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異界行き最終痴漢電車(上)【幽霊×OL】
作者:棗   2023/05/01(月) 16:19公開   ID:XLsT.iJZMhM
 ごとん、ごとん……という規則的な振動に、いつの間にか眠気を催していた。
 ふと意識が浮上し、残業疲れと崩れたアイメイクで凝り固まった瞼を押し開く。
 白い電灯に照らされた終電の車内は、わたしを除いて無人だった。
 ゆらゆらと揺れる吊り革。ドアの上のモニターでは、見る人もいないのに無音声のCM動画が繰り返し流れていく。
 静まり返った車内には、ごとん、ごとんと、レールが軋む音だけが響いていた。
 ぼんやりと視線を彷徨わせ、動画の横に表示された次の停車駅名に瞠目する。
「ひらさか?」
 見間違いかと思い目を擦ってみるが、確かに『次はひらさか』と表示されている。
 おかしい。この路線に『ひらさか駅』なんて存在しない。
 発車ぎりぎりに駆け込み乗車をしたせいで、間違えて別の路線に乗ってしまったのだろうか。
 呆然と青ざめていると、ぱっとモニターの画像が切り替わった。
 停車する各駅名がずらりと並んで表示される。次は『ひらさか』、その次は『やみ』、その次は『きさらぎ』、その次は『かたす』……。
 ぞわぞわと鳥肌が立った。
『きさらぎ駅』だなんて、有名な都市伝説そのものではないか。いつものように電車に乗り、ふと居眠りから目覚めたらこの世ではない駅に着いてしまった……という怪談の。
 通勤用のバッグを抱え、座席にへたり込む。
 おそるおそる車窓を振り返る。普段なら建物や街灯の光がぽつぽつ浮かんでいるはずなのに、永遠のような暗闇が車内の光景を白々と浮かび上がらせていた。
「……嘘でしょ?」
 この電車は、一体どこを走っているの?
 バッグを抱き寄せた拍子に硬い感触が指先に当たる。スマホを外側のポケットに放り込んだままだった。
 慌てて取り出して画面を確認する。
 電波は圏外、時刻は二十七時九十三分。寒気がして、スマホを取り落としそうになった。
 引っ掻くようにLINEのアプリをタップしても、反応が全くない。他のSNSも、電話もメールも起動しない。
 かちかちと奥歯が鳴っている。絶叫したいのに喉の奥が引き攣って声が出ない。
 どうしようどうしようどうしようどうすればいいの!?
 現実にはありえない時刻を表示し続ける画面を見ていられず、スマホをバッグに押し込んだ。
 わたし、このままあの世に連れて行かれてしまうの? 残業で汚れた雑巾みたいになって家に帰るだけの毎日を必死に生きて、その結果がこれ?
 恐怖よりも悲しみが勝って涙が溢れた。口元を覆って嗚咽していると、がたんと、レールの軋みではない音がした。
「え……」
 顔を上げると、前の車両に繋がるスライドドアが中途半端に開いていた。す――と、ひとりでに閉まっていく。
 血の気が下がる。ぎゅうぎゅうバッグを抱き締めて縮こまっていると、ぺたりと何かが足に触れた。
「ひっ!?」
 目の前には誰もいない。
 だが、紺色のタイトスカートから伸びた太腿に手が置かれている感覚がある。冷たく湿った、わたしよりも大きい男性的な手が。
 幽霊という単語が頭を過ぎった。凍りつくわたしに構わず、不可視の手はストッキング越しにすりすりと太腿を撫でさする。
 それは身に覚えのある感触だった。満員電車の中で何度も味わった恥辱が蘇る。
 どうして幽霊にまで痴漢されなくちゃいけないの!?
「いやぁ! 触らないで!」
 バッグを振り回して追い払おうとすると、強い力で両手を掴まれた。バッグが床に落ちる。
「やだやだやだっ、放してよ!」
 両手を頭の上で固定され、ばたつかせていた両足も掴まれて大きく開かされた。
 ハイヒールの踵が浮き、タイトスカートが盛大に捲れ上がる。まるでカメラに向かってM字開脚を披露するAV女優のようなポーズだ。
 かぁ――っと顔が熱くなる。
 がっちりとわたしを拘束した幽霊は、再び太腿を撫で回し始めた。太腿だけではなく、ふくらはぎ、お腹、胸元、二の腕、首筋、頬――全身のあちこちを愛撫されている。
 何体の幽霊が自分に群がっているのか、考える事すら恐ろしい。
 どれもひんやりとした男の手だ。長く骨張った指が、厚みのある掌が、体のラインをなぞり、時折引っ掻いたりくすぐったりする。
 さわさわ、すりすり、こちょこちょ、かりかり……どこか焦れったいほど優しい愛撫に、段々と嫌悪感とは別の感覚が込み上げてくる。
「んっ、ふぅ……っ」
 下腹部に熱が溜まっていく。身を捩った拍子に座席から尻が浮き上がり、すかさず隙間に幽霊の手が差し込まれた。
「あっ!?」
 タイトスカートの裾が腰までずり上がり、完全に内側が丸見えになった。
 手がぴたりと動きを止めた。
 まるで衆目に晒されているような圧迫感に羞恥心を煽られ、思わず目を瞑る。
 濃いベージュのストッキングはパンティ部レスタイプで、腰回りから前後の紐で靴下部分を吊り下げている。ガーターベルトとガーターストッキングが一体化しているような形状だ。
 パンティ部レスタイプのストッキングはガータータイプと同様に、ストッキングの上から下着を穿く。今のわたしは、黒いレースのパンティを丸出しにした痴女そのものだ。
 汗っかきのわたしは、暖かい季節になるとスカートの内側が蒸れやすい。対策としてパンティ部レスタイプのストッキングや、布地面積の狭い下着を愛用していた。
 今日のパンティも、VIOゾーンは隠れているものの、それ以外の部分はシースルーのレース生地なので素肌が透けてしまう。つまり、恥丘や尻たぶはほぼ丸見えだ。
 この世のものではない存在にねっとりと視姦されるという異常事態に、理性が思考を放棄し始める。ひくひくと尻たぶが震え、下腹部の熱がクロッチ部分の奥からじゅわ……っと滲み出す。
 いつ冷たい手が伸びるのかと息を詰めていると、むにゅりと両胸を鷲掴まれた。
「ひゃん!?」
 予想外の動きに両目を見開く。
 他の手は静止したまま、胸元に張りついた二つの手が膨らみの大きさを確かめるように乳房を揉みしだく。
「やっ、ちょっ、はぅんっ……!」
 水色の七分袖シャツの上からぐにぐにと両胸を捏ね回され、堪えがたい快感に背骨が仰け反った。
 元々窮屈だった胸元はボタンが弾け飛びそうだ。更に、なんとか乳房を押し込んでいたブラのカップがずるんとずり下がった。
「あ――駄目、駄目駄目ぇ!」
 乳房を揉みしだく手とは別の手が器用にボタンを外していく。何故か一番上は留めたまま、鎖骨から下を剥いていくようにぷつりぷつりと一つずつ。
 体温が跳ね上がる。
 スカートのウエストまでボタンが外され、シャツの前身頃が容赦なくひん剥かれた。
 顔を背ける事もできないわたしの眼前で、ブラから溢れそうな双乳がばるんと弾む。
 サバを読んでI75サイズを使っているが、わたしの希望とは裏腹にコンプレックスでしかない巨乳(同僚には立派な爆乳だと散々揶揄される)は常にはちきれそうだ。パンティと上下セットのブラはカップこそ大きいものの、バストを覆う布地の半分以上黒のレースという際どいデザインをしている。カップがずり落ちている所為で、ぷっくりと膨れ上がった乳暈と乳頭がレースから見え隠れしていた。
「ぁ、う、あ」
 ごとん、ごとん、と振動の響きに合わせ、ぷるっ、ぷるっ、と乳房が揺れる。丸々とした膨らみは薄く汗ばみ、苺ミルクのような色に上気していた。
「はあっ、うぅ、はあっ」
 息が上がる。
 乳頭は痛い程に凝り、僅かな身動ぎでさりさりとレースが擦れるだけて視界に火花が飛んだ。両脇に追いやられたシャツの息苦しさが下腹部から這い上がってきた熱を煽り、胸の先まで火照らせる。
 内腿がひくひくと打ち震え、パンティのクロッチ部分はしっとり湿り気を帯びていた。気付けば自分から腰を浮かせ、両足はすっかり脱力して限界まで押し開かれている。
 するりと、ストッキングの吊り紐部分を透明な指がなぞった。
「ひ、ぃ」
 それが合図だったように、全身に絡みつく手が再び動き出した。
 さっきと同じようで、さっきよりもねちっこく乱暴にまさぐられる。
 ハイヒールを脱がされた爪先から、僅かな素肌がはみ出す太腿。
 頼りないレースだけを纏った尻たぶと、うっすらと茂る陰毛を覗かせる恥丘。
 クロッチの布地がぴったり張りついて浮かび上がった秘裂。
 シャツの割れ目から覗く臍。
 今にもブラのカップから弾け飛びそうな双乳の盛り上がりと、薄桃色に染まってむわりと女の匂いを漂わせる深い谷間。
 曝け出された生白い喉笛。
 尻たぶを撫で回され、パンティが食い込む割れ目から恥丘の麓まで指の腹が幾度となく往復する。
「あっ、あっあっ、あっ、ひぃんっ!」
 秘裂の凹凸を丁寧になぞっていた指先がすっかり勃起した陰核を目敏く見つけ、くりくりと捏ねくり回される。痺れるような衝撃が下腹部で燻る熱を暴発させ、わたしは爪先まで突っ張ってびくびくと痙攣した。
 飴玉を舐るように陰核を転がされ、恥骨を上からぐっ、ぐっ、と押され、秘裂の襞をすりすりと優しくなぞられ、わたしの女の孔はとぷとぷと甘い涎を垂らして口をひくつかせた。時折内腿をくすぐられると、子犬じみた嬌声が馬鹿みたいに迸る。
「はっ、あ、ああっ、ひっ、ん、あぁッ!」
 ブラのカップごと両方の膨らみを持ち上げられ、掌から余る乳肉をやわやわと揉み潰される。上からは別の指がレースの縁取り越しにかりかりと乳暈を引っ掻き、意地の悪いタイミングで乳頭を弾いてはわたしに濡れそぼった悲鳴を上げさせた。
「ふ、ふ、うぅ、んぅ――っ!」
 きゅうっと乳頭を強く摘まれ、わたしは背中をしならせて甘美で残酷な絶頂に追いやられた。
 学生時代の恋人と別れて以来の男日照り、仕事に追われて自慰すら半年近くまともにしていなかった。久しぶりの法悦は鮮烈過ぎて、抗おうとする意志を奪われて溺れるしかない。
 ぷつ、と、胸元で小さな音がした。
 突然解き放たれた乳房が本来の重みと弾力を取り戻し、ぶるんっぶるんっと飛び跳ねる。
 ブラのフロントホックを外されたのだ。用無しになったカップは外側へ払い落とされ、リアルロケットおっぱいと同僚に馬鹿にされた豊満過ぎる双乳がたぷたぷと波打っている。
「あっ……ひ、ぅ、あっ」
 仄かに赤らんだ乳房に比べ、ぷくぷくと浮き立つ乳暈や乳頭はいやらしい小豆色に充血していた。ふるふると無防備に震える乳頭を絞り出すように膨らみを握り込まれ、びくんっと腰が跳ねた。
 ねろり、と、明らかに手とは違う感触が乳頭を呑み込む。
「ひっ、あぁぁ!?」
 舌――だ。
 冷たくて、けれどもぬるぬると濡れている舌が両方の乳頭を搦め捕り、固い歯列で甘噛みされ、肉厚の口唇でぢゅうっと吸いつかれる。
 ぢゅっぢゅっ、れろれろと、まるで赤ちゃん返りした幼児が母親に甘えておっぱいを強請るような執拗さで、乳房全体を絶妙な力加減で揉みくちゃにされながら貪られる。その間も下半身への愛撫は止む事はなく、わたしはがくがくと全身を戦慄かせて泣き叫んだ。
「あっあっあっ、やっ、ひぃ、いゃあ、まっ、まって、や、あっ、あぁぁッ!」
 汗と涙と涎でメイクはどろどろだ。シャツもタイトスカートもすっかり濡れそぼってぺったりと張りつき、快楽に溺れているのか水に溺れているのか分からない有り様だった。
 幽霊の舌先は胸だけでなく、口腔、耳の中、首筋から鎖骨のライン、腋窩、ふっくらと張り詰めた乳房の尾根、臍の窪み、陰部、両足の付け根から内腿、足の指まで弄んだ。
 特に口腔は、まるでわたしという人間の骨までしゃぶり尽くさんというような激しさで、舌を絡め合う深い接吻《くちづけ》を味わあされた。
 じゅぷじゅぷと耳の孔を犯されながら、喉の奥まで舌で撫で回されて唾液を流し込まれる。幽霊の唾液は無味無臭で、胃の腑が灼けるように凍てついていた。
「はっ、んむっ、んぅ――ッ!」
 口づけられながら、乳暈ごと乳頭を、陰核を痛みを覚える程吸われて噛み潰された。
 思考が真っ白に焼き尽くされる。
 びぃんッと両足が突っ張り、体が反り返ってたわむ双乳が高々と突き出される。ぷしっとクロッチの奥から潮が噴き零れ、両目がぐるんと裏返った。
「は、ひゃひ、ひぃ、あ……は、あぁ」
 座席に弛緩した体を投げ出したわたしは、びくびくと痙攣しながら細波のような絶頂に苛まれ続けた。パンティはびしょびしょに濡れてとっくに用を成さず、ストッキングには垂れ流される愛液が染み込んで茶色の斑模様が浮かんでいる。
 ごとん、ごとん……と、電車は走り続ける。一体いつになったら次の駅に停まるのだろう?
 犬のような呼吸を繰り返していると、ふわりと体が浮き上がった。
「ぁ……え?」
 緩慢に瞬くと、睫毛に溜まっていた涙と汗の玉が転がり落ちていく。
 万歳の状態で吊り革を掴まされ、尻を後方に突き出すような姿勢で固定される。がっちりと腰を支えられているので苦しくはないが、ストッキングの爪先が浮き上がり気味で不安定だ。
 重力の法則に従って下向いた双乳が慣性の法則に導かれてゆっさゆっさ、たっぷたっぷと揺れては弾み、弾んでは揺れる。小粒の木苺みたいに実った乳頭が躍る様はなんとも淫靡で、恥ずかしさのあまり唇を噛んだ。
 まるでわたしの気を引くように、尻たぶに食い込むパンティラインを撫でられる。クロッチ部分の布地をくいくいと指先で引っ張られ、ふるりと背筋が震えた。
 にゅるん、と、男の指がパンティの内側に滑り込んだ。
 それは迷わず陰部を覆う布地を横にずらすと、愛液を涎のように垂らしながらひくんひくんと震える女の孔を明かりに晒した。
「ひ、あ……」
 ひやりと外気が恥部を舐める。不可視の指が次々と剥き出しの女の部分に群がっていく。
 太くて固くて長い指が一本、二本、三本と、蜜が溢れる膣の中へじゅぷじゅぷと潜り込んでくる。てんでばらばらの動きで、掻き混ぜ、踏み躙り、わたしの弱点を暴き立てていく。
「あッ、いひっ、あ、ああ、ぉ、んぁッ!」
 快楽の生じる箇所を刺激され、膝がかくかくと笑う。特に恥骨付近をくるくる撫で回されたり、とんとんと叩かれたりすると、熱が迸って霧雨のような潮を噴いた。
 両手で吊り革を握り締め、上体を弓形に反らして打ち震える。激しく揺さぶられる度に乳房の重量感が増すようで、悩ましい苦しさに涙を浮かべて喘いだ。
 膣内ばかりではなく、陰核も皮を剥かれてころころと捏ね回されたりきつく摘まれたり責め苛まれる。不意打ちでねろりと厚い舌に吸いつかれ、とうとう小水をしょろろ……と漏らしてしまった。
「ふぅ……っ、ひ、も、も、やらぁ……」
 情けなさと終わりの知れない快楽への恐ろしさに泣いていると、もにゅもにゅと乳房を揉み込まれた。あやすような、じわじわと熱を高めるような手つきがくすぐったくて、無意識に太腿を擦り合わせる。
「ん、んっ、ふぁ……ひゃあん!」
 持ち上げた乳房の、つんと張り詰めた乳頭をかぷりと食まれた。歯先が乳暈に当たり、内側から這い出た舌がぬろぬろと乳頭を舐め回す。
「はっ! あ、あ、おっ、んあぁ!」
 きゅうきゅうと乳房の根元から絞るように揉みしだかれ、一際強く乳頭を吸われる。
 ぴぃんと胸の奥から先端まで突き抜けるような感覚が走った直後、わたしは幽霊の口腔に母乳を飛沫かせていた。
「へ……は……あぇ?」
 呆然としたのも束の間、より熱烈にむしゃぶりついてきた男の口唇に責め立てられ、髪を振り乱して泣きじゃくった。
「あっ、あっ、ぃあ、や、まって、も、やめ、あんっ、ひぃ、んっ、おっ、うぉ、あぁッ!!」
 甘ったるい乳臭さが鼻腔をくすぐる。
 確かにわたしは母乳を分泌しているらしい。妊娠している訳でもないのにどうしてなどという疑問は、おそらく考えるだけ無駄だ。
 母乳を噴き出しながら揉まれ続け、双乳は明らかにむっちりとサイズを増した。一回りとはいかなくとも、今までのブラは使い物にならなくなったに違いない。
 ようやく解放された乳房は、てらてらと滑りながら桜色に染まって湯気を立てていた。真っ赤に腫れ上がった乳頭は白い雫を涙のように滴らせている。
 ほぼ同時に下半身への呵責も止まり、わたしはぐったりと脱力した。
 凄絶な快感の余韻に必死に耐えていると、スカートのホックが外された。
「え」
 すとんと足元に滑り落ちる。
 続いてブラの肩紐が解け、シャツの背中側からブラだけ引き抜かれた。
 輪の形にわだかまったスカートの上にブラが放り投げられ、更に一気にずり下ろされたパンティがぱさりと落ちる。
 わたしはぽかんと呆けた。
 前方の車窓に、シャツの胸元をはだけて肉感的な乳房から母乳を垂れ流し、愛欲にひくつく秘部が丸出しのストッキングだけを穿いた女が映り込んでいた。
 結んでいたはずの髪は乱れて黒々と濡れ光り、誰かの接吻を待ち焦がれているかのように勃ち上がった乳頭とぽってりと腫れた唇が赤々として艶めかしい。自分とは思えない痴態に眩暈がした。
 濡れたシャツが纏わりつく背中をそっと撫でられる。腰のくびれを辿り、熱を孕んだ子宮の真上をさすられた。
 腰を持ち上げられ、爪先が宙に浮く。
「あ――」
 直後、露を帯びて開き切った小陰唇にぴとりと何かが押し当てられた。
 指――ではない。
 もっと太くて、長くて、冷たいのに焼けた鉄のように先端まで欲望を漲らせている、男の象徴。
 性交の経験は、片手で数える程しかない。初体験に失敗し、その後も何度かトライしたものの、結局当時の恋人とは破局に至った。
 人並みより経験は浅いが、これが何かは理解できる。わたしが何を望まれているのかも。
 はくり、と、息を吐く。
 腰を落とされ、ずどんと一気に突き立てられた。
「は――ひぐっ」
 両足が跳ね上がる。どぷんっと乳房が弾んで母乳を撒き散らした。
 ほとんど処女に等しい隘路を押し開かれ、逞しい切っ先は子宮口まで貫いている。
 落雷に打たれたような快感(そう、快感なのだ。凄まじい衝撃なのに、間違いなく快感なのだ!)に、舌を突き出して口をぱくぱくさせるしかない。
 ずんっ、ずんっ、と、激しく突き上げる律動が始まった。
 吊り革に掴まっていられず両腕を投げ出しても落下せず、わたしは中空に留まっている。見えない男の無数の手に抱かれ、肢体を海老反りにしならせて媚乳を躍らせる。
「ひっ、ふぉ、あっ、んぐっ、あっ、ぉ、あ、あっあっ、あぁっ」
 どちゅん、どちゅんと胎《はら》を突かれる度に意識が飛び、果てしない高みから放り上げられて更なる絶頂へと追いやられる。いやいやと首を横に振っても許されず、ひたすら異界の欲に穿たれるしかない。
 荒々しい乳房の揺れすら快感の呼び水となり、男根を子宮口に叩きつけられば母乳が噴き上がり、潮の雨が散った。気が狂いそうな悦楽の波間で、ふと、このまま死ぬのだろうかと思った。
「はっ、あっ、あ――ぉ」
 ずぷぷ、と男根が下がり……ずぽんっと子宮口を突き破った。
 両目を見開いて息を詰める。膣がきゅうきゅうと咥え込む男根が膨れ上がり、刹那、胎内にびゅるるるッと大量の精液が溢れ返った。
「あ、あ、ひ、ぁっ――……」
 凄絶を極めた快感に耐え切れず、意識がブラックアウトした。
 ……ごとん、ごとん……。
 暗闇の向こうからレールの軋みが聞こえてくる。
 ――どれぐらい気を失っていたのだろうか。
「ん、ぅく」
 泥のように重い瞼を抉じ開ける。ぼやけた視界に眉根を寄せると、ごつんと額が何かにぶつかった。
「え、ぁ、何?」
 ぺたぺたと両手で探ると、それは車窓の窓ガラスだった。
 いつの間にかストッキングの足の裏が床に着いている。わたしは乗降車用のドアに両手を突く姿勢で立っていた。
 上手く膝に力が入らず、電車の揺れによろめいてしまう。シャツから飛び出した乳房がむにゅうっと窓ガラスに押し潰され、柔肉に沈み込んだ乳頭からじゅわ……と白い露が滲み出した。
「あっ、んひっ」
 ひんやりと固い窓ガラスに熱く熟れた乳頭や乳暈が擦れると、言い様のない痺れが腰から背骨を這い上がってくる。ぷるぷると内腿が震えて、孕んだ精液がたぷたぷと重く揺れる下腹部がいやらしく疼いた。
 快感の細波に屈して膝をつきそうになった時、ぐりゅんと円を描くような動きで胎内を突き上げられた。
「おっふぉ!?」
 仰け反って飛び上がる。
 意識外だっただけで、ずっと挿入状態だったのだ。下腹部はみっちりと幽霊の男根で埋まり、そそり立つ切っ先がちゅぷちゅぷと子宮口を小突く。
「は、ひぃ、う、んっ、ひぁ」
 体勢を崩さないよう腰に腕を回され、更に胸の下に潜り込んだ手が乳房を掬い上げるように揉みしだく。迫り出した双乳がぎゅむぎゅむと窓ガラスで押し潰される形になり、わたしは激しく喘いだ。
 最初の猛攻が嘘のように、男根は小刻みに胎を突いてくる。
 ゆるやかな抽送はわたしの全身を劣情で炙り、汗みずくの肌は水蜜桃のように赤らんでいた。
 窓ガラスの向こうで、ずぶ濡れの女が腰をくねらせて善がり狂っている。恍惚と蕩けた顔はだらしなく舌を出し、窓の外へ媚乳を見せつけるように上半身を押しつけていた。
 もしも外から車内を見たら、煌々と明かりに照らされたわたしの痴態が丸分かりだ。光一つない闇に誰かが潜んでいるような錯覚に陥り、両膝をかくかくと震わせて潮を迸らせた。
「はぁ、は、ふぁ………ひゃんっ!?」
 緩慢な律動が催す生温い絶頂に揺蕩っていると、すっかり皮が捲れて膨らんだ陰核にぢゅうぅぅぅッと吸いつかれた。
 陰核だけでなく、尻たぶを割り開かれて蟻の門渡りから菊門までねっとりと舌が這う。
 更にヒップラインから太腿の裏側を通って膝裏の窪みまで。浮いた踵の下、足裏の土踏まずをねろねろと舐め回される。
 陰毛の生え際をつつかれ、混ざり合った体液まみれの内腿をねちっこく舐られる。
「あ、ぃや、あ、あぁ」
 固く閉じた菊門の蕾をほじくるように刺激されては堪らず、わたしはぶんぶん頭を振った。
 結果、叱るようにぢゅうぢゅう陰核を吸い上げられただけで、両足から力が抜けて深々と怒張を咥え込む羽目になる。
「ひぎぃッ」
 ここぞとばかりに重い一撃がごちゅんっと胎に突き立てられた。
 背筋が外側に弧を描く。窓ガラスで圧迫され続けて真っ赤になった双乳がぶるるんっと身震いし、甘い乳白色の雨を降らせた。
 律動が激しさを取り戻し、男根が最奥を容赦なく連打する。糸が切れた操り人形のように四肢を揺すられながら、意味を成さない嬌音を発し続けた。
 がくんと前方に倒れ込む。
 ほとんどドアに上半身を預けるような姿勢になり、窓ガラスに置いた両腕の間で豊乳がひしゃげて息が苦しい。
 たわんだ膨らみをぎゅむぎゅむと揉捻される。指の間から零れ落ちた乳暈がガラス面に擦りつけられ、薄い皮膚が引き伸ばされる痛みに気絶しそうになった。
「はっ、あひっ、はぁ――あ、んはぁッ!!」
 突然ガラス面に開いた口が両方の乳頭に食らいついた。
 全く幽霊は便利な存在だ。乳暈ごとぬるつく口腔に押し込まれ、乳頭を舌で包みながら一気に吸引される。
「いやぁぁぁ、ひっ、あひ、ぅあああ!」
 舌や歯や粘膜を駆使して愛撫されながら、ぢゅッぢゅッと母乳を吸われ続ける感覚は発狂しそうなくらい強烈だった。
 同時に下半身を舐め尽くされ、胎の奥底まで刺し貫かれるのだから逃げ場なんてない。ひたすら絶頂を駆け上がる。
「や、やら、もぃや、ゆるひ、お、おっぱ、おっぱぃこわれちゃ、あぁぁぁ!」
 なんとかドアから離れようと両手を突っ張ると、乳頭を噛んでぎゅっと引っ張られた。
 車両の振動に合わせてぱつぱつに弾けそうな乳房がたわんで伸びて、下からずんっずんっと子宮口を突き上げられる。
 乳房が伸び切る瞬間にぢゅるるっと母乳を吸い上げられ、より深く重い衝撃が胎を貫く。
「あひんっ! ぁめぇ、も、やめへっ、いぐ、いく、いっちゃうからあぁぁぁぁ!!」
 体中が熱い。脳髄が沸騰する。絶え間ない快感の怒濤に呑まれ、何も考えられない。
 男根を締めつける肉壁がきゅううううっと収縮する。
 ずっぽんっ! と男の肉欲が再び胎内まで突き刺さった。
「ぁ」
 ぴんっと両足が硬直し、首が落ちそうな勢いで上半身が反り返る。
 乳房がぎゅうぎゅうと引っ張られ、乳暈を噛み潰し乳頭を喉の奥まで咥えて吸い込まれる。
「いぎ、ひぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
 陰核にもむしゃぶりつかれ、わたしは鉄砲水のような勢いで母乳と潮を噴き上げた。
 止めとばかりに、ずっどん! と怒張が深々と子宮を穿つ。
 男根が凶悪なサイズまで肥大し、びゅくびゅくと音が聞こえてくるような勢いで吐精する。
 滾るように凍みる精液が胎を満たしていく感覚に、母乳と潮がびゅっびゅっと噴き零れ続けた。
 ようやく射精が終わる頃には、わたしの腹部は身重のようにぽっこりと膨れ上がっていた。


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