第三話
『初めての戦闘・・・よ〜し、張り切って行くぞぉ!』

ズドカーンに先導されて『デジバイク』で走ること、20分。
一行は、大きな洞窟の前に居た。その洞窟は暗く、中を窺い知ることができない。

「着いたぞ、ここがワームホールだ。デジバイクを収納しろ。そのボタンだ。」
ズドカーンが『デジバイク』をAPアダプタに収納しながら言った。
その表情は、さっきまでとは別人のように真剣だった。

三人も言われたとおりデジバイクを収納しながら、ズドカーンの雰囲気に息を呑んだ。
「これから最終試験を行う。試験内容は、ここ、『ブートホール』のボスビーストを倒すことだ。」
ズドカーンが三人を見渡しながら言う。
アキラとリンリンシャオの顔に緊張が走る。
だが、ベルトランは大して表情を変えなかった。それどころか微笑すら浮かべている。

「でもまぁ、心配するな。ここのビーストどもは大して強くないし、いざとなれば俺がフォローに入る。
だが、油断するなよ。下手したら命に関わるからな。」
ズドカーンはニッと笑いながらも、真剣な声色で言った。。

実際は、生命の危機に瀕すると、APアダプタがオートパイロットを起動させ、シティへと帰還させるのだが、
あえてそのことは言わない。緊張を持続させるためだ。

「おっと、忘れるとこだった。お前らよく聞けよ。良いか、バトルフィールドに関してだが・・・
バトルフィールドに入れる人数は、最大4人だ。これが、『パーティ』。ビーストも大体、何体かで行動していて
今確認されているのは、最大5体だ。まぁ、こっちが不利っぽく思えるが、あいつらには無いAPアダプタとかあるから
そう悲観するなよ。」
それを聞くと3人は、とりあえず頷いた。

「よし。入るぞ。」
ズドカーンが先に足を踏み入れる。後を追う三人。

APアダプタから出る光のおかげで、何も見えなくなるということは無かった。
中は、見た目ほどゴツゴツとした感じでは無く、どちらかというとトンネルに近い気がする。
じめじめとした空気が肌にまとわりつく。

「うぅ〜・・・気持ち悪い〜。ジメジメする〜・・・。」
リンリンシャオが愚痴をこぼす。
「そうだね。なんでこんなところに住んでるんだろう・・・?」
肯定と疑問の声を出すアキラ。
「そんなことどうでも良いだろ。周囲に気を配れよっ。」
緊張感が薄れてきた二人に、ベルトランが叱咤する。

思いのほかベルトランの声が大きく、ワームホール内を反響する。
つい身構える三人。
そんな光景を見て、ズドカーンが苦笑した。

「おいおい、そんなんだと、ボスビーストのところに着く前に気疲れするぞ?
大丈夫だ、戦闘になったらバトルフィールドが形成されるし、さっきも言ったが、ここのビーストはあんま強くないからな。」

リンリンシャオが頬を膨らませながら、非難の目でベルトランを睨んだ。
「・・・なんだよ、俺が悪いのか?」
ベルトランが不機嫌な顔で言った。
「ま、まぁまぁ二人とも・・・。」
そんな二人をアキラがなだめる。効果があるかどうかは分からないが・・・。

「ん?・・・っ。お前ら、敵だ!」
ズドカーンの言葉に三人は素早くその方向を見た。
先程まで歩いてきたところは通路のように狭かったが、見た先は部屋のように広かった。

その中心に、敵・・・ビーストがいた。それも二体。こちらには気づいていないようだ。

一体は、カエルに似た姿だった。違うところは、全身が黄色く、背には橙色の毛皮で覆われ
体の半分ほどの大きさの背びれが並んでいる。

もう片方は、大きめの頭に犬のような体をしていた。前足の爪がかなり大きい。体毛は薄紫色。

どちらも公式ファイルで見たことがある。
カエルの方は『ギザモン』、犬っぽいのは『ガジモン』と呼ばれる種族だ。

「お前ら、準備は良いか?」
ズドカーンが三人を見ながら言った。
「はいっ。」
「大丈夫ですっ。」
「早くやろう、ズドカーンさん。」
三者三様に肯定する。

ズドカーンはそんな三人を見て、ニッと笑った。
「良い返事だ。」

敵の前に出る4人。
ビーストは敵意を顕にし、威嚇する。

そして、APアダプタから機械的な声がした。
「バトルフィールド、ケイセイシマス。」

空間が歪む感じがした。あたりを見回す。
水のドームの中にいるかのようだった。向こう側がぼやけて見えない。

「おら、俺は見物してっから、さっさと『ソウルチェンジ』しやがれっ。」
ズドカーンが、敵を見据えたまま言った。

「はい!・・・ソウルチェンジっ。」
リンリンシャオが、そう言うと胸に着けているペンダントの石が発光し、その体を包む。
光が消えると、現れたのはリンリンシャオではなく、小鳥の印象をうけるデジモンだった。
羽毛は桃色に染まり、羽は無く、代わりに腕がある。くちばしと爪は赤い。
頭の中心から上にヒョロヒョロと伸びる一筋の・・・紐?のようなもの。横から見たら傾いたクエスチョンマークに見える。
こちらも公式ファイルに乗っている、『ピヨモン』という種族。

「ソウルチェンジ・・・!」
ベルトランも唱える。
左腕につけている腕輪から光が放出される。そして、すぐに消えた。
だが、そこに居たのはベルトランがなったデジモン。
一目見ると、てんとう虫のようだ。6本ある手足のうち、後ろ足で立っている。真ん中の手がかなり小さい。
黒い斑点が隆起していることと、両前足が一本ずつの鋭い爪なことと、サイズが5ミリ程度では無いことを除けば、
てんとう虫そのもの。その名も『テントモン』。

そして、最後はアキラ。
「ソウルチェンジ!」
アキラの体から光が発せられる。
人型の光は、徐徐に形を変えていった。光が消える。アキラが変わったもの。
それは、恐竜のような姿に、黄色い体をしていた。
前足は手のように使えるらしく、二足歩行だった。その手足には、三本ずつの硬そうな爪。
種族名・・・『アグモン』。








後書きでは無い言い訳。

どもです・・・え〜・・・すみません!
いきなり何謝っているかと仰りますと、前回に戦闘を書くとか言ってたくせに、
デジモンを出すだけで終わったという・・・描写大変でした。楽しかったですけどね。

戦闘に関しては『デジモンワールド2』では3VS3なんですけどね。
なんか物足りないということで、増やしました。
あ〜・・・ホントオリジナル要素いれまくりですねぇ・・・。なんか設定パクッただけっぽい気が・・・。

これに呆れて、読まないなんて仰らないでくださいね〜・・・。
では、また〜。



感想

むぅ、バトルフィールドは設定が細かそうですね…

ゲームの為の設定のようですし無理に組み込むことも無かったかも知れませんね。

戦闘のルールは破る為にあるといいますか、その辺は色々変更してもいいのではないかと思います。

まあ、バカにはその程度の感想しか 書けないでしょう。

いいですか、アキラ君のなったアグモンは有名なデジモンです。

毎回主人公は恐竜系のデジモンを従えていますからね。

つまり、主人公の面目躍如と言う事でしょう。

今後のグレイモン進化も見逃せない所ですね♪

とまあ、感想とはこんな感じです。

ありがとう、確かにそうであると思います。

ですので、次回からよろしく!

嫌です。


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