機動戦艦ナデシコ

〜永久の誓い、永遠のパートナー〜














第1話

巡り逢い、誓う











毎日変わることなく降り注ぐ人口の太陽光、そして人工の緑の草。

その草原を歩く1人の少女、ここはネルガル重工の研究所・・・

マシンチャイルドの精神安定のための、造られた人工草原・・・

『精神安定のための休憩時間』を与えられていたたが

特にしたいこともなく、疲れているわけでもないが、普段から人気の少ない

この人工草原に、少女が足を運ぶことはさして珍しくもないことであった。

いつものように自分のスペースとして使っている場所へ向かう、

特に意識したこともないが、最初に来た時に座った場所は、少女的には自分のスペースとして

数少ない『自分だけの場所』という認識があったのかもしれない、とにかくそこへ向かって少女は歩いていた。

もう少しでそこへたどり着く、いつも変わりない自分だけの居場所・・・


「あ・・・」


だが、今日だけはいつもと違っていた、自分だけの場所、そこには先客がいた。

普段ならまったく気にせずに、一瞥するだけであったが、いまは別だ、

『自分だけの場所』に勝手に居る、ということで少し不快な気分を感じつつ様子を見る

倒れている人は少しも動く気配が全くない、まるで死んでいるかのように微動だにしない。

せっかくの『自分の居場所』でそんなわけのわからない人に死んでもらっては困る

少女はとりあえず生死の確認をするべく、『自分の場所』に足を向けた。

それは普段ほとんど無い、少女の自己主張だったが・・・その時の少女にそれの自覚はなかった。













さわさわ・・・草原を扇ぐ風の音・・・


「・・・ぉーぃ・・・きて・・・か・・・」

(なんだ・・・?ルリ・・・か?それに・・・)


頬に風を感じる、地面に寝ている感触がある。


(夢か・・・もしくは俺は死んだのか?・・・どちらにせよ、ルリがいるということは現実ではない・・・か)


「う・・・」

「・・・おーい、やっほー、生きてますかー?」


(ルリ・・・いや、これは・・・ナデシコに居たころのルリか?・・・夢の中くらいはサービスしてくれてるのかもな・・・)


「ル・・リ・・・ルリ!

「わっ」



夢という安心感からか、これまでの罪、全てを忘れ、愛しく焦がれる少女に抱きつく。


「ルリ・・・ルリ・・・」


ルリを抱きしめたまま何度もその名を繰り返す。


「あのー・・・どちらさまですか?」


「え・・・?」


突然の思わぬせりふに呆然とする、目の前の少女が怪訝そうな顔でみている


(どういう・・・ことだ?)


「あのー・・・離してほしいんですけど・・・それとも変態さんなんですか?」

「あ・・・ご、ごめんっ!!」


あわててルリを放す、警戒したのか、ルリは少しだけ距離を置くようにして離れた。


「はぁ・・・私の名前を知っていたみたいですけど、どこかで会ったことありました?」

「あ・・いや・・・ごめん、知り合いに似てて・・・その・・・」

「・・・名前も・・・ですか?」

「えっ?・・・あ・・・そう・・・だね・・・ルリっていう名前・・・」


しどろもどろと言った感じで返答する、頭の中はすでにパニック状態である。


「そうですか、ですがあまりこういった行為はひかえたほうがいいと思いますよ。」

「あ・・ああ・・・うん・・・」


(・・・夢だといってそう上手くはできてない・・・か?いや、むしろこれは・・・)


そう、この状況は病院で別れた時、俺がルリに望んだことではなかったか。

俺を忘れ、全てを忘れて、別の道を歩いていく・・・


「倒れてたみたいなので、ちょっと声をかけたんですけど、大丈夫みたいですね」

「え?・・・あ、あぁ、ちょっと貧血で・・・」


「そうですか、それじゃあ私はこれで」

「あ・・・うん」


俺はルリが去った後、その場に寝転び、ぼーっとしたまま考え事をしていた。


(ルリが生きてた・・・だが俺を忘れた、それでもいいかもしれない・・・だが、あの表情は・・・)


そう、ルリには、一緒に暮らしてきた中で培ってきた感情というものが

ほとんど見られなかった、そう、まるでナデシコ時代初期のような・・・

ふと、アキトはほっぺたをつまんでみる、『お約束』というやつだろう。


「痛ひゃい・・・」


痛覚がある・・・少し前まで憧れてすらいた感覚だが・・・


(夢・・・じゃない・・ならどういうことだ・・・?)


ふと脳裏によぎる、とある事実。


『ボソンジャンプは空間跳躍ではなく、時間跳躍である』

「まさか・・・」


立ち上がり、走り回って『あるもの』を探す

それは・・・


「あった・・・やはり・・・」


公衆電子ノートを開く、目に映すものは・・・


「西暦2195年・・・ナデシコが出る1年前・・・」


一瞬呆然としかけた、当然だ、過去に飛んだなど、すぐに理解できることではない。

だが、アキトの脳裏には自分が過去に飛んだこと、それよりもルリのことが浮かんだ




俺の未来ではルリは幸せにはなれなかった、それをやりなおせるというなら

俺は、必ずルリの幸せを守ってみせる・・・





だが、自分は死神、もはや俺ではいまの時代を生きるルリを幸せにはできないだろう。

幸せにしてやれる自信が・・・ない。



そして、草壁、北辰、ヤマサキ、ヤツ等がいま生きている、それは許せない。

あのころのルリと自分のいた幸せを壊したヤツ等、絶対に許すことはできない。





だが・・・俺がナデシコに乗らないという選択肢はない。

あの戦争は、あの時の乗員すべてが揃っていたという条件で切り抜けてきた場面が幾度もあった。

パイロットであった俺一人が抜けただけで、ナデシコが沈められてしまう未来があったかもしれない・・・

それだけは避けなければならない、ルリに近づかずに守る事は不可能か・・・。





・・・それならば俺はルリを守る、ルリを全てモノから守ってみせる!

もう一度やりなおせるならば、ルリのために生き抜いてやる!



俺の全てをかけて・・・そう、ルリの幸せのために俺は生きてみせる!!











一方ルリは・・・


先ほどの男を起こしている間に一休みする気も失せ、早々に研究員達のいる建物に向かっていた。

まだ多少は『休憩時間』とやらも残ってはいたが、寝ていた男を無理にどかせてその場に残る。

などといった事は本来自分の行動パターンとはかけ離れているし、そこまでして愛着のある事ではないと思った。


(ま、どこにいても、見張られてる事には変わりないのよね)


などと冷めた考えの末ではあったが・・・

目的の建物が見えてきたころ・・・ふと先ほどの男の事を考えてみた。

あの男の人はなんだったのだろうか、自分の名前を呼んではいたが・・・自分には覚えのない人物。

万が一、研究所への侵入者だとしても、捕まったとしても、どうせどこででも同じ様な研究をされるだけ。

生命に支障があったとて、自分にはさして関心はない・・・まぁ、あんな所で寝転んでいるような

間抜けな侵入者もいないだろう、だとしたらやはり自分の研究の関係者なのだろうか・・・

どちらにせよ、あの男に『自分の居場所』を盗られた気分になり、ルリはちょっといらいらしていた。


(まぁいいか・・・後でデータベースで周辺の人物でも調べればわかるかもしれないし)


そう自分の思考に区切りを付け、建物のほうを見ると、もうすでに研究員の姿がちらほらと確認できた。


(まだいつもより数十分くらい早い時間なのに、ご苦労な事よね・・・)


そう思いながらも、歩くスピードはそのままに建物に向かう。




―――アキトさん―――



「え?」


突如頭の中に響いてくる声、その声と共にズンッと、身体の芯に何か重みのようなものを感じた。



―――アキトさん―――



再び声が聞こえ、頭の中に数々のイメージが流れこんでくる・・・


「な・・・に・・・これ・・・」


人間、風景、水に囲まれた城、それに・・・宇宙・・・。


「あた・・ま・・・痛・・い・・・なん・・・なの・・・だめ・・・もう・・・」


なんとかそれらのイメージを受け流すようにして頭から排除していくが、速度が追いつかず、いまにも意識が途切れそうになる。


「あっ・・・」


そして、いままでで一番鮮明で、膨大なイメージ、だけど、いままでと違う、重みを全く感じない、まるで染み込むように流れてくる。



――― アキトさん―――



声と共に流れていくイメージは、1人の男、覚えのないはずの、さっき会ったばかりの・・・


「アキト・・・さ・・・ん・・・」


響いてくる声と同調するかのように、一つの名を呟き、意識が闇に沈んで行った・・・。























<懺悔室>

早くも1話登場!(笑)

見所はアキト君の痴漢行為爆裂!(違)

それにしてもアキト君は登場シーンから変質者同然の振る舞い・・・(爆)

S級犯罪者への道もさほど遠くなさげな勢いですが・・・


天の声『バカですか貴方は!いきなりアキトさんを
犯罪者にする 気ですか!?』


うわっ天の声!?あんた一発キャラじゃなかったのか・・・(汗)


『何を言っているんですか、無能な貴方のためにゲストとして来てあ げてるんだから感謝してください』


そりゃ結構な話なんですが・・・基本的に本編キャラをお迎えしたかったりしたかったんですが・・・


『問題ありません』


は・・はぁ・・・さいですか・・・ってどこから話かけてるんスか?声しか聞こえないけど・・・


『永遠のパートナー第1話、こんな作品ですが、読んでくださった 方、本当にありがとうございますね♪』


無視ですか・・・(泣)


『それにしても今回短くありませんか?プロローグ1と2のほうが長 い気がしますが・・・?』


え・・・あ、いや・・・それはその・・・(滝汗)


『無能ですね・・・もっとしっかり構成を練り込みなさい!無能でも それなりの物は書いてください!』


んな無茶な・・・(汗)


キッ


あ、いえ・・・精進します・・・(姿は見えないのに何故か視線が怖い・・・(汗))


『あ、今回は寝込んでて来れませんでしたが、次回は私がルリちゃんを呼んできますので、楽しみにしていてくださいね♪』


え・・・そうなの?そりゃ助かるけど・・・(汗)


『次回も「永久の誓い、永遠のパートナー」をよろしくお願いします ね♪』


あ・・・タイトルコールまで・・・(涙)




感想

雪夜さん本編の方に入られた様ですね♪

今回はアキトとルリの再会ですね。

しかし、アキトは二人いるのか精神だけの逆行なのか…感じから後者のような感じですが…

だとすれば、また体を鍛えないといけませんね。

ルリは精神の同居状態なのでしょうか、これからどうなっていくのか予断を許さない感じですね…

まあ駄作作家の言う事ですし、あまり気にする事はありませんよ、どんな逆行をしようとも様は私とアキトさんが幸せになれば良いんですし♪

どうでも良いけどワンパターンな気はしないのか?

ワンパターン? いいえ! それは違います! 幾億年経ても残る…それは 王道!世の中で残されている多くの文献がそれを証明しています♪

文献…SSや同人は多いね〜確かに…

それだけのファンがいると言う事なのです。 これが王道でなくてなんであると言うのですか!?

でもアニメではアキトに直接表現したこと無いくせに。

ぐっ!?
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