魔法少女リリカルなのはA's
               Accel of the Rebellion




















第2話 とある日常 〜家族と模擬戦〜



闇の書の守護騎士、ヴォルケンリッターが受け入れられて数週間後の朝……。
ランは既にもう慣れたはやての家に用意された自分の部屋のベッドから起きて、学校の制服に着替えると階段を下りて一階に行く。
すると、もう俺以外は皆起きていたようで、俺に挨拶してくれた。

「おはよう、ラン君」

「ラン、おはよう」

「よーラン!今日は遅かったな!」

「……おはよう」

シャマル、シグナム、ヴィータ、ザフィーラの順で。
俺はいつも通りに返す。

「ああ、おはよう……」

まだ正直眠い。
最近色々とあれの作業で結構遅くなってたからな〜。
ヴォルケンリッターとはあれからそれなりに仲良くやっている。

「あ、ラン君おはよう。もう朝食できとるよ」

「あ〜、サンキュ〜」

はやてが下りてきた俺に気づいてキッチンから挨拶をしてくれた。
俺は用意された食卓の自分の席に座る。
ちなみに主人であるはやてはヴォルケンリッターに蒐集を望まなかった。
本人曰く、「他人に迷惑はかけてはいけない」との事。
そればかりか、ヴォルケンリッターは普通の人間と同等扱いとなっていた。
彼女らは魔法プログラムで、いわゆる魔法生命体に近いものだそうだ。
まあ、そんな彼女らをはやては普通の人と同じに扱ったので、武器もしまう事、服も着る事、食事も取る事。
戦士とバレた俺も、普段武器は使わないように言われている。

「では……」

「「「「「「いただきます」」」」」」

いつの間にか皆食卓に着いていたので、そのまま皆で朝食を取る事となった。
一気に家族が増えたという事で、はやてには喜びの笑みがあった。
増えすぎたかとも思うが、結果的にはやはり良かったと俺は思えた。
そして、しばらくの間朝食を取った後、歯磨きをしてから通学かばんを持って玄関に出る。

「じゃあ、気ぃつけてな」

見送りにはやてとシャマルが出てくれた。
俺は靴を履いてからはやてに振り返る。

「ああ。今日はちょっと済ませる用事があるから、少し遅くなるよ」

「……?どんな用なん?」

「シグナム達の事でちょっと…な」

「?」

当のシャマルは首を傾げている。
当然だ。
俺はまだ彼女達に何も話していないのだから。

「じゃあ、行ってきます」

「うん、いってらっしゃい」

俺は扉を開けてはやての家を出た。

























俺はいつも通り学校で退屈な授業を受けていた。
そして、時は経ち、放課後。
帰る準備をしていたところに、なのは、アリサ、すずかが俺のところへやってきた。

「ねぇ、ラン君。一緒に帰ろ?」

なのはがそう誘ってくる。
まあ、いつもこうしているのだから特に不自然ではない。
だが、今日は用があるので、断る事にする。

「悪い。今日はちょっと大事な用があるんだ。だから、早く帰らないといけないんだよ」

「そっか……」

「明日は一緒に帰るわよ」

「いいかな?」

なのはが残念そうな顔をしたところに、アリサとすずかがそう言ってきた。

「ああ、明日ならいいぜ」

「じゃあ、決まりね。約束よ」

「ああ、約束だ」

そう言って俺は鞄を背負う。
ちなみにはやての家に俺が住んでいる事はまだ3人には言っていない。
というより周囲の人間にはまだ誰にも言っていない。
時が来れば、言えばいいので問題はないと思ったのだ。

「じゃあ、悪いけど、先帰るな。また明日」

「うん、また明日!」

手を挙げた俺になのはは手を振ってくれた。
アリサとすずかも同様に手を振ってくれる。
俺はそのまま学校を出た。

























所変わってアーク・スマッシャー。
あの後自分のマンションに行った俺は、簡易転移装置でアーク・スマッシャーに行くとブリッジのオペレーター席で作業をしていた。
キーボードを叩いていた俺は、作業をやっと終え、一息つく。
作業を始めてから既に2時間は経っていた。

「ふぅ〜、やっと終わった」

『お疲れ様です』

エイダにそう声をかけられる。
ほんと、疲れた……。

「やっと完成したぜ……。ブック型端末『イストワール』。これで、俺が艦や機体から離れていても、おまえのサポートを受けられる」

『そうですね。今までは何かと連絡を取る必要があり、不便でしたから』

「……これで情報戦も問題なしだな。……で、例の書類は届いたのか?」

『はい。既に届いています。書類は艦長席に置いてあるので、後で持っていってください』

「……了解」

俺はしばらく休んだ後、アーク・スマッシャーを出た。



























そして、俺は空が暗くなった頃、ようやくはやての家に帰ってこれた。

「ただいま〜」

俺がはやての家に帰ると、はやてが車椅子を走らせて出てきた。

「遅かったね。もう用事は済んだん?」

「ああ。とりあえずリビングに行こう」

俺とはやてはリビングに行く。
そして、荷物を降ろし、鞄の中から俺は用意していた物をはやてに渡した。
それは書類袋。

「はい、はやて」

「ありがと。……でも、何やこれ?」

笑顔で受け取ってくれたが、すぐにいぶかしむはやて。
書類袋には何も書いてないので、中身について見当すらつかないのだから聞くのも当然だろう。
もちろん書いてないのは、俺が直接渡して説明するつもりだったからだ。

「どうかしましたか?主?」

「どうしたの、はやてちゃん?」

俺が説明しようと口を開きかけた時、シグナムとシャマルもやってくる。
俺は一旦口を閉じて、2人が来たのを確認した後、再び口を開く。

「とりあえず、開けてみてくれ。見ればわかる」

「まあ、そうやな……って何やこれ!?」

「これって……もしかして……」

「我々の……?」

俺が渡した書類袋の中から出てきたのは、ヴォルケンリッターの戸籍やパスポートなどの書類。
要するに、シグナム達がこの日本というか地球という世界において、生活するために必要な物である。
俺がここ数日間で彼女らに用意したのはこれだった。

「何で、こんな物を?」

「なんでって……このままだとシグナム達は出自不明、不正入国の外国人扱いされるからな。戸籍がない事が下手に露見すると、警察に逮捕されんぞ。匿っていたとかで、はやてもやば くなるしな……」

「あ、そうか……ありがとうな……」

俺の少々あきれた声にはやてはうっかりしていた事を反省するような表情をしながら、礼を言ってくれた。

「それに、それが必要な時もある。持っていて損はない」

俺がそう付け足した後、シャマルが気づいたように口を開いた。

「あれ?ちょっと待って。此処にある書類、どうやって作ったの?私達つい最近までいなかったのよ?」

「それにこの写真は何だ?撮られた覚えがないぞ?」

肝心な部分に気づいた2人。
はやても気づいたようで、ハッとする。
彼女達本人の事なので、俺は説明した。

「写真は前皆で写真撮った時があっただろ。あの時に個別に撮った写真を使わせてもらった」

「ああ、あの時か」

思い出したのかシグナムが納得したように呟く。
俺は説明を続ける。

「で、書類は数日がかりでこっちが作った。正確には、戸籍などに関係しているお偉い方と一緒に作ったというのが正しいか。ぶっちゃけると、でっちあげというか偽造なんだけど」

「ちょい待ちいや!」

俺の最後のとんでもない発言に、つっこむはやて。
シグナムとシャマルは目を点にしている。
まあ、当然か。
9歳の男子がこんな事口にしたのだから。

「そんな事したん!?ていうか、そんな事したらあかんやろ!」

怒られた。
まあ、“普通”はダメだよね〜。

「前に言わなかったけど、俺情報屋稼業もやってるんだよ。だから、世界の情報は大抵俺が持ってるし、知ってる。で、関連する奴らには平和的に話して口裏 合わせたから、バレる以前に逮捕される事もまずない。なんてったって、そのお偉い方にヴォルケンズの存在を認めさせたんだからな。まあそのおかげで、時間かかったんだけど」

「あはは……(汗)」

俺の言葉の意味に気づいたのかシャマルが乾いた笑いをした。
その時、はやても気づいたようで、質問してくる。

「なあ…ラン君、聞いてもいい?」

「ん?何だ?」

「その……『平和的に』ってどういう事や?」

なんというか、はやてのこの洞察力というか肝心なところに気がつく力には時々感心する。
本当は聞くべきではないのだが、ここは好奇心が勝ったという事だろう。
話さない方がいいんだが、とりあえず肝心な部分は濁して話しておくか。

「まあ……そいつらにちょっと世間にバレたらかなりやばい物を突きつけて、『俺に従うか、死ぬかどっちがいい?』って質問した上できっちり話をしただけだ。俺情報屋だからそう いうの腐る程持ってるし」

なのはの場合、「O・H・N・A・S・H・I☆」とでも言うのだろうが。
まあ……そんな感じの話になったのは言うまでもない。
無論、俺が優位にある立場で。

「……そうか。私は何も聞かんかった事にするわ」

「そうですね、はやてちゃん」

濁しても、この事に触れるべきではなかったと2人も判断したのだろう。
何処か遠くを見るような目をしながら、とりあえず忘れる事にしたはやてとシャマルだった。
ちなみにそんな様子を見て、シグナムは苦笑いしていた。
その時、二階からヴィータとザフィーラが下りて来た。

「はやて〜、ゲームしようぜ。って帰ってたのか、ラン」

「…………」

ヴィータが言っている途中で気づいたのか、俺に声をかけてくる。
狼形態のザフィーラは黙っていたが、俺にはちゃんと気づいていたようだ。
ザフィーラは守護獣という奴で、獣姿が本来の姿でもあるらしい。

「おう。……ああ、そうだ。ちょうどいいから紹介しておこう」

そう言ってごそごそと鞄を探る俺。
俺の言葉を疑問に思ったのか、はやてが首を傾げている。
俺は一冊の厚い本を取り出した。

「紹介するよ。俺の持ってるサポートコンピュータのエイダ。仲良くしてやってくれ」

言いながら、俺は本を開けると、そこから映像が出て、緑髪のツインテールの少女が出た。
映像自体はアクリル板のような感じで少し厚い。
まあ、一種のホログラムだが。

『エイダと言います。以後、よろしくお願いします』

画像の中から、ホログラムで出た少女が本の上に乗ってお辞儀をする。
だが、当の挨拶をされたはやて達は固まっていた。
だが、しばらくしてはやてが復活する。

「あ、よろしく。うちは八神はやていいます」

ここらへんの対応力がはやての凄いところかもしれない。
それで、我に返ったヴォルケンリッターも自己紹介する。

「シグナムだ」

「シャマルといいます」

「ヴィータだ」

「……ザフィーラという。よろしく頼む」

『ええ、存じてますよ。話はマスターから聞いていますから。この世界で困った事があったら、何でも聞いてくださいね。情報なら私に知らない物はありません ので』

「エイダは量子演算型スーパーコンピューターで、膨大なデータを保有してるんだ。本体は別の場所にあるけどな。とりあえず超高性能だから、何か聞きたい事 がある時は彼女に聞けばいい」

俺はエイダの補足説明をした。
当人は俺の前で微笑んでいる。

「ふぇ〜、凄いんやね〜。これは誰が作ったん?」

はやてが感心しながら聞いてきたので、答える。

「俺の親父だ。今は俺がもらって、所有してる」

「ふぅ〜ん。世界は広いんやね〜。とりあえずよろしく」

『はい、よろしくお願いします』

こうしてまた八神家に家族が増えた。

























それから数日経ったある日。
休日であるその日の昼に俺は突然こんな事をシグナムに言われた。

「キタガワ、私と戦ってみないか?」

唐突に言われた俺は何の脈絡もない言葉に少し驚いた。

「なんでまた?」

「以前おまえは戦士と聞いたからな。どれほどの実力か見ておきたい。なに、軽く体を動かすだけだ」

シグナムは言いながら木刀を投げてよこしてきた。
俺は起き上がると、木刀を受け取る。

「……剣、ね」

「あきらめた方がいいわよ。シグナムは戦闘狂だから」

なら止めろよ。
俺仮にも9歳の子供だぞ?
だが、シャマルは俺にそれなりの実力があるのを見越してか止める素振りもないので、俺は仕方なく立ち上がる。
こういう相手は断るより相手をした方が早いのだ。
とりあえずシグナムと庭に出る。
だが、木刀は返した。

「やっぱ木刀はいい。素手でやる」

「いいのか?怪我をするぞ?」

俺は誤解を招かないように説明する。

「俺は基本拳打で戦うからな。それに体も頑丈だから木刀で怪我をする事はまずない。心配しないでくれ。それと、決してシグナムをなめている訳じゃないか ら、気を悪くしたんなら謝る」

だが、シグナムはちっとも気を悪くした様子はなく、むしろ笑みを浮かべた。

「なるほどな。承知した。ならば、おまえの実力見せてもらうぞ」

「まあ、きっちり捌くから手加減はいらないぞ。受け損なったらそれは俺のせいだから」

「そうこなくてはな」

シグナムはにやりと笑い、木刀を構えたので、俺も拳を握って構えた。
自然と久しぶりに戦闘モードに入る。

「いくぞ!」

先手を仕掛けてきたのはシグナムだった。
上段からの唐竹。
俺はその剣閃を峰を打って受け流すと、流れるように左ストレートでシグナムを狙う。
だが、シグナムはそれを後方に飛んで避けた。

(なるほど……。私の剣を片手で逸らして尚且つ反撃をすぐに返してきた。……できる)

(守護騎士と言うだけあって剣筋は確かに鋭いな……)

互いに先ほどのやり取りでそれぞれに感想を抱きつつ、続行する。
再びシグナムが踏み込み、振るわれた木刀を俺が峰を打って受け流す。
それから一気に乱舞に入る俺達。
シグナムの乱撃を拳打でそらす作業を高速で繰り返す。
それを観戦していたヴィータ、シャマル、ザフィーラはそれぞれ感嘆する。

「すげぇ……あんななりなのに、シグナムと互角……」

「ほんと、とても子供だとは思えないわ……」

確かにシグナムの方が身長が高く、打ち合っている様子は少しシュールな感じも見受けられる。
だが、それを見ていたザフィーラが2人の言葉を訂正した。

「いや、それ以上だな」

「なんで?」

「よく見ろ。シグナムは木刀で乱撃を次々と繰り出しているが、ランはそれを一太刀も浴びていない。素手であるにも関わらずだ」

確かにランはずっと素手で戦っている。
加えてシグナムの太刀を一度も喰らっていない。
しかも、じょじょにだが、スピードが上がっているにも関わらずだ。
9歳の子供がシグナムと張り合っているだけでも凄いので、ヴィータとシャマルは観点がそっちに行っていたが、ザフィーラはしっかりとランの凄さを見抜いて いた。
ランのこのやり取りで真に驚嘆するべきところは、あのシグナムの剣戟を素手で捌いている事にあるのだ。

「ほんと……。しかも、少しずつ速くなってる」

「鮮麗された動きではないが、あれほど的確な動きは凄まじいものがあるな。一体どれだけの訓練と死線を乗り越えてきたのか……」

「シグナムの剣を素手で捌くとか、ほんとあいつ何者だよ?」

ヴィータ達は知らないのだ。
本来、ランは24歳で、いくつもの激戦を経験した猛者である事を。
そして、彼の体にも実は秘密がある事を。
その積み重ねがあって、今の彼がいる事を。
3人が観戦する中、シグナムが乱舞から一転、同時に渾身の力を込めた一撃を繰り出した。
それに反応して、今までの防戦から一転、ランも真正面から反撃する。

「はああっ!」

「しっ!」

2人の木刀と拳が激突する。
だが、その時。

バキン!!

シグナムの木刀が折れた。
折れた木刀は宙を舞い、地面に落ちる。

「あらら、これじゃあ勝負はランの勝ちね」

「……むう」

「……まあ、こんなものだろ」

「つーか、素手で木刀折るってほんと何者だよ…おまえ」

シャマルは苦笑し、シグナムは不満そうにし、俺はこんなものだろうと納得し、ヴィータは今のやり取りを見てそう呟いた。
シグナムは汗をかいていたが、俺は特にそうでもなかった。
俺は手合わせをした感想を聞いてみる。

「で、どうだった?シグナム。俺の強さは」

「そうだな……。私の剣を的確に素手で捌き、尚且つ木刀を素手で叩き折るとは正直驚いた」

「まあ、剣や刀は刃が付いている事以外は普通の板っきれと一緒だからな。そこを押すなり、突くなりして軌道をそらせばどうという事はないさ。木刀を折れた のは単純に体の頑丈さ故だけどな。実剣と違って刃もなかったし」

俺は最後に苦笑しながらそう言った。
もちろん良い子の皆は真似しないでくれ。
手と腕の骨折れるから。

「なるほど、そういう事か。手合わせ、楽しかったぞ。また是非してみたいものだ」

「まあ、その時があればな……」

とりあえず俺達の手合わせはこれで終了した。
そこへ洗濯を終えたはやてがやってくる。

「洗濯終わったで〜。ってシグナム汗だくやん。何したん?」

「少しキタガワと手合わせを」

まあ、もう決闘の域に入りそうだったがな。
俺も久々に少し楽しめたし。

「大丈夫やったん?ラン君」

「ああ、俺は大丈夫だ。伊達に戦士はやってない」

「ふぇ〜、ラン君って凄いんやね。シグナムと戦えるなんて。でも、迷惑はかけたらあかんよ?シグナムも」

「わかってるよ」

「心得ております」

俺とシグナムの返事にはやては笑顔になった。

「なら、ええんや。そや、ヴィータ、買い物行こか?」

「うん!」

あ〜、やっぱヴィータも子供だな。
本人に前言って怒られたが、絶対そう思う。
まあ、言わない事にしてるけど。

「じゃあ私も行こうかしら」

こうして、はやてはシャマル、ヴィータと一緒に買い物に出かけて行った。
残されたのは俺とシグナムとザフィーラ。

「私はシャワーを浴びてくる。キタガワ、是非また手合わせしてもらうぞ」

「お手柔らかに、な」

とりあえず俺は家に入り、椅子に腰掛ける。
ザフィーラは俺の足元に来ている。
その時、俺は不意に視線を感じた。

「…………」

見張られている。
この視線は間違いない。
俺の様子に気づいたのか、ザフィーラが声をかけてきた。

「どうした、ラン」

「……見張られてる」

「何?」

ザフィーラはすぐに人型になる。

「前から時々あるんだよ……。今のところ主だった動きを見せないからいいし、用心はしてるんだが……」

「対象は主か……?」

「たぶんな……。ただ、最近は俺にもその視線が向けられるんだよ」

「おまえに……?何故だ?」

……俺がイレギュラーだからかもしれないな

「?何か言ったか?」

小さい声で呟いたので、ザフィーラには聞こえなかったようだ。

「いや、何でもない。これは相手に聞かないとわからないな」

すると、視線が消えた。

「……消えたな」

俺がそう呟くと、ザフィーラは周囲を策敵する。

「……わずかだが、転移魔法の痕跡があるな」

「転移魔法……魔導士か?」

ザフィーラが手がかりを見つけたので、俺はそう聞き返した。
ザフィーラは容量悪くだが、肯定した。

「おそらくな……。だが、一体誰が……?」

「とりあえず、警戒は続けよう。シグナム達にもこの事は伝えておいてくれ」

「……わかった」

こうしてとりあえず俺達は留守番を続行する事となった。
この時既に運命の歯車は回り始めていた。






















あとがきについて

3話でまとめてします。



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