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風と共に去りぬ  風丸×宮坂
作者:もちこ   2012/01/21(土) 11:04公開   ID:55zAnhAAloI


side:風丸

ーパタパタ…

静かな廊下に響く足音。
三年間過ごした、この学校とも今日でお別れだ。

「宮坂、もう待ってるかな」

自分が呼び出したくせに、記念撮影やらで、ずいぶん時間がかかってしまった。
記念撮影が終わった後は、待ってましたとばかりに、女子達に囲まれた。

「風丸君!一緒に写真撮って!」

「風丸君!アドレス教えて!」

「高校でもサッカーするの?」

ー最後だからって色々聞き過ぎだよ

そう思って笑ってしまった。

「私、風丸君が好きなの・・・・もし良かったら・・・私と・・・・・・」

流石に、これは困った。

「ご、ごめん・・・・俺、好きな奴がいるんだ・・・」

泣かせてしまった。
だって、俺にはどうして良いかなんて分からない。
俺には、宮坂が居るんだから・・・・・
思わず二ヤけてしまった。
気づいたら、俺は教室の前に立っていた。
俺は、一呼吸置き、教室のドアを開けた。

ーガラッ

「ごめん、待ったか?」

そう言って、宮坂に近づいた。
小さく首を振る宮坂。

「そっか・・・・」

宮坂は、目を潤ませていた。

「寂しい・・・か・・・・?」

そんな言葉が、口から出た。
宮坂は、頷きも首を振りもしない。

「ごめんな・・・・・・・」

ーこんな質問したってお前を困らせるだけだよな・・・・

俺が謝った瞬間に、宮坂の目からは大粒の涙が零れた。
俺は、思わず宮坂を抱き締めた。

「か、風丸せー」

泣きじゃくる宮坂の言葉が途切れた。
制服の胸元をキュッと握る宮坂。

「宮坂?」

「ねぇ・・・・風丸先輩・・・・後一年早く産まれていたら、あなたの傍に居られましたか?」

最後の言葉は、聞き取り難かったが、確かにそう聞こえた。

「宮坂・・・・大好きだよ・・・・」

俺の言葉に、宮坂はハッとしたように顔を上げた。

「せ、先輩・・・・僕・・・・」

言葉が出ないのか、宮坂は潤んだ目で俺を見つめていた。

「もう泣くなって」

おれはあ、制服の袖口で宮坂の頬を伝う涙を拭った。
グッと目を閉じる宮坂。
喉が鳴る。
思わず、宮坂と唇を重ねようとした。
しかしー

「風丸〜?」

そう言って教室に入って来たのは、円堂だった。
まさかの邪魔者に、俺はバッと宮坂から離れた。

「ん?もしかして、大切な話しか何かしてたのか?」

円堂の場合は、これは皮肉とかで無く、素直な反応。
円堂は、恋愛に疎い。
と、言うより鈍い。

「まぁ・・・・・そんな所だ・・・」

「すまない・・・邪魔しちゃったみたいだな・・・」

円堂がヘコむ。

「円堂、なんか用じゃないのか?」

「ん?あぁ、卒業試合だから、呼びに来たんだ」

時計に目をやると、試合まで後30分だ。

「分かった。すぐ行くから、先に行っててくれ」

俺の言葉に、円堂は頷き、教室から出て行った。

ータイミング・・・失っちゃったな・・・・

宮坂を横目で見ると、微かに頬を染めていた。


ハァ・・・・・・・円堂のバカ・・・・





続く

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■作者からのメッセージ

どうも、もちこです!
今回は、風丸先輩目線でお送りしました!
お楽しみ頂けましたでしょうか?
次回は、またまた宮坂目線でお送りします!
ちなみに最終回になります。
そしたらまた咎狩りを更新しようと思います

謎の女騎士様
ご感想ありがとうございました。
今回の話しは、次回で最終回になりますが、イナイレネタはまだまだ尽きないので、またいつかイナイレネタでお邪魔させて頂こうと思います!
お互い更新頑張りましょう(*^∀^)♭
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