今、俺――兵藤一誠の目の前には、先程まで俺と魔王ルシファーの王妃(クイーン)であるグレイフィアさんに見事なまでに弄られていたライザー・フェニックス、もとい永世No.3ホストが荒々しく息を整えている。

恐らく、普段することのない突っ込みをしたことで突っ込み疲れに陥ったんだろう。だが、そんな永世No.3ホストの疲労を無視するかの様に、俺のコメディ的遣り取りの片棒を担いだ筈のグレイフィアさんは今回の婚約話の本題に入っていった。


「それでは悪ふざけもこの辺りにして、本題に移りたいと思います」
「わ、悪ふざけ!?さっきまでの遣り取りは全て悪ふざけだったと言うんですか?」
「全てとは言いません。ただ、ライザー様に全ての責任を押し付ける等の遣り取りは悪ふざけです。というか、ライザー様。先程から息遣いが荒々しくてとても気持ち悪いです。どうしました?発情でもしましたか?」
「ここまで酷いことを言われたのは、流石の俺も初めてだ!ってか、発情なんてしてませんから!!」


……俺がグレイフィアさんと会ったのはぶっちゃけ数える程しかない訳なんだが、俺はその数回の接触でグレイフィアさんをクールキャラだと思い込んでしまっていた。

しかし、今の永世No.3ホストとの遣り取り見ると、実際のグレイフィアさんは部長曰くドSである副部長を超える極Sで、人を弄るのが大好きな人物なのではないかと疑ってしまう。

……いや、もしかしたらサーゼクス様の世話で溜まりに溜まったストレスを永世No.3ホストで発散しているのかもしれない。以前、アジュカ様が四大魔王は公務以外で軽いキャラになるとか言ってたしな。

取り敢えず、俺がグレイフィアさんの人物像について考察している間も、グレイフィアさんは永世No.3ホストの抗議を無視して話を続けていた。


「お嬢様とライザー様の婚姻についてですが、お嬢様が婚姻そのものを拒否し、話し合いすら叶わないのであればで最終手段を取ることになっております」
「グレイフィア様、俺の抗議は完全にスルーですか?シカトですか?」
「最終手段?それは一体何かしら?」


ついにグレイフィアさんだけでなく、部長までもが永世No.3ホストを無視し始めた。まぁ、永世No.3ホストの抗議なんて馬鹿正直に聞いていたら日が沈むだろうし、グレイフィアさんの話の続きが気になるから俺的には話を続けて貰ってもいいんだけどね。


「サーゼクス様と旦那様だけでなく、奥様からの厳命でもあります。どうしても我を通したいのであれば、レーティングゲームで決着をつける様に、とのことです」
「ッ!!」
「………」


グレイフィアさんが告げた最終手段の内容に驚いた顔で言葉を詰まらせる部長と、その両名に無視されて凹んでいる永世No.3ホスト。絵面としてはかなりシュールだ。っていうか――


「レーティングゲームって、確か成人してないとできないんじゃありませんでしたか?もしかして、部長って見た目通りの年齢じゃなかったりするんですか?」
「わ、私は歴とした18歳よ!年齢詐称なんてしてないわ!!」
「お嬢様の言う通りです、兵藤様。通常のレーティングゲームの大会であれば、お嬢様は参加できません。しかし、御家同士で行われる非公式のものであれば参加することができます」
「つまり、お父様方はどんな手を使っても私を結婚させたい訳ね。どれだけ私の生き方に干渉すれば気が済むのかしら?」
「お嬢様。どんな手を使っても、というのには語弊があります。現にお嬢様がライザー様に勝利されれば、サーゼクス様だけでなく旦那様と奥様もお嬢様の婚姻に口を出さないと言っておられました」
「それは私がレーティングゲームでライザーに勝てば、結婚相手も結婚時期も自由に選べるということかしら?」
「はい。ですがお嬢様が負けた場合、お嬢様は婚姻に関することで今後一切拒否することができなくなります」


成程。ハイリスクハイリターンって訳だ。部長にとっては永世No.3ホストに勝てさえすれば、今後サーゼクス様やご両親が自分の結婚観等に口を出してこなくなる。

元々、部長が成人したら問答無用で永世No.3ホストと結婚させられていただろうし、そうなっていたら俺とアスナ、黒歌、白音、アーシアの5人は眷属から離脱してただろうから、リスクがどれだけ高くても破格の条件と言えるだろう。

というか、俺は部長と永世No.3ホストが結婚する時期を成人――少なくとも人間界でいう所の大学を卒業してからであると想定しているけど、実際の所はどうなんだろう?


「グレイフィアさん、部長。一眷属である俺が気にすることでもないのかもしれませんけど、部長とそこの永世No.3ホストが結婚する予定時期っていつ頃なんですか?まさか、高等部卒業すると同時に結婚とかないですよね?」
「元よりライザーと結婚する気なんてこれっぽちも無いのだけど、私がお父様方やフェニックス家の方々から与えられた猶予期間は大学卒業までよ」
「……まだ5年近くも猶予期間があるじゃないですか。そうであるにも拘らず、今から式場やドレスを見に行こうってどれだけ気が早いんですか?
冥界ではどうなのか知りませんけど、人間界では流行り廃りが意外と早かったりします。結婚式で花嫁が5年前に流行っていたドレスを着ていたりしたら、人間界でなら笑い者ですよ?
結婚式場にしたってそうです。今から下見しても、5年後には何らかの理由で潰れてる可能性がありますよね?ってか、結婚式場やドレスの下見なんて1年から半年前位にするのが普通でしょ?
下等種と見下してる人間ですら想定できることを想定できないなんて、部長との婚約話で頭がお花畑にでもなってるんですか、この永世No.3ホストは?それとも鳥頭なんですか?フェニックスだけに」


部長の話を聞いた俺が、取り敢えず指摘できる点を粗方指摘すると、グレイフィアさんは痛い所を突かれたという顔をし、部長は今回の会合をそういう風に断ればよかったという顔をしてきた。

一先ず、グレイフィアさんのことは置いておくとして。……え?部長、本気で俺が言ったことに全然気付いてなかったんですか?流石に抜け過ぎでしょう、それは。

俺だけでなく、グレモリー眷属が信じられないものを見る様な視線を部長に向けていると、俺の悪魔の癖に脳内天国発言に反応した永世No.3ホストが口を開いた。


「誰の頭の中がお花畑だ!それにフェニックスが鳥頭だと!?俺だけでなくフェニックス家を罵倒するのは許さんぞ!!」
「罵倒の件を許す許さんの前に、俺の疑問に対する答えを言えよ。答え次第では、マジでフェニックス家が考え無しの鳥頭ってことになるぞ?まさか、結婚するのが今から5年後だってのを忘れてたなんて言わないだろうな?」
「だ、誰がそんなことを言うか!結婚する時期が早まって、リアスがここの高等部を卒業すると同時に結婚することが決まったから、今から結婚式場とドレスの下見をしに行くことになったんだ!
これは現グレモリー家とフェニックス家の当主が決めたことで、今回の会合はそのことへの話し合いも兼ねてるんだよ!!」
「何よ、それ!そんなこと私は聞いてないわよ!?どういうこと、グレイフィア!!?」
「……詳しい話を聞かせて貰いましょうか、グレイフィアさん?契約事を重んじる悪魔が親であるとは言え、部長との約束を部長も知らない所で違えるとか、どういった心算なのか非常に気になる」


永世No.3ホストの発言を聞いてグレイフィアさんに詰め寄る部長と、あまりに理不尽な内容に思わず苛立ち、魔力と霊力を体の外に少し漏らしながら問い掛ける俺。

部長と俺に問い詰められているグレイフィアさんは、この現状を作り上げる失言とも言える発言をした永世No.3ホストに怨みの籠った視線をぶつけていた。

そして、グレイフィアさんに睨み付けられている永世No.3ホストは、しまったという顔で蛇に睨まれたカエルの如く脂汗を掻いていた。

グレイフィアさんと永世No.3ホストの遣り取りから考えるに、今回の一件でのグレイフィアさんの役目は結婚時期が早まったということを知られずに、済し崩しの様な形で部長と永世No.3ホストを結婚させる方向に持って行くことだったみたいだな。

まぁ、それも永世No.3ホストの失言により全てが水の泡になってしまった訳だけど。というか、この永世No.3ホストは現れてから本当にいいこと無しだな。ここに来た意味があるのか?

……まぁ、この焼き阿呆鳥のお蔭で交渉するチャンスができた様なもんだし、そういう意味では俺達グレモリー眷属にとって来てくれたことが僥倖とも言えるな。


「……部長。部長の結婚の自由を獲得する為には、永世No.3ホストもとい焼き阿呆鳥とレーティングゲームをすることを前提にグレイフィアさんと交渉することが最善策と俺は考えてるんですが、部長はどうお考えですか?」
「え?そ、そうね。私も同意見だわ」
「なら、その交渉役。俺にやらせて貰えませんか?少しばかり掛け金をレイズすることになりますが、俺達が勝った時のリターンが破格のものであると思える様に交渉します。というか、元より負ける気なんてありませんから問題ないですよね?」
「……あなたの交渉能力は神の子を見張る者(グリゴリ)の総督であるアザゼルやお兄様との一件で十二分に理解しているし、あなたの戦闘技術に関しては言うまでも無いわ。好きになさい」


俺が交渉役を務めていいかと尋ねると、部長は少し疲れたといった顔で了承してくれた。すると、グレイフィアさんに睨まれて脂汗を掻いていた焼き阿呆鳥が、何とも聞き苦しい笑い声を上げ始めた。


「ひはははははは!リアス、本気で俺とレーティングゲームをするつもりか!?公式戦で何度も勝ち星を挙げているこの俺と!しかも、そんな転生したての下級悪魔に交渉を任せるなど、正気の沙汰とは思えないな!!」
「ライザー、あなたはイッセーの凄さを知らないからそんなことを言えるのよ。よく知りもしない相手を見下したりしていると、後悔することになるわよ」


おっ!部長も中々良いこと言うな。それに意外と冷静だ。もしかしたら、グレイフィアさんに攻撃を仕掛けた時に左手に形成した籠手を、『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』だって暴露するかとも思ったんだけど。

俺の中で部長の威厳ポイントが少しだけだけど上昇した。おめでとう、部長。……それじゃあ、部長も主らしいところを見せてくれたことだし、俺も俺で自分の仕事をしますか。


「それじゃあ、グレイフィアさん。レーティングゲーム終了後の勝者側に与えられる報酬の交渉をしましょうか?」
「……交渉の内容次第で、サーゼクス様や御両家の御了承を得る必要がありますが構いませんか?」
「まぁ、当然と言えば当然ですね。しかし、そちら側は部長の結婚までの猶予期間を勝手に短縮したという前科がありますから、ある程度の融通はして欲しい所です」
「……そのことについては反論しようがありませんので、私からサーゼクス様や旦那様、フェニックス家の御当主様に交渉する様にします」
「そうですか。では、時間を無駄にもできませんし交渉に移りましょう。まず、部長の結婚猶予期間を短縮した対価として俺達が勝った場合、サーゼクス様並びにグレモリー家は部長の結婚に関して今後一切口を出さないでもらいましょうか」
「……兵藤様、契約とも言える約束事を一方的に破棄した対価がそれでよろしいのですか?元より、サーゼクス様もグレモリー家もお嬢様がライザー様に勝利すれば、結婚に関しては自由にさせると仰られていましたが?」
「結婚には色々な種類があります。今回の様にお家同士が決めた婚約や見合い結婚。他にも恋愛結婚なんてものもありますよね」
「!!?」
「結婚について口を出せない。それは恋愛結婚にも適応されます。つまり、今後グレモリー家は部長の恋愛ごとにも干渉できないということ。これはグレモリー家が部長に対して見合いなどのセッティングもできなくなるということです」
「……そういうことですか。確かにサーゼクス様も旦那様方も、お嬢様の結婚をする意思については口を出さないと仰っておられましたが、縁談を今後持ち込まないとは仰っておられませんでした」
「悪魔にとって唯一無二とも言える信用である契約を破棄したことへの対価としては安いものだと思いますが?」


俺がそう言い切ると、グレイフィアさんは自分が了承していい範囲の交渉内容か少し考え始めた。そして、グレイフィアさんが出した答えは――


「……恋愛結婚、ですか。恋愛ごとに関して、サーゼクス様も私もお嬢様に対して口出しできる立場ではありません。
私個人としても兵藤様が提示された条件を了承したくもありますし、サーゼクス様もこの場に居られれば私と同じことを言っていたでしょう。
しかし、今の私は私人ではなく公人――サーゼクス様の王妃(クイーン)であり、グレモリー家のメイドでもあります。サーゼクス様も今回の件に関してはお嬢様の兄ではなく、魔王としての判断を下さねばなりません。
兵藤様が提示された条件はグレモリー家の今後にも関わる事柄。サーゼクス様だけでなく、旦那様方の御意見もお伺いしなければならないことであり、この場で私が即決できる範疇を超えてしまっています」


……まぁ、ある程度予想はしていたけど、やっぱりこの場で即決ってのは無理だったか。ってか、サーゼクス様とグレイフィアさんって既婚者なの?しかも、話の流れから察するに2人とも恋愛結婚ですか?

……サーゼクス様は兎も角、グレイフィアさんは恋愛している姿が全くと言っていい程に思い浮かばない。というか、旦那さんがどういった人物なのかを想像するのも難しい。

もしかして、グレイフィアさんと同じ様なタイプの人なんだろうか?普段は真面目だけど、ストレスが溜まったら人を弄って発散するみたいな?

恋愛結婚ってことは、職場恋愛の可能性が高そうだな。ということは、相手はグレモリー家の使用人か?グレイフィアさんがメイド長ということは、旦那さんは執事長という可能性が高そうだ。

う〜む。グレイフィアさんが既婚者だったというのも驚きだけど、そんな事実よりも今はグレイフィアさんの旦那さんがどんな人なのかの方が気になるな。

……グレイフィアさんの旦那さんも気になるが、サーゼクス様の奥さんについても急に気になってきたぞ!一体どんな人なんだ!?

初対面時に自分のことをサタンレッドとか言ってきた人だから、キャラ的に結構軽い人だってことは予想できる。ってことは、奥さんもキャラが軽い人なのか?

キャラが軽い女性悪魔。今まで会ったので該当するのはセラフォルー・レヴィアタン様しかいないな。ってことは、もしかして夫婦で魔王をやっているのか!!?

想像の範疇でしかないが内容が衝撃的過ぎるな。しかも、これが事実なら部長と会長は親戚関係ってことになる。……まさか、親戚同士だから駒王学園を共同管理してるとか?うわっ!一気にサーゼクス様×セラフォルー様の信憑性が出てきたぞ!!

というか、下手したら俺は部長の結婚の自由を勝ち取る為にサーゼクス様と部長の御両親だけでなく、セラフォルー様とまで直接交渉しなきゃいけなくなるのか?……何か頭が痛くなってきた。

俺は思わず額に手を添え、項垂れてしまう。すると、グレイフィアさんが怪訝そうな顔をしながら俺の名前を呼んできた。


「兵藤様?どうかされましたか、兵藤様?」
「あっ、はい。すみません。ちょっと考え事をしてました」
「考え事、ですか?」
「はい。もしかしたら、俺が直接サーゼクス様や部長の御両親と交渉することになるかもしれないと思って、交渉のシミュレーションをしたら少し頭が痛くなりまして」
「……サーゼクス様や旦那様方との交渉に関してですが、兵藤様の提示された条件を可能な限り応えて頂ける様、私の方でさせて頂くつもりです」
「……いいんですか?」
「先程も言いましたが、恋愛や恋愛結婚に関して私とサーゼクス様は口出しや否定できる様な立場ではないのです。
もし、お嬢様が恋愛結婚を望まれるのであれば、その旨をサーゼクス様に伝えた上で兵藤様が提示された条件を可能な限り呑んで頂ける様、旦那様方と交渉させて頂く所存です」
「……グレイフィアさんはこう言ってますが、部長が望む結婚像ってどんなものなんですか?部長の結婚の自由が掛かってる重要な局面なんで、恥ずかしがらずにゲロって下さい」


俺が部長にそう告げると、部長は自分が何を言われたのか理解できなかったのか、ほんの数瞬であるが呆然としていた。そして、部長は正気に戻ると同時に顔を真っ赤に染め上げ、口を開いた。


「……え?イッセー、あなたはこんな人前で私に自分の理想の結婚像を話せって言うの?」
「結婚の自由を手にするチャンスを得たいのなら、恥ずかしがらずに話して下さい。それにこの場に居るのは全員身内みたいなものなんですし、別に問題ないでしょう?」
「問題大有りよ!身内であろうとなかろうと、恥ずかしいものは恥ずかしいに決まってるでしょう!!」


部長の理想の結婚像は相当恥ずかしい内容なのか、部長はまるで湯気が出てしまうのではないかと思う程に顔を赤らめ、俺にそう叫んできた。

しかし、ここで部長が自分の理想の結婚像を暴露し、それをグレイフィアさんに納得して貰った上で部長の御両親を説得して貰えない限り、部長の結婚の自由は得られないと言っても過言ではないだろう。

俺はどう説得すれば部長が自分の理想の結婚像を話すか考え始める。すると、大声で叫んだことで少しばかり息が乱れていた部長が深呼吸をしながら息を整え始めた。

そして、部長は落ち着いた所で意を決した顔をし、俺が説得を始めるより先に口を開いた。


「恥ずかしいけど、背に腹はかえられないわ。語るは一時の恥、語らぬは一生の後悔みたいになりそうだもの。私の理想の結婚像を話すわ」


おおっ!自分から話す気になってくれたか!!しかも、ことわざ風に上手いこと言ってきたし!というか、そこまで永世No.3ホストと結婚するのが嫌なのか。

いや、まぁ分からないでもないけど。間接的な主になられるのですらかなり苦痛ですから、伴侶とかその比じゃないでしょうね。

俺がそんなことを考えていると、部長はこの場にいる全員から視線を逸らしながら自分の結婚像を語り始めた。


「私はね、グレモリー家の者としてではなく、リアスという個人として私を愛してくれる人と結婚したいのよ。それが私の幼い頃から抱いていた理想の結婚像。
でも、ライザーは私を個人としてではなくグレモリー家の者として、もしくは自分が築いているハーレムに加わる一員としてしか見ていない…!私は、それが嫌なのよ…!!」


……え〜、部長の理想の結婚像についてなんだが、別に恥ずかしがる内容ではないと思うのは俺だけだろうか?少なくとも人間界の女性なら、その殆どが抱いてもおかしくない結婚像だと思うんだが?

というか、女性限定ではなく男性にも有り得る結婚像だと思う俺は変なのか?代々資産家の家系の御曹司とか特に抱いてそうだと思うんだが……?

あと、耳を疑ってしまう様なことを部長が言った様な気がする。自分の婚約者、しかも婿入りしようって家の次期当主をハーレムの一員としてしか見ていない?

いや、流石に俺の聞き間違いだよな。いくら悪魔でも自分の娘や妹を本妻としてではなく、ハーレム要員の1人としてしか見てない様な野郎を婿に迎える訳が無いよな?

もし、俺が部長の御両親と同じ立場で、ユイの婿になる男がそんなクズ野郎だったら、殺さないまでも確実にクズの家系を絶っている。

……まぁ、正直言って俺も人のことを言える立場ではない。だから、ユイがハーレムを容認している上、ハーレム野郎がユイを含むハーレムに属する女性を序列など付けることなく平等に愛するってなら、ヤクザキック程度で許してやらんでもない。

しかし、それ以外のハーレム野郎の場合、結婚だけでなく交際すら絶対に容認しないだろう。例え、それが娘に恨まれる様な結果となろうともだ。

……取り敢えず、聞き間違いの可能性もあるし、再確認しておいた方がいいよな?部長の御両親やサーゼクス様がクズ系ハーレム野郎と部長の結婚を強行しようとしているとか、正直信じたくない事柄でもあるし。


「……えっと、部長。俺の聞き間違いでなければ、永世No.3ホストは婚約者が容認している訳でも無いのにハーレムを形成している。
しかも、自分の婚約者で婿入りする家の次期当主のことを本妻としてではなく、只のハーレム要員の1人としてしか見ていない。
そんな内容の話が部長の理想の結婚像と一緒に聞こえてきたんですが、これは俺の聞き間違いですよね?そうですよね?」
「………イッセーが聞いた話は聞き間違いでも何でもない、隠しようもない事実よ。ライザーは眷属で自分の理想のハーレムを形成しているの。ベッドを共にする相手も毎晩変えているらしいわ」


部長の話を聞いて、俺は唖然としてしまった。いや、俺だけでなくアスナや黒歌、白音、アーシアも唖然としていた。


「……あの、サーゼクス様や部長の御両親のことを余り悪くは言いたくありませんし、俺みたいな転生悪魔には理解不能な冥界特有の風習なのかもしれませんが、敢えて言わせて貰っていいですか?」
「……イッセー、あなたが言いたいことは大体分かっているわ。反応から察するに、アスナ達も同じことを思っているみたいね。
でも、私の予想が見当違いだったら嫌だし、第三者がライザーと私の婚姻話を知ってどんなことを思うのかっていうのも気にもなる。
だから、私は主としてあなた達に命じるわ。私とライザーの婚姻話を聞いて思ったことを偽ることなく且つ、簡潔に言いなさい」


ライザーだけでなくサーゼクス様や御両親の悪口に成り得る発言を部長が許してくれたこともあり、俺はアスナ達にアイコンタクトを送り、今思っていることを一斉に口にした。


「「「「「こんな色狂いの発情ホストを肉親の婚約者にするなんて、サーゼクス様も御両親も正気ですか!?」」」」」


部長の予想通り、俺達5人が考えていたことは完全に一致していた。というか、慈愛の具現の様なアーシアにまで色狂いの発情ホストなんて呼称をされる永世No.3ホストは真正の色狂いなのかもしれない。

しかも、俺達の発言内容が正論過ぎるせいか、グレイフィアさんは永世No.3ホストだけでなく、自身の主であるサーゼクス様や部長の御両親のフォローもできずにいる。ちなみに部長と副部長、木場は「やっぱりそう思う?」と言わんばかりの顔をしている。

そんな中、この場にいる半数の悪魔から色狂い発情ホストと称された当人は、拳を握りしめながら背中からチョロチョロと種火の様なものを漏らし、顔を俯かせた状態でプルプルと震えている。

もしや、永世No.3ホスト――この呼称にも流石に飽きてきたな。これからは色々と呼称を変えるとしよう。で、話を戻すがこの発情鳥は罵倒の類に悦を見出す真正の変態なのだろうか?

美女美少女4人から罵倒され、昇天しそうな快楽に襲われているのかもしれない。俺は前世も含めて変態染みた奴らに何度も遭遇したことがあるが、もし焼きホトトギスが俺の予想通りの性癖なら今まで出会った変態BEST5に入るだろう。

俺がそんなことを考えていると、焼き鳥の背中からチョロチョロと漏れていた種火が激しい炎へと変わり、そして発情鳥は顔を天井に向けて本当に発情した様な勢いで興奮しながら大声で叫び始めた。


「だ・れ・が色狂い発情ホストだッ!?上級悪魔を侮辱するのも大概にしろよ!!礼儀知らずの下級悪魔共がッ!!!」


焼きホトトギスはそう叫び終えると、辺り構わず炎を撒き散らし始めた。被害の拡大を防ぐ為、俺は焼き鳥を囲む様に手持ちの結界発生装置を投げつけ、激しく興奮している発情鳥を結界の内側に閉じ込めることにした。

………興奮している発情鳥を閉じ込める。ここだけ切り取って聞くと、まるで変態を留置所に入れたみたいな響きだな。

ちなみに焼き鳥を閉じ込めるのに使用した結界発生装置は、最下級の『天使級(エンジェルス)捕縛結界』だったりする。まぁ、使用した数が10を超えていることもあって、結界強度は『十字結界』並と言ってもいいだろう。

結界発生装置の正確な使用数は15。どこにそれだけの結界発生装置を隠し持っていたかというと、制服の袖裏や上着の内側としか言えない。

GSの結界技術との複合や現代の機械部品の発達の恩恵で、結界発生装置そのものがマグダラ修道会で使用していたものより高出力で、コンパクトな物に仕上がっているからな。『捕縛結界』なら軽く20は隠し持つことが可能だ。

出力を比較して言うと、現在俺が使用している『捕縛結界』はマグダラ修道会で使用していた『十字結界』に相当し、家の防衛に使用している『十字結界』は『広域結界』に相当する。

つまり、マグダラで使用していた『十字結界』に相当するものを15も使ったってことだ。これはレミントンがジェナイを結界に閉じ込めるのに使用した『十字結界』の数と同数だったりする。

ジェナイですら数十分閉じ込めることができた結界だ。部長の強さを上級悪魔の平均値であると想定して、焼き鳥が部長より上位の実力者であったとしても、グレイフィアさんクラスでもない限り、数分は結界に閉じ込めておける。

……いや。よく考えろ、俺。目の前の発情鳥がジェナイ以上に見えるか?答えは否だ!どれだけジェナイを過小評価したとしても、この焼き鳥以下になるなんて在り得ない!!

ってことは、焼きホトトギスは最低でも1時間以上結界に閉じ込められたままということになる。まぁ、結界を解いたら解いたで旧校舎が全焼なんてことにもなりかねないんだし、別に解かなくても問題ないか。

俺がそんなことを考えていると、結界の内側で何かしら面白い変化があったのか、黒歌の笑い声が聞こえてきた。


「ニャ、ニャハハハハ!ニャハッ!!ニャハハハハハハハ!!!」


他のメンバーを見渡してみると、口元に手を添えてプルプルと震えていたり、結界から目を逸らしながらプルプルと震えていたりした。

一体何事だ?俺はそんなことを思いながら結界に視線を向けると、視界に入った存在の面白さに思わず吹き出してしまった。


「ブハッ!!」


実は結界を張ると同時にその内側は炎で埋め尽くされていたりしたんだ。そりゃあもう、轟々と紅蓮の炎が燃え盛っていたよ。その炎が今は完全に消え去っている。

炎が消え去ったらその内側に残るのは何か?当然、焼きホトトギスという答えになる。が、これだけならこの場にいるものが笑う理由にはならないよな。

では、何故この場にいる者の殆どが笑ってしまっているのか?それは炎が消え去った結界内部に、涙と鼻水と涎を垂れ流しながら窒息死と復活のループとも言える状況に陥った間抜けな発情鳥が居るからだ。

何故、焼き鳥がそんな醜態を晒しているのか?答えは簡単だ。結界内部の酸素を一気に燃やし尽くしてしまったからだ。

ほら、よくテレビで報道される火災のニュースでも、屋内で起こった火事で一酸化炭素中毒になって死亡する人がいるとか聞くだろう?原理的にはあれと同じって訳だ。

取り敢えず、醜態を晒した焼き鳥を見てから少しの間、俺は不覚にも黒歌の様に爆笑してしまった。というか、俺と黒歌が爆笑している間も発情鳥の珍行動は続き、腹筋が攣りそうになった。

え?焼きホトトギスの珍行動がどんなものか?端的に述べるなら正に鳥頭としか言えない、同じ過ちの繰り返しだ

結界の外から内側に流れ込んだ酸素で酸欠による窒息死から脱したかと思うと、発情鳥は爆笑している俺と黒歌を見て考え無しにも、炎を発生させて結界内の稀少な酸素を燃やし尽くしたんだ。

この馬鹿としか言い様のない行動を焼き鳥は3回も行い、それが俺と黒歌の腹筋崩壊へと繋がった訳だ。そして―――


「「あはははははははははははははははははは!!あひっ!あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!げっほ!ごほごほ!!ひーー、あっは!あはっ!はひっ、はひっ!!げほげほげほっ!!」」


現在進行形で俺と黒歌の爆笑は続いていた。というか、笑い過ぎで腹筋が痛いだけでなく、呼吸困難に陥りかけている。そんな俺と黒歌にアスナと白音が近付き、優しく背中を擦ってくれるが一向に咳が止まらない。

俺と黒歌を笑い殺そうとしている張本人である発情鳥は流石に学習したのか、結界内の少ない酸素を無駄に消費して炎を発生させる様な素振りを一切見せなくなった。

ただ、涙と鼻水と涎を垂れ流しながら額に青筋を立て、結界越しに俺と黒歌を睨んでいる。まぁ、その姿がこれまた滑稽で笑いを誘っている訳なんだが……。というか、俺と黒歌は本気で限界だった。


「「おえっ!!」」


爆笑し過ぎの結果、俺と黒歌は最後に嘔吐(えづ)いてしまったんだ。いや、吐くまではいってないんだけどな。で、どうやら俺と黒歌の最後の反応を焼き鳥は気に喰わなかったらしい。

焼きホトトギスはビキビキッって音が聞こえそうなくらい顔面に青筋を立て、まるで幽鬼の様にユラリと体を起こしてきた。

そのある意味で予想外な迫力にオカ研初期メンバーは体を一歩後退させてしまい、グレイフィアさんですら若干ながらも体を揺らしていた。


「……あまり乗り気ではなかったが、気が変わった。レーティングゲームをするぞ、リアス」
「………え?」
「レーティングゲームをするといったんだ。この場でその無知で愚かな男と下賤な女を、灰も残さずに燃やし尽くしてもいいんだがそれでは俺の気が済まん!
俺の恐ろしさをゲームのフィールドという戦場でその魂にまで刻み込んでからでないと、俺の怒りが治まらんのだ!!」


……今、この焼き阿呆鳥は何と言った?俺と黒歌を燃やし尽くすと言ったか?まさか、俺を前にして俺の家族を殺す宣言をする馬鹿が、駄天使公開処刑以降に悪魔と堕天使の勢力に存在するとは思いもしなかった。

抑えきることができず、俺の感情から溢れ出る焼き鳥への殺意。それは殺気という形で焼き鳥へと放たれ、不死である自分を殺し尽くすというその圧倒的な負の感情に焼き鳥は俺から距離を取る様に後ずさり始める。

俺の横で一緒に焼き鳥を笑っていた黒歌や、俺と黒歌を介抱する為に近くに居たアスナと白音も、俺の憤怒っぷりに蒼白とまで言わないものの顔色を変えている。

アスナや黒歌、白音でこれだ。駄天使公開処刑の惨状を知っているアーシアや部長達は血の気が引いた顔をしている可能性があるな。

俺が焼き鳥に殺気を叩きつけながらそんなことを考えていると、グレイフィアさんが俺と焼き鳥の間に入って来た。


「兵藤様、怒りをお鎮め下さい」
「……グレイフィアさん。悪魔という種族には教育というものが行き届いていないのですか?少し前に行われた公開処刑も、俺の身内に手を出せばどうなるかという見せしめ的な意味もあったんですが?」
「あの場の記録は映像という形で残されてはおりますが、あの場に居合わせた者以外へは部外秘ということになっています。
これは四大魔王様全員一致の一級厳命です。また、兵藤様の力を畏れた者達が兵藤様や御家族の方に襲撃を仕掛けるという事態を避ける為の措置でもあります」
「その結果、恐れ知らずな馬鹿者が赤龍の逆鱗に触れてしまうという事象が俺の目の前で起こってる訳なんですが、その点について四大魔王様方はどうお考えなんでしょうね?」
「……四大魔王様直々に冥界に存在する全最上級悪魔、及び現存する元72柱の現当主にはこの駒王町に赤龍帝である兵藤様が居られることは通達済みで、勝手を振る舞いはしない様に伝えられています。
ただ、兵藤様がお嬢様の眷属となっていることは御家族の安全を確保する為に伏せられていたみたいです。しかし、赤龍帝の存在を通達された各家の当主はその子息にその事を伝えている筈です。
二天龍と称される赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)の恐ろしさを知らぬ者は、前大戦を生き抜いた元72柱の当主には居られない筈なので……」
「……俺と黒歌を灰も残さずに燃やし尽くすと言った目の前の糞焼き鳥は、この場に現れてから好き勝手な振る舞いをしているみたいですが?。
フェニックス家の現当主は魔王が通達した事柄を自分の子に伝えることもできない愚図なのですか?それとも、俺の目の前にいる糞焼き鳥は親に言われた重要事項を忘れてしまう愚図なのですか?
ちなみに部長の眷属に赤龍帝が居るとは思わなかったという言い訳は聞きませんよ。この町に赤龍帝が居るという情報を知っているのであれば、赤龍帝が部長の眷属になっていることも想定しようと思えばできた筈です。
いや、冥界を担う上級以上の悪魔であるならそれだけで思考を止めず、赤龍帝に兄弟姉妹が居て、その者達が部長の眷属となっていることも想定していないといけないんじゃないですか?
元72柱であるグレモリー家の次期当主の婿になる者であるなら猶更でしょう。当主の婿ということは、当主の補佐をする立場も同然。常に最悪の状況を想定するスキルなんてのは必須ってものでしょう」
「それは……」


立場上仕方なくなのだろうが、焼き鳥を庇おうとするグレイフィアさんに対し、焼き鳥に殺意を剥き出しにしてしまう程の怒りを覚えている俺は責め立てる様に焼き鳥の問題点を指摘した。

というか、指摘した問題点は焼き鳥だけには止まっていない。むしろ四大魔王様方や冥界政府、フェニックス家の現当主から始まっている。

しかし、俺が指摘した点はその殆どが正論でもあることからグレイフィアさんも言い返せないみたいだ。言葉を詰まらせるグレイフィアさんに、俺の方が罪悪感を覚えてしまう。

俺がそんなことを考えていると、銀髪美人メイドに庇われているヘタレ金髪残念ホストが口を開いた。


「ぐ、グレイフィア様。今、不穏当な発言が聞こえたのですが、この男が赤龍帝と言うのは」
「事実です。この兵藤一誠様は神滅具(ロンギヌス)である『赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)』を宿した今代の赤龍帝です」


グレイフィアさんがそう告げると、糞焼き鳥は酸欠で窒息死した時と同じ位に顔を蒼くさせ、震え始めた。


「龍王を超える力を持つが故に天龍と称され、神や先代魔王すら歯牙に掛けなかったという赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)
「俺の正体を知ってビビったのか、糞焼き鳥?」
「だ、誰がビビるか!ってか、誰が糞焼き鳥だ!?」
「お前だ。お前はフェニックスなんて大それた名前じゃなくて糞焼き鳥で十分だ。今日からシキグルイー・クソヤキトリとでも名乗れよ」
「なっ!!?」


今日、焼き鳥と初めて会ってから現在に至るまでの焼き鳥の総合評価をそのまま名前風にし、焼き鳥に命名すると焼き鳥は驚き顔で言葉を詰まらせた。そのまま一生喋るな、糞焼き鳥!

で、糞焼き鳥が言葉を詰まらせた隙をついて糞焼き鳥との会話を強制終了し、俺はグレイフィアさんと途中で話が逸れてしまった交渉の続きをすることにした。


「そういえば、交渉の話が途中で逸れていましたね。交渉の続きを始めましょうか?」
「……分かりました、交渉の続きをしましょう。しかし、先の交渉以外に兵藤様は何の交渉されるおつもりですか?」
「そうですね。今度の交渉内容にはそこの糞焼き鳥も少し関係してきますが」


俺が顎で糞焼き鳥を指しながらそう言うと、グレイフィアさんの後ろで糞焼き鳥が身構えた。銀髪美女メイドの背に隠れている時点で、身構えても恰好がつかねぇよ。糞焼き鳥が!


「そう身構えるな。お前をどうこうする様な交渉内容じゃねぇよ、糞焼き鳥」
「それでは一体どういう内容ですか?」
「こちらが要求するものを話す前にこちらの賭けるものを話しましょう。こちらが賭けるのは部長が結婚する時期。つまり、俺達グレモリー眷属がゲームに敗北した場合、その焼き鳥が望めば部長の卒業を待たず結婚可能ということです」
「「「!!?」」」


俺がそう告げると、目の前のグレイフィアさんと糞焼き鳥は驚きで目を見開き、俺の後ろからも驚いた様な反応を感じられた。そして、ここで初めて部長が俺とグレイフィアさんの交渉に口を挟んできた。


「一体どういうつもりよ、イッセー!?私の結婚時期を早める様な条件を賭けの対価にするなんて!!」
「こちらが勝つことを前提にしている交渉です。最終的にこちらが総取りで相手側を大損させる為にも、掛け金をレイズするのは悪い手ではないでしょう?」
「た、確かにあなたの言い分には一理あるわ。でも―――」
「部長は俺があの糞焼き鳥とその眷属に負けるとでも思ってるんですか?」
「………もういいわ。好きに交渉しなさい」


俺が振り向くことなくそう告げると、部長は諦めきった様な声色で交渉の自由を保障してきた。見方を変えると、俺が糞焼き鳥率いる焼き鳥眷属に負けないという信頼の表れだろう。


「こちらが賭けた内容に対する糞焼き鳥に要求する対価は、糞焼き鳥の保有している僧兵(ビショップ)の眷属の身柄だ」
「な、何だと!?」
「分かり難かったのならもっと端的に言おうか?こちらは只でさえレーティングゲームの経験が皆無な素人集団だ。将来的なことを考えると、ゲームでも即戦力となり得るゲーム経験者が欲しい。
そこで部長の結婚時期を対価にお前の保有する僧兵(ビショップ)の眷属のトレード権を要求するという訳だ。これならお前の頭がどれだけ阿呆でも分かるだろう?」
「誰が阿呆だ!いいだろう、その交渉内容を受諾してやる!!」


……この焼き鳥、本当にチョロイな。このままいけば、終始俺の掌で踊ることになるんじゃないか?まぁ、その方が俺としても好都合な訳なんだが。取り敢えず―――


「交渉成立だな。では、次の交渉に移ろうか?交渉内容はゲームの開始日についてだ」
「ゲームの開始日だと?」
「ああ。こっちはゲーム未経験の初心者集団だ。で、焼き鳥。お前の方は公式試合で白星を上げたことのある歴戦の経験者。ハンデとして作戦やコンビネーション、フォーメーションを練る期間をくれても罰は当たらないだろう?」
「確かに、未経験者に対抗策を練る期間も与えずに戦ったとなれば、プロの世界で笑い者は必至。……いいだろう。ゲーム開始までの猶予期間は10日でどうだ?」
「もう一声欲しい所だな。……そうだ!猶予期間中にグレイフィアさんが両家との交渉をまとめきれなかった場合、交渉がまとめ切れるまで猶予期間を延長するというのはどうだ?
賭けの条件が成立していなければ、ゲームをしても意味がないだろう?勝ったにも拘らず、負けた時のそちらの条件を都合の良い様なものに変更して欲しいなどと言われては、こちらとしても堪ったものじゃない」
「……お前、転生とはいえ一応同じ悪魔だろう。どれだけ同種族のことを疑っているんだ?怒りを通り越して呆れるぞ」


俺が部長との約束が反故されたことを考慮し、猶予期間の延長について焼き鳥に告げると、焼き鳥は呆れ顔でそう言ってきた。何と言うか、色狂いの焼き鳥に呆れ顔を向けられると、非常に腹立たしい。


「そんなことはどうでもいい。それよりも焼き鳥が率いる眷属とやらを見てみたいな。ゲームに勝った暁には、お前の保有する僧兵(ビショップ)が俺達の仲間になるんだからな。今の内に色々と見極めておきたい」
「勝負する前からもう勝ったつもりか?そういうのをこの国では、捕らぬ狸の皮算用って言うんだろう?」
「それは腕が悪いにも拘らず、猟に出る前から獲物による収益を考えたりする駄目猟師に使う諺だ。実力が伴っていれば、結果なんてのは必然的に引き寄せられるもんだ。
俺の場合、ゲームに参加するのが俺だけでもお前を含む眷属に勝てるだけの実力があると自負している。だから、捕らぬ狸の皮算用にはならないんだよ。
むしろ、俺だけの方が戦い易いかも知れないな。1対多の戦いには慣れているから」
「その減らず口がいつまで続くか楽しみだ。取り敢えず、お前のご要望通り俺の眷属を見せてやる」


焼き鳥が俺にそう告げてくると同時に、フェニックスの紋様が入った巨大な転移魔法陣が部室に展開され、光を放ち始めたかと思うと次の瞬間には15人の美女美少女が部室に現れていた。


「これが俺の可愛い眷属達だ」


鼻高々と言わん態度でそう告げてくる焼き鳥。ってか、焼き鳥眷属は本気で女だけで形成されたハーレムなんだな。初めて聞いた時、実は半信半疑だったんだが……。


「部長。この焼き鳥が眷属でハーレムを形成しているってのはマジだったんですね。実は半信半疑だったんですが、実物を見ると驚きを通り越して呆れますね」
「……まぁ、人間界の一般的な感性の持ち主なら当然の反応よね」


俺と部長がある意味で期待を裏切らなかった焼き鳥の残念っぷりについて話し合っていると、焼き鳥が俺と部長の会話に割って入って来た。


「どうした?自分にハーレムが作れないからって嫉妬しているのか?」


焼き鳥の発言に俺は思わず、「何を言っているんだ、こいつ?」的な顔をしてしまいそうになる。が、そんな顔を堂々と見せてしまうと無駄に焼き鳥に絡まれそうということもあり、顔を背けることにした。

いや、絡まれそうという理由だけで顔を背けたというのは語弊があるな。焼き鳥の発言を聞いた部長の反応が気になり、部長の様子を見る為に焼き鳥から顔を背けたとも言える。

ちなみに焼き鳥の発言を聞いた部長の顔は、俺と同じ様なものだった。ってか、オカ研メンバー全員が同じ顔をしている。まぁ、当然と言えば当然の反応だな。

俺がそんなことを考えながら再び焼き鳥の方に顔を向けると、焼き鳥は俺が顔を背けた理由を自分の都合の良い様に解釈した様で、更に調子に乗り始めた。


「おっ!図星か?よし、せめてもの情けだ。女っ気のないお前にいいものを見せてやる。下級悪魔の貴様には一生できんことだろう?」


焼き鳥はそう言うと、自分のすぐ近くに居たサイドアップっぽい髪型の双子と思しき少女達を引き寄せ、人前であるにも拘らずディープキスをし始めた。

しかも、ご丁寧に少女達の体を弄りながらだ。もしや、焼き鳥とその眷属達は人様に行為を見られて興奮する変態集団なのか?

俺は事実であって欲しくない仮定を想像しながら、焼き鳥の非常識さを指摘することにした。


「………婚約者の前―――しかも、婚約者の許可も得ずに自分から他の女とキスするなんて、頭がおかしいとしか思えないな。やっぱり、フェニックスだけに鳥頭なのか?だから非常識な行動を平然とできるって訳だ」
「……なんだと?もう1回言ってみろ」
「フェニックスは鳥頭で非常識な存在だって言ったんだよ。あと、俺には相思相愛の恋人がいる上、そのことを知っていながら好意を寄せてくれる女性が複数名いる。恋人もハーレムを許容してるし、俺にその気があればいつでもハーレムなんて作れるんだよ」


俺がそう告げると焼き鳥はフェニックスだけに沸点が低いのか、歯を食いしばりながら顔を憤怒の色で染め上げ、怒鳴る様に眷属の1人に俺を攻撃するように命じた。


「くっ!ミラ!!あの無礼な下級悪魔を叩きのめせ!!」
「はい」


ミラと呼ばれた少女は得物から察するに棍使いの様で、俺と対峙する為にその手に持つ棍を構えた。そして、ミラは俺との間合いを一気に詰め、棍で突きを放ってきた。

しかし、その攻撃は俺にとってはとても遅いものだった。ってか、俺に棍で一撃を加えたいなら斉天大聖クラスにでもなってから出直して欲しい。

俺は前世に如意棒を使って音速攻撃をしてくる斉天大聖に直接鍛えられたんだ。ミラ程度が放つ突きなら危なげも無く、棍の先端を掴むって形で防ぐことができる。


「なっ!?」


棍を掴まれたミラは驚きの声を上げた。が、流石は公式のレーティングゲームに参加する眷属と言うべきか。すぐに俺を振り払おうと棍を押したり引いたりし始めた。

予想外の出来事に驚きはしたものの、思考をすぐに切り替えて対応しようとする所で実戦慣れしているのだと嫌でも思わされる。まぁ、俺の中での評価が上方修正された所で、ミラの棍はビクともしない訳なんだけどな。

で、ミラが俺を振り払おうと必死に足掻く中、俺が次にとった行動は力任せに棍ごとミラを焼き鳥と他の眷属のいる方向へと放り投げるというものだった。

ちなみに放り投げられた当人は同じ眷属の1人にキャッチされ、無傷である。それを見届けた俺は、肩を何度か回してから『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』を形成し、口を開いた。


「攻撃してきたってことは、斬ってもいいのか?」
「いいんじゃないかな」
「いいに決まってるにゃ」
「いいと思います」


俺の質問に逸早く返答してきたのはアスナや黒歌、白音だった。3人の返答を受けた俺は元々いた場所から一歩踏み出し、一気にミラとの間合いを詰めた。

そして、次の瞬間。大きな爆発音と共にミラとミラをキャッチした眷属はオカ研部室の端まで吹き飛ばされることとなった。

ミラとの間合いを詰めた俺は、攻撃する瞬間に『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』を基本形態の『鋼鉄の剣(アイゼンメテオール)』から『爆発の剣(エクスプロージョン)』へと変化させたのだ。

ミラと巻き添えを喰らった眷属への攻撃が終了した直後。俺は手の内をできる限り晒さない様する為、『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』を基本形態である『鋼鉄の剣(アイゼンメテオール)』へと瞬時に戻すという工夫をしていたりする。

これは『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』や『十戒の魔石剣(ダークブリング・ソード・デカログス)』が1つの形状に付き、1つの能力しか発揮しないという特性を隠す為の措置でもある。猶予期間中に形状ごとの対策とか用意されたら洒落にならないからな。

さて、いきなりだがここで1つ問題だ。果たして、俺の攻撃はミラ+αだけに止まるでしょうか?…………それでは正解を発表します。答は否、です。

俺を攻撃してきたのはミラだが、攻撃する様に命令してきたのが焼き鳥だ。なら、ミラだけでなく焼き鳥も攻撃するのが筋ってもんだろう?

まぁ、流石にこの場で斬り伏せたりしたら色々と問題があると思うので、寸止めにするつもりだけどな。という訳で、俺は大して離れてもいない焼き鳥との間合いを詰め、その首元に刃を添えた。


「まだやる気があるなら続けるけど?あと、人を見下すなら相手の力量を見切れるようになってからにしろよ」


俺は焼き鳥にそう告げると元居た場所まで一気の後退し、『十戒の聖石剣(ホーリーブリング・ブレード・テン・コマンドメンツ)』を消してから再び口を開いた。


「そっちが先に手を出してきた以上、苦情は受け付けないぞ。それよりも焼き鳥野郎、お前の僧兵(ビショップ)を紹介しろよ」


俺がミラに爆発攻撃をかましたことが相当腹立たしいのか、俺を睨みつけてくる焼き鳥。その焼き鳥に対して、俺は自業自得だといった感じで言い返し、焼き鳥の僧兵(ビショップ)を教える様に促した。

すると焼き鳥は一度舌打ちをしてから俺から視線を逸らすことなく睨み付けたまま、2人の僧兵(ビショップ)を呼び寄せた。


「美南風、レイヴェル。俺の横に来い」
「はい、ライザー様」
「何ですの、お兄様?」


焼きホトトギスに呼ばれ、その両サイドに現れたのは十二単を着た和風少女と金髪ツイン縦ロールの少女だった。

というか、金髪少女の方は焼きホトトギスのことを「お兄様」と呼んだ様に聞こえたんだが、兄妹だったりするのか?もしかして、この焼きホトトギスは実の妹をハーレムに加える変態なのか?


「………今、金髪の僧兵(ビショップ)の子がお前のことを「お兄様」って呼んだ様に聞こえたんだが、これは俺の気のせいだよな?」
「いいえ、気のせいではありませんわ。私とお兄様は正真正銘、血を分けた兄妹ですわ。というか、金髪の僧兵(ビショップ)と言うのは止めて頂けませんこと?私にはレイヴェル・フェニックスという立派な名前がありますのよ?」


………本日2回目の当たって欲しくない予想が当たっちまったよ。よくよく見てみると、服の飾りかも知れないけど腰の所にフェニックスの尾っぽいのがある。……そうか、血を分けた兄妹か。


「血を分けた実の妹に手を出すなんて、畜生にも劣る変態野郎だな。発情鳥」
「誰が畜生にも劣る変態だ!ってか、手なんか出してねぇよ!!俺は別に妹萌えじゃないが、世の中には近親相姦に憧れる奴もいるだろうが!だからこそ、形式のみの眷属悪魔としてハーレムに加える意味があるんだよ」
「今の説明で、お前が重度の馬鹿で、更生しようのない変態であることが十分に理解できた。ってか、妹さんが不憫過ぎて素で泣けそうだ。
正直、見極めとかどうでもよくなったわ。俺達が勝った暁には妹さんをグレモリー眷属に迎え入れる。反論は受け付けない」


俺がそう告げると、俺と発情鳥の交渉を知らないレイヴェルは「一体、何の話をしているんですの?」と言わんばかりの顔をしている。そして、当然の話の流れとしてレイヴェルは発情鳥に質問をした。


「お兄様、私がグレモリー眷属に迎え入れられるとか、一体どういうことですの?」
「あ?あぁ、今日から10日後以降に俺とリアスでレーティングゲームをすることが決定した。で、俺が勝ったら俺とリアスはリアスの卒業を待たずに即結婚。俺が負けたらお前をグレモリー眷属に引き渡すことになった」
「なっ!?お兄様!私に断わりも無く、なんて勝手なことを!!」
「おいおい。レイヴェル、お前は俺が負けると思っているのか?」
「……あの殿方、一筋縄でどうにかできる相手には見えませんわ」


……レイヴェルは兄の発情鳥とは違って、俺を敵に回したら厄介であると把握したみたいだな。ほんの僅かな遣り取りを見ただけで、相手の力量を多少なりとも見抜く。参謀や軍師タイプの可能性が高いな。

フェニックスってことは発情鳥と同じで不死であることは確実。その上、サポートタイプの僧兵(ビショップ)で、参謀や軍師といった人を見る才覚がある。これは図らずとも当たりを引いたかもしれない。


「フン!プロのリーグ戦でも白星を上げている俺が、ド素人相手に負けるものか」


レイヴェルの苦言も空しく、自分の勝利を疑わない発情鳥。いや、自分の勝利を疑わないってのは勝負をするに当たって重要なことだとは思うけどな。


「おい、赤龍帝。無駄に終わるだろうが、俺の眷属から引き抜く者も決まったんだ。俺も暇人という訳じゃないんでな。今日の所は帰らせて貰うぞ」
「奇遇だな。俺もお前の相手なんかで無駄に時間を潰したくなかったんだ。さっさと巣に帰れ、発情鳥」


挑発する様に言ってきた焼き鳥に挑発し返すと、焼き鳥は眷属の1人に転移魔法陣を展開する様に指示し、転移直前にあり得ない数の青筋が立った顔面で、俺を睨み付けながら捨て台詞を吐いてきた。


「赤龍帝。試合が始まったら、真っ先にお前を潰しに――いや、殺しに行く。楽しみにしておけ」
「殺す、か。……あまり強い言葉を吐くなよ。弱く見えるぞ」
「なっ――――」


焼き鳥の捨て台詞に対して俺が思ったことを率直に言うと、焼き鳥が更に何か言って来ようとした。しかし、転移直前ということもあって焼き鳥は最初の一言だけしか言い残すことができず、部室から姿を消すことになった。






あとがき


読者の皆さん、こんにちは。もしくは、こんばんは。沙羅双樹です。

取り敢えず、12月31日大晦日に投稿してみたんですが、無事31日に掲載されているでしょうか?

年越し前と年明けは色々と忙しいと思うので、もしかしたら年明けに掲載されているかもしれません。

何はともあれ、大晦日に掲載されていたら、更新予告の有言実行。ヒャッハー!とテンションを上げておきます。

もし、年明け後に掲載されていたら、更新予告を有言実行できず申し訳ありませんでした、とパソの前で土下座しながら年を越そうと思います。

あと、今回は別の意味で有言実行が既にできていなかったりします。そう、修業編までいけなかったんです。というか、眷属出す話で2万字を超えるとは思わなかったんです。

まぁ、何を言った所で言い訳にしかならないんですけどね?兎も角、有言実行できずに済みませんでした。(重要なことなので2回謝りました)

ちなみに、本文でライザーの呼び名を複数使用しているのですが、その中の1つに「焼きホトトギス」と言うのがあります。この元ネタが分かる人はいるでしょうか?

西尾維●先生の作品、●語シリーズに登場する怪異が元ネタです。分からない人は「しでの鳥」でググって頂ければ分かると思います。

焼ホトトギス以外に補足して置く点があるとすれば、フェニックス卿が四大魔王直々の通達事項を発情鳥に話していたか否かについてですね。

これは完全に焼き鳥に非があります。つまり、フェニックス卿はちゃんと話していたということです。しかし、発情鳥はリアスとの婚姻時期が早まったことに浮かれ、忘れてしまったという感じです。
(正に馬鹿丸出し)

では、あとは特に語ることも無いので、あとがきWEB拍手コメント返信に移行したいと思います。


2013年12月01日14:10:30 ジン様のコメントに対する返答

焼きホトトギスのフルボッコはもう完全な決定事項ですね。(笑)
ちなみに、グレイフィアさんに気付かれず首元に刃を添えたのではなく、グレイフィアさんが回避反応をすることができない程の速度で接近して首元に刃を添えた、というのが正しかったりします。
まぁ、急な出来事で想定外な出来事であったこともあって、グレイフィアさんの反応が遅れていたというのも要因の1つだったりするんですが……。
(もし、これが戦場であってイッセーが殲滅対象である敵である上、イッセーが全力状態の竜闘気(ドラゴニックオーラ)を纏っていなければ、首元に刃を添えられる程に接近を許すことは無かったでしょう。
色々な条件が重なった上での奇跡と言っても過言ではないということですね。(笑))
ところで今回の話はご期待に応えられたでしょうか?応えられたのであれば幸いです。そして、今一度言わせて頂きます。騎士王の妹、超可愛いですよね!
原作でイッセーのヒロイン枠に参戦することと、駒王学園に入学することを私は切に願っていたりします。(SAHDDではそうなる可能性がかなり高いです(笑))
騎士王の妹ファンにも気に入って頂ける作品にしていきたいと思っているので、これからも応援よろしくお願いします。


2013年12月01日22:45:51 のコメントに対する返答

ここ1ヶ月ほど咳込みが止まらず、1週間程前に近くの診療所に行ったんですが、診断結果が喘息でした。しかも、その2日後に雨に濡れて風邪を併発。
雨の翌日から2連休だったからいいものの、風邪を治すのに丸2日掛かりました。ちなみに喘息は未だ治らず。
正直微妙な年明けを迎えそうですが、皆様の応援に応える為にも頑張りたいと思います。


2013年12月02日2:19:44 N様のコメントに対する返答

攻略組であるからと言うより、イッセーの場合はやっぱり前世やエターナルでの経験が一番大きいと思いますね。
確かに、攻略組メンバーであれば反応しそうですが、イッセーはより一層といった所でしょう。
まぁ、焼き鳥君が駄目ってのはデフォですね。あと、期待を裏切って悪いんですが、今話でイッセーのリアスへの尊敬度が若干ですが上昇しました。(笑)


2013年12月04日20:28:48 ソード様のコメントに対する返答

何と言いますか、リアスがイッセーを寝取ろう(?)としたのは事実ですが、リアスの婚約事情を知った後では流石のアスナもリアスに同情して何も言えなくなると思います。
というかアスナ自身、ゲス郷さんと結婚させられそうになったこともある(これは原作、ゲーム共に変わらず)ので、リアスの気持ちが分からなくもないといった心情でしょう。
ただ、リアスがイッセーに本当の意味で惚れた後は、けじめという形でビンタの1発くらいはリアスにすると思います。


以上、WEB拍手コメントに対する返信になります。それでは皆さん、次話もお楽しみに。そして、良いお年を。



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