『なあエヴァ。何で殺人は大罪なんだと思う?』

 

 

『…突然何だ?』

 

 

『…いや、楓の面倒見てて、ちょっと思うところがあっただけだ。』

 

 

『…アレが面倒を見るってことなら、世間一般の子育てはままごと以下だろうな…。』

 

 

『揚げ足取ってんじゃねぇよ。ホラ、お前の意見を聞かせてくれ。』

 

 

『ふむ…それはまぁ、一般的に言えば倫理的問題なのだろうが…。お前が考えているのは、そういうことではあるまい。そして私自身の意見を言わせてもらえば、言葉と、穢れの問題だろう。同属殺しなど、この世で最も忌むべき風習の一つだ。同じ言葉を解し、同じ形をした生き物の命を摘むなど、まともに理性が働いているのならば、出来るはずがない。理性を超えた先にあるのは、人として穢れた感情(まともじゃないせかい)なのだからな。』

 

 

『んー、さすがに良い線行ってるな。だから、あと一歩が欲しい。何で人は、死を穢れだと思うんだろうな?』

 

 

『それは……ああ、なるほど、お前が言いたいのは。』

 

 

『ああ、そういうことさ。殺人が大罪である理由―――――それは、怖いからだ。』

 

 

『…興味深い。続けろ。』

 

 

『逃れようのない、避け得ない死ではない、理不尽な死、人為的な死を目の当たりにした時、人はどう思うか?車に轢かれた人間を、川で溺れた人間を、登山中に滑落した人間を、落石に押し潰された人間を、刺され、撃たれ、殴られ、斬られ、焼かれ、潰され、吊るされ、殺された、そんな死に様を見てどう思うか?

 ―――怖い、のさ。穏やかな午睡とは程遠い死に様、人生を途中で打ち切られる恐怖。皆思うのさ。『こんな死に方はしたくない』って。

 

『だがそれは、誰にでも分け隔てなく、唐突に訪れる物だ。いつ何時、こんな風に骸を晒してもおかしくない。要するに、他人の死に様に自分の最期を重ねちまうのさ。そして、いつか来る、だけどいつ来るか分からない死に、恐怖を抱く。死にたくない、ってさ。

 

『だから―――人は、死を直視出来ない。

 

『理不尽な死なんて存在、認めたくないんだよ。生は現実、死は非現実。自分の縋る生(げんじつ)が、他人の都合であっさり崩れ去っちまうなんてこと、認めたいヤツなんて居ない。だから―――否定する。命があっさり奪われる現実を、自分たちの立つ不確かな足場(げんじつ)を、倫理や道徳で塗り固めて、法律や刑罰で補強して、大丈夫だって、怖いことなんて何も無いんだって、言い聞かせてる。子供をあやすように、な。

 

『虫とか動物とかってさ、共食いするだろ。でも人食主義(カニバリズム)なんて到底受け入れられるモンじゃない。なまじ他の動物よりも理性だの感情だのが発達した分、死に対する忌避感は強い。人を狙う獣なんて存在しない。居るとしたら―――』

 

 

『―――――人間だけ、だろうな。

 成程、それが貴様を、最凶の殺し屋を支える生命への価値観か。

 GUNG−HO−GUNS…だったか?貴様が所属していたという、異常殺戮集団。ああ、ようやく分かったよ。貴様は、その一員に選ばれるだけの人材だ。』

 

 

『…褒め言葉じゃないぞそれ。むしろ貶してるだろ。』

 

 

『まあな。では一つ問おう。そんな恐怖を撒き散らしていた貴様自身は、自分の命をどう思っていた?』

 

 

『失ってたまるか、だ。今も昔も変わらない。殺られる前に殺る、それだけさ。』

 

 

『なるほど、“生きるために殺す”ということか。私も同じだな。殺さなければ生きれなかった。すなわち弱肉強食―――獣の生き方だ。獣、とはいっても、同じような生き方をしてる人間なぞごまんといる。スラムしかり、少年兵しかりな。』

 

 

『…何が言いたいんだよ。』

 

 

『別に何も。生きるために人を殺し続け、その果てに無残に殺されたにも関わらず、平穏を勝ち取った貴様を、誇り高き獣の在り方を称えているだけさ。まぁ、その平穏を自分から捨て去っているわけだがな。ククク。』

 

 

『…うるせえよ。別に後悔はしてねぇ。』

 

 

『そうだろうな。だがもし、お前がその生き方を喪った時は?“殺すために殺す”、そんな畜生に堕ちた時―――それはどれほど醜悪な姿だろうな?』

 

 

 

 

 

 

#24 シンデレラケージ

 

 

 

 

 

 

 関西呪術協会本山総本部。

 長―――近衛詠春含む数名の幹部の死亡が告げられ、激震が走ったのはつい2時間前のこと。

 

 亡くなった者が関東との融和を唱える者ばかりだったことから、協会に所属するほぼ全ての者が、それが陰謀の類であることを理解していた。

 それに不満や怒りが無いわけではない。だが、どうしようもないのもまた事実であった。今自分たちがどう動こうと、封殺されてしまうのは目に見えているし、家族にも危害が及ぶかもしれない。そう考えると、迂闊に動くわけにはいかなかった。

 

 だが同時に、確信していることがあった。おそらく近いうちに、関西呪術協会と関東魔法協会は戦争を起こすであろう、ということ。

 故に、この時に乗じて関東に一斉に寝返り、現在権力を握る老人たちを一掃する、それが、今回のクーデターの反抗派の総意であった。

 

 ―――だが。

 彼らの目論見は成就することは、永遠に無い。

 

 

 ―――――パン。

 

 

 乾いた音と共に、また一つ命が奪われる。

 

 

「なっ―――――!」

 

 

 突然の仲間の死に動揺した一瞬の隙に、千雨は一気に距離を詰める。

 そして思いっきり突き飛ばした。突き飛ばされた男は、後ろの仲間にしっかりと受け止められる。

 ―――――が。

 

 

 ―――パン。

 

 

 二人が重なったところで、頭部に銃口を向けて引き金を引く。放たれた1発の銃弾が、二人の頭を一度に貫いた。

 

 

「くっ―――そぉ!!」

 

 

 残る一人が符を取り出そうとするも、千雨が額を撃ち抜く方が速い。10秒にも満たない間に、4人の男が死んでいった。

 二度と動くことのない男たちを見下ろす千雨の瞳は、何処までも冷たく、何処までも暗い。

 

 

「おい、どうかしたの――――誰だ貴様っ!?」

 

 

 後方の障子が開き、新たな敵が顔を出す。

 

 

「くせもの――――」

 

 

 振り向き様の一発で大きく開けた口を穿たれ、絶命する。意識を失った(からだ)が後ろに倒れこんだ。

 が、開け放たれた障子から、また新たな敵が飛び出してくる。彼らが千雨を視認するより速く、千雨は彼らに肉薄した。接近しながら、新しい銃弾をリロードする。

 

 顎に銃口を突き付け、引き金を引く。まずは一人。その骸を盾にして、残る4人に突っ込む。

 4人が左右に二人ずつ分散する。骸を蹴り飛ばし、両手に拳銃を構える。そして、銃口をそれぞれ左右に向け、撃つ。右と左で一人ずつ斃れる。これで三人。

 右の一人が刀を振り上げ、襲い掛かってくる。左の一人が符を投げつけてくる。符の内側から何かが燃えるような音を千雨は聞く。

千雨は、銃を二つとも放り投げた。空中に舞う拳銃の動きに、右の男の視点が固定される。

その隙に、投げつけられた符を掴み取った。

 刀が千雨の首を断ち切らんと迫る。が、千雨が符を額に張り付ける方が速かった。

すでに発動段階に入っていた符が、男の頭と共に燃え上がった。四人目。

刀を振り上げたままの姿で、左側の男の上に斃れ込む。男は何とか逃れるも、すでに千雨の両手には、放り投げた拳銃が戻ってきていた。

 千雨が受け止めた拳銃から放たれた弾丸は、狙い違わず男の眉間を貫いた。

 

 

 屍から流れ出る血が、畳を赤く染めていく。

 しかしその屍の山を作りだした張本人の服には、一滴の返り血も付いていない。

 

 

 指先で拳銃を回しながら、再度廊下に出ようとしたところで、銃口を斜め後ろの天井に向け、引き金を引いた。

 小さな鳴き声と共に、建物内巡回役の式神が消える。それを感じながら、千雨は荒々しく舌打ちをした。

 

 

「…そうか、ああいうのも居るのか。まだ敵も多いってのに、弾丸だって無料(タダ)じゃねぇんだぞ…。」

 

 

 千雨は耳を澄ませ、本部屋内の音全てに意識を傾ける。

 千雨が収監されていた倉庫を抜け出してから、およそ15分。ここに至るまでに、先ほどの9名を含め、21名を屠っている。

 だが、広大な本部建物内には、まだその10倍を超える人数が居た。

 

 

「…チッ、雑魚共が。雁首揃えやがって、面倒臭ェ。」

 

 

 あからさまな悪態をつきつつ、サックスを取り出し、吹いた。均整の取れた美しい音色が、協会本部を隅々まで駆け巡る。

 

 

「何の音だ!?」

 

 

「何事だ!?」

 

 

 その音に釣られ、人が集まってくる。彼らの目がサックスを吹き鳴らす千雨を捉え、その近辺に横たわる仲間の骸に色を変えても、千雨はただただ吹き続けている。

 

 

「貴様っ…!曲者めっ!!出あえ、出あえい!!侵入者だ!!」

 

 

 その声が轟くやいなや、千雨は廊下に駆け出した。

 

 

「クソッ、今さら逃げるか!」

 

 

 術者たちが追い縋る。所詮女子中学生と大人の男性、脚力に差が有り過ぎる。あっという間に距離は縮まり―――

 

 

 ―――銃声と共に、先頭を走っていた男が射殺された。

 

 

「うわっ―――!?」

 

 

 先頭が突如として斃れたため、隊列が崩れる。その隙に千雨は角を曲がり、姿を消した。

 

 

「くっ…!餓鬼だと思って甘く見た…!かなりの手練だ、気を付けろ!」

 

 

 殺された仲間の遺体を廊下の端に横たえ、再度千雨を追い始める。

 すると、すぐ近くから発砲音が響いてきた。そちらに急行すると、同じように斃れ伏す男と、義憤にかられる仲間たちが居た。

 

 

「あの少女か?」

 

 

「麻帆良学園の制服を着た―――」

 

 

「かなりの手練だ、気を付けないと…。」

 

 

「どうやら先ほどから、人質倉庫の見張り番からの応答が無いらしい…。まさか…。」

 

 

 彼らの会話をまたしても響いてきた発砲音が遮る。再びその音の出所に駆け寄ろうとするが、一人がそれを押し留めた。

 

 

「どうした?速く追わないと―――」

 

 

「いや、全員行くのではなく、待ち伏せのために数人残しておこう。すでにかなり多くの人員がこの周囲に来ている。今のうちに逃げ場を塞いでおいた方がいい。」

 

 

 その言葉に全員が同意し、2人を残して後を追うことにした。

 そしてまた新たな集団に出会い、待ち伏せを敷きつつ、後を追うことを繰り返していく。時折姿を見せるも、その度に放たれた銃弾が、一人、また一人と、彼らの仲間を削っていった。

 そして、15分弱の追走劇と、11人の犠牲を以て、ようやく一室に追い詰めた。出入り口はそれぞれ30人以上の術者が塞いでいる。

 

 

「ようやく追い詰めたぞ…!よくも俺達の仲間をこんなにも殺してくれたな…!」

 

 

 障子越しに少女の影が映っており、家内を這いずり回るネズミを捕まえたかのような達成感が、彼らの表情に見て取れた。

 

 だがその余裕は、追い詰めたはずの少女から紡がれた言葉で、完膚なきまでに粉砕された。

 

 

「御仁方々よくもまぁ、低能雑魚が群れてくれて…。

 ―――――ありがとよ。これでもう、銃弾を浪費しなくて済む。」

 

 

 その言葉の真意を捉えた瞬間、包囲する彼らの顔が一気に青褪めた。

 そして、少女の体が大きく後ろに反り上げられ―――――

 

 

 衝撃波が、屋敷全体を震わす。

 

 

 

 

 

 

 

 

side 千雨

 

 

 

 

 

 指向性を完全にカットした、衝撃超音波。

 ケチるつもりは無かったのだが、やはり使うなら効率良く、一度で何人も巻き込めるようにしないといけない。やつらが撒いた待ち伏せも含めて、呼び寄せた全員を一度に殺し尽くすための演奏位置の割り出しに、少し時間がかかってしまった。

 

 

 ともあれ―――87人。

 ここに来るまでに殺した人間も含めれば、優に100を超える。

 

 

「…久しぶりだな。こういうのも。」

 

 

 命の流れ落ちる音。鉄錆のような匂い。事切れる刹那の断末魔。

 水風船が破裂したように、顔中から血を滴らせ、幾重にも重なり合う屍。

 

 

 

 

 ああ―――そうだ。

 この屠殺場のような光景こそが、私の音楽だったじゃないか。

 

 

 

 

「…チッ。首謀者っぽい奴の音は聞こえねぇか…。どうするかな…。」

 

 

 屋敷中に耳を澄ませるも、それっぽいヤツの音は聞こえない。すでに場所を変えているのだろうか。もしそれが私の聴覚範囲外だとしたら厄介だ。探し回っている暇は無い。

 

 

「…しょうがねぇ、面倒だが、アッチに寄ってくか…。」

 

 

 先ほど聞こえてきた音から、私たちとは別の人質、それもこの協会の関係者が囚われていることが分かった。そいつらなら、何か知っているかもしれない。

 屍の山と血の河を踏み越え、廊下に出る。廊下からは庭が一望できた。日が差している間ならば、見事な日本庭園を拝むことが出来たのだろう。

 

 

「―――で?それで隠れてるつもりか?」

 

 

 言いながら銃口を向け、発砲する。

 謎の震動が屋敷全体を襲った後、急に静かになったことを訝しんで偵察に来て、私に見つからないよう夜闇に紛れたのだろうが、それ以前の問題だ。ここに来る前から気付いている。

 唯一誤算があったとすれば、思ったより逃げ足が速かったということ。私が撃つより逃げ出す方が速かったため、腹部を撃ち抜くに留まってしまった。とんだ失態だ。

 庭に降り立ち近寄っていくと、撃たれたソイツが、親の仇を見るかのような目で睨んできた。

 

 

「…勘弁してくれよ。」

 

 

 本当に、心からそう思う。目の前の男は、訳が分からない、と言いたげな表情を浮かべているが、それすら腹立たしい。

 

 

「銃弾だってタダじゃないんだぜ?人一人殺すのに、2発以上は無駄の極致だ。正直な話、1発ですら勿体ないくらいなんだ。ちゃんと死んでくれなきゃ困る。」

 

 

 思わずため息が零れた。信条だなんて御大層なものでは無いが、コイツらを片付けるのに一人当たり1発以上の弾丸は使いたくない。何より、自分の腕が錆びてしまったように感じてしまう。

 先ほどのような召喚生物を出されても面倒なので、さっさと息の根を止めておくことにする。情報を聞き出す気などない。そもそも生かすつもりが無いのだから。

 息を吸い込み、サックスに吹き込むその刹那。断末魔の代わりに聞こえたのは。

 

 

「この…悪魔め…!」

 

 

 そんな罵倒の言葉だった。

 

 

 ―――下らないな。この程度の殺戮(こと)で。

 

 

 

 

 

 

 件の人質が囚われている倉庫の前。

 結局ここに来るまでに十数発分の弾丸を費やしてしまった。どうにもスマートじゃないな。数人まとめて現れた時はサックスでまとめて吹き飛ばせるから楽だが。

 

 門番たちの血で染まった扉は、固く閉ざされている。錠前のような物が無いところを見ると、魔法で施錠されているのだろうか。

 仕方ないので、上体を大きく反らし、サックスに息を吹き込む。

 

 扉がまるで隕石が直撃したかのように罅入り、抉れる。千切れかけた留め金が、扉が吹き飛ぶのをギリギリで防いでいた。もっとも、そうなるように力加減はしておいたのだ。吹き飛ばされて中の人質が怪我をしたら、情報が聞き出せなくなる。

 

 扉を蹴り開ける。限界を迎えた留め金が外れ落ち、扉が私の側に向かって倒れてきた。それを避けながら中に入ると、数人の巫女装束の女性が、まとめて縄で縛られていた。全員、不安と恐怖が半々といった目で私を見ている。

 そして彼女たちを縛り付けている、謎の石像。どこからどう見ても人型だが、首から上が折れたように無くなっている。

 

 

「…あの、貴方は…?」

 

 

 私に一番近い位置にいた巫女が話しかけてきた。

 

 

「答えてもいいが、その前に私の質問に答えろ。お前たちは、関西呪術協会の関係者だな?」

 

 

 私の質問に巫女たちが全員首を縦に振る。

 

 

「…お前たちは、何でここに囚われている?」

 

 

「それはっ…。」

 

 

 巫女の一人が言葉を詰まらせ、目に涙を浮かべる。他の巫女も似たり寄ったりだ。三文芝居に興味はないので、さっさと喋ってもらいたい。

 

 

「…見て、しまったんです…。過激派の幹部の、方たちが、長を、殺すところを…っ!幹部の方々が、長を石化させて、首を…っ!」

 

 

 なるほど、今彼女たちが縛り付けられているコレが、関西の長の成れの果てというわけか。よく見ると両腕の肘から先も無くなっている。憎悪故か、警戒故か、どちらにしろ無様な姿だ。

 

 

「で、その諸悪の根源サマは何処に行った?多分、そこの長の一人娘を連れてると思うんだが。」

 

 

 私の言葉に、啜り泣いていた巫女が驚きの声をあげる。どうやら長が殺されるところを見ただけで、詳細は知らないらしい。しかし巫女同士顔を合わせ、何やら相談し始めた。

 

 

「木乃香様を連れて…?」

 

 

「傀儡…?いやでも―――」

 

 

 苛々する。こっちは急いでいるんだから、さっさとしろ。

 

 

「まさか、リョウメンスクナの封印を―――?」

 

 

 リョウメンスクナ、という単語に引っ掛かりを覚える。確か天ヶ崎がそんなことを話していた。確か…関東侵攻に使うんだったか?だとしたら辻褄が合う。

 

 

「多分それだ。そのリョウメンスクナとやらは、何処に居る?」

 

 

「はっ、ハイ!えっと…この倉庫を出て、右にまっすぐ…。庭園の池にかかる赤い橋を渡って、その先にある湖に封印されています!」

 

 

「そうか、どうも丁寧にありがとう。お礼と言っちゃ何だが―――――」

 

 

 

 

 

 

「―――楽に殺してやるよ。」

 

 

 

 

 

 

 呆ける巫女たちに向かって、銃口を向ける。

 が、何やら彼女たちを取り巻く音がおかしいことに気付き、そのままの体勢で止まってしまった。その瞬間、巫女たちの顔が恐怖一色に染まり、悲鳴が零れる。

 

 

「ああ、結界か。なるほど、そうでもしないと、下種な男連中に何されるか分かったモンじゃないからな。…全く、人がせっかく、苦しむ間もなく殺してやろうと思ってたのに。」

 

 

 でも撃つ前に気付いてよかった。無駄弾は避けたいし。

 

 

「な、何で。」

 

 

「何で、だぁ?」

 

 

 恐怖で声が裏返ってしまっている巫女に、嘲笑を込めつつ銃口を下げる。

 

 

「私はなぁ、今晩関西呪術協会の連中を皆殺しにするために来てるんだよ。お前等、ココの人間なんだろ?お前等がそう答えたんじゃねぇか。何か文句あるのか?」

 

 

「で、でも私たち、さっき、ア、貴方に、教えて――――」

 

 

「ああ、情報提供感謝してるよ。だけど、例外は一人たりとも認めない。お前等は自分の家に巣食ったシロアリを、一匹でも見逃すか?それとも―――私を、弱きを助け強きを挫く、正義の味方だとでも思ったのか?」

 

 

 いや、聞くまでもなくそう思っていたのだろう。下らない。下らない。下らなさ過ぎて、思わず笑いが零れてくる。

 

 

「残念だったなァ?私はそんな御大層なモンじゃねぇんだ。私は音楽家、屍で埋め尽くされたコンサートホールで、慟哭と静寂を奏でる、生粋の殺人音楽家(ロクデナシ)さ。」

 

 

 巫女たちの表情が絶望に満ちる。こういうのを見るのも久しぶりだ。懐かしい気分になる。

 サックスを構え、微笑みかける。

 

 

「それじゃ―――謡ってくれよ、断末魔をな。」

 

 

 これ以上無駄話を続ける気はない。

 上体を反らし、肺いっぱいまで空気を吸い込んで――――

 

 

 

 

 

 

『長谷川さんは、何も間違ってなんかいないです――――――』

 

 

『―――私を、あなたのファンにさせて。あなたという、元殺人鬼の音楽家の、ファンに。』

 

 

 

 

 

 

 不意に、二人分の声が耳に響く。

 大切な親友たちの声が。

 

 

 

 

 

 

「あ――――」

 

 

 肺に溜め込んだ空気が漏れていき、全身から力が抜ける。

 膝が床に着く直前に、巫女と目が合う。

 

 

 彼女たちが浮かべる、恐怖、絶望、諦念、様々な感情が詰まり、入り組んだ表情が、私の目に入る。

 

 

 

 

 

 

 あの桜通りの夜、私の本性を知ったのどかの、怯え尽くした表情。

 中学に上がる前の春休み、レインと出会った夜の事件。

 

 

 

 

 

 

 ―――――私は今、何をしている?

 親友たちとの約束を破って――――何を?

 

 

 

 

 

 

「あ――――――――」

 

 

 体が崩れ落ちる。天地が逆さになってしまったかのように、視界が混濁する。口内と喉が、胃液の酸っぱさで満たされる。

 

 

「うっ…あ、ああ…。」

 

 

 声とすら呼べないような呻き声が口から漏れる。熱い雫が瞼を越え、頬を伝って零れ落ち、立ち上がる気力を奪っていく。

 

 

 つい数分前までの自分。それは『長谷川千雨』などでは断じて無く、ノーマンズランドに居た頃の自分、ミッドバレイ・ザ・ホーンフリークだった。残忍極まりない、外道中の外道だった。

 殺して、殺して、殺して、殺して、殺しながら生きていき、殺しながら殺していく。何の疑問も、躊躇も、逡巡も、区別も、後悔も、悲哀もなく、男を殺し、女を殺し、子供を殺し、悪人を殺し、善人を殺し、権力者を殺し、一般人を殺して、自分だけ生きてきた。

 

 そんな醜い、おぞましい、下劣な存在だった。

 

 昔は。

 そして――――今も。

 

 守るべき者を見つけ、理解者を得て、欲しかった物を全て手に入れた、今も。

 

 

「ゴメン―――ゴメン、ゴメン、のどか、レイン。本当に、ゴメン―――」

 

 

 何て空虚な言葉だろう。何て欺瞞に満ちた言葉だろう。

 何て―――穢らわしい存在なんだろう。

 私は――――――――――

 

 

「あ、の…大丈夫…ですか…?」

 

 

 私が殺そうとしていた巫女の声。数歩先に居るはずなのに、まるで千里も離れているように感じる。

 サックスケースを開け、ナイフを取り出す。立ち上がれそうも無いので、床を滑らせて巫女たちに渡した。

 

 

「…アンタたち、この建物から西へ数百メートル程離れたところにある倉庫、分かるか?」

 

 

「え…?ハイ、分かりますけど…。」

 

 

「…そこに行って、囚われてる人質全員下山させてくれ。ただ、一人緑色の髪のロボットがいるから、そいつだけは起こしてくれ。それで、ソイツにもさっき言ってた湖の場所…教えてやってくれ。…頼んだ。」

 

 

 これ以上アイツ等を巻き込むわけにはいかない。見張りは全員始末したのだから、新しい見張りが着く前に、逃がす必要がある。

 …今さらこんな虫の良いことを言って、逆上されるかもしれない。当然だ。私は彼女たちを殺そうとしたんだ。いや、むしろ、それを望んでいるのかもしれない。殺されるのを、裁かれるのを。

 

 けれど、そうしてはくれなかった。彼女たちは後ろ手にナイフを持ち、無言で縄を切り合っていく。やがて全ての縄が解け、おずおずと立ち上がった。

 

 

「…こんなこと言うの、変かもしれないですけど…。助けてくださって、ありがとうございました。」

 

 

 ああ、本当だ。ちゃんちゃらおかしい。思いっきり笑ってやりたいが、とても声とは呼べないようなくぐもった音と胃液しか出てこない。

 

 

 巫女たちが私を避けるようにしながら、去り際にチラッとこちらを見て、一人、また一人と静かに出ていく。いっそ罵倒の言葉をぶつけてほしい、怒りに任せて袋叩きにしてほしい、そんなささやかな願いを、叶えてくれることもなく。

 

 

 暗い倉庫の中に残るのは、無様な石像と、惨めな殺人鬼のみ。

 

 

 桜通りで惨劇を作りだした翌日のことが思い出される。

 あの時は、手を差し伸べてくれる人(のどか)が居た。私の手を取り、光ある世界へと引っ張り上げてくれる人が。蜘蛛の糸など鼻で笑ってしまえる程、力強くて暖かい力が、私の傍にあった。

 

 

 でも、今夜は。

 私自身の意志で、殺戮に身を染めた。

 殺意に身を委ね、目に映る全てを殺し尽くしてきた。

 

 

 今の私は、あの頃の“俺”と何が違う?

 ノーマンズランドに生きていた頃の俺と。

 無慈悲な殺戮を続けていた頃の俺と。

 親友に、別人だと太鼓判を押された頃の、俺と。

 

 

 体を起こし、壁にもたれかかる。ハンカチで顔を拭きながら、のどかや、レインの言葉を思い出す。

 

 

 心が軋む感覚が、体の内側から私を痛めつける。

 のどかも、レインも、私を信頼してくれていた。お前はもう殺人鬼なんかじゃないんだと、平和に、平穏に過ごしていいのだと、そう言ってくれた。

 

 

 その信頼を、私はぶち壊した。

 百を超える命を奪い、感情のままに目に映る全てを蹂躙して歩いた。

 どんな理由があろうと殺人は殺人だ。畜生の業に他ならない。ましてや私が手掛けたのは、およそ100人を超える大虐殺だ。難民キャンプにミサイルを撃ち込むのと何ら変わりは無い。

 

 

 

 

 

 

 ―――――だけど、何よりもまず。

 ―――――この殺戮劇に、何も感じていない自分が居ることに気付いた。

 

 

 

 

 

 

 百を超える人間を殺しておきながら、それをさも当然のように受け入れている自分が居た。

 死者を悼むことなく、踏み躙りながらここまで進んできた自分が居た。

 今も、罪無き巫女たちを抹殺しようとした自分が居た。

 

 

 視線を下げ、自分の体を眺めてみる。

 

 

 小学校4年生になり膨らみ始めた胸は、高校生の内にはDカップに届きそうだ。

 腹は油断しているとすぐに肉が付いてしまうので、食事のバランスには気を付けている。

 演奏中の姿勢を保つ足腰は重点的に鍛えてあり、美脚ならば雪広や大河内とも張り合える自信がある。

 

 

 ―――かつて、“ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク”と呼ばれていた男の、“長谷川千雨”という名の今の体。

 

 

 

 

 

 

 今の私は―――――一体、誰なんだろう?

 

 

 ミッドバレイ・ザ・ホーンフリークならば、級友を守るために武器を取ることなど無い。

 長谷川千雨ならば、無心に殺戮に手を染めることなど無い。

 

 

 今の私は、誰だ?

 今の私は、何のために戦っている?

 今の私は、誰をどう思っている?

 

 

 過去と今がぐちゃぐちゃに混ざり合い、自分の心と人格を侵食していく。記憶の彼方から響く怨嗟と嘲笑の声が、鼓膜に住みついたまま離れない。自分の仏頂面が、親友の微笑みが、狂信者(レガート)の狂気が、化物(ナイブズ)の悪意が、脳の表象で蠢いている。

 

 

「ああ、クソッ…。」

 

 

 この人生自体が、(ミッドバレイ)への罰なのかもしれない。

 そう考えた途端、頬を熱い物が伝った。

 

 

「…辛いよ。のどか。」

 

 

 抱きしめるように体を縮こまらせる。

 もう何も考えたくなかった。

 

 

 

 

 

 

 どれくらいそこで座っていただろう。体感的には数時間も居た気がするが、きっと数分と経っていないに違いない。

 外から聞こえる雨音が、にわか雨の到来を告げていた。私が斃した者達の血も、この雨で浄化されているだろうか。あの巫女たちは、無事に倉庫まで辿り着けただろうか。

 

 

 ―――外から異音が響く。

 ―――何十、何百という足音。そのどれもが人間のものではない。

 

 

 立ち上がり、サックスを手に取る。

 敵であることに疑いは無い。ならば是非も無い。私の前に立ち塞がるのならば、例外なく斃して征くのみ。

 

 

 例え今の私の生が、前世の罰であったとしても、自分の生を無駄にするつもりは無い。

 そして私は、例えどんなに惨めであろうと、どんなに血みどろであろうと、暴力(これ)しか生きていく道を知らないのだ。

 

 

 汚辱と怨嗟に染まり尽くした殺人者。

 平和に、平穏に生きていく道など。

 級友たちと同じ道など―――歩んでいけるはずもない。

 

 

 ふと、後ろに誰か居るような気配を感じた。

 当然誰も居ない。だが、関西の長の成れの果てであるという石像が、視線の先で立ち尽くしていた。腕も首も無いその石像だが、最初に見た時以上に、不思議な存在感を感じる。

 

 

「…元を辿れば、アンタの部下の管理と、娘への教育がなってないから、こういう事になったんだよな。恨むぜ、関西裏世界の統率者さんよォ?」

 

 

 きっとコイツが生きていたとして、私は同じ台詞をぶつけていただろう。死人に少し鞭打つくらい、許されるはずだ。

 

 

「本当に、勝手に死んでんじゃねぇよ。一体こっちがどんだけ迷惑被ってると思ってんだ?私らだけじゃねぇ。私のクラスメイトも、あの巫女たちも、京都に住む一般人も、皆迷惑してんだ。何より、近衛のことはどうする気だ?せめて責任取ってから逝きやがれっての。」

 

 

 無論返答があるはずもない。しかし悪態を口にするだけで、この数日間の憂さが少し晴れていく気がする。

 

 

「…けれど、アンタが娘を魔法に関わらせないようにしようとしたこと、それだけは、賞賛に値すると思うよ。」

 

 

 天ヶ崎はあんな事を言っていたし、それが間違いだとは思わない。事実、せめて存在と概要は伝えておくべきだったろう。

 けれど、魔法に、裏の世界に、暴力が物を言う世界に、私のような人間が居る世界に関わらせようとしなかったこと。それは、何よりも正しい判断だ。その一点で、この父親は義父(ジジイ)に勝っている。

 

 

 長として、父親として、最期まで正しくなかったかもしれないけれど。

 その愛情は、誰よりも正しかった。

 

 

「仇は取る。近衛も守る。アンタの無念は晴らしてやる。

 ―――あくまで、私のやり方で、だけどな。」

 

 

 言いたい事は全て言った。もう彼の亡殻に用は無い。倉庫から出る直前、微かな気配が後ろから漂う。

 その、息遣いすら感じさせる幽気に、一瞬だけ足が止まった。

 だが、それだけだ。死者の声など、とうの昔に聞き飽きている。倉庫を出ると、冷たい雨滴が全身を濡らした。

 

 

「オウオウ、呼ばれて出てきて待っとったら、こないなめんこい嬢ちゃんが相手とはなぁ。」

 

 

 眼前に広がる、鬼、鬼、鬼。あまりにも分かりやすい百鬼夜行。

 雨に霞む鬼の群れが、私の居た倉庫を取り囲んでいた。皆が皆、ギラギラとした視線を私に向けてくる。視線が熱量を持っているならば、頭上の分厚い雨雲ですら一瞬で蒸発させてしまいかねない程だ。

 

 

 ―――ならば私は。

 その熱量すら遥かに届かぬ、凍てつく殺意(さむさ)でお相手しよう。

 

 

「――――――っっ!!?野郎共、気ィ抜くんじゃねぇぞ!!コイツ、唯の嬢ちゃんやない―――正真正銘の、死神やぞぉっ!!」

 

 

 ハ、と乾いた笑いが思わず零れる。

 全く、悪魔だの死神だの、今日一日で偉い言われ様だ。しょうがないといえばしょうがないけど、すでに私には、これ以上無く気の利いた名前(ネイミング)がある。

 

 

 ―――そう、私こそが音階の覇者。

 この世に満ちる全ての音を、数ミリの鼓膜(せかい)に統べし怪物(フリークス)

 

 

「かかれぇっっ!!」

 

 

 鬼たちが一気呵成に攻め立ててくる。振り上げられた金棒は、一瞬で私を肉塊に変えることだろう。

 ―――だけど、遅い。

 

 

 ここは私の演奏会場(オンステージ)。生死の境を突き崩す、一曲限りのソロコンサート。

 聴衆に生者は要らず、独り舞台で旋律()を奏でる。

 

 

 

 

 

 

 それではどうぞ、ご清聴くださいませ。

 

 

 

 

 

 

 鬼と私の距離は、あと数歩分。

 肺一杯に空気を吸い込み、火薬に火を点けるように――――――――

 

 

 

 

Side out

 

 

 

 

 

 

「ああ、居った居った。探しましたえ?何や、倉庫に巫女共が居ったから話しかけたら、サックス担いだ少女に指示された言うとったからなぁ。」

 

 

 唐傘を持ち、飄々とした口調で、千草が千雨に近づく。近付く前から聞き取っていたのだろう、千雨は感情を排したような目で千草を見つめていた。その周りでは、斃れ伏した鬼たちが次々と消えていっている。

 

 

「ココに来る途中、本殿の方見ましたえ?あれだけの惨状作り出しておいて返り血一つ無いやなんて、ホンマ末恐ろしい娘やわ。」

 

 

 軽口を叩くものの、実際にその現場を見た瞬間は、さしもの千草も絶句した。

濃霧のように立ち込める死臭、苦しみ抜いて死んだ亡骸、血で赤く染まった畳。中には力ある術者も居ただろうが、今の彼女の返り血一つ無い様子を見る限り、歯牙にもかけなかったのだろうと予測出来る。

 

 

「御託はいい。それより、リョウメンスクナとやらが封印されてる湖に行く。そこに近衛が連れてかれてるらしいからな。」

 

 

「それも巫女から聞きました。この先の湖やろ?それやったら―――」

 

 

 突如、千草の後方から眩い光が差し込んできた。そして、豪快なエンジン音と共に、1台の4WDが千草の真隣に横付けされた。

 

 

「千雨殿。ご無事で。」

 

 

 車のドアを開けて出てきたのは、楓だった。続いて茶々丸が出てくる。

 

 

「龍宮はどうした?」

 

 

 千雨の疑問に全員が言い淀んだ。嫌な予感がする、という千雨の直感を裏付けるように、茶々丸が答えた。

 

 

「私たちが目覚めた際、同時にネギ先生と神楽坂さんもお目覚めになられまして。うっかり事情を事細かに説明したところ、止める間もなく飛び出していってしまいました。現在龍宮さんが後を追っています。」

 

 

 千雨だけでなく、千草たちからも溜め息がこぼれる。責める気は無いが、何の当ても無いのに直情的に行動されると、こちらとしては手間なだけなのだ。龍宮のフォローに期待するしかない。

 

 

「桜咲は―――」

 

 

「千雨殿。」

 

 

 楓がにこやかに微笑みながら喋りかけてきた。千雨がピクリと眉を寄せる。

 

 

「拙者が刹那殿の方に向かうでござる。木乃香殿奪還は、千雨殿と茶々丸殿に任された。――――それでは、ご武運を。」

 

 

 千雨の返事を聞くことなく、楓は暗がりに姿を消していった。茶々丸の視線に、軽く両手を上げる動作で答える。

 

 

「話はまとまったようやな?」

 

 

 いつの間にか煙草を吹かしていた千草が、運転席のドアに寄りかかりながら千雨たちを見る。千雨は首肯を一つだけ返して、車に乗り込んだ。

 運転席に千草、助手席にフェイト、後部座席に栞、調、環の3人が座る。

 

 

「ほんなら行きまひょか、最後の舞台(ステージ)へ。」

 

 

 煙草の匂いが満ちる車に、エンジン音がいっそう大きく唸り始めた。

 

 

 

 

 

 


(後書き)

 お待たせしました24話。助けてくれ?うん、それ無理回。消失の朝倉さんが好きです。昨日までの日常とは完全に異なることを如実に示している感じが何とも。

 

 そんなわけで千雨さんショウタイム。心象的には2巻あたりのレヴィ。保険には入ってるんだろ?ならオーケーじゃねぇか、的な。もうちょい派手目にしても良かったのですが、殺し屋ってのは闇の中で目立つことなく暗躍すべき存在だと思っていますので、これぐらいが丁度良いかなぁ、と考えました。

 

 心情描写はかなり久しぶりだったので、少々手こずりました。立ち直るの早いなぁオイと思われてるかもしれませんが、別に立ち直ったわけではありません。自分を殺そうとする存在を嗅ぎ取ったので、そいつらに制裁を、と考えているわけです。でも、後々のためにもう少し書き足すかもしれないです。

 

 そして皆様が総ツッコミされたであろう千雨の身体描写。バストサイズはウィキで身長とバスト、ウエスト調べて測りました。中学生でCカップとかスゴイな。美脚については千雨を語る上で絶対に譲れぬこだわり(=妄想)です。大き過ぎず小さすぎない胸と、余分な肉の付いていない足、ちょっと斜に構えた感じで、ツンデレオプションLv1付き…待て、これだけ見るとパーフェクト美少女じゃないか千雨って…!?

 

 ネギま本編最終回のアダルティ千雨への想像が掻き立てられた皆様、その熱いリビドーを掲示板なりWeb拍手なりにぶつけてくれ…!私はそれを明日へ繋がる糧としよう…!

 

 今回のサブタイは東方永夜抄より、ステージ5&中ボス因幡てゐBGM「シンデレラケージ〜Kagome-Kagome〜」です。…ハッ!?千雨にウドンゲのコスプレさせたら超似合うんじゃね!?勿論眼鏡はそのままで!!

 

 さて、後書きというより妄想の垂れ流しになってしまいましたが、次回は前回の小太郎死亡よりもさらに物議をかもす内容となっています。ご注意ください。

 

 最後になりますが、シルフェニア様7000万ヒットおめでとうございます!

 

 それではなるべく速めに書き上げます!アデュー!

 

 

 

 

 

 

 さて、それじゃまほよの続きをやるか…。

 

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