第022話 惑星コムネス編07 会談に向けて…


ガラガラガラガラ

揺れる室内にて一人の男性が皮の紙、羊皮紙にかかれた内容を読んでいた。

(本当なんだろうか…)

部下たる兵士のつぶさに書かれた報告書、全て真実だろうが今までの常識像という膜で想像ができもしなかった。

男はゴア国第3代国王エレファント・ル・イリスファー、
当代74才の現役バリバリの王であり、
この星で現存している国で最大規模の国の王でもある。

揺れる室内の外は景色がながれている。馬車の車中であった。

連日、王城の会議室では、今までクソどもの侵攻をどう防ぐか、どう国民を逃がすかを話し合っていたのに、
新たなルナらしいのが出現した話題がいきなりでた。
【作注、ルナは星をさす単語です。
クソどもは現地でのBETAの総称です】

空をみあげると確かにあり、250ミー先の物差しで、5ミー程の新たなルナが動かずに空にある。
明らかにわかる大きさであり…

【ミーは単位の単語で、1ミーは4mm相当なので20mm。
1m先に設置した物差しで月は9mmの大きさ。
月の2倍以上も大きい天体として認識されてます。
かつコムネスには衛星がありませんので、月に相当する単語はありません】

しばらくルナを観察すると移動もしない。

地動説上明らかにおかしい。
メルトスは西からのぼり東にしずむ。他のルナも同様で当初は天動説が信じられていたが、
ツタンハーゲンによるルナ観察の結果、ツタンハーゲンが唱えた地動説が定説となった。
【メルトスは恒星、地球でいう太陽の事です。
ツタンハーゲンは現地の学者。
また自転が地球とは逆です】


地動説にあてはめる以上自星は自転している。
【コムネス人の惑星コムネスの読み方は自星です。幸い地球ではありません】

その日はそのルナをゴア王国にあやかってニュー・ゴア、新たなゴアのルナとして、名付けられた。

翌日王国星望筒からの報告で、
ニュー・ゴアはルナではないが…不明な物としかいいようがないという結果の報告があがる。
【星望筒は天望鏡のコムネスでの名称です。この場合は王立展望台です】

2日間ニュー・ゴアに関しての話題の会議であったが、
翌日、ネフェト守備隊から、いきなり未知なる勢力の出現、しかもクソどもが追い払られたという報告が伝書鳩便にてとどいた。
【ネフェトは第13話にてカオルがついた街です】


会議は紛糾した。
援軍を求める為の虚言だと発言するもの、真実だと発言するもの様々であり、

更にはその勢力は異なるルナからの民で会談をしたいと、
その民は2455万億クランかなたからの地球というルナから来たと…
【クランは単位の単語。1クランは4km、兆の単語はまだ存在しません。
なので万億と表現されます。
その先になると億億、万億億になります】

もはや実際に見てみないとわからない…
エレファントは自らが会談し、ハイトの街の勢力を見てみることを決断した。

勿論会議室内の重鎮は猛反対、だが王の決意は固く、せめて軍で護衛させてくれになり…

ミエールで迎撃を行う予定だった1万8千の軍をネフェトの街へ行軍命令が出され、
近衛騎馬隊と共にネフェトの街へと向かう車中。

今晩はイライサ伯城にて宿泊、明日ネフェトの街に入る予定であった。

【ミエールは街の名前になります】

報告書には追加偵察の結果がかかれている。

まずハイトの街はクソどもの侵攻を受けて崩壊していたのは事実、
崩れていた建物等があるがその数は偵察時間の間にも少なくなっているとかかれ、
【ハイトは第10話から観察された街で、異世界軍が救援に駆け付けた街です】
馬が引いてない馬車から生えている鍬が崩れた建物の建材を除去している…

馬が引いてない馬車とは?
馬車からはえている鍬とは?
そもそも馬車が建材を除去できるのか?
全く意味がわからない。

次にかかれているのが、
偵察していると、一人の丸耳族のミアがよってきて所属等を聞かれて案内すると言われお願いしたまではよい。
【ミアは女性をさす単語です】

ミアは未知なる勢力の一人の兵で、異世界軍という名称がつけられていると報告書には記載されている。

信じられないがそのミア、馬の駆足についてくると…そればかりか抜かす速力と…
馬と人の足の長さは違うし、また前脚後脚でその分の長さで人間は速力では勝てないのが常識だ。
馬の速度に勝ってしまうとは…脚が長い伝説の巨人族なのか?とも想像が膨らむ。

ミアに案内されて、
130トー程の長い建物としか表現できないのがハイトの街の外周部にあり、
ミア曰く救助したハイトの市民が生活している難民船という。
【トーは単位の単語、1トーは4m相当です】

船とは海に浮かぶもの…な筈でこれもみないとわかりはしない。


次に案内された先には未知なる建物がありそこから轟音を発するのがクソどもを追い払うと…

ミア曰く、陸上センカンというもので…
戦艦とは?にたいして戦をする船で、タイホウというものを積んでいるとかかれている。
ますます訳がわからない…
【戦艦という艦船のジャンルがまだ存在しません。
戦をする船はありますが…後の説明で】

この報告書をそのまま鵜呑みにできないような事ばかりしかかかれてなく…
(明後日の会談、そしてそれ以後の視察に期待するしかないな…)

コンコン

窓を叩く音がする。近衛兵が告げたい事があるのだろう。
窓を開けると、
【窓は透明ではないです】

「陛下、まもなくイライサ伯城につきます」

「うむ。わかった」

今日の移動はまもなく終わりだ。
馬車移動は振動がきつい…から馬に乗りたかったのだが…
近衛軍や武官から騎乗はきつく駄目だしされた……

(湯殿でほぐしてもらうか…)

痛い腰をさすりつつ到着をまち…

…………


「やっと会談って形か…ネフェトの街にもうきてるんかな?」

[トリア号から偵察してるけど、それらしいのが街に入った形跡はないね。
ネフェトの街に接近中の軍がいるけど]

トリア号が惑星コムネスにいまだいるのはカオルの世界扉の他に、
偵察能力もある。
トリア号だけで球体の半面をおさえ、トリア号の偵察ユニット射出で死角の半面をカバーし、
球体である惑星コムネスの地上の様子はつぶさにわかる状態になっていた。
地下資源等はB1が走査してトリア号へ情報をわたしている。

「軍?」

[現在、ネフェトの街から約20km西側にて夜営中の1軍がいるね〜]

「ほう…」

コバッタがその軍隊の上空からのを映し出す。

大軍、徒歩行軍の軍でおそらく重装盾兵が大半をしめている。
食料を運搬する小荷駄隊か酒保商人は馬車があるので、いる筈だ。

重装盾兵は先のBETAを肉弾的に止めていた兵に異世界軍側が名付けた兵種と思ってほしい。
他の星にいたらコムネス重装盾兵とか、またこのコムネスに違う重装盾兵がいたら…
地球のローマ帝国重装歩兵をレギオンと呼んでるようにはしたくはないので…

「この軍はどこから?」

「西に約80kmにあるかなり大きい街からネフェトに向かって来ている軍だよ〜」

「何日前に?」

「4日程前からね」

「となると…1日の行軍速度が20kmか…」

日の光がある7時から11時の4時間、昼食後に13時から17時の4時間の8時間、
更に休憩を挟むはずであり、実質移動時間は5.5時間…
20÷5.5時間で、平均時速3.65kmといったところだ。

人間の歩行は時速4.8kmと言われてるが…かなり早足であるきキツいと思われる速度だ。
皇居ランニングコースが5km弱で歩いて1周して1時間と2分弱が時速4.8kmで歩く速度…
身軽であればキツいと思う程度ですむ。

兵士は基本フル装備であり…その場合は徒歩の時速4.8kmをずっと出せはしなく、
時速3.8km程はだせると思う。

重装盾兵の全装備重量はまだしらべてなかったが、重装歩兵が武器ありで20kg〜25kといったとこで、
あと食料等個人ので1kg位だろう。
馬車が同行してるので個人用の武装と非常用の食料以外はそちら任せになる筈なので、そこまでは重くはならない筈だ。

軽い、現代アメリカ兵は全装備重量が60kg以上だぞ!の意見があるかもしれんが、
まず彼らはプロだ。訓練で身体を鍛え上げてであり、新兵の状態ではないのはわかろう…
2年近くにわたる訓練で身体をつくりあげてから実践投入されるのであって、
ど素人が大の大人男性を背負って1週間以上行軍し、さらに夜間も現代では移動し14時間移動では身体を壊すのが先ともいえる。
更に重量の中身はすべてが武器弾薬ではなくサバイバル道具や食料、水等もかなり占めている。

また国民に対しての常備軍の人数の割合が1%以下であり、充分に養え、常時訓練できる専業軍人でもあるので別格と思ってもらいたい。

実際のところ徒歩行軍距離が1日20kmってどうなの?だが…

アレクサンドロス大王の古代マケドニア軍が25km、
古代ローマ軍が25km、
近代現代の歩兵が25〜30km、
フランス大陸軍が14〜19km、
日本の戦国が15km、
中世ヨーロッパの軍隊が8km、
ナポレオン軍、急速移動の要求されない状況での通常の行軍速度は16〜19km。

ナポレオン戦争の時期だと騎兵隊をちょびっとばかり先行させて偵察・警戒しながら安全を確保していた。

スペイン継承戦争のマールバラ公は400kmを35日、一日に11km。
七年戦争のフリードリヒ大王が270kmを12日、一日に23km。
といったかんじであった。

ただ、あくまでも無理の無い、脱落の無い通常行軍と考えていて…
それ以上の距離を歩くなら急襲になるが、
日本陸軍の場合は文芸家が参加するレベル、昭和19年頃になると学徒動員、広大な諸島部防衛の為に1線級部隊の転身、
練度が落ちて脱落するケースが多く失敗例といえるだろう。

中国では1時間6km、1日に40kmを完全武装で30kgを超えて行軍を、内地にて編成した部隊にやらさせた。
本来なら輸送部隊に載せてになるがガソリンも余裕なく徒歩行軍だ。
途中小休止と大休止があり、この休憩時間を含めての1時間に6kmだから、歩くというよりほとんどジョギングに近い。
更に新兵は、古兵の分をもたされたりした。
更に兵を苦しめたのが、マメや靴ズレ。自分の足に合った靴をはいている兵など数えるほどしかいない。
革靴で安全性のある安全靴といわれる程革はあつく、とんかち落としても指が潰れない強度がある。
その為にサイズ合わない靴、かつ固い為に長時間ジョギングするとマメができ、
兵は風呂にも入れず不潔で、化膿して壊疽にかかる。

更には食料も…弾は届くが食料が届かず、届いた扱いになっていた。
兵は現地調達をするが、前の部隊もしており…栄養が足りずに栄養失調ぎみになる。
落伍者が続出し、分隊によっては、目的地に到着して番号!と号令をかけると1、2……で終わりというのもといえた。

砲兵部隊は自ら使う野戦砲等を分解して手運び行軍、現地にて組み立て後に戦線に参加した。
重いので1時間6kmはさせられなかったとはいう…

急襲で成功した例は、大抵装備を外して別に用意するのがおおい。

アレクサンドロス大王の古代マケドニア軍が25km、
輜重隊なしで騎兵や軽装歩兵からなる特殊軍団ならば1日64km〜80km…歩兵はマラソンした…。
古代ローマ軍が25km、強行軍で1日30〜35km、再強行軍で昼夜体力つきるまで…

第二次ポエニ戦争のイタリア半島における戦いで、ローマの武将クラウディウス・ネロは、指揮下にある兵力から精兵7千を選り抜いて、
その兵士を可能な限りの軽装にさせるとともに、食料も携帯せず、
道筋にある町に食事を用意させ、800kmの距離を一昼夜に100km以上の速度で強行した。

日本では1580年6月約3万の軍で備中高松城を包囲していたところ異変をしり、
6日午後過ぎ、交渉により毛利方が撤退していくのを確認した秀吉軍は、
高松城を出発した。

6日は20数kmを移動、翌日7日は朝から出発し、約55km先の姫路へ。
交渉中に先触れを出して村むらで食糧を走りながらでも食べられる準備をしていた。
走りながら村むらでエネルギーを補給し…

元々は信長本隊を歓待する為の食事であった…
高松城は落ちる寸前の城で、信長本隊の到着にあわせて毛利領を制圧しようとしていた。

8日は1日休みとし、
9日早朝姫路城出発。
出撃当日の夜中には姫路から50kmほどの兵庫に達し、出撃翌々日の午前中には姫路から80kmの尼崎に到着した。
軽装のマラソン集団が休まずに道々で用意された握り飯等をほう張りながら走り抜けたのだ。
この時秀吉についていた兵の数は約2万。大規模な行進だといえよう。
ついた先にて軍装備をうけとる足軽達…

そこからは参戦する諸侯を待ち調整しながら、12日夜、山崎から約10km離れた冨田に到着。
そして翌日の13日…山崎の地で明智軍とぶつかったのである。

事前準備をしなければ1日30km以上台は走ることになるから難しい。

ならば兵士を全員馬車で運べば行軍速度があがる!!の意見がでるだろうが…
その場合は膨大な馬が必要になる。

まず全員騎乗…騎兵で考えよう。確かに行軍距離はあがる。

まず馬の速度だが常歩が時速6km、速歩時速12km、
駈歩時速20km、襲歩時速60km以上を出す。

歩き方、走り方によりかなり違うのが馬でもある。
襲歩は競馬での走り方といえばわかろう。
ま、襲歩は行軍でするとエネルギーを使いすぎるのでまずはしない。

行軍では速歩20分と休みの常歩10分の繰返しでおこなわれ、
1日の行軍距離は40km〜80kmと言われる。

もう少し延びるだろうが、馬のご飯タイムと水分補給の関係だ。
馬は草食動物であり、
使い潰す強行軍であれば距離はもっと延びる。

だが全て騎馬兵では食事の量がべらぼうになる。
旧日本陸軍ロシア戦時での計算になるが、
人1人1日あたりが1.5kg、
馬1頭1日あたり大麦7.5kgと馬草が7kgの14.5kgの膨大な食糧を必要とする。

更に水の確保できない状況では、
馬は1日あたり20〜40リットル、環境によりもっとだろう。
兵士は環境によりにだが、3〜15リットルってとこだ。

1万騎兵での計算は1日あたり160tの食料と飼料を必要とし、水もになると710tを必要とする。
更には重量での計算になるが容量になると…

とてもでないが携行できる量ではなく、別口で馬車運搬、または何処か拠点にて補給しかないだろう。

少数であれば現地調達、そこら辺の草を食えと拠点にて残りのエネルギーをと可能だが、
野生の馬の群が120頭前後で推移してるのがわかる通り、
自然状態では数百頭しか餌を賄えない。
それはないと主張するかもしれんが、1ヶ所…つまり狭い範囲での話であるので…

基本は国策にて各拠点にて保存する方針か、輸送隊による輸送しかない。

もっとも乗用馬や荷馬はそれほど食事の量を必要とするが、
野生馬、人を乗せたりしなければ自然状態ではそこまでの餌を必要としない。

自然の馬は1日におおよそ、自分の体重の2.5%の食事を食べる。例えば体重400kgの馬なら、1日約10kgの草が必要であるが、そこには運動量や労働量は見込まれてない。
馬の胃は食事量のキャパシテイが小さく、多く食べたり、食べ貯めをしたり、
また長時間飢えに耐えるということができない構造で、
1日の約6割が食事の時間だ。

だがそれでは人の役にはたたない。
2倍分運動したとしても、許容量が小さい馬の胃はそのまま2倍の量を食べるということができなくカロリー不足になる。

なので不足分のカロリーは食事の量はあまり変えず、大麦やとうもろこしのような高カロリーでエネルギー量を高めて与える。

そのため騎兵というジャンルを使うならば、
1日あたりの行動範囲に国による拠点…村や、砦があり、
そこで賄える量が騎兵隊1軍の制限数といえるのがわかろう。

全員騎兵は実現的でないのはわかっただろう。
自らの餌を運べる馬車ならば!と思うかもしれない。

まず平均的な馬の力、馬力が定義したのだが…
1馬力とは標準的な荷役馬1頭のする仕事を計算したもので、
疲れずに荷を引く力を約82kg、1時間に進む距離を約3.3kmとしている。

時速を5kmに設定すると、牽引力は約54kgとなる。
そして、牽引力と荷車の重量の関係は、牽引力 =摩擦係数×荷車の重量。

馬の平均的継続力は270kgを1時間に1km引っ張る力にしかすぎないといえた。

そんなもんなの?!と思うかもだが…
人間も瞬間的には1馬力、54kgを時速5kmで引っ張る力は出せる。
だが1時間以上54kgの重りを引きずってだせますか?には否であろう。
精々5kg〜10kgを時速5kmで引っ張る程度だ。

でだ…牽引力を効率よくいかすのが荷車、馬車だ。

荷車は地面との接地を限りなく減らして摩擦係数を少なくする荷を運ぶものであり、
先の人力鉄道もそうであり、人力車、台車等もそうで、より重量のある物を運べる様になる。

例えばA4の紙チラシ1枚1枚は軽いが纏まると重くなる。
コンサート等では1000枚単位で使用し、ドームクラスだとアリーナ使用で5万人位がはいる。
1000枚だと1梱包が6.53kgで、5万枚だと326.5kg…
路上から2階レベルの正面ゲートまであなた一人で手運びで運んでだと、腰がいたくなるなとおもうが、
台車でスロープやエレベーター使用可では運べるとなると、
台車のサイズと性能によりけりで1回で運べるかな?くらいであろう。
無理だと思えば2回で運べる重さまで降ろしてもよいし、
台車面が小さいコンパクトでも4往復位でいけると思う。

ただし…1種類だけですむわけでなく…
チラシを見ればわかる通り20〜30種類あるわけで…
それを5〜6人程度で納品をするのが運送屋さんだ。

スーパーのカートもそうといえる。

さて馬車に話を戻すが、惑星コムネスの馬車は現代馬車ではないのはわかろう。
そしてアスファルト舗装もされてない。
そしてゴムタイヤでもない。

木製車輪に鉄のたがをはめた荷馬車であるなら、未舗装を考えると摩擦係数は0.2くらいになる。

牽引力として54kgを式に入れると、時速5kmで引っ張れる荷車の重量は270kg。
木製荷車自体の重量を差し引くと、積荷は200kgくらいだ。

馬の労働時間を8時間とすると、1日の移動距離は40kmとなる。
つまり、1頭立ての荷馬車1台で200kgの貨物を1日40km運ぶ。

到底兵士全員搭乗しては馬車1台に2人程度であり、更に馬車分のスペースが広がり行軍間隔があくであろう…
餌も2分の1程度なら実現的でもない。

ただ、今の馬車はゴムタイヤはもちろん車軸にベアリングがついていて限りなく摩擦係数を減らしている為、
性能面ははるかに上だ。
また道事情に関しても未舗装は走るかもしれんが、泥ぬかるみな状態ははまるかもしれないのでまずは避けると思う。
昔より事情はよかろう…

まず現代輸入馬車、ベストセラーのワゴネットWA22Lの性能は車体重量650Kgで、
1頭引きまたは2頭引き、定員御者含め10名、
中型馬車に分類され、営業運行に最適なモデルで幌も付き、雨天でも問題ない。

定員10名で馬車総重量1300kgでも1頭または2頭とかなり性能がよい。

1300kgでも1頭で引けるとは驚きでもあるが…多分疲れるでしょう。

2頭引き専用ではピクニックPK1で、
定員14名、車体重量が780kg。
定員で馬車総重量が1690kgになる。
そのあたりが2頭引きラインになりそうだが、
更にうえのPK5は…
定員24名で車体重量2300kgで2頭引き。
定員いっぱいの馬車総重量が3960kgなのに2頭で引けるのかと思う。

その上の大型クラスになると複数頭引きとなる。オムニバスPK6、二階席もあり、車体重量2500Kg、定員27名。
定員総重量が4255kgになる。
ただし車輪がメタルホイール、ゴムタイヤではないために摩擦係数はあがる…のが3頭以上の要因なのかもしれない。

因みにアメリカ開拓時代にはコネストーガ幌馬車というのがあった。
荷を7〜8t運べる馬車であるが、この馬車は最大8頭の特殊な重量級馬か最大1ダースの雄牛のチームによって牽引されなければならなかった。

なので技術革命して機械化する以前では全員搭乗は実現的でなく、
大軍になると徒歩行軍が基本であるのはわかろう。

もっとも地球基準の馬を挙げていたが、
例えばもっと省エネ…例えば魔力をエネルギーにする生物や、
石油が餌な生物が使役されてるなら話は別でもあるが…
観察する限り草食動物であり、そこから導き出せるパワーはそんなもんである。

肉食獣を使役できるならまた別かもしれない。
また更に植物に未知なる多大なエネルギーがあれば話は別であろう。

「ん〜〜…会談相手は軍の将軍かな?」

軍が来ている以上、そう判断したが…

[いや国王ぽいよ〜]

「ほう?」

[ネフェトの街の50km西に、城のある街があるんだけど、
そこに豪華な馬車と騎兵隊が入ったのは確認したから、明日にはネフェトにきそうだね]

「となると…合流して砲艦外交って事か…」

全く未接触の初見外交はある意味軍事力を背景とした外交ともいえよう。

「じゃあ…こっちは…バトル級は修理は?」

[まだぁ〜、4番艦なら新品でつかえるよ]

大破した艦の修繕より、新造の方が速くできあがり…

「じゃあ、バトル級とヤマト級1個艦隊規模をよこしてくれ」

[了解〜]

こちらも砲艦外交をおこなうのを決め…

……

翌日…

[国連での国土売却会議がやっとおわったね〜]

会議は波乱にみちた。
既存の国だけでなく、
民族自立できる力がない、
または民族が独立していたが他民族による武力による併合…
または力の差を感じての門徒に降る…
などの民族が自立を求めて新たな国もできていた。
アフリカでは西洋諸国により民族生活域内に国境線を引いてしまったことによりも加わってくる。

宗教での新たな独立国もでてきた。

今までは地球の大地だけであったがこれからの新天地がある。
仮の大地である基盤のコロニーがあり…

ただ未だ地球の大地から重金属は消えてなく、重金属汚染問題は未解決で、
地球の大地を他国から買い取った国もあり、地球の復興は重要な問題であった。

人が住むにあたり、放射能が無いこと、人間の身体に害を及ぼす重金属が摂取する危険の無い土である事が重要であるが…

オルタ4の世界ではBETAによる侵攻で異世界軍が主力となる2001年まで、
本来ならタブーである核爆弾の使用、光線級の光線の阻害での重金属雲を発生させるAL弾の使用、
人体実験による新人類の製造…
等でBETAに対抗していた。

なりふりかまってられなかったのである。

とくにAL弾による重金属汚染はかなり酷い。
鉛、亜鉛、カドニウム、水銀…なんでもござれでばかすか使った為にBETA勢力圏下だった土地は勿論、
周囲も酷い状態である。

海のなかも酷い…

重金属汚染された土地に住み、そこで食糧を育て食したらどうなるか?
重金属汚染病がはっせいする。
一般的には公害病だが、定義的に産業等での病ではないので…

重金属汚染病、公害病の方では、
日本では四大公害病の1つ、富山のイタイイタイ病が有名であろう。

神通川上流の三井金属鉱業神岡鉱山亜鉛精錬所から出た廃水に含まるカドミウムが、
神通川の川の水を利用して耕作していた田んぼの大地を汚染した。

そしてカドニウム汚染された大地でつくられた、米が地域住民で食べられ、
また汚染されている神通川の水が流域住民の飲料水として地域住民の体内に入り…
カドニウム慢性中毒症…イタイイタイ病である。

発症者の治療は困難でもあった。すでに骨粗鬆症となっていて、布団の重みで骨折をしてしまう。

イタイイタイ病は当初は大正時代から原因不明の地方奇病とされていた。
戦後1946年にイタイイタイ病患者を診察した医師が1地方病にしておくのはおかしいと研究にのりだした。
世に病名でたのは1955年、イタイイタイ病の名前と共に新聞に大々的に報道され、
何かの原因で骨粗鬆症になる病気と認定され、
そこから原因究明の研究に多くの医師学者が着手し始めた。
1961年に学会にて鉱山から排出されたカドニウムが原因の鉱毒説が発表され、
1968年厚生省が、イタイイタイ病がカドニウム慢性中毒によって引き起こされ、
そのカドニウムが神岡鉱山から排出されたもの以外には見当たらないという、
厚生省見解を示した。
同年、被害住民団が三井金属鉱業に対して裁判を起こし、
1972年控訴審が棄却され全面的勝訴で確定した。
4年もかかったのはカドニウムが起因なのか、
企業側の責任が何処まであるか、また補償の問題などであろう…

すぐさま原告団は三井金属鉱業に対して廃水対策を求めて三井金属鉱業は認めた。

カドニウム含む廃水はいつまで流出してたか、
いつまで汚染米を食べてたのか?がはっきりわからないが、
飲料水に関して水道を求めたのが昭和30年代前半頃なのでそこまでだろう。

カドニウムがそのまま排水されてた時期も何時までかはわからない。

でも世界の三井であり、裁判結審後すぐさま排水にカドニウム出さないよう沈殿池等の対策をとり、
また争っていた被害者団、国等と一緒に排水対策、被害者救済、また汚染した土地に関しての対応をし始める。

川に関しては排水対策をとったら急速に水質は改善していった…
海に流れ出て希釈されたのだろう。

だがカドニウム汚染大地については…寄土という手法をとり土地を改良する方法しか当時はなかった。

客土とは汚染土を20〜40センチ削って除去し、非汚染地域の土地、山の方から土をもってきて上に盛るやり方だ。
ただ汚染土を除去しどっかにすてる標準的な排土客土法は膨大な汚染廃土がでるために実現不可能であった。

研究をかさねられとった手法は、
汚染地区の地下に良質なレキ質土があり、
それを耕盤として、耕盤の下に汚染土を埋め込み、耕盤の上に寄土を23cmのせるとカドニウムが検出されなくなる。

レキ質土ある上流、中流側はレキ質土の搬出元とともに汚染土を地下に埋め込む埋込寄土工法…
レキ質土が無い下流側は、
汚染土の上にレキ質土をのせて客土をのせる上乗せ客土工法を…

高さ調整できない箇所は中間を中スキして、レキ質土を搬入し寄土した、
中スキ工法をとった。

中スキした土は神通川の護岸工事の堤防につかわれる。

耕盤層にレキ質土が使われると水がその部分は貯まらない為に地下へと抜ける。

地下水はカドニウム汚染される可能性あるが、飲料水としてもはやしようしてなく、
川の水同様そのうちに流れ出してなくなるだろう…
地上へと滲みでなければよいの処理方法であった。

昭和54年に土地復旧工事が開始された。
住民の1部は汚染土の排土を求めてたが…

33年かけて平成24年1500haのすべての土地修復工事が完了した。
工期が長引いたのは広大な土地であるのもそうだが、地元住民との調整の結果らしい。

その後2009年、研究実験段階ではあるがカドニウムに関しては、科学的処理、塩化ナトリウムを土にまき、水をひいて土を撹拌する。
すると塩化カドニウムとなって水にとけだしてくるので、水を回収しキレート材に吸着させて回収する方法、
汚染された植物をわざと作り、収穫し焼却処理をし空気拡散させずに回収する方法での実験が行われている。
コストダウンの手法を探している段階らしい。

日本では公害防止法等が整備され企業責任もなので、よっぽどの事がなければ今後目が出る分野ではないが、
今進行中の中国においては喉が出るほどほしいだろう。

海洋汚染は水俣病、第二水俣病、そして第三水俣病だろう。

水俣病だが熊本県水俣市で発生したメチル水銀中毒による公害病で、
日本窒素肥料株式会社水俣工場から流した未処理の廃液に含まれていたメチル水銀が水俣湾や八代海の水俣川河口付近を汚染させ、
八代海の魚介体内に蓄積した。
魚を食べた者が神経をおかされ精神的疾患の症状をだす。
そして重症例では、口のまわり手足のしびれ、言語障害、歩行障害、求心性視野狭窄、難聴などの症状が現れ、
それが徐々に悪化して歩行困難などに至ることが多い。

そして死亡する例の劇症型は発症後急激に症状が悪化し、激しい痙攣や神経症状を呈した末に死亡する。

この水俣病も完治はできないが2015年に水俣病の1症状の視力に関しては特効薬が発表された。

水俣病は公式発見は1956年であるが、
42年頃から水俣病らしき症例が見られたらしい。

戦前から日本窒素肥料株式会社水俣工場でアセトアルデヒドの製造開始、
1941年に日本最初の塩化ビニール製造開始したので、このあたりの廃液が…であろう。
46年敗戦により止まっていたアセトアルデヒドの製造を再開し、無処理で排水を水俣湾へと流し…
それは顕著にあらわれて49年頃に水俣湾ではタイ、エビ、イワシ、タコなどが獲れなくなった。
塩化ビニール製造再開も絡んでいる模様だ。

52年頃には水俣湾周辺の漁村地区を中心に、猫やカラスなどの不審死が多数発生。
また水俣病…この頃は猫おどり病と称されたが、神経症状を呈して死亡する住民がみられるようになり、
翌年水俣湾で魚が浮上しネコの狂死が相次ぎ、更に翌年にはネコの狂死を初全国報道。

56年会社附属病院が水俣保健所に報告して公式発見され水俣病と名付けられる。

翌年には水俣保健所の実験で湾内で獲れた魚介類を与えたネコに奇病発生したのを確認して、
更に翌年県が水俣湾海域内での漁獲を禁止した。
だが漁民たちの収入補償を考えてなく、食糧難に陥り、汚染された魚介類に頼らざるえなくなった為に被害が拡大した。

58年9月水俣工場は排水経路を水俣湾から水俣川の八幡プールへ変更。
八幡プールは上澄み液を水俣川に流す方式で、その為に未処理の排水が水俣川に流れ、
水俣川はそのまま八代海へと流れ出す。
当時の水俣病研究第一人者の会社附属病院の院長は経路変更に猛反対した。
「向こうで患者が出たら、大変な、もうこれは証明になりますからね、ひとつの」
その発言を無視してプールに排水を変更したため、漁を禁止してなかった八代海沿岸全体に水俣病患者は拡大していった。
アセトアルデヒド酢酸設備排水が水俣病を引き起こすこと確認した…

翌年通産省は会社に対しアセトアルデヒド製造そのものの禁止はせずに、
排水の水俣川河口への放出のみを禁止し、浄化槽をつけるように指導した。
以後68年の製造終了まで排水経路を元に戻し、水俣湾に排水をながしつづける事となる。

7月熊本大学医学が水俣病の原因物質は有機水銀であると公表。
10月に会社附属病院の900匹のネコ実験により、
特定排水を投与した猫が水俣病を発症していることを確認しどのラインが水俣病を発生させてるかを、
工場責任者に報告しているが実験結果を公表することを禁じられてしまう。
また猫実験の継続も禁止させられた。

11月には厚生省調査会特別会が水俣病の原因は有機水銀化合物であると厚生大臣に答申、
ただ発生源は水俣工場が疑われるとの談話を残すに留まり、
直接答申者の特別会は翌日に解散させられた。

有機水銀原因説に対して会社や日本化学工業協会などは強硬に反論した。
また会社からの報告書に水俣病を発症した猫実験の死亡結果を虚偽記載し排水は安全であるとアピール。

それと同時に会社は59年12月には会社は単独で水俣病患者・遺族らの団体と見舞金契約を結んで見舞金を支払う。
ただし会社は汚染や被害についての責任は認めず、
将来水俣病の原因が工場排水であることがわかっても被害者から新たな補償要求は行わないものと結んだ。
他に漁業組合とも漁業補償協定を締結。

工場は浄化槽を設置し、排水による汚染の問題はなくなったと大々的に宣伝。
処理した廃液を飲むパフォーマンスを見せるが実際はただの水をのんでいた。

これらの一連の動きは、水俣病は終結したとの印象が60年には生まれた。

だが…根本的解決せず沈静化を目論んだ為に被害は拡大し、また契約はむすんだとされる患者の困窮はさらに深まっていく…


60年アセトアルデヒド生産量がピークに達した。
政府は原因究明にあたらせたが、何の成果も出すことなく協議会は翌年には消滅している。

63年熊本大学が、水俣工場アセトアルデヒド酢酸設備内の水銀スラッジから有機水銀塩を検出したと報告。

64年東大教授が水俣病の原因がメチル水銀であることを確定する論文を発表。

65年新潟大学は新潟県阿賀野川流域において有機水銀中毒と見られる患者が発生していると発表した。
これはのちに新潟水俣病または第二水俣病と呼ばれるようになる。

1968年5月水俣工場でアセトアルデヒドの製造中止。
9月、政府が発病と工場廃水の因果関係を認めた。
なお、厚生省の発表においては、熊本水俣病患者の発生は60年で終わり、
原因企業と被害者の間では59年12月に和解が成立しているなどとして、水俣病問題はすでに終結したものとしていた。

政府統一見解後の69年6月14日に、
原告団が社名代わったチッソを被告として、熊本地裁に損害賠償請求訴訟を提起。

1971年3月、水俣工場で少量の有機水銀を排出していた、アセチレン法ビニル工程の稼働を中止。

73年3月20日に熊本水俣病第一次訴訟に対して原告勝訴の判決が下された。

被告のチッソは工場内でのメチル水銀の副生やその廃液による健康被害は予見不可能であり、
したがって過失責任はないと主張していが、
判決は公害による健康被害の防止についての企業の責任を明確にした。

73年、環境庁が水銀値25ppm以上の底海底や川底はすべて除去することを決める。
これに基づき水俣湾の汚泥除去が始まる。
また同年患者とチッソ間で補償協定が終結された。

翌年、県は汚染魚を水俣湾内に閉じこめる仕切網を水俣湾入口に設置。
仕切網内に閉じこめられた汚染魚は、捕殺処分。

77年、県は水俣湾内の海底に積み重なった水銀を含んだ大量のヘドロを取り除き、これを堤防の内側に移し、合成繊維シートの上にきれいな土砂を被せる封じ込みの埋立工事を開始。
ヘドロの流出を防ぐ鉄矢板セルで基部を作り、強固な護岸を形成する。

この工事は91年まで続き、485億円が費やされ、福岡ドーム約8個分の58.2haの埋立地、エコパークができ、
埋め立て工事の結果水俣湾は遊泳可能になった。

熊本県は被害者補償で倒産の危機にひんした原因企業のチッソに金融支援用の県債を発行。
水俣病時期のチッソ側責任者に刑事的責任を取らせる動きをみせはじめる。

90年には16種類の魚介が水銀基準値を上回っていたが、
99年水俣湾の魚介類に含まれる水銀の濃度が3年連続して国の基準を下回ったため、
県は安全宣言を出し仕切り網を撤去する。

2015年の現状は県が工事したエコパークは地面が引き裂かれる程の大地震でない限り大丈夫だといえるが、
チッソが初期に工事した八幡プールの方は問題ともいえよう。

元々八幡プールはカーバイド残渣…残りカスを棄て、
上澄み液を海に直接流して、石垣の間から排水し、固形物がプール内にのこる埋め立て作りだった。
そして58年9月からプールに問題の排水を流し込むと、八代海全体に被害が広がりは前記の通り。
翌年の計測でプールの水銀値が水俣湾の8倍と計測された。
プールへ排水流し込み禁止されたが、ミックスされた残渣はそのまま残り…

また市内各所の建設用土にチッソはその時期のプール残渣を無償提供した。

プールは長年にわたって石垣から液体がでて薄まってるとは思うが…
石垣自体が老朽化しいつ崩れてもおかしくない状態ではきている。

またいまだに残渣を利用した水俣エコタウンの周囲は白い石灰質の水が排水路を白く染めている。
と、まぁ…イタイイタイ病と、水俣病に関して長々と述べたが、
何が言いたいかというと、1度重金属汚染されるとそうそう簡単に除去とはいかない。

現代技術では平成22年度改正の土壌汚染対策法を背景に、様々な洗浄法が開発されている。

まず新法として土壌汚染対策法がでたが、
よくニュース等で小学校を建てて暫く使っていたら…といったらグランドにダイオキシンが見つかった!建物壊せない、どうすんの!と、大騒ぎによくなる流れがみうけられた。

なので、新法では、事前にたてる前に調査を義務つけ、汚染を処分しましょうだ。
工場跡地で汚染の疑いある場合は必ず調査し、汚染が発覚した場合にはの建て替え売買等には洗浄後でないと行えない。
2020年東京オリンピック前に築地青果市場が豊洲へと移転予定だが、
ダイオキシンが見つかったのが新法での調査が義務つけられていたからだ。

更に平成22年度改正により、汚染土壌の拡散を伴う掘削除去・場外処分を抑制する方向となる。
運搬に関しても飛沫防止等厳しくなってきた。

その為に現地での浄化できる処理技術の開発、コストダウンの需要がたかまっていく。

そしていざ汚染土壌が見つかった時には……
大規模な場合には現地での組立式土壌洗浄機にかける。

またマンション建設レベルでは土壌洗浄機を有する工場まで汚染土砂を梱包して運搬、処理後に戻す流れにもなろう。

鉛等の重金属類を含む掘削土を浄化処理する場合、
汚染土壌を機械的に洗浄の上ふるい分け、
有害重金属が主に吸着している細粒分を分離・除去する分級洗浄法がある。
物理的にふるい分けるために、
スクリーン、ベルトフィーダー、サイクロンユニット等の機械設備を多く必要とする大規模設備になる。


東日本大震災復旧では鹿島建設による1日2000t処理の組み立て式最大級分級処理施設が活躍した。

1tは1立方m以下の量で、踏みかため前は0.73立方m、
踏みかため後は0.55立方mの数値であり、
1日1460立方mの処理量が組み立て式の最大級ということだ。

小規模の場合は特殊液剤処理が主流といえた。
特殊薬剤による溶解・溶出を抽出・除去の原理とするため、大掛かりな機械設備を必要としない。
装置がフレコン、水槽、濁水処理装置のようなシンプルな構成である。
特殊液剤を使うために量が増えると分級処理よりもコストが増えることになる。

ただ…いずれの土壌洗浄法においても汚染土から大量の洗浄土と少量の濃縮した汚染物質を分離するのであって、
汚染物質自体は無くなりはしない。
濃縮した廃汚染物質を最終的には何処かに処理する必要はある。
その濃縮廃汚染物質を鹿島建設では不溶化処理して汚染改良材となり、埋め立て用土砂として100%リサイクルを実現さるという技術を築き上げていた。

とまぁ現代においては処理方法は色々ある状態だ。

そして…オルタ4の世界ではだが…
水俣病やイタイイタイ病もやはり必然的発生した。
工業の発展に伴う、まさか予想だにしなかった公害病であったからだ。
わかっていたらイタイイタイ病は対策をしていただろう…

裁判や認定等の推移はちがっていて、和解は双方とも早めになっていた。
第二水俣病に関しては水俣病の政府対応が早く規模が小規模になっている。

処理方法も封じ込めで処理はされていた。

そして2001年時には…

水俣に関してはBETA戦で封じ込めしていた八幡プール及びエコパークが破壊され汚染汚泥が流出した。
また富山に関しては工事完了間際に放棄された。

八代海に流出してもBETA戦で重金属海洋汚染は日本海全体的に既に発生していてほぼ無視しても問題ない値までしめしていて、
そのまま濾過せずに食すと間違いなく病気が発生する程でもある。

ただ…食してもイタイイタイ病や水俣病に関しては発生する確率は低い。
合成食品の原材料として重金属汚染された魚介類を濾過する習慣が既に根付いている為、
もとの状態で食べるというのが…オーストラリア、南米西側、アメリカ西海岸及び淡水魚あたりだろう…

直接食す魚介類に関しては濾過の手法がとられてはいるが、
生の魚を味わうことは地球産に関してはまだ無理な地域が多い。

穀物についても同様だが…
直接食せないと言うことは流通などに1手間と労力がかかり、復興国にとって多大な負担がかかる事になる。

だが異世界軍の手が加わった2002年9月の現状では…

八代海に流れ出た汚染汚泥は、食物連鎖の元を綺麗にするために水中レイバーにより浚渫し、
汚泥は艦搭載の小型プラントにより完全に重金属類や危険物質は固形分離されてきれいな土砂として排出されていく。
ポンプ式浚渫を採用してる為、作業能力は500立方m/毎時で24時間作業はすすんでいる。

ポンプ式でそんなもの?と思うかもしれない。
確かに7,720kWのポンプ浚渫船なら1,500立方m/毎時の吸い上げ可能ともいえるが、
深度1万mの深海作業を可能としている。
リアルのポンプ浚渫船は深度30〜50mがせいぜいであった。

固形分離された重金属は再利用可能でもあり、
危険物質も薬剤利用可能なのもあるだろう…
一応それぞれの物質ごとに運ばれ保管、処理に困れば腐敗BETA死骸同様に、
コーティングして太陽投棄による処理方法もある。


地上では放射能汚染は既に完全除去されるも、
重金属汚染等はカーゴにつまれた小型プラントを通して濾過している最中だ…
レイバーがスコップにより掘削作業をおこない…
なので、1艦1チームあたりで50立方m/毎時あたりが処理の限界ともいえる。
土壌が安定してない箇所での作業を想定しており、軽量軽パワーのレイバー隊を投入している為にそんなもんであった。
重量が軽減される海中とは違う…

実際のところ安定している大地ではキャタピラ重機のほうが掘削能力は高い。
といった感じだが、そういった地盤でない可能性もあり、レイバーを採用していた。

2002年9月での現状は、
海洋に関しては日本海の沿岸土壌処理中、
地上に関しては日本帝国領土は処理済み、
朝鮮半島は後少しで処理完了いったあたりであった。

それ以外の海洋、大地にはまだまだ手が回ってはいない…

各国が自国技術で分級洗浄機を組み立てて処理してくれるなら助かるが…ともいえるが…
多大な労力が必要であろう。

……

その他些細な事を処理してこの日は就寝。
銀河標準歴2002年9月9日、会談の日…

[マスター、バトル級、ヤマト級12隻まもなくウインドアウトするって]
コバッタから報告がはいる。

「じゃあ、ネフェト周囲100kmの天候を曇に変更してくれ。高度は200mを下限で」

リアルではそこまで調整できないも、気象兵器や、軽減兵器、発生兵器としては存在はしている。

ただ、1ヶ所そういったのを使用すると他方に影響してしまうのが通例で、
中国で上海万博やオリンピックの際使用して日本に異常気象をもたらしたのはアングラな話であろう。

アスガードは自らを神秘化させるために天候操作装置を取得していて、
他方に影響をもたらしたりはしない。
更に上の技術にあたるエンシェント技術艦だ。
天候操作位はお手の物でトリア号にも搭載されている。

[了解、曇の厚さは?]

「2kmあれば影も隠れるだろう」

惑星コムネスの空に円状の雲が発生し数分のうちに設定通りにネフェト上空を覆い隠す。
数分後バトル級1隻、ヤマト級1個艦隊22隻が到着。
現状宇宙艦隊の1個艦隊は旗艦含めて23隻規定になっている。
旗艦のヤマト改級は燃料問題で未出港、バトル級が今回は旗艦になっていた。

……

目標となるネフェトの街は雲に覆われてまだ視界には収まってない。
雲海に突入し雲をかきぬけて雲の下へとバトル級は身をさらけ出す。

ネフェト周囲にて展開していた兵士達が突如として現れた巨大戦艦にパニクってる様子が、
スクリーンに映し出される。

彼らの目には低空雲から視界いっぱいの巨大な物体が突如突き破って降ってきたにみえるだろう。
そのままでは潰される…そうとって感じている筈だ。

「高度20mにて滞空、バルキリー隊は展開」

滞空命令をだし……



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