教室の窓から空を見上げ、幼少期の出来事を思い返していた俺――兵藤一誠はチャイムと共に過去を振り返ることを中断し、学生の本分である勉学に戻った。

経験上、今回で3回目の高校生をやっている訳なんだけど、高校の勉強で将来的に役立つことって殆どない、と思ってしまう。理数系とか、そっち方面の仕事に就かない限りは絶対に使わない。

俺の場合、高校もしくは大学卒業後には父さんが立ち上げたVRMMO(仮想大規模オンライン)ゲームを運営する会社に入社し、VRMMORPG開発部門に配属されることが現時点でほぼ確定しているから、猶更授業がどうでもいいと感じてしまう。

俺の父さんはレクト社の前ゲーム部門であるレクト・プログレスに所属していたが、半年前にそのレクト・プログレスにある一部門の責任者が起こした事件により、レクト・プログレスは解体され、ゲーム部門の規模が縮小されたこともあって、その直後に自主退職をした。

この時、問題を起こした責任者に不遇の扱いをされていた父さんの同僚の多くも一緒に自主退職し、そのメンバーの退職金を合わせて父さん達はVRMMO運営会社を設立したんだ。

ちなみに俺は、縮小されたレクトのゲーム部門に現在も在籍している。俺自身、レクトでは非公式な存在だからな。辞めようと思えばいつでも辞められるから、現時点でクビにされても問題ないので、バイト感覚で続けているんだ。

俺がレクトで働き始めた年齢自体、労働基準法にバリバリ違反していたからな。レクトを辞めたとしても、誰かにとやかく言われる筋合いはない。……そうそう、件の責任者が起こした事件に関しては後で語るのでそのつもりでいてくれ。

黒板に板書される内容を流れ作業の様にノートに写し、授業が終了すると教材とノートをまとめる。ここ4年で俺の身に起こったことを考えると、平和な日常だと思わずにはいられない。

そんなことを考えながら俺が教材とノートを鞄にしまっていると、学園でも有名な二大変態が声を掛けてきた。


「イッセー!レアもののエロゲー入手したんだが、どうだ?」
「いや、二次元よりもそろそろ三次元に目覚める頃だろう。という訳で一緒にエロBDの鑑賞会をしよう」


最初の発言がエロ禿――もとい松田。その次の発言がエロ眼鏡――もとい元浜という。一応、中学時代からの腐れ縁だ。


「松田、俺はゲーマーだがそっち方面のゲームはやらない。俺の専門は基本的にRPGと格ゲーだ。あと、元浜。俺には彼女がいるから、エロBD鑑賞は必要ない」
「クソッ!なんでゲーマーなんていうオタクなお前に彼女ができて、俺達にはできないんだ!!」
「神は不公平だ!もっと俺達にも慈悲を与えるべきだ」


何を言ってんだ、この2人は?この世界の神がキーやんみたいなのだったとしても、お前らに慈悲を与える可能性はゼロだ。ってか、ドライグ曰く「神は既に死んでいる」(某世紀末救世主風)らしいし。


「変態よりゲーマーの方が数億倍マシだろ」
「「誰が変態だ!!」」
「神聖な学び舎でエロゲーやエロBDの話を平然とするお前らを変態と言わず何ていうんだ?」


俺が軽く溜息を吐きながらそう言うと、教室にいる女子が「そうだ、そうだ」と騒ぎ始めた。俺の代の学年は女子の比率が半端無いから、二大変態へのアウェー感も半端無い。

何で俺の学年の代の女子比率が半端無いか?それはこの駒王学園――より正確いうと高等部が元々は女子校だったからだ。俺の学年の代から共学になったんだよ。

駒王学園の各学年の女子率を教えてやろうか?第3学年は女子90%。俺が所属する第2学年は女子60%。第1学年からは50%で、漸く普通の共学っぽくなっている。

ん?第2学年から共学化が始まったなら、第3学年の女子率は100%じゃないか?いい所に気が付いたな。実は、第2学年も少し前まで女子率が70%、第1学年の女子率も60%だったんだ。

今年の5月に駒王学園では大規模な編入生の受け入れがあったんだよ。で、そんな説明をしている俺も、実は編入組の1人だったりする。

取り敢えず、現第1学年以降の世代からは普通の共学っぽくなるだろう。その理由は、駒王学園が中高一貫の教育施設であり、中等部は普通に共学だからだ。

あと、話しておくべきことは俺が編入した年度から新しく初等部が設立されたことか?初等部は中等部と同じで最初から共学だ。初等部が設立された経緯については、編入のことと一緒に後で話すことにしよう。


「イッセー。お昼食べに屋上に行くよ」
「兄様、時間は有限です。急ぎましょう」


おっと。色々と説明している内にいつの間にか昼飯のお誘いが来ていた。賢明な読者は分かっていると思うが、一応説明しておこう。前の発言が俺の義姉・兵藤黒歌。その次の発言が義妹・兵藤白音だ。

ちなみに黒歌は普段、な行をにゃ行で話したり、語尾に「にゃ」を付けるという、父さん曰く、「天然萌えキャラ」なんだが、家の中以外では変な目で見られる可能性が高いということもあり、標準語で話す様にしている。


「イッセー君。早くしないと、イッセー君のお昼ご飯は無しにするよ?」


黒歌と白音の後ろから更に声を掛けられた。聞き間違える筈もない、俺の愛おしい彼女の声。黒歌と同じ第3学年に在籍し、駒王学園四大お姉様に数えられる1人。結城(ゆうき)明日奈(アスナ)だ。


「ごめん、アスナ。弩エロコンビに絡まれて」
「またですか?」
「イッセーをそっちに引き込むのは止めて欲し――あれ?少しは引き込んで貰った方がいい?」
「笑えない冗談は程々にしてよ、黒歌。あと、松田君と元浜君も思春期だからエッチなのが駄目とは言わないけど、度が過ぎると生徒指導室送りになっちゃうよ?」


流石は駒王の四大お姉様で唯一の常識人。注意の仕方が絶妙だ。それに比べて黒歌は一体何を言っているんだ?身内なんだからもう少し自重してくれ。アスナと同じ四大お姉様でも全然違う。

取り敢えず、俺はアスナが作ってくれた愛妻弁当を食す為、アスナ、黒歌、白音の3人と屋上へと向かった。この時、弩エロコンビが血涙を流しながら俺を睨んできたが、俺はそれを無視した。

天気がいい日は外で飯を食うに限る。美味さが数倍にまで跳ね上がるからな。いや、アスナの作ってくれる弁当は本来そんなことをしなくても美味いんだけどな!

青空の下、屋上でアスナお手製のサンドイッチを口にしながら空を見上げ、教室で振り返っていた過去の続きを思い出した。

あれは俺が中1の時の話だ。日本でトップクラスのゲーム会社・満点堂の次世代ハードであるZII(ズィー)で、エンパイア社が新作RPGゲームのベータテスターを募集していた。

ゲームのタイトルは『ギャスパルクの復活』。ゲームクリエイターでゲーマー、しかもRPGが3度の飯より好物な俺がこのゲームに食付かない訳がなかった。俺が創るRPGの参考にしたいって思いもあったし。

で、俺は『ギャスパルクの復活』に応募した。すると、見事にベータテスターに選ばれ、俺はレクトで貯まっていた有休の消費も兼ね、『ギャスパルクの復活』に没頭する様になった。

正直、ゲーマーとしてもゲームクリエイターとしても、『ギャスパルクの復活』の出来には驚かされた。ロードに時間が掛かるという点を除けば正に完璧と言えるものだったんだ。

中毒性も半端無く、クリエイターとして製作者に嫉妬しつつも、俺は『ギャスパルクの復活』にのめり込んでいった。そして春休み前日の終業式にそれは起こった。

学校を終え、翌日から春休みということもあり、徹夜で『ギャスパルクの復活』をしようと意気込んでいた俺は、家に戻ると服を着替えてから『ギャスパルクの復活』を始めた。そして、ゲームを始めてから1時間後。気が付いたら俺は森の中にいた。

いや、何を言っているか分からないってのは理解できる。俺自身、自分の身に起こったことが理解できなかった。

そんな途方に暮れていた俺に、現実は厳しかったんだ。だって、いきなり化け物に襲われるんだぜ。思わず『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』と『魔剣創造(ソード・バース)』を発動させたよ。

神器(セイクリッド・ギア)のお蔭で化け物をぶっ倒せた俺は、落ち着いた所で漸く自分の現状を理解できた。自分が倒した化け物が『ギャスパルクの復活』に登場するモンスターだったからだ。

そう。俺はゲームの世界―――エターナルに転移しちまったんだ。それを理解した俺が次に起こした行動は、ステータスの確認だ。エターナルなら出現する可能性が高いと思ったんだ。

そして、俺が頭の中でステータスが出るように念じると、俺の目の前にステータスが表示された。ステータスの内容は俺が最後にセーブした時のものだった。

ちなみに俺の創ったキャラクターの職業(クラス)は双剣士。防御を無視し、スピードで敵を翻弄しつつ手数で攻めるバリバリ攻撃系の戦士職だ。

ゲームデータが反映されていたのは何故かステータスだけで、装備品やアイテム、金などは反映されていなかった。しかも、装備に至ってはTシャツ、私服(上)、私服(下)、トランクス、靴下だったんだぜ。

神器(セイクリッド・ギア)が使えなかったらエターナルに転移してモンスターに襲われた時に死んでいたね。そうそう、『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』や『魔剣創造(ソード・バース)』だけでなく、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』も勿論使えた。

念の為、現実で使えていた神器(セイクリッド・ギア)以外の能力も試しに使ってみたが、問題なく使えた。『ギャスパルクの復活』には蘇生アイテムが存在しないことをプレイしている過程で知った俺にとって、能力や神器(セイクリッド・ギア)が使えるのは救いだった。

だって、エターナルでも痛覚が存在し、プレイヤーの受けたダメージ分の数値がHPから削られていたんだ。しかも、HPが0になれば元の世界に戻れないどころか、リアルに死亡するんだぜ。

前世で散々命のやり取りをしていた俺が今生で遭遇した初めてのデスゲーム。それが『ギャスパルクの復活』だった。当然のことながら、前世で命のやり取りを何度もした経験があるからと言って、死ぬのが怖くない訳じゃない。

だって、それまで育ててくれた両親に恩返しらしいことが全然できてなかったんだぞ。心残りがあれば恐怖も覚える。

ってか、マジで死んでも死にきれんって。一応、双剣士の固有スキルのお蔭で他の職種のプレイヤーに比べて生存率は高かったんだけどな。

双剣士固有スキル・戦闘時回復(バトルヒーリング)。ぶっちゃければ、F○の『リジェネ』。2〜3秒毎にHPを40回復させるスキルだ。盾無しの前衛職だからこそのスキルだ。

エターナルに転移した始めの頃は、同じ境遇の人がいるか分からなかったこともあり、戦闘時回復(バトルヒーリング)スキルのありがたみも大して感じなかったが、他のプレイヤーに会ってからは生存率を上げるのに大変役立つスキルだと思い知った。

あっ。当然のことながら、他のプレイヤーと出会うまではソロプレイヤーだったりする。『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』と『魔剣創造(ソード・バース)』で造った剣でひたすらモンスターを狩っていたよ。

元の世界に戻る為に行動するにも先立つもの―――つまりは金が必要になるからな。武器に関しては問題なかったけど、防具とかは心許なかったからちゃんとしたものを手に入れたかったし。

俺は貯蓄やアイテム、防具が充実してから情報収集を始めた。ちなみに俺の装備は黒色のシャツとレザーパンツに、2回目の世界で愛用していた赤色で裾が燕尾服の様に4つに分かれたインバネスコート(袖あり)とそっくりなのがあったから、それを着用していた。

そして、情報収集の為にガルガンシア王国とアライエン王国の国境付近を徘徊していた時に初めて他のプレイヤーと出会ったんだ。

俺が出会ったのは、ユーゴとショウというプレイヤーだ。今生の年齢では俺より3歳年上の2人だったが、精神年齢は圧倒的に俺が上なんで敬称は略させてもらう。

この2人から元の世界とエターナルの関係を知っていると思しき教団なる組織の存在を教えて貰ったこともあり、2人がエターナル現地人と形成しているパーティーに俺も参加させて貰った。

ぶっちゃけ、このパーティーと行動を共にしていて退屈することはなかった。だって、エターナルの各地に封印されている八柱の魔神と戦ったりしたんだぜ。退屈とは無縁過ぎる。

その八柱の魔神の1体と戦った時、俺はガチで死に掛けたけどな。ま、そのお蔭で『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』と『魔剣創造(ソード・バース)』は禁手(バランスブレイカー)に至れたんだけど。ってか、俺の『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』と『魔剣創造(ソード・バース)』の禁手化(バランスブレイク)は極めて珍しい亜種っぽい。

『太極文珠』で解析して分かったんだが、両方とも一度禁手(バランスブレイカー)に至ると、その状態が維持され続ける常時禁手型(バランスブレイカータイプ)って奴らしい。そして、両方とも使い勝手のいい10の姿を持つ剣なんだ。

聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』は『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』、『魔剣創造(ソード・バース)』は『十戒の魔石剣(ダークブリング・ソード・デカログス)』って名前の禁手(バランスブレイカー)だ。両方とも第1と第8、第10の剣の形状以外は色違いという以外は能力が同じだったりするんだけど、使用者の俺自身が満足しているんで問題なかったりする。

で、旅を続ける内に8柱の魔神を従える悪魔ギャスパルクなど存在せず、真のラスボスが八柱の1体であることが判明したり、パーティーメンバー全員が魔神の攻撃で石化させられたりした。

まぁ、それも八大神の加護を受けることで、俺を含むパーティーメンバー全員は復活したんだけどな。しかも、加護を受けた全員が神の地上代行者になって、ステータスがチート級になったりもした。

俺は竜の神・マザードラゴンの加護を受け、職業(クラス)は双竜剣士に変わり、LVが140まで上がった。その上、竜闘気(ドラゴニックオーラ)なんてスキルを手に入れたりもした。「ってか、何で俺の職業名だけ和名?」とか思ったのはいい思い出だ。

最終決戦では魔神討伐に志願した義勇軍の戦士達が死んでいくのを目の当たりにしたことで、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の禁手(バランスブレイカー)に至ったりした。

これまた、『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』や『魔剣創造(ソード・バース)』と同じで本来の禁手化(バランスブレイク)と異なる亜種だった。ドライグ曰く、本来の禁手(バランスブレイカー)は鎧の様なんだけど、俺が発現した禁手(バランスブレイカー)は外套型だった。その名も『赤龍帝の外套(ブーステッド・ギア・オーバーコート)』。

エターナルでの最終決戦は多大な犠牲を払いながらも俺達の勝利で幕を閉じた。そして、魔神を全て倒したことで現実世界への帰還が可能になったんだ。当然のことながら、俺は帰還組。ユーゴやショウはエターナルで嫁ができたから残留組になった。

で、無事に戻って来れたのは良かったんだけど、予想外の出来事が発生したんだよな。なんと、エターナルでのステータスやスキルの一部が現実世界でも反映されていたんだ。身体スペックがアホみたいに上がっていたから、マジでビビった。

よくよく考えれば、教団の連中はエターナルでの力を現実世界で悪用しようとしていたみたいだし、ある意味ステータス等が反映されるのは必然だったのかもしれない。

あと、エターナルで過ごした時間は現実では一瞬にも満たない時間だったらしく、帰還した時の日付が終業式の日で、一種の時差ボケみたいなのに陥ったのも今では懐かしい。

しかし、振り返ってみると、この時点で俺はもう人間を辞めているとしか思えないな。だって、2つ目の世界のクロノとしての能力に、3つ目の世界で習得した霊能力。そして、今生では神器(セイクリッド・ギア)を3つに、竜闘気(ドラゴニックオーラ)が追加されたんだ。

……考えるのを止めた方がいいかもしれないな、うん。何はともあれ、今生ではやたらとドラゴンに縁があるみたいだ。なんたって、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』に竜闘気(ドラゴニックオーラ)だからな。両方ともドラゴンだ。

……もしかして、俺ってその内にドラゴンそのものになっちまったりするのか?……いや、流石にそれはないか。取り敢えず、この件で俺は暫くの間RPGは自重しようと思ったんだ。

が、やっぱり俺は生粋のRPGオタクだった。エターナルの件から1ヶ月もしない内にRPGゲームに手を出したんだ。手を出したゲームはフルダイブシステムを実装した家庭用VRMMO、『SAO(ソードアート・オンライン)』だ。

フルダイブには興味があったので、限定1000人というベータテストに応募。そして、俺は運がいいのかベータテスターに見事選ばれた。ベータをやった正直な感想を述べれば、魔法こそないもののエターナルの在り方に酷似していると思ったな。

ってか、エターナルから帰還した奴だったら普通のRPGでは物足りなくて、製品化された『SAO』に手を出すんじゃね?とか思ったりした。そうそう、当然のことながら流石に『SAO』で神器(セイクリッド・ギア)は使えなかった。ドライグとの会話だけは何故かできたけど。

そして、半年のベータテスト期間を終え、俺が中2だった時の11月に『SAO』は正式な商品として発売された。ベータテスターは事前予約ができるという特典があった為、俺は楽に購入できたのを覚えている。

運営初日が休日ということもあり、俺は『SAO』を購入後即行でログインしたんだ。この時の行動がまさか今生で2度目のデスゲームに繋がるとは思いもしなかった。

昼から夕方までログインしていた俺は、『SAO』で出会ったクラインってプレイヤーに戦い方のコツとか教えていたんだけど、そのクラインがログアウトしようとした時に、俺も『SAO』からログアウトできないことが判明したんだ。

ログアウトできないことが判明してから大した間も空けず、GMに強制転移させられた俺を含む1万人のプレイヤーは、デスゲームと化した『SAO』のチュートリアルを聞かされた。

仕様は殆どエターナルと同じだった。HP0=現実での死。違いがあるなら、ナーヴギアから発生する電磁波で現実の俺を含むプレイヤーの頭がチンされるってこと位だったかな。あと、100層のボスを倒すまでログアウトできないってところか。

『SAO』での俺のアバターはLVが低いこともあって、最初の内は現実の体より動きが少し重く感じたりもした。しかし、エターナルでの体験とベータテスターとしての経験が俺を生かしてくれた。

そういえば、ソードスキルは一応習得していたものの、技後硬直とかあったからボス戦では殆ど使わなかったな。精々、フィールドや迷宮区の雑魚キャラに使った位だ。

ボス戦では、前世も含めた今までの経験から編み出した自己流剣術を使っていた。第1層ボス戦もソードスキルを使わずに自己流剣術で打倒したし。

そのことにベータテスターであることが加わったことで、ビーターと呼ばれたのも今では懐かしい。ちなみにビーターとはベータテスターと反則級能力者であるチーターを組み合わせた造語だ。

まぁ、ビーターとか言われていても『SAO』の脱出には2年以上も掛かったんだけどな。つまり、現実での俺の体は2年以上もの間病院のベッドで寝たきりの介護生活だったって訳だ。

普通なら2年以上も寝たきり生活を送っていたら極限まで体力が落ちるもんだけど、介護していたのが身内な上、その身内に仙術を使える猫又がいたお蔭で、体力等は全く落ちてなかった。

医者もかなり驚いていたな。取り敢えず、兵藤家秘伝の介護マッサージのお蔭とか言って母さんは誤魔化していたけど。ってか、SAO生還者でリハビリを受ける必要がなかった俺は現実チーターだと思うね。

で、俺にとっては2回目のデスゲームになる『SAO』で、俺はアスナと出会ったんだ。当然、最初から仲が良かった訳もなく、意見が対立することも多かった。けど、75層をクリアする2週間前にゲーム内でだけど結婚するまでの仲になったんだ。

簡潔に述べるなら、俺とアスナは互いに好意を持っていたってことだ。それは現実に戻っても変わりはない。ちなみに結婚と言えば初夜だ。『SAO』には倫理コード解除ってのがあって、互いの合意があればやっちゃったりできる。

そう。現実ではまだだけど、ゲーム内でいえば俺は16の時に脱童貞を果たしているんだ。相手は美少女で器量よし。ぶっちゃけ、俺って人生の勝ち組だよな。さて、彼女自慢はこれくらいにして、クリアまでに起こった出来事の続きを話そうか。

世間一般から『SAO』は100層全てが踏破されたことでクリアを迎えたと認知されている。けど、実際は75層のボス戦後に起こったある出来事によって、予定より早くクリアされる筈だったんだ。その出来事とは100層で待ち受けるラスボスの看破と打倒だ。

『SAO』には二大プレイヤーが存在した。1人目は俺。ビーターとか、紅の剣士とか、紅ずくめ(クリムゾン)先生とか、ありがたい二つ名をいくつか貰っていた。紅に関する二つ名が多かったが、それは俺が紅色の防具を愛用していたからだ。

だって、紅は2回目の世界で俺のトレードマークだったし、今生でも『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を宿した今代の赤龍帝だし。そりゃ、紅とか赤に愛着を持つ。

2人目は『SAO』で最強最大の攻略組ギルド・血盟騎士団(Knight of Blood)の団長、ヒースクリフだ。KoB団員は赤いラインが入った白い鎧を団服としていたが、団長だけは真紅の鎧だった。正直、俺とキャラが被っていると思ったね。

俺とヒースクリフを二大プレイヤーたらしめていたのは、たった1人しか修得できないユニークスキルを持っていたから。ヒースクリフは神聖剣。俺は二刀流だった。

さて、ラスボスの看破&打倒と二大プレイヤーである俺&ヒースクリフにどういった関係があるのか。それはヒースクリフが『SAO』におけるラスボスでありGM、俺やアスナを含む1万人のプレイヤーを『SAO』に閉じ込めた茅場明彦だったからだ。

75層のボス攻略後、俺はヒースクリフの正体を看破し、報酬としてヒースクリフと1on1の決闘をすることになった。決闘に勝利すれば、生き残ったプレイヤー全員が即時ログアウトするとヒースクリフが言ってきたからだ。

アスナを『SAO』から解放したい俺はヒースクリフとの決闘を受諾。今生で初めて人間同士の純然な殺し合いをした。

『SAO』におけるソードスキルは全て茅場によってデザインされていることもあり、俺はソードスキルに頼らず今まで経験で培った自己流剣術で挑んだ。

結果を述べるなら、俺は茅場に勝利した。愛用していた双剣、『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』で茅場の体を貫き、勝利したことで生き残ったプレイヤーはログアウトされる筈だったんだ。

しかし、実際の所は茅場のアバター体――ヒースクリフがその場から消失しても俺を含むプレイヤーが『SAO』からログアウトすることは無かった。

その原因を作ったのはレクト・プログレスのVRMMO部門責任者で、レクト初のVRMMO・『ALO(アルヴヘイム・オンライン)』のGMでもあった須郷伸之という男だった。

須郷の人物像について簡潔に答えるなら、まず野心が強い。そして、内心では常に他者を見下していて、他者を自分が出世する為の道具、もしくはモルモットとしか思ってないという絵に描いた様なゲス男だ。

須郷は『SAO』のメインサーバーがレクトに委託された後、その管理統括責任者となり、他のVRMMOを混線させた上で『SAO』内のプレイヤーを使って人体実験を行ったりしていたんだ。

人体実験の内容は吐き気がする様なもので、思い出したくもないので詳しい説明は勘弁してくれると助かる。取り敢えず、須郷という男の干渉で『SAO』にバグが発生し、茅場を倒してもログアウトできなくなったってことを理解してくれればいい。

ちなみに俺は、リアルで須郷と面識があったりする。非公式とはいえ、俺もレクト・プログレスに所属していたからな。レクト社内で須郷は基本的に本質を隠してはいたが、俺はその本質を直感で気付いたこともあって、正直言って初対面から嫌いだった。

さて。須郷のことは一時置いておいて、100層までにあった出来事を簡単にだが話しておこうか。まず、『SAO』に囚われてから会えなかった家族――黒歌と白音の2人と76層以降を攻略している途中で思わぬ再会を果たした。

『SAO』の事件が起こるまでVRMMOの主力ハード機はナーヴギアだったんだが、事件後にナーヴギアは政府によって回収されてしまい、後継の主力ハード機としてアミュスフィアが『ALO』と共にレクトから販売されたそうだ。

黒歌と白音は元々その『ALO』の古参プレイヤーだった訳なんだが、学友にナーヴギアと『SAO』を隠し持っていた人が居たらしい。

そして、2人はそのナーヴギアを拝借し、アミュスフィアに記憶されていた『ALO』のアバターデータをコピーして、『SAO』の世界にやって来たそうだ。

黒歌と白音のアバター体は、何故か容姿がリアルの姿と同じものである上、『ALO』の種族で猫妖精族(ケットシー)を選んでいた影響か、『SAO』でも猫耳と猫尻尾が生えていたな。ちなみに2人のアバター名は黒歌がレオーネ、白音がコネコだ。

黒歌と白音を最初に発見したのは他のプレイヤーで、しかもログインした場所が第一層のはじまりの街ではなく、76層主街区から少し離れた森のダンジョンだったことから、2人はプレイヤー間で猫の妖精として噂されていたな。

俺が2人と再会できたのもその噂のお蔭と言っても過言ではないだろう。アスナがその猫妖精の噂に興味を持ち、俺はアスナの付き添いみたいな形で2人のいる森に行ったからな。

黒歌と白音の2人と再会した当初、俺は非常に驚いたよ。だって、2人が『SAO』にログインして来るとは思わないだろ?偶然にも容姿が似たNPCで、白音に「イッセー兄様」と言われた時も、現実逃避でそういうイベントが発生したと思い込もうとしたし。

兎に角、76層のボス攻略がされた直後だったこともあり、黒歌と白音には77層以降の攻略に途中参戦して貰うことになったんだ。

まぁ、2人が『SAO』に来るまでやっていた『ALO』はどスキル制なのに対し、『SAO』はスキル&レベル制だったことから、攻略組に参加できるまではレベル上げに専念してもらったけどな。

途中参戦と言えば、黒歌と白音以外にもう1人いた。VR技術を医療用に転用した世界初の医療用フルダイブ機器・メディキュボイド。それを使ってPTSDの治験を行っていた俺より1学年下の少女。リアルネームは朝田詩乃、アバターネームはシノンという。

これは過去回想でもあるので、彼女の名はシノンで通させて貰う。シノンは黒歌や白音とは違い、須郷の影響でバグった『SAO』のメインサーバー・カーディナルシステムに、使用していたメディキュボイドがナーヴギアであると誤認され、『SAO』に強制ログインさせられた。

シノンも初期段階では黒歌や白音と同じで、最前線を踏破する攻略組に加わるにはレベルが低過ぎることもあり、攻略組に参加できるまではレベル上げに専念していた。

シノンは過去に起こった出来事から、ゲーム内での死=現実での死でもある『SAO』の世界でも生き急いでいる感じではあったんだけど、攻略を進めている内にそれも無くなった。シノンにとって『SAO』への強制ログインに救いがあるなら、その点だろう。

他にも中層プレイヤーであるシリカや、同じく中層ゾーンで店を構えるリズ――リズベットが76層にやって来て戻れなくなり、黒歌達と同じ様にレベル上げをして攻略組に参加するという出来事もあった。

当然のことだがシリカやリズ以外にも、下層に戻れないということを知らずにやって来て、同じ境遇になった中層プレイヤーは多数いたな。

面倒見のいい攻略組小規模ギルドは、76層に来てしまった中層プレイヤーを攻略組に参加できるレベルにまで育てたりしていたな。例えば、俺が一時期加入していた月夜の黒猫団とかがそうだ。

月夜の黒猫団は75層ボス攻略の時、合同パーティーの定員数の関係でボス攻略に参加できなかったが、76層から発生した転移門のバグを知っても怖気付くことなくやって来た攻略組の鏡ともいえるギルドだ。

75層ボス攻略戦で14人もの攻略組トッププレイヤーが死んでしまった時は『SAO』のクリアも危ぶまれたが、思わぬ形で人員が補強されたことで他の攻略組は『SAO』のクリアに一筋の光明を見出すことができた。

さて。それじゃあ、ここから少し須郷の話に戻す。須郷の正体と『SAO』で行われていた人体実験の内容が判明したのは90層後半のボス戦後だった。

須郷はボス戦終了直後で疲労困憊な俺達の前に現れ、人体実験の妨害をしようとした俺を亡き者にしようとしたんだ。

しかし、須郷自身が手を下そうとした訳じゃない。須郷のアバターはステータスと装備だけなら攻略組でも上位プレイヤーに当たるものだったが、戦闘経験が皆無だったので疲労困憊とはいえ、攻略組総勢20名を1人で相手にすることは不可能だ。

須郷は『SAO』にログインした際、偶然にも開発者のみが使用できるスーパーアカウントと呼ばれるアカウントを継承した様で、それを使用してラスボスとして用意されていたアバターを召喚し、俺達を襲わせたんだ。

結果のみを話すなら、俺達は須郷が操るラスボスアバターを打倒することができ、この時に色々とあって須郷からスーパーアカウントが失われ、そのお蔭で捕まえることができた。

俺達に捕まった須郷は、『SAO』がクリアされるまで好き放題していた部下と共に76層に造られた簡易牢獄に放り込まれ、『SAO』クリア後は攻略組プレイヤーの証言で非人道的な人体実験を行っていたことが公表され、リアルでも拘置所送りとなった。

須郷の一件が片付いた後も、プレイヤーのログアウトがされなかったこともあって迷宮攻略は続き、俺達は100層まで踏破することで漸く『SAO』をクリアし、生き残った約6000人のプレイヤーはアインクラッドから解放された。

ちなみに100層ではラスボスが再登場した上、一度倒しても変態して再度立ち塞がったりしてきたので、最後の最後で少しイラッとしたりしたのは今となってはいい思い出だ。

思い出と言えば、100層までの攻略過程で俺は黒歌と白音に後ろめたさがあったことを告白したな。すると、2人は「気にしなくていい」と言ってくれた上、兄妹の禁断の愛的な内容のイベントを消化している時に2人から告白されたな。

この一件以降、黒歌や白音との関係も非常に微妙なものになった。姉弟兄妹以上恋人未満という表現が的確な気がしてならない。……いや、気にしたら負けだ。ってか、そういうことにしとこう。

そうそう。100層ボスを完全打倒した後、ヒースクリフ――茅場明彦が再登場し、俺とアスナ、黒歌、白音、リズ、シリカ、シノン、月夜の黒猫団の紅一点であるサチ、ついでにクラインの9人でラストバトルをしたりもしたな。

100層ボスを完全打倒した時点で全プレイヤーのログアウトは確定していたので、おまけバトルみたいなもんだ。

最初は俺1人で茅場と決着をつけるつもりだったんだが、アスナ達は最後まで付き合うと言って残ってくれたんだ。まぁ、そのお蔭でおまけバトルは多勢に無勢なものとなり、俺の勝率が格段に上がった訳なんだけど。

で、俺達9人はヒースクリフを倒したことで『SAO』完全攻略特典である、他のプレイヤーが見ることのできない『SAO』のステージであった浮遊城・アインクラッドが徐々に崩壊していく壮大なシーンを見ることができた。

そしてこの時、茅場はリアルの容姿で俺達の前に現れ、『SAO』に懸けた情熱を語ってきたな。アスナ達は微妙な顔をしていたが、俺はゲームクリエイターとして共感できる所が多々あると思ってしまったりもした。

『SAO』がクリアされ、生き残ったプレイヤーが現実に帰還した後。須郷が起こした問題により、冒頭通りレクト・プログレスは解散。レクトが運営していた『ALO』は別の企業に買い取られることになった。

『ALO』を買い取った企業、それは俺の父さんが立ち上げたVRMMO運営会社だ。父さんは殆どタダ同然の値段で『ALO』のメインサーバーを手に入れたと言っていたな。

ちなみに、レクトに委託されていた『SAO』のメインサーバー・カーディナルシステムも手に入れ、『ALO』のメインサーバーと直結させることで『SAO』と『ALO』の世界を融合させようとしたな。

メインサーバー同士の直結作業には俺も駆り出され、完成直前は3日も徹夜した上、正式稼働したのが1ヶ月程前なので記憶に新しい。

『SAO』と『ALO』を統合したゲームは『SLO(ソードアート・アルヴヘイム・オンライン)』というタイトルで、旧『SAO』と『ALO』を持っている人には店頭で無償交換を行い、旧アバターのステータスデータをそのまま引き継ぐことができる様になっている。

え?無償交換で企業が成り立つのかって?無償交換した分の金はレクトに払わせたに決まっているだろう。レクトの一社員が起こした不祥事で、VRMMOプレイヤーという消費者が不利益を被ったんだからな。

そういえば『SAO』クリア後、VR世界で茅場と会話した時に託されたものもあり、それも父さんの企業の利益となっている。俺が茅場に託されたもの、それはザ・シードと呼ばれるVRMMOのプログラム・パッケージだった。

俺はザ・シードを解析し、父さんの会社のホームページにアップし、個人でも購入可能な手頃な値段でダウンロードできる様にしたんだ。

これにより多くの個人や企業がプログラム・パッケージを購入する様になり、起業から僅か数ヶ月とは思えない資産を持つ会社となった。

『SAO』から生還したプレイヤーは一部を除いて帰還直後、リハビリなどで地獄を見ることになったが、現在では全員が社会復帰している。社会人は政府が職場を斡旋したり、起業する者には援助をしていた。

未成年者への処遇については特に力が入っていたように思える。まぁ、当然と言えば当然の成り行きだな。だって、本来なら受けられる2年間の教育をすっ飛ばしているんだから。

最初は政府によってSAO生還者(サバイバー)専門の教育施設を作られる予定だったらしいし。しかし、とある私立の教育施設が未成年SAO生還者を受け入れるって名乗り出たことで流れた。

その教育施設が、現在俺の通っている駒王学園だ。駒王学園は中高一貫の学校だったんだが、小学生のSAO生還者を受け入れる為に初等部が新設するという常識外れなことをした学校でもある。

そして、俺は5月から高等部2年として駒王学園に通うことになった。俺と同じ学年にはサチを含む月夜の黒猫団のギルドメンバーがいる。

アスナも高等部3年として通っていて、『SAO』で『ダークリパルサー』などを鍛えてくれた鍛冶師の少女・リズベットもアスナと同じ学年だ。

ちなみに黒歌と白音は元々駒王学園の生徒で、黒歌は3年生、白音は1年生だった。まさか、2人がいる駒王学園に編入できるとは思わなかったので、編入当初は非常に驚いた。

そうそう、不幸な事故から途中参戦することになったシノンも、『SAO』の生還者として扱われ、駒王学園高等部の1年生として編入していたりする。白音と同じクラスで、2人とも仲良くしているそうだ。

攻略組でも仲が良かった学生組はその殆どが高等部に所属しているが、1人だけ中等部の人間がいる。そう、シリカだ。まぁ、中等部にもSAO生還者はいるので寂しくはないらしいが、昼休みや放課後に高等部にやって来ることが多かったりする。

さて。俺個人としては、今までが命のやり取りオールOKという異常事態が多かっただけに、これからは平穏な人生を送りたいと思っているんだが、人生って自分の思っている様に進まないらしい。

俺がその身に宿す赤龍帝の力は強者や争いごとを呼び寄せる。俺の人生はこの時――いや、生まれた時から既にその人生が混沌としたものになることが確定していた。






あとがき(旧)

色々と省略した駆け足なプロローグに付き合って頂き、ありがとうございます。作者の沙羅双樹です。

まぁ、駆け足なのは本編がハイスクールD×Dなので仕方ないと言えば仕方ないんですが、それにしてもプロローグで1万字越えというのは作者的に微妙なんですが、読者的には如何なもんなんでしょうか?ちょっと気になります。

さて、今回の話で早くもISSEI(イッセー)禁手(バランスブレイカー)が判明しました。いや、もうね。本編開始前から禁手(バランスブレイカー)に至るのは決定事項だったんですが、ここまで省略気味な内容で出すことが作者的に申し訳なく感じたりするんですよね。

今更ですけど、『聖剣創造(ブレード・ブラックスミス)』と『魔剣創造(ソード・バース)』の禁手(バランスブレイカー)はRAVEに登場するTCM(テン・コマンドメンツ)とネオ・デカログスです。

そして、RPG W(・∀・)RLDのエターナルで登場させたオリ神はダイの大冒険に登場した聖母竜・マザードラゴンです。
(基本的にメインがD×DとSAOが混じり合った世界故、エターナルも微妙にダイ大と混ざり合ってると思って下さい)

転生者である主人公なら知っててもおかしくないんですが、元々の彼は重度のゲーマー。「漫画?んなもん読む暇があったらゲームするに決まってるだろ!」な性格で、RAVEもダイの大冒険も知らないと思ってくれるとうれしいです。

赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』の禁手(バランスブレイカー)・『赤龍帝の外套(ブーステッド・ギア・オーバーコート)』の形状はSAOのキリトがアインクラッドをクリアした時点で来ていたコートを赤くしたものと考えて下さい。
(『真紅の赫龍帝(カーディナル・クリムゾン・プロモーション)』の時の形状はまた異なりますが、それは登場時のお楽しみということで)

取り敢えず、うちのISSEI君はガチで原作イッセーというよりSAOのキリトっぽい感じです。一誠成分は根性理論くらいしか残る気が作者的にもしません。
(ちなみにこの世界にキリト君は存在しません)

ちなみに駒王学園がSAO生還者の受け入れをした理由なんですが、ぶっちゃければ眷属候補の確保ですね。2年間もデスゲームに参加してた人達なんて眷属を確保したい悪魔にとってはおいしいことこの上ないでしょう。

そんなSAO生還者で最強なISSEIを眷属にできるリアス部長は正に勝ち組です。……え?駒が足りないんじゃないか?一応、その辺りの解決法も用意してます。

と言いますか、グレモリー眷属が原作より確実に増えるフラグをうちのISSEI君は持ち過ぎです。詳しくは次話をお楽しみに!

それでは、皆さん御機嫌よう!




あとがき(新)

PSP用ソフト『ソードアート・オンライン―インフィニティ・モーメント―』をベースとしたものに改訂しました。あと、色々と端折りつつも月夜の黒猫団が生存している描写を追加しました。

イッセーは月夜の黒猫団と出会った時、自分のレベルを包み隠さずに話した上でギルドに一時的に加入したので、ギルメンとの関係は現実に戻った後も良好です。

イッセーが月夜の黒猫団から脱退したのは、ギルドが攻略組に参加した直前だったりします。理由は、ビーターとして悪名高い自分がいつまでも小規模ギルドに肩入れしていたら、ギルメンに迷惑が掛かると考えたからです。




追記(2013/6/23)

本文内で矛盾する文章が発見されたので、加筆修正しました。
矛盾点は、本文前半で中等部が新設されたと書いていたのに対し、本文後半で駒王は元々中高一貫であったという説明がしてあったという所です。

修正後の設定は駒王学園は元々、中高一貫。高等部は女子校だけど、中等部は共学。イッセーの学年から共学化(イッセー編入前)。初等部が新設される(SAO事件終了&イッセー編入後)、という形にしています。

ちなみに、本文でDDキャラであるリアスや朱乃達が所属している第3学年の女子率が下がっているのは、高校3年生相当のSAO生還者を受け入れているからです。

以上、修正箇所の矛盾点等の説明でした。



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