コードギアス反逆のルルーシュR2
              Double  Rebellion














TURN-17 第二次トウキョウ決戦(後編)


混戦状態の続く戦場では、既にトウキョウ租界に光が灯っている。
もうほぼ全域に、だ。

(既に時間切れだ……)

既に灯りが点いた時点で黒の騎士団側の劣勢は目に見えていた。
まず数に違いがある。
このままではまずい。
ライは政庁に向かいながらそう考えていた。
それに正直最近のルルーシュの命令には無理があるとも考えていた。
まあ、それがナナリーの安全によるものだとわかっているからライは何も言わないでいる。
ライはルルーシュのそういう所を理解していたし、ライ自身にも責める筋合いはない。
その時、レーダーの端に蜃気楼の反応が映った。
しかし、その周囲には敵の反応もある。
ライはその中の一機に見覚えのある反応を見つけた。

「ナイトオブテン…!」

(キュウシュウからトウキョウ租界に来ていたのか)

ありえない話ではなかった。
今自分がそうしていたようにブリタニア側が援軍に来てもなんら不自然はないのだ。

(急いだ方が良さそうだ…!)

そう考え崩月の出力を上げたところだった。
レーダー後方に新たな反応が映ると同時にそれが凄まじいスピードでこちらに向かっている。
ライは一旦崩月の足を止め、その方向を振り仰いだ。
そして、視界に見た物は赤い流星という表現がぴったりで、それは瞬く間に角ばった軌道を描きながら、崩月の前に降り立つ。
それは外観が変わっていても、ライには見覚えのある物だった。

「紅蓮!?ということはカレンか!?」

『そうよ』

ライの声に応えるように紅蓮に乗っていたカレンが通信を開いた。
画面に映る彼女の無事な姿にライは安堵した。

「良かった。報告は聞いたが、無事だったみたいだな」

『心配してくれてありがと』

「でも、その紅蓮は……」

『手土産ってとこかな。……さて、再会の喜びはこれくらいにしておきましょ』

カレンにそう言われ、ライも表情を戻す。

「そうだな。今はそれよりも……」

『ええ、ゼロを』

今こちらが窺える限り、蜃気楼は何故か全く動いていない。
いくら絶対守護領域があるからといって、これはあまりにも不自然だ。
おそらく、何かしらの手段で拘束されていると見るべきだろう。
とりあえず打つべき手は……。

「カレン、君は蜃気楼を囲んでいる四機の内下方の二機を頼む。残りの上二機は僕がやろう」

『…わかったわ』

そう言うと同時にカレンが笑った。
ライが不思議に思って問うと。

『また黒の騎士団の双璧の復活ね』

そう言われると、ライも不謹慎だと思いつつも笑ってしまう。

「そうだな。なら、双璧復活ということだ、一つ派手にいってみようか!」

『ええ!』

直後、二機は同時に飛び出した。




















ルルーシュは今危機にさらされていた。
ライと別れた後、政庁に向かう途中、敵機にハーケンで捕縛されてしまったのだ。
ブリタニア軍との戦闘の途中でのいきなりの奇襲。
操縦技量が足りないルルーシュでは完全にかわせるとまではいかず、一本に捕らえられてしまうとそこからはすぐに蜃気楼の四肢を完全に捕らわれ、一種の磔状 態になってしまった。
蜃気楼を捕らえたのはナイトオブテンの直属部隊『ヴァルキュリエ隊』で、ハーケンで蜃気楼の動きを封じているピンク色のヴィンセントが四機。
そして、今最もまずいのは蜃気楼の前方に展開した絶対守護領域に右腕のブレイズランスを突き立てているパーシヴァルである。
ぶつかり合うシールドとランスから火花が飛び散っている。

「くっ……!」

『堅いだけが取り柄のナイトメアなど。ヴァルキュリエ隊!絶対に放すなよ!』

『『『『イエス・マイロード!』』』』

スピーカーを通して相手方の声が聞こえてくる。
さらにパーシヴァルが力任せにドリルを押し込んでくる。
動けないまま、懸命にこらえる蜃気楼。
しかし、このままではいくら絶対守護領域といえど押し切られるのは目に見えていた。

「このままでは……!」

ルルーシュは斑鳩に通信を繋げる。

「こちらの援軍はどうなった!?」

それにオペレーターの水無瀬が応える。

『まもなく玉城さんが。それより太平洋上に敵影です!』

「それがどうした!」

『ゼロ、俺だ』

言って、扇が通信をしてくる。

『敵の正体はブリタニア皇帝の旗艦らしいんだが……』

その言葉にルルーシュは顔色を変えた。

「何!?あいつもこのエリア11に!?」

そのとき、斜め下方から数機のナイトメアが蜃気楼へ攻撃するパーシヴァルへ射撃した。
パーシヴァルは蜃気楼への攻撃を中断し、シールドでそれを防ぐ。
攻撃したのは黒の騎士団の暁だった。

『おらあ!ゼロを放しやがれ!てめえらの相手はこの玉城真一郎様が相手……』

しかし、口上もそこまでだった。
パーシヴァルは攻撃を受け止めたシールドからミサイルを暁部隊に向けて発射する。
ミサイルが暁部隊に直撃する。

『どわあ!』

爆散の寸前、強制射出されたインジェクションシートが叫び声と共に宙に弧を描き、遠ざかっていく。

『くっそぉ!何で俺はいっつも……』

だが、一見無意味に見えた玉城達の攻撃も、決して無意味とばかりは言えなかったようだ。
少なくとも、蜃気楼に乗るルルーシュにはそう見えた。
今パーシヴァルは蜃気楼への攻撃を中断し、ごく短い時間ではあるが、暁部隊に気がそれている。

「よし!今なら」

こちらが装備した拡散相転移砲を放つ隙も……。
しかし、ルルーシュにそんな判断をさせたことこそが、ナイトオブテン、ルキアーノの狙いであった。
拡散相転移砲を発射するため、一瞬、展開を解いた蜃気楼のシールド。
そこに即座にパーシヴァルのブレイズドリルが突き立てられる。

「なっ!」

驚愕したルルーシュに浴びせられるブリタニアの吸血鬼の笑い声。

『待っていたよ、ゼロ。攻撃する瞬間にはシールドは張れまい?さあっ、お前の大事なものを飛び散らせろぉっ!』

さらなる高速で回転するパーシヴァルのドリル。
これでは、絶対守護領域も間に合わない。
削り取られる装甲、穿たれる穴。

「こ、このポジションでは…!」

さらにドリルが進む。
ルルーシュもさすがに目を閉じ、叫んだ。

「ナナリーッ!」

が、しかし。
覚悟した痛みと衝撃は来なかった。
勘の鋭いナイトオブテンは少し上方を見上げ、パーシヴァルを下げた。
直後、赤い流星と二つの斬撃波が四機ヴィンセントに高速で迫る。
そして、瞬く間に動く赤い流星は下の二機を、二つの斬撃波は上方のヴィンセント二機を切り裂いた。

「え……」

不意に支えを失ったように感じたルルーシュは思わず目を見開いた。
側面モニターを見る。
そこには、たった今蜃気楼を拘束していたハーケンのワイヤーが千切れ、爆発炎上しているヴァルキュリエ隊のヴィンセントの姿があった。
いや、それだけではない。

『っ!』

『うそ!やられたの?』

それぞれの絶叫と共に破壊されたヴィンセント達。
下方二機は完全に破壊され、上方二機はインジェクションシートが射出されていく。
そして、破壊が完全に終わったとき、前方に二機のナイトメアが降り立った。
それはルルーシュがいつも頼りにしていた蒼いナイトメアと天使の羽めいたフロートユニットの翼を広げる赤いナイトメアだった。





















「こんな所までご苦労だな、ナイトオブテン」

『ほぉ……』

『ライ……。それにカレン、なのか……?』

呆然としたつぶやきを洩らしたルルーシュの声が聞こえた。
そして、カレンがそれに応える。

『ゼロ!親衛隊隊長、紅月カレン。ただいまをもって戦線に復帰しました!』

はつらつとした声だ。
だが、ルルーシュが次に気にしたのは機体の方だった。

『しかし、その機体は……』

すると、カレンは一瞬沈黙し、そしてやや悪戯っぽいとさえ言える口調でこう答えた。

『手土産です』

その言葉は先程ライに言った言葉と同じものだった。
ライはそれに微笑すると、すぐに表情を戻してルルーシュ=ゼロに告げる。

「ゼロ、カレン、君達は政庁に。ナイトオブテンは僕が引き受ける」

『大丈夫なの?』

カレンの言葉にライはパーシヴァルを睨みつつも答える。

「心配はいらない。あれとはキュウシュウ戦での決着が着いてないからね。いい加減、この辺りで白黒つけておきたいのさ」

『そうか……。なら、任せる。カレン、お前は私と共に政庁に』

『そうはさせない!』

ゼロの言葉を遮るようにスザクが言いながらこちらに接近してくる。
どうやらこちらの防衛ラインを突破したようだ。

『枢木スザク!』

ギルフォードのヴィンセントが追いすがろうとするが、その間に割って入ったトリスタンに攻撃される。
なんとかそれを回避するヴィンセント。
ナイトオブスリー、ジノの相手はサザーランド・ジークとヴィンセントの二機がかりになりそうだ。

『カレン、どくんだ!』

『どけないよ、スザク!』

ランスロットがハドロンブラスターを放つ。
それを紅蓮はなんと右手の輻射波動で完全に受け止めた。

『止めた!?ハドロンブラスターを!?』

ハドロンブラスターを紅蓮に止められた事にスザクは驚いているようだった。
その後、カレンはナイトオブスリーのジノと面識があるのかスピーカーを通じて話をしていたようだが、ライは既にそちらに意識を向けるのをやめていた。
目の前のパーシヴァルが痺れを切らしたのか、崩月に向けてミサイルを発射してくるのを、ライは操縦桿を倒して巧みにかわしていく。
かわした直後、崩月は輻射波動砲をパーシヴァルに放つ。

『おっと』

なんとナイトオブテンはそれを近くにいたヴィンセント・ウォードを身代わりとする事でかわした。
こういう戦術を平然としているがゆえに、彼は味方からも忌避されている。
再びパーシヴァルと崩月が正面から向かい合う。
すると、ナイトオブテンが低く笑いながら外部スピーカーを通じて呼びかけてきた。

『イレヴンよ、戦場の真実を知っているか?』

ライはそれに答えない。
ナイトオブテンは構わず続ける。

『日常で人を殺せば罪になるが、戦場ならば殺した数だけ英雄となる』

ライはそこで同じように外部スピーカから答えを返す。

「……ブリタニアの吸血鬼は英雄になりたいのか?」

『いいや』

ナイトオブテンはげらげらと笑っている。

『公に人の大事なものを、命を奪えるとは最高じゃないかって話さ』

「おまえはそうだろうな」

ライは低い声でそう返した。
キュウシュウ戦で対峙した時、相手の言葉と行動からそんな事を言うぐらいライは察しがついている。
そして、次の瞬間ライは刀を振るって蒼破閃を放つ。
パーシヴァルに蒼い斬撃波が襲い掛かる。
しかし、ナイトオブテンはそれを読んでいた。
ミサイルの撃ち尽くした盾を前面に構え、斬撃波を防ぎながら、一気にパーシヴァルが空を奔る。
肉薄する両機。
パーシヴァルが半ば切れた盾の横から、例のブレイズドリルを崩月に突き出す。

『これでえええっ!』

「月牙」

対する崩月も月牙を繰り出す。
凄まじい衝突音。
しかし、それも一瞬で崩月の刀がブレイズドリルごとパーシヴァルの右腕を破壊する。

「残念だったな」

『いいや、これで間合いは詰まった』

メインの武装を潰されながらも、ナイトオブテンの表情は歪んだままだった。
直後、パーシヴァルが頭を下げた。
そこにあった鶏冠のような頭部パーツ、ヘッドハーケンが発射される。
それが容赦なく崩月を貫く。

『ライ!!』

ルルーシュ=ゼロの叫びが聞こえる。

『フッ……』

ナイトオブテンも仕留めたと顔を嘲笑の色に歪めた。
しかし、すぐに違和感に気づいた。

(何だ……?手ごたえがない…!?)

直後、ナイトオブテン、ルキアーノの乗るコクピットに震動が走る。

「な、何っ!?」

そこで初めてルキアーノの顔が嘲笑ではなく、驚愕のために歪んだ。
そう、つい先程仕留めたはずの崩月が後ろからパーシヴァルの頭部を輻射波動の左手でがっしりと掴んでいたのだ。

『な、何故…!貴様は先ほど仕留めたはず…!』

「奥義弐の型・霞月(かすみづき)」

ライはそれだけ言った後、続ける。

「これは相手に自身の認識を錯覚させるかなり特殊な奥義でね。影のうすい二代目が編み出した技だ。おまえは僕があの場に止まって、ハーケンで仕留めたと錯 覚したのさ」

『……!』

それでルキアーノにも合点がいった。
だから、あの時貫いたはずなのに手ごたえがなかったのだ。
加えて、ライは言わなかったが、停止から急加速へというチェンジオブペースを加える事で、ルキアーノに一種の残像を見せていたのだ。
これをしたのは、ナイトメアという機械越しの懸念があったからだ。
霞月は生身の人間相手には通用するが、ナイトメアという機械越しの人間に通用するかは、試した事がない故ライ自身まだ確証がなかった。
それにレーダーが探知する崩月の反応自体は消せないとライ自身も理解していたのもある。
だが、一瞬のやり取りならば話は別だ。
この一瞬のやり取りの中でレーダーを見る奴など、まずいない。
加えて、霞月による相手への認識錯覚と相手に神速のチェンジオブペースにより残像を見せる事で、相手がライを仕留めたという錯覚を確実に持たせることがで きる。
つまり、霞月と神速のチェンジオブペース、この二つを同時に使う事により、ライはまんまとルキアーノを騙し、パーシヴァルの脇を抜けて後ろに出たのだっ た。
だが、その全てを理解していないルキアーノでも、そんなに難しい事をまさかやってのけるとは、と驚愕している。
ちなみにそれを見ていたルルーシュは、残像のみでライがやられたと錯覚していた。

「最後の質問だ」

ライの声が再び響く。

「あなたの大事なものは自分の命だけか?」

それでかっとルキアーノは憎悪の目を見開いた。

『脅しのつもりか、イレヴンがあ!』

「じゃあな」

ライが冷たく言い放つと同時に崩月が左腕からゼロ距離輻射波動を解放した。
パーシヴァルを内部から融解し、破裂させていく。
一気にパーシヴァルの全身を貫くエネルギー。
コクピットが沸騰し、灼熱の大気がルキアーノの周囲を包み込む。

『う……奪われる!?私の命が?こ……このサルがああああああああああああああ!!』

ナイトオブテン、ルキアーノ・ブラッドリーの最後の言葉と共にパーシヴァルは爆散した。






















爆散し、ボロボロの破片となって落下していくパーシヴァルを眼下にライは冷たく見ていた。

「だいたい本当の人殺しは自分で天才なんて言わないんだよ」

一方ルルーシュは悠然と空を漂っている崩月を呆然とした眼差しで見ていた。

(ライ……なんて奴だ…)

正直、ルルーシュはライの実力を知っていたが、ここまで腕を上げていた事に驚きを隠せなかった。
そう、ライは今までの実戦を経て着実に腕を上げていたのだ。
そして、ついにラウンズを上回る実力を手に入れた。
そういう事だった。
ライは撃破したパーシヴァルにはもう目もくれず、ゼロに通信をかける。

「ゼロ、僕はこれから政庁に向かうよ」

その時既にルルーシュも冷静を取り戻していた。

『ああ、そうだな。俺はまだ行けそうにない。……頼めるか?』

「まかせてくれ」

ライはそれだけ答えて、崩月を飛翔させた。

『待て!』

それにスザクのランスロットが追いすがろうとしたが、カレンの紅蓮に牽制させられてライの崩月を追う事はかなわなかった。



















ライは政庁方面へ崩月を飛翔させる以前からある懸念があった。

(何だ…?嫌な予感が止まらない……)

ライはそう思いながらも、少し急いで政庁に向かっていた。
その時だった。
コクピット内に通信を知らせる電子音が響く。
続いて、通信パネルが画像と音声を映し出した。

『ライ君……朝比奈だ』

「どうしたんです、朝比奈さん。もしかして、そちらに何かあったんですか?」

崩月の飛翔滑走翼を停止させずにライは答えた。
すると、朝比奈は一度沈黙してから、さらに述べた。

『木下が死んだ……』

「え?」

『だから、君に聞きたい事がある』

ライは要領を得ない朝比奈の言葉に少々困惑したが、朝比奈の言葉に断固とした意思を感じた。

「何です?」

『僕はゼロが信用できない。……だから、木下が死ぬ前に例の作戦がどのようなものだったのかをもう一度聞いた。同じ日本人として、同じ志を持つ者とし て……』

「………」

『それで彼はこう答えてくれた。「……ライ門外顧問に聞いてください。確かにあの作戦は到底納得のいくものではありませんでした……。ですが、ライ門外顧 問はそれを承知で私達にその覚悟を共に背負ってくれると言ってくれました。だから、自分はあれからゼロではなく、ライ門外顧問に付いていく事に決めたんで す。彼は、彼の信用だけは裏切れない。だから、作戦の事はライ門外顧問に聞いてください。朝比奈さんの意志をこめて、聞けば彼はきっと答えてくれるは ず……」……そう言ってね。だから、君に聞きたい。君達が参加させられたあの作戦……あれは一体何だったんだい?』

ライはそれを聞いてやや俯いた。
木下は最後までゼロではなく、自分を信じてあの作戦の事を明かさなかった。
彼はライの信頼に信頼という形で応えてくれたのだ。
ライの眼が熱くなる。
彼の意志を、朝比奈の言葉を信じるのなら、僕は……。

「……わかりました。ただし、この作戦が終わってから説明します。僕もやる事がありますので。……それでいいですか?」

『……わかった。こんな時にすまなかったね』

「いえ……。では、僕はこれで……」

(もう隠し通す事なんて不可能なのかもしれない……)

ライは黒の騎士団の現状を見てそう思えるようになってきた。
そして、ルルーシュがゼロでいられる時間はそう長くはないと。
ライは表情を戻して、政庁に向かった。
まだ嫌な予感は止まらない。






















ランスロットが再びハドロンブラスターを放つ。
紅蓮はそれをまたも輻射波動の盾で易々と防ぎ、急速に接近してくる。

「接近戦に持ち込もうにも…!」

『スザク、あなたの相手はカレンじゃない!ゼロでしょ!』

完全に押されている。
そんな中、ニーナが通信からそう叫んでくる。
しかし、構っている余裕すらない。
完全に紅蓮の反応が速過ぎる。
以前戦ったあの崩月とかいう機体より速い。
いや、正確にはランスロットの反応が追いつかないのだ。
以前ロイドやセシルが指摘した弱点がそこに表れていた。
ヴァリスのハドロンブラスターの反動を抑えるために、フロートユニットに加えられた微調整。
機動力が足りない。
逆に相手の紅蓮とカレンは輻射波動砲の反動すらものともせず、縦横無尽に空を駆け回り、ランスロットへ矢継ぎ早の攻撃を繰り出している。
かろうじて致命傷だけは避けているが、いつまでもこんな戦闘を続けていたら、落とされる。

一方、そんな二機の戦いを、ルルーシュは蜃気楼のメインモニターで見ていた。
紅蓮に加勢することはしなかった。
そんなことをしたら、かえってカレンの邪魔をしてしまう。
あれは、傷付いた蜃気楼と自分の技量でついていける戦闘ではない。
ライならついていく事は可能だろうが、あいつには本来の目的の遂行をまかせてある。
その時通信を知らせる電子音が鳴る。

『ゼロ様』

地上、政庁に突入した工作員部隊の咲世子からの通信だった。

『総督を発見しました!』

待ちに待っていた報告であった。
思わずルルーシュの顔がほころぶ。

「そうか!よくやった!」

『ロロ様はナイトメアを鹵獲した後、こちらの護衛につくとの事ですが……』

「わかった。ライも政庁に向かわせたから、二人の到着を待って、政庁を脱出しろ」

ブリタニア軍の中枢にある政庁からの脱出には危険がともなう。
ナナリーを安全かつ確実に連れ出すにはライとロロの力が必要になる。

『かしこまりました』

「よし。これで勝利条件はそろった」

そうして、ルルーシュはぎらりとした光を瞳に宿らせ、今度は通信を戦闘中のカレンへと繋ぐ。

「カレン!一気にスザクを討て!そうすれば、邪魔者はいなくなる!」

『はい!』

とたんに、紅蓮の動きがさらに速度を増した。
現在可能な限界出力まで動力システムを過熱させたようだった。
既にあちこちに軽いとはいえ、傷を負い、装甲が欠けているランスロット目掛け、一直線に迫る。

「っ!」

その姿はスザクにも見えた。
しかし、見えただけだ。
とても反撃になど転じられない。
距離を取ることさえできるかどうか。

『逃げるんだっ、枢木卿!』

『今のランスロットじゃ!』

通信機を通じて聞こえたのは、アヴァロンにいるロイドとセシルの必死な声だった。
しかし、スザクは首を振った。

「でも、ゼロが!」

『この〜!』

『朴念仁!』

2人の絶叫がコクピットの空間を震わせたとき、ついに紅蓮の攻撃がランスロットをとらえた。
輻射波動を円形のブーメラン状に調整して、それが放たれ、ランスロットのハドロンブラスターが真っ二つに破壊される。

「ち…違いすぎる。マシンポテンシャルが……」

今度は紅蓮の右腕がスラッシュハーケンのように肘から先のアームが射出され、ランスロットに迫る。
とっさにスザクはブレイズルミナスのシールドでガードしたが、シールドごと握りこまれる。
ガードしたかと思われたが、出力が違いすぎるのかシールドを潰され、腕を直に掴まれる。
その衝撃で弾け飛ぶMVS。
咄嗟にスザクはランスロットの左腕をパージする。
直後、輻射波動によって破壊される左腕。
なんとか飛んだMVSをランスロットは右手でキャッチする。
対する紅蓮はワイヤーを巻いて右腕を戻す。

その様子を見て、トリスタンのジノも援護にまわろうとするが、ギルフォードのヴィンセントとサザーランド・ジークにより邪魔されてできない。

『ヴァインベルグ卿!』

『邪魔をするな!ギルフォード卿!』

そして、ニーナからも通信機から叫び声が聞こえる。

『撃ってよ、スザク!フレイヤなら!』

「駄目だ、これはあくまで脅し。使ってしまったら……!」

フレイヤ弾頭。
無論、事前に説明を受けて、スザクはそれが何なのか知っていた。
広域型の戦略兵器。
と言えば聞こえはいいが、それは要は大量破壊兵器だ。
膨大な空間内の物質を全て原子の塵に返す、新型核弾頭。
帝国宰相シュナイゼルが帝国科学局とカンボジアにあるトロモ機関を使って開発、生産させた。
戦争の質を根本から変えかねない殺戮兵器。
それがいま、このランスロットに一発だけ搭載されていた。
確かにあれを使えば、この窮地を脱する事ができるかもしれない。
しかし、スザクにはできなかった。

なにしろ、撃つ位置を間違えれば、今ランスロットの下にあるトウキョウ租界そのものを消し飛ばしかねない兵器である。
万が一、どうしても撃たなければならない状況になったとしても、人的被害の出にくい超高空、もしくは海上で炸裂させ、その威力だけを黒の騎士団に見せ付け る必要があった。
そうして初めてこの兵器には意味があるとスザクは考えていた。
戦闘に対する抑止力。
この種の兵器の持つ意義はそこだ。
そして、だからこそ、こんな租界に近い場所で、多くの人々の傍で使うわけにはいかない。

ランスロットが反撃にMVSを振り下ろしたが、紅蓮はそれを受け止め、刃と刃で挟み込むとそれを捻ってMVSを折った。
さらにランスロットが左足の回し蹴りで攻撃するが、左足ごと攻撃前に紅蓮に切り飛ばされてしまう。

「……勝てない」

続いて一閃される紅蓮のMVS。
右の額が切り飛ばされる。

『さようなら、スザク』

『殺せ!スザクを!』

ルルーシュの憎しみのこもった叫びが戦場に響き渡る。
カレンの紅蓮が再びランスロットに迫る。
右腕が赤く輝いている。
輻射波動だ。
とどめにくるつもりなのだ。
だが、もはやスザクとランスロットにはそれをかわす力など残っていなかった。

『撃ってよ、フレイヤを!あなたも助かるのに!』

ニーナの悲痛な叫びにもスザクは応じようとはしなかった。

「でも、それだけは……!たとえ、ここで死ぬとしても……ああ、そうだ……」

コクピットで呟くスザクの言葉から力が失われていく。

「これは償いなんだ……」

この戦争を止められたかもしれない自分。
にもかかわらず、止められなかった自分。
その自分に対するものだ。

「受け入れるしかない……」

スザクの手があるスイッチに伸びる。
ランスロットの背に積んだフレイヤ弾頭。
その強制離脱を行うためのスイッチ。
紅蓮の輻射波動がこの身をとらえれば、背中のフレイヤも誤爆を起こしてしまう可能性がある。
せめて、それだけは避けなければならなかった。

「ここで……俺は……」

(死……)

だが、スザクがそう思った瞬間であった。

『生きろ!』

それはかつて、1人の少年が自らに投げかけた命令。
願い。

輝きを失いつつあったスザクの瞳に光が戻る。
ただ、それはどこまでもまがまがしい赤い光だった。

「お、俺は……生きる!」

フレイヤの強制離脱スイッチに伸びかけたスザクの手が止まる。
逆にその横、安全装置の解除を行うレバーをすばやく掴み、手前に引く。
さらに、動きの止まっていたランスロットも再起動した。
紅蓮の輻射波動の右手をわずかに後退することでなんとか避けると、腰からその特殊なランチャーを引き抜く。
キャノンギミック展開。
照準……前方ナイトメア及び戦略パネル中央、展開中の敵部隊。
用意されていた発射スイッチのカバーをはずし、少年の指はボタンを押した。













瞬間、人々を無が襲った。













「なに?」

自分に向かって放たれた奇妙な形のミサイルを、紅蓮の超絶的な反応でかわしたそのとき、カレンの背に理屈ではない悪寒が走った。
考えることもせず、ためらうこともせず、カレンは己の勘が示すまま、一気に撃たれたミサイルから距離を取った。











「っ!?馬鹿野郎!スザクッ、おまえ」

カレンとは違い、己の知識によってそれを知ったジノは怒鳴り、トリスタンを最大戦速で飛翔させる。
こちらもミサイルから機体を避難させる、
トウキョウ租界の象徴とも言える、政庁の建物。
その上空でミサイルが強烈な閃光を放ち始める。









政庁に向かっていたライはその瞬間、今までにない鋭くて大きい悪寒に襲われた。
まるで全身の肌が泡立つような、そんな感覚だった。

(何だ…!?)

それとほぼ同時に上空の光に気づき、振り仰ぐとそこに一基のミサイルが閃光を放ちはじめていた。
それを見た瞬間、ライは悟った。

(…!!あれは、何かヤバい!!)

直感でそう感じたライはすぐに機体を政庁から全速で退避させる。
戦士の勘とでもいった方がいいだろうか。
カレンと同じようなものだった。
その間にブリタニア軍は後退し、それを不審に思った黒の騎士団も現空域から後退した。
















そして、その光景はルルーシュの目にも映っていた。

「まさか、あれがスザクの言っていた」

呟いたそのとき、ルルーシュは気づいて大きく瞳を見開き、絶叫した。

「ナ、ナナリィィィィィィィィィッ!」

悲痛な叫びの瞬間、彼の最愛の妹がいるはずの政庁の上空で、光が収束し、フレイヤ弾頭が破壊の光輪を一気に広げる。
爆発的に膨張した光が政庁を呑み込んでいく。
先端から原子レベルにまで分解されていく要塞。
あれほどの堅固を誇った政庁が、まるで日の光に溶けていく幻影のように形を失っていく。
さらに光は物凄い勢いで政庁全体を包み込み、さらに周囲に拡大していく。
そして、無謀にもその中にルルーシュが愕然としながらも、蜃気楼を前に進めようとした時だった。

『お逃げくださいっ、姫様あああっ!』

ギルフォードのヴィンセントがフレイヤの光に近づこうとしていた蜃気楼を後方に吹っ飛ばした。
体当たりで蜃気楼を下げたヴィンセントはそのまま反動で逆側に後退し、足の先から光に呑まれていく。

『姫様っ……生きてください……生きて』

通信はそこで途切れ、ヴィンセントは光の中に消えた。
もう言葉も出ない。
現実を認めたくないルルーシュの開ききった瞳だけが眼前の巨大な光球を見つめている。

















そして、次の瞬間、フレイヤの光は消え失せ、真空となったその空間に空気が流れ込む。

「くっ!」

かなりの突風に飛ばされないようにライは崩月を必死に制御する。
そして、それが終わった時には空は晴れ渡っていた。
いつの間にか夜明けが近づきつつあったのだ。
ライは改めてメインモニターを見る。
だが、そこには何もなかった。

あるのは、ぽっかりとした円形の大穴……クレーター……。

そこには都市があった。
そして、そこにはライの大切な人達が存在しているはずだった。
しかし、何もない。
助けようとしたナナリーはあの光の中に消えていった。

「ぁ……あぁ……」

ナナリーが消えたという事実が、人々が消えたという事実が、ナナリーとの思い出と共に、過去にライが妹を、全てを失った光景が蘇ってくる。

「う、うあああああああああああ!!!!」

ライの慟哭がコクピット内に木霊した。
それはライが抑えきれない感情を露にした瞬間であった。




























あとがき


私も本編で大好きな話の17話(本編は18話)を前編と後編の二部構成でお送りしました。
今回はいつもより少し早めの約20日ぶりの投稿です。
今は休みの時期で余裕がありましたので、投稿できました。
これも余裕ができたおかげですが、読者の皆様の応援のおかげでもございます!
感想とか読んでると、やる気が出てきますから。

今回は前編が原作よりに書きつつ、ライとアーニャが初めて互いを敵同士と認識した話に、後編がライVSルキアーノの決着、そしてトウキョウ租界が消失する という話にしました。
紅蓮聖天八極式も後編で登場しましたね。
相変わらず原作と同じで大活躍です(笑)
前編も後編も原作よりの話となっていますが、自分はこういうのをやってみたかった、というのを表現した話でもあります。
まず前編は、前半がルルーシュ中心の展開で、後半からはトウキョウ租界に援軍として駆けつけたライ中心の展開という構成の話にしています。
前半部分はだいたいが原作通りといってもいいのですが、順序や構成などを再び考えていくのに苦労しました。
原作通りと言っても、表現するのが結構難しいので。
後半部分はライとアーニャが恋人同士でありながらも、敵として再会するというものでした。
何故アーニャが、ライだとわかったのかは本文の通りなのですが、強いて言うなら女の勘ですね(笑)
伊達に恋人をしていない、みたいな感じです。
ここはひとまずアーニャがライを改めて敵と認識する話で、決着(?)自体はまだ先になります。

続いて後半ですが、こちらは紅蓮聖天八極式の登場、ライVSルキアーノの決着、後紅蓮の大活躍がメインとなっている話ですね。
崩月、紅蓮の活躍が中心の話になっているかと思います。
紅蓮の登場からライVSルキアーノに行った訳ですが、正直決め手となっている奥義はかなり微妙なものとなりました。
書き始めた当初に気づいたのですが、認識させるだけでは物凄い違和感があったんですよね(汗)
そこで、無理がないように残像も付けて、虚と実みたいな感じで見せるという事を考えた末に思いつき、書かせてもらいました。
それでもまだ無理があるかなぁ〜とは思っているのですが、書きたかった場面でもありますので、不可能じゃないだろと思って書かせてもらっています。
だから奥義の内容は本文に書いてある通りです。
ルキアーノとの決着でウルフを出す事を望んでいる読者もいたのですが、私はあえて出さない事を選びました。
ウルフとどこか似ているルキアーノを敵として改めて見つめる。
そして、過去の自分がどういうものだったかを振り返り、今の自分を見つめ直すという面を出したくてそうしました。
後、ライの実力が上がった事を証明するためにも。
同世代の機体での決着(特にラウンズ)は原作の方ではほとんどなかったので。
それを表現できたかどうかは微妙なんですけどね(苦笑)
そして、紅蓮聖天八極式は原作通り大活躍ですね。
ライVSルキアーノをやった事で出番は減っているんですが、相変わらずスザクをボコボコにするという所は変わりませんでした。
あの場面私的には結構好きなので(笑)
こう今まで強すぎなイメージがあったスザクがボコボコにされるところがなんか良くて……。
フレイヤを発射してしまうシーンも原作とほぼ変わらずという感じにしています。
ライとスザクが戦うシーンを希望する声もあったのですが、それはお預けという事にしました。
私も一時期は考えたのですが、さすがにラウンズ2連戦じゃあまずいと思ったのと、紅蓮の出た意味がないじゃないかという事でなしにさせてもらいました。

結果は原作と変わらない、トウキョウ租界が消失するというものでしたが、どうでしたでしょうか?
ライとアーニャの恋人なのに敵として対峙、ライVSルキアーノの決着、紅蓮の活躍などほぼ戦闘シーン中心のお話でしたが、単純に燃えたという話でもないと 思います。
もちろん燃えてくれたなら嬉しいのですが、今回のはアーニャとの対峙のおかげで戦闘なのに少し甘いというか不謹慎な感じが出てましたから。
前回とはまた違う戦闘中心のお話でしたが、楽しんで頂けたのなら作者としてはとても嬉しいです!

さて、そんな結果から気になる次回ですが……。
まあ、あれですね。
原作と同じゼロの正体がバレてしまう話です。
果たしてライはどうするのか?
ゼロ=ルルーシュはどうなってしまうのか?
次回もお楽しみに。
ただし、あまり伏線らしい伏線がないので、過度の期待はなさらないように……。
期待をしすぎると幻滅する可能性もありますので……(汗)
って作者がこんな事言ってるようでは駄目なんですけどね(苦笑)

またたくさんの感想とWEB拍手ありがとうございます!
前回の話に燃えたという感想が多くて、とても嬉しかったです!
私も燃えるような戦闘を書けるようになってきたのだな、と。
それと、注意してほしいのですが、WEB拍手には作品に関する感想、質問、アドバイス、後作者が希望したネタや意見以外は書かないようにしてください。
たまに私が感想に対しての返事をWEB拍手に書くのは除くとして。
以前崩月の新武器で名前が似ていたのか、遊戯王カードの名前と内容を書いた人がいました。
しかし、私の武器はそれがネタではありませんし、感想すらなく、ただそれだけ書かれていただけでした。
前回に書いていた武装の設定をよく読まれていないのはすぐにわかりましたし、さすがにこれだけでは意味がわからず、少々腹立たしかったのを覚えています。
せめて、書くなら書くで書いた意図も書いてほしいものです。
この拍手は管理人さんに頼んで既に削除してもらっているのですが、他の読者の皆様も気をつけていただけるとありがたいです。
最初にも書きましたが、せめて作品に関するものを書くように、意味がわからないようなものは書かないでください。
ご協力とご理解のほど、よろしくお願いします。
今回もWEB拍手に名前を書いてくれた方には返事をしたいと思います。
前回と同じように先に書いてくれた人(古い)順に返事をさせてもらいます。
これからはこのようにしていきますので。

>> gengenさん
応援ありがとうございます。
完結まで頑張っていきますので、これからもよろしくお願いします。

>> YAMAさん
そうですか、燃えてくださったようで作者として嬉しく思います。
ラウンズとの連戦、ライ強いですよね。
これでウルフが出たら……勝てるかもしれませんね。
今回の話を見ていただけたらわかると思いますが、最近ウルフは出してないんですよね。
彼の出る幕はおそらく結構先になると思っています。
マリアンヌとダブったのは、彼女の本来の戦闘スタイルが双剣だったからですね。
閃光並のスピードで、双剣と来ればそのようになるかなと思って書かせてもらいました。
小説に載っているので、気になるのなら見てみてくださいね。
読み応えがあったのなら、良かったです。

確かにライ大活躍ですね。
理想の指揮官でもありますし。
ただ、クーデター時の伏線はそんなに……ありません(汗)
あとがきにも書いているので言ってしまいますね(苦笑)
期待通りでなくてすいません。
今回の話、楽しんで頂けたら嬉しいです。

>> リッチさん
晩飯より優先とは……。
嬉しいと同時に驚きました。
私の作品もでかくなったものです。
今回も楽しんで頂けたなら嬉しいです。

>> RRさん
ありがとうございます。
これからも応援よろしくお願いします!

>> ファルーシュさん
毎日確認されているのですね。
嬉しいです。
それに楽しんで頂けて何よりです。
ライとビスマルクの決着は生身ですか〜。
確かに原作では完全に機体の差で勝負が分かれましたからね〜。
それについての言及はあえて控えさせてもらいますが、ちょこっと言っておくとビスマルクとの生身での戦闘はあります。
それは次回以降の話でチェックしてくださいね。

>> 凪時雨さん
そうですよね、私もバトルはいいものだと思います。
ちなみにバトルは全力全開な感じがもちろん好きですが、書いてる私も全力です。

>> ライさん
まさかのこの作品と同じ主人公名の人からの感想ですね。
ストーリーがおもしろいと言って頂けるとは……ありがとうございます。
正直捻りや伏線があまりないというかそれほどできない私の作品なのに、そう思ってもらえてるのはとても嬉しいです。

>> スザクさん
こちらはスザクと同じ名前の人からですね。
続きが気になりますか。
ありがとうございます。
ここ二ヶ月はできるだけ早く書く努力はしようと思っていますが、それほど早くはできないので、気長に待っていてくださいね。

>> 拳王侵攻隊さん
確かに今更な感じもしますが、私も見て、え?そうなの?って思いました(オイ)
ですが、正確には基本色を変えたというか、色の感じを若干変えた感じですね。
基本色はどちらも青ですから。
ですが、確かに本来の意味で取るとそんな感じですね。
私としては、今までその漢字を同じ青として扱っていて月下の色と同じように扱っていたのですが……。
これは単に私の知識不足と調べ不足ですね(汗)申し訳ないです(汗)
私としては、どちらのイメージでも合うと思ってますので、月下の青のイメージでも、ウィキにあるような本来の「蒼」の意味でもどちらでも構いませんよ。
絵とか書く場合には、はっきりした方がいいんですけどね(汗)
とりあえずそんな感じでお願いします。
読者の方々はどちらかのイメージで読んでいると思われますので。

という感じで今回のあとがきは長くなってしまいました。
今回の話も結構思い入れのある部分で、私としては前回と同じように力を入れている作品です。
奥義のあたりは微妙なんですけど、思い入れがあった故に変えなかったりしてるんですけどね。
今回のように出来次第次回の話を投稿できるように頑張っていきたいと思います。
あとがきの後には、恒例となりつつあるなぜなにギアスコーナーがあるので、良ければ是非見てください。
それでは、今回はこの辺りで。
これからも応援よろしくお願いします!
感想もしてくださるとありがたいです!






















なぜなにギアス


ラ「前回お休みしたこのコーナー。ですが、今回もいつものようにしっかりとお届けしていきたいと思います!では、早速ゲストの紹介と行きましょう!どう ぞ!」

カノン(以降カノ)「ゲストとして呼ばれるなんて光栄だわ。よろしくね」

ラ「という事で今回はシュナイゼル殿下の副官であるカノンさんにお越しいただきました。ですが、本当はニーナをゲストに呼んだんですけどね(苦笑)彼女ど うも今回傷心というか、ショックを強く受けすぎたらしくて……。そこで、代理としてカノンさんに来て頂いた次第です」

カノ「私は代理でも構わないわよ。さあ、そろそろ本題に入りましょう」

ラ「そうですね。今回の質問は、フレイヤってどういう兵器なのですか?という内容ですね。大量破壊兵器なのはわかるのですが、普通の核兵器との違いが今一 よくわ からないとの事です。カノンさん、お答えとして説明をお願いします」

カノ「そうね。私がわかりやすく説明してあげるわ。フレイヤという兵器は一言で言えば、空間を完全消失させる新型核兵器なのよ。爆発、熱反応、放射能が全 く発生しない究極のクリーン兵器とも言えるわね。つまり、兵器として一括りに言うなら核兵器という部類なんだけど、普通の核兵器との違いは環境にやさし いって事 かしらね」

ラ「大量破壊兵器で環境にやさしいって……(汗)確かにそれはいい事なんですけど、大量破壊兵器でそれは……ね」

カノ「まあ、コメントし難いのもわかるわ。兵器で環境にやさしいって言われてもピンと来ないかもしれないし」

ラ「ですね。まあ、それは置いておいて説明の続きを」

カノ「そうするわね。フレイヤの詳細を言うと、フレイヤの核反応シークエンスは5段階で進むのよ。第一段階がサクラダイト起爆、続いて第二段階が核分 裂、第三段階がフォールヴァング領域生成、第四段階がセスルームニル球体拡大、そして第五段階がセスルームニル球体縮小および消失・空間転移の順でね。さ らにフレイヤの及ぼす影響圏にも三つの範囲があるのよ」

ラ「え?そうなんですか?」

カノ「ええ。第一次影響圏は消失した空間そのもの。つまり、先ほど言ったセスルームニル球体内部の事ね。その際に空気も消失するから第五段階終了後、圏内 は真空になるのよ。そこに周囲の空気が流入し、第二次、第三次影響圏で突風が発生する。つまり、消失させる範囲よりもさらに広い影響圏を持つ兵器なの よ」

ラ「クリーン兵器って言うわりには、随分と驚異的な兵器ですね。相当おっかないですよ」

カノ「その通りね。でも、普通のフレイヤは効果範囲と起爆時間に制限が加えられているものだから、本来のものよりも随分と威力を抑えられたものなのよ」

ラ「これで、リミッターを解除したら……相当凄い事になりますね(汗)恐ろしい兵器だ……。さて、フレイヤの事、わかってくれたかな?なんか難しい用語 も出ていたけど、それはアニメなんかで照らし合わせてくれるとなんとなくわかると思います。カノンさん、説明ありがとうございました!」

カノ「読者の皆の役に立てたのなら、光栄だわ」

ラ「さて、今回のコーナーは今回の話にフレイヤが初登場したという事で、復習と今後の予習での意味を兼ねて、フレイヤについてお送りさせてもらいました。 次回は……すいません、何をするかはまだ未定です。作者様からの指示が何もありませんからね……。ですが、次回もしっかりと解説していきたいと思います。 ギアスに関する質問などがある人は、気軽に質問をお寄せください。では、また次回にお会いしましょう!このコーナーはライと!」

カノ「私がお送りしたわ。また見てね」



なぜなにギアス 〜終わり〜



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