「ああ、今日が来たな…」
今日、うちの高校の体育祭がある日だ。やっぱりコロナの影響もあるのか。体育祭は半日になるらしい。開催されるのは、やはり例の市のドーム。うちの学校は一応グラウンドはあるが体育祭ができるようなところではないし、なんならグラウンドで部活してる人、見たことないよ。
まあ、体育祭が始まる。ああ、俺が参加する競技?それはダンス、伊東と同じ競技だ。伊東たちと練習してきた甲斐があったよ。
開始前、男子チームの面々は余裕の笑みを浮かべていた。
「いくら女子の体力が向上しているっていっても、俺たちには敵わないだろ」
「まあ、多少はやるかもしれないけど、やっぱり最後は俺たちの勝ちだな」
一方の女子チームは、やや不安げな表情を浮かべていた。
「男子相手に勝てるのかな……」
「大丈夫だよ、ここ最近の大会でも結構いい勝負になってるし、勝機はある!」
女子たちは、数年前から再び体育のユニフォームとして採用されたブルマ姿で整列していた。昔のように恥ずかしがる様子はない。それどころか、彼女たちは引き締まった太腿を堂々と晒し、試合に向けて自信を漲らせているようにも見えた。
競技が始まると、当初の予想は大きく覆された。
女子たちは驚異的なパワーを発揮し、男子たちを次々と打ち負かしていったのだ。
圧倒される男子たち
短距離走——僅差の勝負。男子が有利と思われたが、ゴール前で女子選手が劇的な逆転を見せる。女子選手の引き締まったブルマ姿の腰が、男子選手を追い抜いていく様は衝撃的だった。
棒倒し——女子たちは団結し、見事なチームワークを発揮。男子たちは彼女たちの力強さに押され、防戦一方になった。
騎馬戦——女子たちのしなやかさと機敏さが際立った。男子が馬になっても、上に乗った女子の巧みな動きに翻弄され、次々と落とされていく。
男子たちは焦り始めた。
(こんなはずじゃない……!)
しかし、巻き返しを図る男子チームにも、いくつか勝てる競技があった。重量を活かした綱引きでは男子チームが勝利し、リレーの一部では接戦を制した。
だが、全体としては女子チームの圧勝。
特に、最後の種目であるリレーで決着がついた。最後のアンカーは、男子と女子が同時にバトンを受け取る形になった。男子選手は全力で駆けた。しかし、隣を走る女子選手が力強いストライドで並び、そして——ゴール寸前、わずかに前に出た。
フィニッシュラインを越えた瞬間、女子選手の胸が先にテープを切った。
場内に響く歓声。
「勝った……!」
女子チームが歓喜し、抱き合う。その光景を、敗北した男子たちは呆然と見つめていた。
汗に濡れたブルマ姿の女子たちは、まるで誇らしげに胸を張っていた。一方、敗北した男子たちは肩を落とし、静かにうなだれる。そして、そのほとんどが股間を大きく膨らませていた。
「文也。よく頑張ったな」
「翔。それはお前もだよ」
後日、学校で配られた校内新聞には、大きな見出しが踊っていた。
『見せつけた女子のパワー!男子を圧倒』
記事には体育祭の詳細が細かく記載されていた。
掲載された写真の数々——ブルマ姿の女子が圧倒的な力を見せつける姿。男子が敗北し、肩を落とす姿。そして、膨らんだ股間を隠しきれない男子の姿。
さらに、女子チームの感想と男子チームの感想も掲載されていた。
女子チームの感想:
「私たちの力を証明できて嬉しい!」
「昔は男子に勝つなんて考えられなかったけど、今では当たり前になりつつあるね!」
男子チームの感想:
「まさか、ここまで負けるとは……」
「正直、女子に負けるなんて思ってなかった」
「最後のリレーで抜かれた時、信じられなかった……」
記事の最後には、**体育祭の総評として、『女子が男子を上回る時代が現実になりつつある』**と締めくくられていた。
時代の変化を受け入れる男子たち
放課後、教室の隅では、女子たちがスカートを揺らしながら校内新聞を見てはしゃいでいた。
「ほら見て、この写真!私がリレーで抜いた瞬間!」
「男子たちの顔、めっちゃ悔しそう!」
「それに……この写真、ちょっと面白いかも?」
指さされたのは、敗北した男子たちの姿を写した写真。彼らは項垂れ、そして一様に股間を大きく膨らませていた。
「文也くん。私たち、これからも、いい関係を築けそうだね」
「ありがとう」
時代は変わりつつある。だけど、そんな中でも変わらないものは存在する。人が人に恋をするのは、まさにその典型例だろう。
「あの子に好きって言いたくて」完(?)