俺を召喚したナギが死んだ

タカミチやアスナと別れ、ガトウのおっちゃんと休息を取っていた時にそれを知った

でも、俺はそれを信じることが出来なかった

というか、むしろどうやったらナギが死ぬのか教えて欲しいくらいだ

しかし、結局具体的な事はわからず、ただナギが死んだとだけ伝えられたのだ

だから俺は、ナギが死ぬはずが無いと信じ、ガトウのおっちゃんに修行をつけてもらった

俺はナギとの約束を果たすために強くなりたかったから

ガトウのおっちゃんは悠久の風の仕事に俺を連れて行き、実践で俺を鍛えてくれていた

そんな日々が半年も過ぎれば譜術やこの世界での知識などをかなり学ぶことが出来た

そして―――――



魔法先生ネギま! ―深淵より呼ばれし者―  第4話



「ほぉ〜。ここがタカミチのいる街か!」

ルークが召喚されてすでに2年が経ち、現在9歳となったルークは1人で旅をしていた

「しかし無駄に広そうな街だな………タカミチに会えるのか不安になってきたぞ」

そして辿り付いたのは風の噂で聞いた、タカミチが現在居るとされる麻帆良学園と呼ばれる都市である

実は、タカミチとは逃がす為に別れた時以来、1度も会っていなかったのである

「それ以前にタカミチが居るって言う情報がデマだったらどうしようか………」

ルークは最近までガトウとともに修行をしながら悠久の風の仕事をしていた

それがつい先日、タカミチが日本に居るという噂を聞き、あの別れ以来1度も会っていない事を思い出したのだった

そこでガトウはルークにタカミチの捜索を頼むことにしたのである

「はぁ………何か迷子になっている気がしてきたし」

そしてようやくその地にたどり着いた訳なのだが、迷子になったようである(汗)

結局、ルークは1時間ほどさ迷い続け、近くを通りかかった学生に助けられることとなった

そして事情を説明したところ、タカミチが生徒か先生かすらわからない状況だったため、
ルークはお偉いさんに会いたい事を伝えると学園長室に案内された

「フォッフォッフォ、それで君は高畑君を捜しているとな?」

「はい。どうしても会う必要があります。居場所を教えていただけませんか?」

そしてルークは現在、後頭部がやたらと長い妖怪のようなじいさんと対面していた

さすがに見た目は妖怪でも、この地の魔法協会の理事ということを知っていたルークは敬語を使用していた

「ふむ……その前に1つ聞きたいんじゃが、君と高畑君の関係を聞いておいてもよいかの?」

「はい。タカミチとは2年前に少し行動を共にしたことがあります。数ヶ月で別れることになりましたが」

「ふむふむ……2年前というと………君は紅き翼にいたのかね?」

「はい、一応そういうことになっています」

「フォッフォッフォ。そうかそうか、以前高畑君が言っていた特殊な魔法を使う少年剣士と言うのは君の事のようだのぉ。
(しかしこの少年が高畑君を逃がす為に残ったと言う少年か…………たしかにいい目をしておる。
しかし噂では隕石を降らせたと言われておるがとてもそうは見えんのぉ)
ふむ、それなら高畑君の居場所を教えるとしよう」

笑いつつ髭をいじくっていた学園長は引き出しから紙とペンを出し、スラスラと何かを書き始めた

しかし、それを書く一方でルークのことを色々と模索しているようである

「ここに書いた地図通りに行けば彼に会えるはずじゃ」

そう言って差し出されたのはシンプルに書きまとめられた目的地までの地図だった

シンプルではあるが、目印となるような物はしっかりと記入されており大変分かりやすいものだった

さすがは、この学園の長であり、魔法協会の理事を務める妖怪―――もとい、お偉いさんと言ったところである

「はい、ありがとうございます」

それを受け取ったルークは礼儀正しくお礼を言う

「ふむ、礼儀があって大変よろしい。どうかね、うちの孫娘なんだがお嫁に貰ってみないかのぉ?」

そんなルークの態度に気を良くした学園長は悪い癖が出始めていた

「えぇ〜っと………そろそろ失礼します!」

ルークは逃げ出した(笑)

「フォッフォッフォッフォッフォ」

そんなルークの背後からは妖怪じじいの笑い声が聞こえてきたそうな


とにもかくにも、地図を持ってルークは目的の場所へと向かった訳だが、
結構な距離であったことから瞬動などを駆使し、あっさりと目的の場所へと到着していた

「ここでタカミチが修行しているわけだな」

ルークの目の前には周囲の雰囲気に溶け込んだ1軒の住居があった

「しかし本当にここで修行してるのか?」

先ほど学園長より渡された地図の目的地の部分には修行地と書かれていた

つまりここら辺で修行しているとルークは思っていた

しかし、それらしい気配は感じることが出来ず、さらに建物の内部からも気配を感じることが出来なかったのだ

「うーん…まぁ入ってみればわかるか」

などと気にすることもなく建物にお邪魔することにしていた

「へぇ、中は結構広いんだな」

思いのほか広かった建物内を探索し始めたルーク

しかし肝心のタカミチは見つからず、ルークは様々な部屋を見て回った

そしてルークはその中の1つである出会いを果たすのだった

「これで3部屋目だが………ここにもいないみたいだな?」

真っ暗な、まるで倉庫のような部屋を捜索し始めたルーク

「おぉ、何かいっぱい人形があるじゃねぇか………タカミチの趣味か?」

その部屋は人形をコレクションする部屋だったのか、様々な人形が置かれていた

「ケケケ、泥棒カ?」

「ん?何か声が聞こえた気が………」

人の気配がないこの部屋の探索を諦め、次の部屋に行こうとした時、ルークは声を聞いた気がした

「気ノセイジャネェゼ。コッチダコッチ」

どうやら声は確実に聞こえてきているようである

「こっちって………人形しか無いじゃん」

そして言われた方向を見て見るとそこには数体の人形しかなかった

「ソノ人形ヲヨク見テミロヨ」

「人形?………おぉ!?」

声の発生源らしき人形に注目したルークはそこで口が動いている人形を見つけていた

「ケケケ、ヤット気がツイタカヨ」

「何だ…人形が喋ってるだけか」

「……ナンカリアクションガ寂シクナイカ?」

喋る人形はルークが驚く事を期待していたようである

しかしルークは大して驚くことは無かった

まぁ、それは仲間内に巨大化する人形がいたからこそ驚かなかった訳なのだが

「ケッ、ガキノクセニツマラナイヤツダナ」

「つまらなくて悪かったな。それよりもだ、ここにタカミチは来てないか?」

「タカミチ………アァ、ココデ修行シテルヤツノコトカ」

「じゃあ知ってるのか!?」

「アァ、ナンダッタライルトコロマデ案内シテヤルゾ」

「本当か?それなら早速頼むよ」

「ソレハイイガ、俺ハ動ケナイカラチャント連レテイケヨ」

こうしてルークは喋る人形を抱いて、言われた通りに進んでいった

そして見つけたのが中にミニチュアの模型が収められている巨大な瓶のオブジェだった

「オイ坊主、コノ中デ修行シテルゼ」

「この中なのか?」

「アァ、入レバ分カルサ。瓶ニ触レテミナ」

「あ…あぁ」

ルークはそっと瓶に触れてみた

すると、ルークの足元に魔方陣が描かれ視界が真っ白になった

「な…なんだこれ!?」

「ケケケ、スグニ分カルサ」

何も見えない中、人形の声だけが聞こえてきた

そして徐々に視界が明けてきたことでルークは状況を確認することが出来た

「ん、ここは………」

先ほど見ていたミニチュアの建造物にそっくりの建物が目の前に広がっていたのだ

「ケケケ、御主人ノ別荘ヘヨクキタナ」

「御主人?御主人ってのはタカミチのこと………じゃないよな?」

「アァ、俺ノ御主人ハ別ニイルゾ。トコロデ坊主、オマエの名前ハナンナンダ?」

「俺か?俺はルークだ。よろしく頼む………えぇっと、名前はあるのか?」

「俺ノ名前ハチャチャゼロダ。早速ダガ遊ブトスルカ」

そういうと先ほどまで動けなかったチャチャゼロがルークの腕から抜け出すと1人で歩き始めた

「何だよ、動けるのかよ」

「コノ中ハ魔力ガ充実シテテナ、コノ中デノミ、俺ハ動ケルノサ」

ごく普通に会話しながら進んでいく2人

そうして2人は細い橋を渡り広い空間に出た

「ココナライイダロウ。久々ニ暴レラレルゼ!」

そこでチャチャゼロはどこからともなくナイフを2本取り出すと、突然ルークの元に切り込んできたのだ

「ちょっ!どういうつもりだ!?」

それをククリで受け止めながらルークはバックステップを使い距離を取る

「ケケケ、久々ニ動ケルカラナ、運動ニツキアエヨ」

そう言いながら再びこちらに切り込んでくるチャチャゼロ

今度は少し飛び上がり、落下してくる勢いを利用しながら2本のナイフをルーク目掛けて振り下ろした

「そういうことならこっちも遠慮はしないからな!喰らえ、魔神拳!」

それをルークはまたもバックステップで回避しつつ咸卦法を発動、続けざまに魔神拳をチャチャゼロの着地地点に放った

「ケッ、咸卦法ニ遠当テトハ生意気ダナ。ダガ!」

チャチャゼロは着地と同時に、ルークが放った魔神拳をナイフであっさりと受け止める

「コノ程度ノ威力ジャ俺ハ倒セネェゼ」

「ちっ、ならば!」

今度はルークが瞬動を使い、一瞬にして間合いを詰めると

「はっ!たぁぁぁっ!」

左腕に持ったククリでチャチャゼロを斬りつけようとした

「ケケケ、ソンナ攻撃ジャアタラナイゼ!」

しかしチャチャゼロはそれをいとも容易く避け、カウンターとばかりに両手のナイフで鋭い突きを放ってくる

「なっ!?くそっ!」

ルークは剣でいくつかを弾き返すが、それでも全てを防ぎきれず数発の攻撃がルーク掠めてしまう

「ケケケ、避ケルノハソコソコウマイジャネェカ。デモソンナンジャ俺ハ倒セナイゼ!」

「ちっ、こいつ素早い!」

それからもチャチャゼロは一方的にルークを攻撃していく

たまにルークが反撃するも、基本的にルークの使う剣術は動作が大振りなパワー重視の為にいとも容易く避けられていた

「フゥ、久々ニ体ヲウゴカセルッテノニツマラネェゾ」

その戦闘の流れに飽きてきたのか、一旦距離を置くチャチャゼロ

「くそっ(何か手は無いのか………こっちの攻撃はあの人形に全部避けられちまう。
もっと素早い攻撃をするしかないのか?)」

ルークはチャチャゼロが動かない内に、対策を必死になって考える

「(あいつが動くよりも速く―――鋭く―――!?そうだ!これならイケるはずだ!)」

そしてルークはあることを思いついた

「ナニカオモイツイタッテ顔ダナ?ケケケ、ツマラナカッタラ殺スカラナ」

「期待に応えれるように頑張ってやるよ!―――いくぜ!」

「キヤガレ、ケケケ!」

お互いが構え直すと、ルークは脚に気を集中させ瞬動を使用、一気に目の前にまで接近する

「はぁぁぁ―――真空破斬っ!」

いつの間にか背中に装備していたククリの鞘を右腕で持つと、居合斬りのような構えで左腕のククリを一気に振り抜いた

「ケッ、ソンナノアタルカ―――ナッ!?」

チャチャゼロはそのルークの攻撃をいとも容易く避けたように見えた―――しかし

「チッ!?コレハ―――風ノチカラカ!?」

そう、チャチャゼロはたしかにククリの一撃を避けた

だがその一撃により発生した風がチャチャゼロを浮かせ、一瞬だが動きを封じることに成功した

「これでどうだっ、秋沙雨っ!」

その動けないチャチャゼロにルークは高速の突きを連続で放つ―――親友兼使用人の技を連続で放ったのだ

「クッ、ナメンジャネェゾコラ!」

しかしチャチャゼロにも意地があると言わんばかりにルークの攻撃を全て弾き返す

「まだだ!」

しかしルークはまだ諦めておらず、蹴りを放ちチャチャゼロを上空に弾き飛ばす

チャチャゼロは蹴りを受け止めるものの、体格の差か上空に飛ばされる

「喰らえっ!断空剣!」

そして自らも風を纏い、ルークは上空に向かって飛び上がっていく

「ケケケ、ナカナカタノシメルジャネェカ」

チャチャゼロはとても楽しそうに笑いながら飛び上がってくるルークを見下ろす

「はぁぁぁぁ!」

「ダガ―――マダマダダナ!」

そして目の前にまでルークが来る間際、どこから出したのか巨大の剣を構え、ルークに向かって振り下ろした

「でやぁぁぁ!」

「ケケケ!」

お互いの剣はぶつかり合い、火花を散らせ、単純な力比べとなった

「ココマデヨクガンバッタナ。ダガ―――コレデ終ワリダ!」

その力比べはチャチャゼロの方に軍配が上がり、ルークは大地に叩きつけられる

「ぐはっ!?」

「ケケケ、ガキノクセニナカナカ楽シメタゼ」

「はぁ………負けちまった………」

1人と1体の戦いはチャチャゼロの勝利で幕を閉じた

「マァ、ガンバッタホウダロウナ。ダガ、最後ノホウニ使ッタ技ノキレハイマイチダナ。」

「はぁ……やっぱりか。あれは俺の親友の技でな、見よう見まねって言うか記憶だけで出しただけなんだよ。
むしろそれで形だけでも様になってたからいいほうかも」

「ナルホドナ。才能ハアルミタイダナ。強クナッタラマタ遊ンデヤルヨ」

「何か悔しい………多分だけど本気出してないだろ?」

「ケケケ、ヨクワカッタナ。ダガイマハコレガ精一杯ダ」

「今は?何か理由でもあるのか?」

「アァ、俺ノ御主人ガ魔力ヲ封ジラレテルセイデコノ有様サ」

「な…なんか大変そうだな」

「ワカッテクレルカ坊主。マッタク、御主人ガ色ボケシタセイデトンダ迷惑ダゼ」

何故か微妙に意気投合しつつある1人と1体

「ほう、迷惑をかけてすまないな、チャチャゼロ」

そんな2人?の元に1人の幼女が姿を現す

「何ダ、居タノカ?御主人。何、サッキノは全部本音ダカラ安心シロヨナ」

その人物に対し、チャチャゼロは悪びれた様子もなく淡々と告げた

「あぁ、そのようだな。貴様が私のことをどう思っているかよく理解できたさ」

そして御主人と呼ばれた幼女も見ていると怖くなってくる笑顔を浮かべながら淡々と話す

「ケケケ、ソレハヨカッタナ」

「まぁそれは今はいい。それよりもだ、チャチャゼロをここに連れ込んだのはそこのガキだな?
そのガキは一体何者なんだ?(変わった反応がするから来て見ればまさかガキとはな)」

「コイツハコノ別荘デ修行中ノ青二才ニアイニキタミタイダゾ」

「ほう、と言うことはタカミチの知り合いか。で、貴様、名前は?」

「ルーク・フォン・ファブレだ、よろしく頼む」

「ふむ、私の名はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。この別荘の持ち主だ」

「な…長い名前だな………エヴァって略していいか?年齢も近そうだし」

パッと見て、年齢が近いと判断したルーク

「き…貴様は私がいくつだと思っている?」

それに対しエヴァは少し青筋を立てながら聞いて見ることにした

「えぇっと………俺と同い年くらいだから9歳か10歳くらいか?」

初めて見た人ならばきっとそう思うであろう年齢をルークは正直に告げていた

「………人は見かけで判断するものじゃないぞ。私はこう見えても数百年生きたヴァンパイアなのさ!」

そんなルークの返答にエヴァは自慢げに言い放った

「ヴァンパイア!?………って何だっけ?と言うか数百年って………おばあちゃんなのか?」

しかし、ルークの辞書にヴァンパイアは登録されていなかった(笑)

「ちょっと待て!貴様はヴァンパイアを知らないのか?吸血鬼だぞ、吸血鬼!」

「さぁ?」

もちろん、吸血鬼も含まれていなかった

「な…なんだこのガキは………こちら側の人間なら少しくらい知っていてもおかしくないと思うのだが」

そんなルークの反応にエヴァは少し困惑していた

「なぁ、エヴァ。早く戻ってきてくれないと困るじゃな―――!?…ルーク君?ルーク君なのか!?」

そんな時に、奥から1人の青年がこちらに向かって歩いてきた

しかし、その青年はルークを見ると表情を一変させ、走ってきたのだ

「おぉ、タカミチ!久しぶりだな!」

そんなタカミチにルークは気楽に返事を返した

「久しぶりだな!じゃないよ!?あれから1年以上経ってるんだよ!?
それなのに連絡の1つも寄越さないでどういうつもりだったんだよ!」

一方のタカミチは涙を堪えながら怒っていた

「それは悪いと思っているけどさ、ナギが死んだことが魔法界で広がってこっちも大変だったんだぜ。
パーティーもガトウのおっちゃんと2人だけになったのに仕事は山ほどこっちに周ってくるもんだからよ」

「そうか。でもその言い方だと師匠も生きてるんだね?」

「あぁ、もちろんさ。今頃はどっかの組織でも潰しに行ってるんじゃないかな?」

「それはありえそうだね」

最初は怒ってみせたタカミチだったが、ルークとガトウの無事を知り、本当にうれしそうな表情になっていた

「しかしルーク君は随分と大きくなったんじゃないかな?髪の毛もずいぶんと伸びて見違えたよ」

「そういうタカミチは少し老けたんじゃないか?」

「ははは…痛いところを突いてくるね」

ルークは約2年ほどで身長が順調に成長していた

そして対するタカミチはというと、この別荘を使い込んでいる為に2年以上の年月が経っているのである

「おい、タカミチ。ちょっと待て!そのガキは一体何者なんだ!ナギの事を知っているようだし、
貴様の師匠であるガトウのことも知っているようだが?」

そんなルークとタカミチの感動の再会イベントが行われている中、
無視されるのが嫌いなエヴァは強引に自分が気になった事を問い詰めてきた

「あれ?以前言わなかったかな?ナギさんが召喚したっていう話なんだけど」

「あぁ、それなら聞いたが………まさかこのガキがそうなのか!?」

「そうだよ。『聖なる焔の光』として呼ばれたのがこのルーク君という訳さ」

エヴァの質問に完結に答えるタカミチ。どうやら過去に軽く説明をしていたようである

「ヨロシクナ、ルゥ坊。ケケケ」

そしてタカミチとエヴァから少し離れたところでは、チャチャゼロを頭の上に乗せたルークがいた

「おう、チャコもよろしくな」

昨日の敵は今日の友みたいな勢いで、仲が良くなった1人と1体は妙なあだ名で呼び合っていた

「ふぅ、間もなく私たちが入って24時間が経つはずだ。後は外で喋るぞ」

それを呆れながら見ていたエヴァは別荘の使用時間の終わりが近かったので、外に出ることを促していた


「なぁ、チャコ。別荘以外ではまったく動けなくなるのか?」

エヴァの発言通り、別荘の使用時間が終了し、現在はエヴァの家の中でくつろぎ中のルーク

そんなルークは自らの頭上にいる、某たれたパンダの様な姿のチャチャゼロとお話中のようである

「アァ、俺ガ動クニハ魔力ガ必要ナワケダガ、イマノ御主人ハタダノ幼女ダカラナ、俺ハコッチデハ喋ルノデ精一杯ダゼ」

エヴァの従者であるチャチャゼロは人形である為に、魔力の供給がないと自由に動くことが出来ない

「なるほど………幼女なら仕方がないか。」

そんなチャチャゼロの説明を聞いているのかいないのか、幼女の部分に食い付くルーク

「私のことを幼女って言うな!そしてそんな意味の分からない言葉で納得するんじゃない!」

当然、エヴァはキレかけ寸前だ

「御主人、ミタメハ幼女デモ600歳ヲ越エテルンダゼ?血管ガ切レヤスインダカラ気ヲツケロヨナ」

「うーん…見た目は幼女、中身はおばあちゃんか………ヴァンパイアってのはそういう種族のことだったんだな」

そんなエヴァに追い討ちをかける1人と1体

「貴様ら―――――殺す!」

そしてエヴァは爆発した(笑)

「ケケケ、逃げるぞ、ルゥ坊」

「おう♪」

怒り爆発のエヴァであるが、先ほどから申したとおり、現在はただの幼女である

当然、ルークとチャチャゼロを捕まえられるはずもなくあっさりと室外に逃げられてしまう

「ははは、ルーク君もずいぶん………ナギさん達に似てきちゃったんだね…………」

その一部始終を、お茶を入れながら見ていたタカミチは、最初は微笑んでいたものの徐々に暗い表情に変化していった

「タカミチ………これは怒りはヤツを招くきっかけとなった貴様の責任だ!」

そのタカミチを睨みながら呟くエヴァ

「ちょっ…ちょっと待て、エヴァ!?早まるな、彼等だってきっと悪気が合った………と思うけど………
って言うかその前に僕に八つ当たりをするのもどうかと思うわけでして!?」


タカミチ・T・高畑 22歳 相変わらず危機回避能力が皆無であった(汗)


「ふぅ、ここまで逃げれば大丈夫かな?」

「ケケケ、イマノ御主人ジャココマデオイカケテクルノハ無理ダロウナ」

タカミチが八つ当たりを喰らっている頃、事の原因となった人物たちは少し離れた木の上で休憩をしていた

「でもさ、エヴァって実際はかなり強いんだろ?何で今はそこまで弱くなってるんだ?」

「ソレハダナ―――――」

チャチャゼロは暇だろうし良いか、見たいなノリで喋りだした

それを作者なりにすっごく完結に述べると

ナギに惚れたエヴァがナギにストーカー行為を行い、それをやめるようナギに言われたがエヴァはそれを拒否

そこでエヴァは逆に自分の物になれと要求するのだった

そのエヴァに対しナギは、単純明快な罠で動きを封じ、ナギのアホみたいな魔力と呪文により呪いをかけられたのだ

その呪いは『登校地獄』と呼ばれ学校に登校しなければならない、そのまんまな意味の呪いである

その他にも、学園敷地内から出られない、魔力を封印されているなどの効果がある

と、チャチャゼロはルークに説明していた

しかし、実際は違っていることをチャチャゼロはもちろん、エヴァも知らなかった

実は、登校地獄には学園から出られないと言う呪いはかけられているが、別に魔力を抑えるような効果はない

では何故魔力が封じられているのか?それは学園都市を覆うように展開した結界が原因であり、ナギの呪いではない

それを彼等が知るのは数年後の話である

「―――――トイウワケダ。ワカッタカ?」

「なるほどな。でもさ、それならチャコが魔力供給出来るようになれば動けるってことだよな?」

チャチャゼロの説明を聞き、ルークなりになにか考えがあるようである

「ソンナコトガ可能ナラ動ケルトオモウガソンナ都合ノイイモノガアルトオモウカ?」

「それが実はあるんだよな♪」

と、ルークは笑顔を見せると、腰につけた袋からネックレスを1つ取り出した

「ン?ソレハ何ナンダ?」

「これはな、俺の世界のアクセサリーなんだ。まぁとにかくつけてやるよ」

ルークはそのネックレスをチャチャゼロの首にかけてあげた

「オッ!?ナンカチカラガミナギッテクルゼ!」

「おぉ!やっぱりか?それはこっちの世界ではメンタルシンボルって呼ばれるアイテムでな、
魔力や気を少し回復してくれるんだ」

「ケケケ、久々ニソトデ動イテミルトキモチイイジャネェカ!」

少しずつだが供給される魔力でチャチャゼロは十分に動き回れるようである

「それはよかった。ところで体の調子はどうだ?久々に動いたんだったらさっきの戦闘で何か問題が出てないか?」

「ウーン、ソウダナ。チョット動キヅライカモシレナイナ。ウレシクテツイワスレテタゼ。」

久々の激しい動きで関節部に不調があるのか、チャチャゼロはまたもルークの頭の上にたれ始め体を休めることにした

「ヨシ、修理シテモライニ御主人ノトコロニ戻ルトスルカ」

「そうだな、ついでに腹も減ったし、何か食べようぜ♪」

「ソウダナ、今日ハ機嫌モイイシ酒デモ飲ムカ♪」

こうして、1人と1体はエヴァの家へと戻っていった

そしてそこで見た物は、機嫌を少し取り戻したエヴァと、

理不尽ながらも逃げることが出来ず、耐えて耐えて耐え抜いたが結局ボロボロになったタカミチが倒れていたのだった

なお、エヴァの様々な仕打ちを受けている際、タカミチが微妙に咸卦法を使い、防御していたことを追記する

さらにそれを見たエヴァが、後日、数時間タカミチを攻撃し続けるという訓練メニューを導入したことを追記する

さらにさらに、それを聞いたルークがダークシール『のみ』をタカミチにレンタルしたことを追記しておく

タカミチの受難はまだまだ続く―――――


第5話に続く



どうも、こんばんは〜ズズでございますよ。
さて、第4話ですがどうでしょうか?
ルークにジグムント流剣術を使わせて見たかった!と言うズズの願望が叶った瞬間だったのですがどうでしょう?
パワーのアルバート・スピードのジグムントってな具合に別れてるようですし、
いっそのことくっ付けて弱点をなくすのだ!と言う、単純な考えで進行しております
尚、ゲームでは不可能な連携も遠慮なく可能と言うことにしておりますのでご了承ください(汗)
しかし、ようやく主要メンバーの1人、エヴァを出すことが出来てズズは感激ですよ(笑)
そうそう、エヴァの呪いの解釈ってあれで合っているのでしょうか?
単行本を読み漁って判断してるのですが………
それとルークは吸血鬼を知らないと言う方向でお願いします(汗)

さて、前話で質問した際、様々な意見をweb拍手に送っていただきありがとうございます。
感想なども感激しながら見させていただいております。

さて、ここでweb拍手で指摘されたことなどについていくつかお返事をさせていただきますね

11/4
0:58 タカミチが・・・orz

えぇっと、この小説はルークの幸せを願っておりますので、基本的に不幸は他人任せでお送りしております
その為にタカミチにはしばらく不幸を背負ってもらう事になるかと(汗)
タカミチファンの皆さん、ゴメンなさいです

11/8
9:30 誰かがティアを召喚したりしませんか?

直球ですな(笑)
一応今のところはありませんです
でもティアを含むパーティーキャラは出来れば全部出してみたいという願望はあります
というのも最初の方に言いましたが、元々私が書こうと思っていたのは逆行物でしたからね
もしかすると回想とかでなら出演ありかもです(今はそれでご勘弁を)

21:45  1話から4話一気に読みましたマジ面白いですそれとダークシールのふくさようはどうなってるんすか?

ダークシールの副作用はたしかダメージが倍増と技・譜術を封印するというものでしたので、
クローナシンボルの状態異常・状態変化を防ぐ力で相殺できると言う設定でお送りしております

5:06 譜歌はユリアの譜歌でyahooで検索すれば何と言っているか分かりますよ。あとアビスでも気はあるので 
5:13 音素が魔力と気に分かれたというのは無理があると思います。アビスの気とネギまの気が違うものだというなら 
5:14 違うという描写を入れるべきだと思います

…………………………なぬっ!?
えぇっと、この拍手を見た時の私の状況がこれであります(汗)
アビスでは技などはTPでまとめられていたからてっきりないと思ってたんですがピンチですね……
そ…そこでですね、ご都合主義解釈を少々させていただきます
ルークはこちらに来る際、音素や気などの神秘的な力が1度1つの物となり、そこからナギの力で気と魔力に分裂した!
ということでいかがでしょうか?(滝汗)
えぇ〜素晴らしい言い訳を思いついたら修正してみますのでそれまではこれで行こうと思いますです………

それと上の拍手にもありましたが譜歌についてです。
これに関しては様々な意見、どうもありがとうございます。
そして譜歌に関係してくるのがルークの強さなんですよね。
これについても色々と意見を貰えてありがたいことです。
譜歌については自分もかなり悩んでおります。
譜歌は支援系の能力が多いので使えそうな状況が多々あるんですよね。
でも条件などのこともあり迷っていた訳なんですよ。
譜歌についてはもう少し考えてみたいと思います。(使用の確率は低いですが……)
それとルークの強さについては追々表現していきたいと思います

この他、様々な拍手、本当に感謝感激でございますよ。
全部返信したいところなんですが、時間がありませんので申し訳ありませんがご了承ください
でも、しっかりと読ませていただいておりますよ♪

それでは本日はここいらで失礼させていただきます
相変わらず長々しいあとがきとなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます
それではまた次回(最近課題が多いので次回の更新は少し遅れそうです)にお会いしましょう!ではでは




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