触手宿主カリーニャ(Noah's Gate)
後編


ぬらぬらと粘液をまとったそれは、先端が細い触手に枝分かれしており、それがガーナの口内の粘膜を刺激する。
さながら極上のディープキスの如く、人の快楽中枢を刺激していた。
触手は先端から微量の媚薬たる粘液を噴出する。それが粘膜にしみこむと、さらなる快感をガーナにもたらしていた。
最初は抵抗を試みていたガーナもその快楽に抗うことができず、次第に触手の口内蹂躙を受け入れていた。

しばらくすると、ガーナはもはや抵抗する素振りも見せずに脱力し、恍惚の表情となっていた。
口の端から、よだれがあふれ、顎を伝って床に落ちる。
「あっけない」
カリーニャは鼻で笑い、さながら汚物を見るような蔑んだ目でガーナを見下ろした。
すっと手を上げ、呪文を唱える。玉宝が淡く紫に光り、呼応すると、あたりの気温が下がり、無数の空気の刃がガーナに襲い掛かる。
衣服ははぎとられ、その肢体があらわになった。
「やっぱりね」
ガーナの股間を見て、カリーニャはそうつぶやいた。女陰から糸を引いてしたたる愛液が、ガーナの現状を物語っていた。
「散々人の事を言っていた割には、あなたも相当変態だわ。そういうあなたにはプレゼントをしないとね」

そういうと、一本の触手が、ガーナの太ももを這いあがり、膣内に侵入する。十分に濡れたそこは、容易に触手を飲み込み、あっけなく侵入を許していた。
太く、こぶの付いた触手は、せん動運動によってガーナの内部を進んでいく。その伸縮を繰り返す動作が膣壁をゴリゴリと刺激し、ガーナからさらなる愛液の分泌を促した。
ガーナの口からもごもごという声が聞こえるものの、口内をうごめく触手はそのままのため、声となしてはおらず、荒い鼻息と口角の端から漏れ出るうめき声と唾液のぶちゅぶちゅという音だけが辺りに響いた。

やがて、せん動運動する触手と女陰の端から、ドロリとした愛液が流れその触手の腹を伝って落ちる。
しかし、ガーナはまだイク気配を見せていない。カリーニャは少し思案した。

さて、どうしたものか。
このまま触手でピストンを繰り返していても、最終的にはイクだろう。
でもそれでは、自分が満足できない。するなら徹底的にするべきであろう。
とりあえず下半身だけを刺激しても仕方がないと踏んだカリーニャは二本の触手をガーナの胸に這わせた。
ガーナの胸は、その年齢にしてはやや小ぶりであったが、そこに触手を這わせ、まとわりつける。
その後、触手で締め付けようとするも、粘液でぬるりと滑り締め付けることができないことにイライラしたカリーニャは罵声をガーナに浴びせる。
「……なんなのよ、この貧乳。ババアのくせに!」
とはいえ、上下の口を触手で封じ込められ、快楽に浸っているガーナの耳にその言葉は届いてはいない。
だが、それはそれで、たっぷりの粘液で滑らかな胸を揉みしだかれているに等しい。
ガーナの体は正直にも僅かに反応していた。

その様子を見て、ああ……とカリーニャは何かに得心すると、指で触手に合図を送る。
胸をこすりつけていた触手の先端が口のようにくぱぁと開き、ガーナの乳首を包み込んだ。
「ふぐぅ」
ガーナが急に我に返ったように声を荒げ、目を見開く。
「ああ、やっぱり胸は責められ慣れていないのね」
はた目には、乳首にかみついているだけに見える触手だが、中では乳首を執拗に責めたてているようで、ガーナは触手に拘束されながらも、必死に身じろぐ。
その後、ガーナはうめき声とともに大きく息を吐きながら脱力し、激しい腹式呼吸を始めた。
絶頂を迎えたのだ。
ガーナの口から触手が抜き取られ、口内にたまった唾液がだらりと床に落ちる。
それを待っていたかのように、カリーニャがガーナに喜々として呼びかけた。
「あはっ。ついにイッたわね。ガーナ。気分はどう?」
ガーナはうつろな目でカリーニャを見やると、息も絶え絶えに忌々しそうに返答する。
「……満足かい、あんた…」
「まさか!?」
カリーニャの予想外の大きな声に、ガーナの肩がピクリと反応する。
「まだまだ、始まったばかりじゃない!ガーナ、あなたには感謝しているわ!本当。こういう行為が楽しいなんて知らなかった!」
カリーニャは心底楽しんでいるようで、言葉からは本当に喜悦の表情が取れる。
そのセリフに、ガーナは身震いしていた。この女は本気だ。とそう思った。

カリーニャはすかさず一本のやや細身の触手をけしかけ、ガーナのアナルに挿入する。
「う、あ…あああああ」
「力を入れない!傷つきたくないなら、力を抜きなさい。」
ガーナの愛液と、自らの粘液とでぬらりとしたそれは、またしてもたやすくアナルに埋没していった。
ガーナも初期は痛みを伴ったが、やがて痛みは失せ、妙な快感だけが襲ってくる。

「大丈夫よ。この仔の体液は沈痛作用があるから、多少出血してもいたくないから」
なんてことを言うやつだ。とガーナは思ったが、次の瞬間、アナルを前後に通過する触手と、前に入ったままの触手の双方のピストン運動に不覚にも嬌声を上げていた。
「ふ、あっひぁ……ぁっ」
まるでノコギリ引きのように、2本の触手はガーナの2つ穴を交互に蹂躙する。
膣内の触手が深くまで侵入すれば、アナルの触手が引き抜かれ、アナルの触手が深くまで侵入すれば、膣内の触手が引き抜かれる。
リズミカルに繰り返すそれは、一度絶頂を迎えたガーナにさらなる絶頂を促した。
「あ、あっ……来るっ、来ちゃう……」
「ふふ。意外とかわいい声で鳴くのね」
カリーニャの触手は徐々にそれぞれの出し入れが早くなり、やがてシンクロする。そして、双方の触手が最奥までねじ込まれたとき、再び嬌声を上げながらガーナががくがくと痙攣した。
「ひっ…ひぁっ……あぁあああああああああああああ!」
連続の絶頂を迎え、肩で息をするガーナに、カリーニャは「まだまだイき足りないわよね」といって、クリトリスに触手を這わせる。
もうガーナはなす術もなく、再び襲い来る快楽に抗うことはできなかった。
クリトリスに触手が触れた瞬間に激しく潮を吹いた。
プシャァ。とはじけるように勢いよくまき散らされたそれは、あたりの床を濡らし、それと同時にガーナの中のなにかもはじけたのだった。
カリーニャはそれを見て満足そうににんまりと微笑むと、こう言い放った
「だらしないおまんこには、お仕置きが必要ですね…」
それはいつしか、ガーナがカリーニャに放った言葉であった。

* * *

「すみません、王子いらっしゃいますか?」
一人の少女が訪ねてきた。彼女はマリエンヌ。ガーナの研究所で門番をしていた少女だ。
ガーナがあっさりと寝返ってしまったため、門番の仕事もなくなってしまい、以来、王子たちのグループにひっそりとついて来ていた。
本人は能力がないことを恥じており、めったに人前に出ない。
「珍しい。何か用かい?」
部屋に入るよう促すと、彼女は心配そうな面持ちで僕に話しかけてきた。
「博士が見当たらないんです」
この子は以前の癖が抜けないのか、ガーナのことを博士と呼ぶ。
「いつもはこの時間はお部屋にいらっしゃるのですが。何かご存知ないですか?」
「知らない……」
と言おうとして、ノアが脳内で語りだす。
(例の部屋にいるわよ?)
(え?ノア知ってるの?)
(知ってるも何も、そのための仕込みをしたのよ?あ、私の研究部屋のコップに入った黄金色の液体を持って行ってね)
(……なんか嫌な予感がするけど、わかった)
「いや、ちょっと思い当たるところがある。悪いけど、マリエンヌは部屋に戻っててくれないかな。」
「でも……」
「まぁいいから」
マリエンヌはしぶしぶ頷くと、部屋へ戻っていった。
「さて……ノアも来るんだろ?」
「当然!どうなってるか興味あるし」
「何がなにやら……あ、もしかして、またガーナがカリーニャを?」
「それならそれで、意外性もあって楽しいけどねぇ」
ノアはどこ吹く風という感じでとぼけた応答をする。僕は仕方なく、ノアの言う通りにコップをとって、奴隷部屋に向かう。
扉を開けた瞬間、異様なにおいが鼻を突いた。
「うっ」
むせかえるような、し尿と汗とが混ざったような、「女くさい」そういう匂いが部屋に充満していた。

部屋の奥に何かうごめくものがあった。
僕は息をのんだ。

裸で全身を触手にからめとられ、下向きに宙につるされているガーナ。
眼はうつろで、髪は乱れ、口から舌をだらりと出しながら、よだれをボタボタとだらしなくたらしている。
うわごとのようにカリーニャ様…カリーニャ様…とぶつぶつ言うガーナはかつてのガーナの面影をほとんどなくしていた。
触手が体全体をぐにゅるぐにゅるとうごめき、ガーナの秘所とアナルを交互に、そしてリズミカルにえぐっていく。
「ひぅっ」
ぷしっと潮を吹いたように見えたが、液体らしきものはほとんど出ていない。
もう、ガーナからは呼吸音くらいしか聞こえてこない。しかし、驚いたのはそこに対して投げかける言葉の主だった。
「んふ。またイったのね。もう、潮もほとんど出ないじゃない。もう打ち止めかしら?」
僕は、目を見張った。
そこには、立膝で、頬杖を突きながらガーナを眺めているカリーニャの姿があった。
「カ…カリーニャ?」
その声に反応すると、カリーニャは嬉しそうに返事をする。
「お兄ちゃん!あたしね!ついにガーナを懲らしめることができたんだよ。これもお兄ちゃんがノアに言ってくれたおかげだよ」
複雑な心境だった。
今思えば、ノアのあれはカリーニャを触手宿主にするための所作だったのかと思うと、少し後悔した。
それにしても、これはやり過ぎだ。
「もうガーナも限界だろう、そろそろ……」
言い終わらないうちに、カリーニャが一段大きな声で僕の声を遮った。
「えー、まだまだイケるよねぇ?ガーナ?」
ガーナは絶望の表情で、無言でこちらに助けを懇願していた。
「だめだ。ここまでだ」
(じゃぁ、その黄金色の液体をカリーニャの股間にかけなさい)
(え?)
(いいから、スカートめくりあげてかけるのよ。って、もうめくれてるか。そのまま早くかけなさい。そうすれば元に戻るから)
ノアは立膝のカリーニャがそういう状況なのを理解するとそんなことを言い放った。
にわかに信じがたいが、昔の優しいカリーニャが戻ってくるのであれば…と思い、黄金色の液体をカリーニャの股間に浴びせる。
すると、なんということか、カリーニャの股間の触手が徐々に溶け出していく。
ドサっとガーナが地面に落下し、カリーニャは「あっ……あっ…」と名残惜しそうに、触手たちが溶けていくのを呆然と眺めていた。
やがて、カリーニャの股間からは一切の触手が消えうせた。根元をたてばすべての触手が消えるのは道理だ。

触手をすべて失ったカリーニャは気を失い、そのままその場に倒れ伏した。
僕はカリーニャを抱きかかえると、ガーナに一言いった。
「ガーナ、今回のことで懲りただろう。君にもメンツがあるだろうから、今回のことは伏せておくよ。これからはカリーニャに酷いことするんじゃないぞ」
ガーナは、無言で頷いた。

* * *

カリーニャには、触手宿主だったころの記憶はなかった。
僕からしてみれば、かわいい妹が、あんな面を持っていたというのは少しショックではあるので、忘れてもらったほうが嬉しい。
しかし…
「お兄ちゃん。最近ガーナがね」
「なに?まだいじめられてるのか?」
「いえ、そうじゃないの……なんか、私を見るなり…何故か逃げるの。お兄ちゃん何かしたの?」
「え…さぁ……わからないなぁ…?」
僕はすっとぼけたことをいい、カリーニャは頬を膨らませて抗議する。
「もう、お兄ちゃん、実は知ってるんでしょう?ずるい!」
ぽかぽかとカリーニャに叩かれる痛みも妙に心地よかった。こんな平穏な日々がこれからもずっと続くといいよな……。
そんなことをぼんやりと僕は考えていた。
そう。やがて彼女と別れる日が来る、その時まで。




あとがきです。
今回、前後編にわけてみました。
読んでいただいた方にはわかりますが、前編は導入で、後編はほぼエロになってます。
本当は後半幾つかパターンを考えていまして、そのうちの一つがこれです。
一つのパターンは陵辱というより、猟奇な内容になってしまい、飛び散るのは汁ではなく、血液な話になってしまったので途中まで書いてお蔵入りです。
そう言う嗜好のない人には気分悪くなるだけですし、私も書いててあまり楽しくなかったので。(それでも読みたいという人がいれば考えますが…)
もう一つは触手の味を知ったガーナが逆におもちゃにされるのを望む様になるパターンです。
コレのエピローグ違いですね。ただ、それじゃガーナじゃないよなあ…と。

今回は初のヘイトものということで自分的にはわりと挑戦した内容です。
拍手なり感想頂けると幸いです。



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