艦としては銀河英雄伝説の同盟軍の巡航艦の350m程ですむが、
大気圏突入等含めたら500mクラスは欲しい。

また異世界軍に相当したら、ヤマト級が500m超艦であり、
そのヤマト級の建造で全力でもってあげてまだ100隻程度の異世界軍にとってしても、
500m以上の艦が約1000隻…その建造技術等は当たりといえよう。

「ちゅとく先はどこにいくぅ?」

「…先に地上にむかってくれ、楔もうちたい」

「あいあいでち〜」

……

着陸してきたルーロス改から降り立つカオル。

地上は大気がなく真空であった。
大気なし惑星に入植したのだろうと推測された。

「大量の艦船が配備されてたのに、防御兵器は…?」

辺りを見回すもらしいのはない。
なんだかの建屋、レーダーなどは見えるがだろう。

『マチタ〜、地下に大量の金属反応でちぃ』

足元の重厚なシャッターに視線をおろす。

『うん。そのしたでち』

「潜ってみるか…」

『地下では通信できないでちから、きをちゅけて〜』

地下について強いフォールド通信システムは残念ながらルーロス改には搭載されてない。

絶対に探知されないのを主眼においてる為、内容はともかく通信波の検知もされないという保障がないからだ。

世界扉の楔を打ち、同化を駆使してシャッターを潜り抜けると、
地下には期待した通りの防御兵器が収納されていた。

目前に銀色に光輝く砲身基部、その先に伸びる先細り砲身、基部から托架で磯台に繋がっているつくりだ。
光学系兵器だと推測できた。

同化してみると…
(軽レーザー砲という名前か…)
有人操作盤にマニュアルらしいデーターベースがあり、
読みながら同化情報取得しつつあった。

軽レーザー砲…
対抗兵器がある艦隊相手に対しての地対宙兵器として開発され、
光子を集中させ射撃し、弾道兵器より更に大きなダメージを与える。
防護能力も既存兵器に比べ大幅にアップ。
コストパフォーマンスも比較的良いビーム系兵器ということだ。

(しかしシェルターに兵器を収納か…)
わざわざ収納する必要性あるのか?と思う…

まずデメリット面からあげると、収納式は衝撃に弱く、
特に戦艦主砲の実体弾の発射威力をころしにくい。
戦艦主砲まではいかないが、自走砲や大砲クラスでは揺架で砲身からの衝撃をころす。
それでも車輪設置部へ多大な衝撃が伝わる。

一方収納式は海上艦船の例で例えると、砲台基部で艦船本体へ逃がす衝撃エネルギーが、
折り畳むや収納時に二重、三重にせざるえない当該箇所が脆くなる。
つまりポッキリといく可能性が…
大和の46cm砲が艦を揺らす衝撃エネルギーを発するからして…わかる話であろう。

他に収納式だとスペースの問題があげれよう。
特に宇宙艦船等ではそれが顕著だ。
宇宙艦船で全収納式にするとその分人間の活動スペースや生命維持の必要な物資倉庫が減る。
その為に排泄物からの完全リサイクル…脱線するので元に戻すが、
とにかく収納式だと必要なスペースをとる。

また収納サイズが収納庫の大きさに限定されるのもいえる。
この場合はシェルターの大きさだろう。


それに対してメリットは…人間にとってのメンテナンスのしやすさがあげれよう。
大気のない環境での修理は宇宙服が必要であり、少しのミスで…服を傷つけたり等で命へとつながる。
そういった事が与圧するだけでなくなるメリットは大きい。

また小隕石やスペースデブリを気にする事がなくなる。
リアル2014年の地球でさえ人工物によるデブリ地球突入は日に1件…何れも大気圏で燃え尽きるが、

大気がない惑星であり、常日頃隕石や観測しにくいデブリから人員を護りやすい。

その辺りであろうが惑星という土地があるがためメリットが上回っているのだろう。

(お隣のは…)
情報取得が終わり、お隣の砲台シェルターに侵入すると全体的に黄金色の先細り砲身、
これも光学系だろう…
同化してみると、重レーザー砲という兵器だとわかった。

軽レーザーの改良版で、全体的に攻撃面で強化成功、また新しい材料を加え外装の抵抗力も強化。
更にはエネルギーと射撃システムを改良し、一つの目標物により多くのエネルギーを放射させ、
より大きなダメージを与えるようになった。

次の砲台シェルターには…これまた形の違う形の対宙砲が設置されていた。
色は全体的に銀色だが、軽レーザー砲と違うのは先細りでない。
実体弾砲かなと砲口を覗くも違うらしい…
同化してみると…
(中性子砲?)

この中性子砲、パルス電力はサージを作り電子設備に深刻な妨害を及ぼして、破壊してしまう。
密集した中性子ビームは防護していない電子系を破壊し、戦艦の防護盾をも不安定にしてしまう。

この類いの攻撃は西暦2000年頃には既に存在し、EMP…電磁パルスとよばれた。
EMPはコンデンサでおこす事が可能であるが21世紀初頭では有効距離は100m程度、
基本核爆弾による高々度爆破で引き起こすのが一般的である。
成層圏外で爆破させると放射能の影響はないが大規模EMPを引き起こし、
地上では停電等がおき、通信類も接続機器は焼ききれ、無線等は安定しなくなる。
大量破壊兵器使用ながらも非殺傷性の側面をもち、目標の経済物量へ損傷をあたえる。

同様の結果をもたらす兵器として、異世界軍で対BETAに使用しているマイクロ地爆がある。
ただし、電子レンジの拡大版といえ、生体組織は発熱沸騰しそして細胞から破壊する。
電子組織は金属火花が発生し、基板があれば基板に火がつき炎上する結果をもたらす。

本当と思って、あなたの携帯を身近な電子レンジでチンしてみないでください!!
家屋損失火事の原因になります。
実験でやるなら屋外で回りに可燃物が無い状態、消火器を用意してからお願いします。
コンビニのレンジでチンすると放火と一緒で重大な犯罪です。

リアル兵器にもとしてサージさせ電磁兵器を破壊するという手段としては、
マイクロ波送信装置として、遠隔地の電子機器を破壊する事は可能な兵器が開発されている。

マイクロ波を対人にしたのがアメリカ軍で開発中の…実用化段階に移行しているがアクティブディアルシステム、ADSだ。
対暴徒用に開発していて、450m先の人物を54度の体感温度を感じさせるマイクロ波を発する。

更にしてはだ…対ミサイルシステムに、ヴィジラント・イーグル等がある。

ヴィジラント・イーグル、空港防御システムの名称だ。
空港離陸や着陸中の飛行機に対し、テロ行為で闇市場で買ったミサイルを撃ち込めば、ほぼ必中でありそれだけで被害がよそうされよう。
そこで、誘導ミサイルの誘導装置を狂わし反らしてしまう。

ただ何れの装置も対象が絞れなくの問題はあり防御専門といえよう。

一方、中性子と名がつく中性子核爆弾は、直接中性子を建物内にいる者にあてるのを目的とした、
殺傷性大量破壊兵器でまたべつものだ。

他に以前、銀河英雄伝説の世界で中性子と名がつく中性子ビームを取得したが違う技術形態といえる。

銀河英雄伝説のは、貫徹能力がズバ抜けて高い中性子を弾体とする、重力偏向によって収束された中性子ビーム砲となり、
電子設備の破壊を目論んだこの世界の中性子砲とは使用方法が違う。
なのでこの世界の中性子砲は技術的には、
電子破壊をより遠距離にて行うに特化したといえ、面白い方向へと発展していった。


(大砲?…実体弾か?)
おとなりのシェルターには、砲門が大きく開いた大砲らしいのが備わっていた。

同化してみると…
(へぇ…大型超高速レールガンか…)

取得ずみのレールガン、まず自世界の零式電磁投射砲もある。
零式はマッハ14、約5200m/sの弾速エネルギーで粉砕する。分あたり800発。
分類するとすれば、軽量弾、ガトリング部類だ。

他世界ではSG-1の世界でもレールガンは航宙艦の艦載型、対空機関砲型と活躍している。
艦載型は初期型のプロメテウスに利用されたのと、
後期型のダイダロス級のがある。

初期型はハタク級の…ゴアウルド系シールドに負荷を与え破砕後に艦構造材を貫く威力だったが、
ダイダロス級搭載型は威力が上がり、1秒程度で貫き破壊にいたる。

対レイスに活躍した対空レールガンは、10mmブリット弾で、弾速エネルギーにてダーツ…レイス側の艦載機を撃墜に至らしめる。
もっとも西暦2010年レベルのバトルライフルの集中攻撃でも撃墜可能な為…あんまり比較対象にはなりにくいが…

鋼鉄の咆哮でも水上艦載型レールガンは活躍している。

水上艦載型といえば…リアルではアメリカ軍が水上艦載型のレールガンを実用化中で、
マッハ7.5、射程距離約300kmの性能をほこる。
毎分何発になるかはまだわからないが、マイクロ波対ミサイル装置とあわせて、大艦砲主義が復活するかもしれない…


この世界の大型の粒子加速砲は、
1t、直径41cmからなる砲弾は形成されたビームカタパルトの巨大な電磁場により加速。
初速は亜光速の51%、現代の如何なる装甲をも破壊し、時には目標を貫通してしまう威力をだす…

1tの質量弾を亜光速にて打ち出すと…膨大な破壊エネルギーを発する。
更には密度、先端破砕力もある。

突貫級は密度はこのガウス砲弾よりも低く質量はある。先端破砕力はない。
突貫級の衝突エネルギーが1点に集中したといっても良いかもしれない。

ただし、実体弾のため衝撃波も大気があれば発する。
実体弾自体をシールドにて包み込めば衝撃波は発しないだろうが、
シールド発生機を実体弾の中に組み込まざるえなくコストがはねあがる。
または命中するまで弾にシールドを付与するやり方もあろうが、
とくに早ければ早い程衝撃波が広がる角度が後方に広がり、衝撃波の威力をます。

いかに衝撃波を逃すかだが、この惑星は大気がないので問題はない。だが他の惑星で使用されてもよいようにつくられているのだろう、
砲身からエネルギーが伸び、仮想砲身を形勢、砲弾加速を兼ねて、
衝撃波が地上及び周囲に衝撃波がおよばないような形で惑星シールド外までのばされる。
惑星シールドで最終的には受け止める形だ。

惑星シールド存在を知らずに次のシェルターへと…

(おとなりのシェルターには…)

銀色にひかる長細い先細りの砲身、そして繋がった四角い砲鞍、ささえる四角いつくりの架構…
全体的に角ばったつくりだ。
どの種別の砲か解らないため、さっそく同化する…

(イオン砲か…)
高エネルギーイオンビームを発射して、目標物を攻撃する。

イオンとレーザーの完全な融合であるプラズマスキルは、最高傑作とみなされ非常に攻撃力とコスト共に高い兵器。

イオンスキルとビームの完全な融合により、破壊力はどの艦船よりも強力。
レーザーはデュートリウムを100万度に熱した後、イオンスキルによってプラズマで包み込む。
この青いプラズマボールが目標に飛んでく様は魅力的だが、船員にとっては壊滅と死を示す。


ヴィーヴィーヴィー
照明が切り替わり赤色のサイレンの光が

(いっ?バレた??)
暫くとりついたままおとなしくしていたが、どうやら違うらしい…

(何がおこっている?)

イオン砲が稼働状態へとオンラインしていく…
塹壕シャッターが開き土台がエレベーターにのせられ上がっていく。

「おおっ」

カオルの視線には無数の針、いや先程も述べてたが、あらゆる種類の砲身の先端部分が見え始めていた。
カオル自身がリフト上に設置されているイオン砲へ同化中であり、
リフトアップ中だから視線が自然にそういった形になってく。

『マチタ〜、惑星外から大規模艦隊接近中!!だいちきゅうもどって〜』

どうやらこの惑星にとって警戒すべき艦隊が接近中らしい…

『ああ、イオン砲は取得したし、戻るわ』

……

「お帰りでちぃぃ、避難はいりまつ。衛星軌道上へと離脱ちまつ」

「ルーロス、避難するレベル?」

「でちよう。接近中の艦隊、艦船規模が3025隻いるでち」

「えっ?…マジ?」

「マジでち」

この惑星の衛星軌道上が約1000隻、接近中の艦隊が約3000隻。
警戒している面から、少なくともこの惑星の他の別の勢力において、
ミリオンクラスの数の艦船を建造し、保持する能力があるということだ。

ただでさえこの規模の惑星に艦船数でいえば約1000隻近くあるのに、更に約3000隻の艦隊が接近中…

それだけの集団が…ということは、個々の艦において団体行動のスキル、
ベテランの域に達した操艦術を身に付けているともいえよう。
艦隊での行動で一番重要なのが操艦術ともいえよう。

大多数の艦が陣を組み行動し、迅速に戦闘へと移行する…

単純に前の艦を追従する単縦陣ならさほど技術はいらない。
ただし、等間隔に速度のずれなく…となると話は別だ。

現代では海上自衛隊の操艦術は高い。
他国の軍隊では観覧側艦隊は停泊してでの観艦式を行うにも関わらず、
海上自衛隊は双方移動式の観艦式を行っている。
自衛艦隊に乗船の為に、抽選であたった自国民の民間人や高官の前ばかりか、他国の武官の前でミスをする…
間隔がずれたり等をしてしまうと、始末書では済まない話になるにも関わらずだ。
この技術は他国の武官らも認めているときいている。

観艦式では行軍や演舞をし、ずれることなくプログラム通りに完遂する…

もちろん予行練習はおこなう。
予行といっても一般客を1艦あたり数百人を抽選で乗せてのになるが…
予行は実際に集まって1発いくらの実弾を盛大に使う最終練習だ。
本番に参加予定の艦艇が集まって始めて行う為に、予定通りに行えなかった箇所のチェックを行う。
そして本番に総理大臣等の査察を受けながら敢行するわけだ。

完全自動操縦なら一定の練度をたもてる意見もあるかもしれない。
だがリアルでの海運事故をあげてみよう。

日本領海内にて、自動操縦任せで居眠りでの衝突事故が2004年1月から6年間で497件、内双方とも居眠りが3件…
原因がわかっているだけでこの数だ。
その内9割が当時、居眠り防止装置の搭載義務がなかった500t以下の漁船であった。

あたごの時の衝突事故も漁船側の居眠り運転疑われて無罪となった。
本来であれば居眠りが記録されている装置が回収される筈であったが…

つまり人が操作しないと衝突事故は不回避でもある。
戦闘での行動等も、もっても他だ。

各艦の航宙士は操艦術にたけ、幾多もの小艦隊の陣を形勢し、更に中艦隊を形勢、そして1つの艦隊に纏まって、
すぐに攻撃に移れる態勢で移動しているなら、
やはりものすごいといえよう。

銀河英雄伝説は?とやはりでるだろう。
あちらの世界はハード…コンピューターとオペレーターにて無理やり操艦術をあげていた。
そして密集陣をつくりシールドを互いに補強。かなり隣の艦との距離は詰め寄っている。
だから個々に逃げ出そうとすると技術が足らずに他艦に突っ込んだりする。
もっとも…大破され爆発中の艦が隣の艦にぶつかり、
巻き込み撃沈したりする程の距離にいなければいけないのも理由のひとつだが…

「別の惑星国家、異星人か…」

「あ、でも…接近中の艦隊にも同型艦がいるでち」

「え?内戦する銀河的国家?」

「と、みた方がよいでちね」

「でも…4千と地上兵器が4千、計8千の火線なら避ける能力はあるだろ?」

「あるにはあるでちが…シールドでばれる可能性があるでち。だから離脱はしたいでち」

「じゃあ、俺は艦船人員の取得」「それは止めた方が良いでち」

「へっ?」

「マチター、兵器レベル確認ちたでちか?重力砲あったらヤバいでちよ?」

「あ〜…うん」

絶対的防御のATフィールドだが、特に重力関係を扱われると途端にもろくなる。
ブラックホールを生み出す兵器があるなら1発でアウトだ。
特に足が遅いカオルでは逃げ切れず、ルーロスにのってないと…

また他にも転送系も防げない兵器といえた。

「じゃあ…惑星近くで共に観戦でどう?」

「了解でち」

「ところで…空母はいる?艦載機の種別がいるからには」

「艦載機ではなさそうかもでち、小型機と改めるでち」

「えっ?まさか独行機?」

「みたいでちねぇ」

「あのサイズで恒星間独行機って…どう生活するんだろ?」

「わかんないでちねぇ…
あと接近中の艦隊は1種類だけ、1km超の艦種が惑星の艦隊にはいないでち〜
で、惑星側艦隊には…6種類の艦種が接近中の艦隊にいないでち〜」

「その6種類は?」

まずは小型の腹に箱を抱えているタイプ。
全長約100mと連絡艇サイズであろう。一応サイズ的に小型機の部類に入るとの事。
数は2隻とすくない。

小型機の部類で殆どがエンジンで占めている機種もある。
惑星間ミサイルにも使えそで、数は46機だ。大きさは約20m程。

次からは艦船サイズで、
大きな箱を抱えているタイプ…
おそらく輸送船とは予想できるが、
火力が馬鹿にならないかもしれない。
外観からにている別の艦種が両艦隊にいるので判断はしづらい…
大きさは約300m、数は326隻だ。

次の艦種は、下部中央に大きな台形状のが備わっている艦種、
強力な武器が収納されているのだろうか…?
大きさは350m、数は125隻と多い。

次の艦種はかなり巨大な艦体に、下部にどでかいのをかかかえている印象だ。
大きさは約550m、数は20隻とすくない。

最後の防衛側のみの艦種は箱形と言うべきだろうか…頭がでかく命中したらとおもうが強固な装甲があるのだろう。
大きさは約800m、数は3隻だ。

6艦種が外観から判断して防衛側のみにいる艦種であった。


接近中の艦隊だけに存在する艦種もある。
かなりの巨大な艦で…
「1.3kmあるでちね」

空母システムは外観から確認できない。
横の形状はライフル型に艦橋部がのったといえばよいだろうか…
上方からみると真ん中われの十字架にみえる。

その他の両艦隊にいる艦種だが、

小型機が2機種、25mのと40mのだ。
暫定的にmが被ってないので級をつける。
25m級のは上方からみるとフォークの様な三胴、
真ん中前方にコクピットと思われる金色シールドがある。
(まぁ…戦闘機だろうな…)

40m級のは、同じく三胴だが25m級のと比較して鋭さがない。
どちらかといえば印象的に連絡艇だろう。
(…急降下爆撃機か、対艦ミサイル搭載艇?)

ここから艦船で…
400m級の大きさのは、スティクパンという印象がうける。
様は鋭い船体、早い快速艦というべきだろう。
艦首に主砲システムがみえる。

次に700m級…
まさに宇宙船という形で、艦前部だが、4つの胴体が中央部の多分主砲システムで繋がっているつくりだ。
正面からみると、左上部、右上部、左下部、右下部に船体があり、中央部主砲システムだ。
艦後部は艦橋及びエンジンシステムだろう。

800m級は上方からみるとハサミの手のみのカニ、ザクレロ?の印象。
横からみると、重なって一般的な艦影にはなる。
砲門らしいのがみえてるのが、艦の中央船体からでている砲門システムだとおもわれる。

600m級のは輸送艦らしいのを一回り大きくしたもの。
形状については特筆しなくともよいかとおもう。

……

全天に…いやそこまではないものの、かなりの数の煌めきが見える。
目を凝らすと、異様に大きい輝きが…

暫く煌めきを見ていると布陣していく様が確認できていた。

「双方とも熱源反応増大」

「敵対勢力同士か…」

……


双方の艦隊及び地上から光の帯が照射される。
小型船含めたら双方約12千及び地上兵器約3千の掃射だ。

「惑星崩壊しないよな…?」

「するかもでちが、しゅちりゅよく押さえられてるみたいでち」

地上への命中先を確認していると、大地へとそれてつきささったビームも、
大地を20m程抉る程度の威力におさえられている様であった。

「あ、マチター、防衛側でちが…」

「シェルターのメリットやっとわかったよ」

なんだかの攻撃を受け損傷した時点で、シェルターに引き込み、完全破壊を防いでいた。
多分簡易的な修理を行い今回は無理でも、再攻撃可能になるだろう。

「砲撃うけた約3割がシェルター閉まってるでちね」

閉まってるシェルターは対地攻撃あたろうとも殆ど損傷がみあたらない。
かなりの強固なつくりだ。

「他のは…」

「砲台基部からシェルター内部へと被害が出てるでち。
多分内部修理しないと無理じゃないでちか?」

基部が露出しているのはリフトの関係であろう…脆いつくりのようだ。

「ところで…あの小型機だが…」

「どの機体でち?沢山いるでちよ」

「ん〜、ビームに自ら突っ込んで行くような機体」

「…沢山いたでち、げきちんちた約1500の内どれでち?」

「どれでもいいよ。やはり自らビームに突っ込んで?」

「でちね」

「人乗って」「ないでちね。無人機でち」

「あら…成る程…」
どうやら艦隊あたりからの必要人員が減る。無駄な命が散ってはないようだ。

「だが自ら突っ込む意味ある?」

「あるみたいでちよ〜これでちが…」

巨大艦から放たれたビームが小型機のシールド、装甲を貫く。
そして艦船のシールドにあたるが、ビームは消滅した。
「で…」
別の巨大艦から放たれたビームが直接別の同型艦船のシールドに直撃、シールドで防げず装甲を貫き…爆沈した。

「減衰している…?」

「でちね」

「成る程…」

「しかも、ちゃんと攻撃ちながら盾になるでち、火力はちいたいみたいでちが…」

小型機から放たれたビームは、同型種やロケット砲、軽レーザー砲には単体でも有効だが、
より強化された重レーザー砲には1発では貫通は難しかった。
重レーザー砲には艦船の主砲か、小型機でも重装備っぽい機体の主砲だろう。

「あ、多分侵攻側が勝つかもでちね」

残存艦船数のバーが勢いよく減っていく。
侵攻側が小型機2266機、艦船2943隻。
防衛側は、小型機694機、艦船674隻、対宙兵器1377基。

全力攻撃で通算撃沈、破壊、攻撃不能数が、
侵攻艦隊側小型機2144機、艦船112隻、
防衛側は、小型機1653機、艦船533隻、対宙兵器2847基が表示されている。

「火力の差が出たか…」
対宙兵器で威力がありそうなのが、イオン砲とガウス砲。だが6基破壊されて残存225基、
艦船とあわせて758門の火力と考えていいだろう。
現時点で約4倍の差がついている。

「それとこの型と他4つは戦闘艦じゃないでちね」

「やはり輸送艦?」

「おっきいのはみたいでちね。ちっちゃいのは連絡艇?」

「なら戦闘に参加させず退避だろ?」

「盾役でちよ…多分」

「勿体ないなぁ…まぁいいか。
で、その型を輸送艦くくりに変えると?」

バーの数値が変わり、
侵攻側が小型機2266、艦船2856、輸送艦87に表示が変更、
防衛側は、小型機694、艦船438、輸送艦236、対宙兵器1377基になり…

「ますます火力に差がついてるな…」

「特にあの1.3km級と、数が多い700m級がものすごく火力あるとおもうでち」

1.3km級の両船体から発せられる何らかのフィールドで発生した中央から放たれるビーム系主砲は、
命中するごとに敵艦を確実に沈める。
小型機が盾になろうと500m以下の艦船は爆散する威力だ。

また侵攻側の数が多い700m級も敵艦を多く沈めている。
1発ではシールドに阻まれても、単純に同型艦の数が5倍以上の差があり、
火線が集中してシールドを突破し突き刺さっていく。

この二つの艦種がやはりキモであろう…

……

火線の数が気持ちすくなくなってきたような気がする。
いや確実に少ないだろう。

残機が侵攻側、小型艦1660機、艦船2781隻、輸送艦85隻。

防衛側が小型艦206機、艦船392隻、輸送艦等92隻、地上兵器547基。

双方あわせて半減以下の残存艦船数だ。

「防衛側涙目でちねぇ…」

「ここまでくると、防衛放棄等あって艦船温存等あっても良いと思うが…」

「放棄って…他に惑星所有ちてるでちか?」

「取得したデーターに間違いなければな…
ここの惑星の座標が2-200-6らしい。
他に2-150-2とか、別恒星系にここふくめ7惑星植民さているって事だ」

「星間勢力なんでちね…」

「それでも…こうたたかれるとか…」

盾となる小型機がほぼ散ると、一気に艦船の撃沈がふえてくる。
小型機の集中撃もあたりシールドが不安定になるなか、さらに敵艦からの一撃があたる。

最期の意地とばかりプラズマボールが敵艦にあたり轟沈するが、直後に対地攻撃があたり…

「決着ついたか…」



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