登場人物設定 ▼用語設定

主人公とヒロイン
暁の旅団
エレボニア帝国
クロスベル
カルバード共和国
リベール王国
七耀教会
その他

登場人物設定

 リィンを中核とした主要人物の原作と異なる点を記載しています。
 流れに大きな変化のないキャラクターは省略しています。あらかじめ、ご理解ください。

【主人公とヒロイン】

リィン・クラウゼル
 シュバルツァー家ではなく〈西風の旅団〉に拾われ、クラウゼルの姓を名乗っている。前世の記憶を持つ転生者で、この世界のことを原作知識として覚えている。なお、本来のリィンは母親と共に、百日戦役の引き金ともなった『ハーメルの悲劇』で死亡。ギリアス・オズボーンが〈黒の工房〉と取り引きをすることで、ホムンクルスの技術によって蘇生されたのが現在のリィン。しかしこの時、欠けた命を補うべく異なる世界から失われた魂を取り込むことによって〈鬼の力〉だけでなく〈王者の法〉を身に宿すことになる。
 彼がリィン・クラウゼルとして、この世界に転生したのは〈零の至宝〉による歴史改変が原因。キーアがロイドたちの死を否定し、歴史の改変を願ったことで世界が分岐。その矛盾を解消するために、原因となった〈零の至宝〉を排除しようと世界の修正力≠ェリィンの魂をこの世界に呼び寄せた。
 物語開始時点から四年前。シーカーと名乗る教団の研究者との戦いで、リィンは初めて〈王者の法〉に覚醒する。
 覚醒したリィンの力によって帝国西部の山が一つ消滅。この事件が帝国政府、教会、結社の知るところとなり、後の事件へと発展していく。
 灰の騎神の起動者。腰に下げた二本のブレードライフルを巧みに使いこなす。
 本編開始時は18歳。ねくすと開始時は19歳。

ノルン
 零の至宝を身に宿し、デミウルゴスへと至ったキーアの別の可能性。改変された歴史によって生まれた矛盾そのものであり、並行世界のキーアを次元の狭間からずっと見守っていた。
 罪の意識から世界の修正力が呼び寄せたリィンに殺されることを望むが、ノルンの名を与えられ、リィンと盟約を交わす。
 戦闘は得意ではないが、至宝の力を身に宿すことから超常的な力を使うことが出来る。
 精霊の道を使うことで〈次元の狭間〉を自由に行き来することが出来、神獣ツァイトが常に傍へ寄り添っている。
 なお、戸籍上の名前は『ノルン・クラウゼル』――リィンに名を与えられ、家族となった。

フィー・クラウゼル
 ルトガーに育てられたリィンの義妹。原作と大きく違うのは、士官学院に通うことなく猟兵として生きている点。
 原作よりも猟兵よりの考え方が色濃く、正面からの戦いよりも搦め手を得意としており、トラップやスピードを駆使した戦い方はリーシャに近い。
 護衛の腕は、リィン以上。逃げや時間稼ぎに徹されると、シャーリィでも仕留めきれないほどの技量の持ち主。
 愛用の武器は、ゼムリアストーン製の双銃剣。
 なんだかんだとシャーリィとの仲は良好。貧乳同士、気が合う?
 本編開始時は15歳。ねくすと開始時は16歳。

シャーリィ・オルランド
 原作ほどの狂気は感じられない。リィンとの出会いが、彼女を変えたものと思われる。
 ただし戦いをこよなく愛する点は変わりなく、戦場で出会った敵には一切の容赦がない。
 暁の旅団内での戦闘力は、リィンに次ぐ。最強クラスの猟兵で、緋の騎神の起動者。
 愛用の武器は、騎神と同じ名を冠するチェーンソーライフル。
 おっぱい大好き星人。大きな胸を見ると、揉まずにはいられない。

アルティナ・オライオン
 嘗て〈黒の工房〉に所属していた人造人間の少女。
 クラウ=ソラスという名の傀儡を武器としていたが、アルティナを組織から解放するためにリィンが破壊した。
 だが〈クラウ=ソラス〉の魂は、ZCFとヨルグ・ローゼンベルクの手によって生まれ変わった〈フラガラッハ〉に受け継がれる。
 結社の人形兵器のように単独で戦闘可能だが、強化外骨格のように身に纏うことも出来る。
 現在は、クロスベルの戦いで保護された姉妹と共に〈暁の旅団〉に所属。

アリサ・ラインフォルト
 西ゼムリア大陸最大の兵器メーカー『ラインフォルト』の令嬢。
 天才と呼ばれる技師たちと比べると見劣りするが、自分に出来ることと出来ないことをはっきりと自覚しており、適性に応じて効率良く仕事を割り振ることに長けている。そのため計画の立案と遂行能力が高く、既存の技術を使った開発に秀でている。リィンが信頼を置くのも、そうしたアリサの能力を買ってのこと。
 現在はラインフォルトから〈暁の旅団〉に出向という扱いで協力しており、整備主任と技術顧問を兼任している。ある程度、技術者が育ったら本社に戻る予定だったが、リィンに『その気があるならラインフォルトの名を捨てろ』と言われたことから、このまま〈暁の旅団〉に残って専属技師となるか、実家に戻るかで現在は迷っている様子。
 素直になれないツンデレお嬢様。シャーリィにおっぱいを揉まれた被害者の一人。

エマ・ミルスティン
 灰の騎士の導き手をなるべく隠れ里を飛び出した魔女の眷属。
 本編開始時の四年前にリィンと出会っており、シーカーと行動を共にしているところを助けられた。
 原作と大きく違うのはこの点で、教団の被験者となることでティオ・プラトーのように高い感応力を持っている。
 魔女の力の影響か、意識をすれば他人の心の声や記憶を読み取ることが可能で、その力で四年前にリィンの記憶を読み取った。
 偶然にも知ってしまった未来を変えるために暗躍するが、最後は真相をリィンに打ち明け、和解。灰の騎士に寄り添う魔女となることを決意する。
 魔女の豊富な知識を武器に、相談役として〈暁の旅団〉に協力しており、現在はマリアベルとアーティファクトの研究なども行っている。
 シャーリィ曰く、エマのが一番揉みごたえがあると言う話……。

リーシャ・マオ
 劇団アルカンシェルで活躍する二大スターの一人。その正体は、共和国で恐れられる〈銀〉と言う名の暗殺者。
 原作と大きく違う点では、イリア・プラティエが大怪我を負うことなく、リーシャがクロスベルを誰にも別れを告げず去ったことにある。
 これはシャーリィが原作ほど狂気に染まっていなかったことが主な原因。しかし〈赤い星座〉の襲撃により、破壊された街並みを目にして――自分がいればまた大切な人が傷つくかもしれない。そう考えたリーシャはクロスベルを去ることを決意する。
 その後、共和国政府から依頼された仕事でノルド高原に訪れた際、リィンの暗殺を目論むも失敗。シャーリィとの決闘にも敗れ、カレイジャスに保護される。
 命を狙った相手であるにも関わらず、そんな自分を受け入れ、居場所をくれたリィンに恩を感じている。
 そんななかリィンに団へ誘われたのを切っ掛けに、暗殺稼業から足を洗って〈暁の旅団〉に所属することを決意。
 愛用の武器は、大剣と暗器。シャーリィにおっぱいを揉まれた被害者の一人。

アルフィン・ライゼ・アルノール
 エレボニア帝国の皇女。クロスベルが帝国に併合された後、クロスベル特区の総督に就任した。
 帝国の至宝と呼ばれるだけあって、とても愛らしい姿をしているが、性格はオリヴァルトによく似ている。SPの目を盗んで執務室を抜け出しては、エリゼに見つかって連れ戻されるのが、ほぼ日課。密かにリィンのことを想っており、エリゼを唆して一緒にリィンを籠絡しようと企んでいたりもする。
 内戦では戦争の被害にあった民のことを憂う優しさを見せる一方で、帝国の害となる貴族を容赦なく処断する非情な一面も見せており、お飾りの皇女でないことを内外に示した。

エリゼ・シュバルツァー
 シュバルツァー男爵家の一人娘。元々は帝都でも有名なお嬢様学校に通っていたが休学し、現在はアルフィンの従者としてクロスベルに居を構えている。リィンの秘密を知る一人で、すべてを受け入れた上でリィンのことを『兄様』と慕っており、そこには恋愛的な感情も含まれているが、自分の気持ちを優先することが苦手で踏み込めずにいるようだ。
 暁の旅団の関係者の中で、リィンを除けば一番親しい関係にあるのはフィー。次にアリサ。オリヴァルトで言うところのミュラーポジション。アルフィンのSPにも頼りにされている。
 原作のように戦うことは滅多にないが、細剣を得意としている。幼い頃に短い期間ではあるが、ユン・カーファイ老師に師事をしたこともあるらしい。ちなみに並行世界のエリゼは〈槍の聖女〉の再来と呼ばれ、後に大陸全土で五人目のS級遊撃士となった。

エリィ・マクダエル
 クロスベル議長、ヘンリー・マクダエルの孫娘。元特務支援課のメンバーの一人。
 クロスベル解放作戦ではヘンリー・マクダエルの名代として活躍し、クロスベルが帝国に併合された後も政府の重職を担っている。
 恋愛には疎いように見えて、酔っ払ったリィンと身体の関係を持つなど、強かな一面もある。
 ベッドの上で艶めかしい声を上げる姿を晒し、シャーリィを戦慄させた。
 マリアベルの親友で、どういうカタチにせよ彼女が生きていることを一番喜んでいるのは彼女だろう。
 愛用の武器はハンドガン。なお、彼女もシャーリィにおっぱいを揉まれた被害者の一人。


【暁の旅団】

ヴァルカン
 暁の旅団の副団長。嘗ては『アルンガルム』と呼ばれる猟兵団を率いていた。
 元帝国解放戦線のメンバーだったが、リィンとの取り引きで〈暁の旅団〉に所属することになった。
 純粋な戦闘力はシャーリィやフィーに及ばないものの団を率いていた経験から、リィンに不足している知識や経験を彼が補っている。
 愛用の武器は、ガトリングガン。最近の悩みは、まともに部隊を指揮できる団員が少ないこと。そのため、大隊長を兼任することになっている。実力的にはシャーリィが相応しいが、彼女は〈赤い星座〉にいた頃から部隊の指揮は副官任せだったこともあり、ヴァルカンが貧乏くじを引く羽目になっている。恐らくガレスと気が合うだろう。

スカーレット
 元、教会の従騎士。帝国解放戦線では〈S〉のコードネームで呼ばれていた。
 ヴァルカンと同じく、リィンとの取り引きで〈暁の旅団〉に入団。
 団の中でも数少ない常識人。曰く、かなりの苦労人。
 経験豊富な年上のお姉さんという立場から、実はアルフィンやアリサに頼られ、恋愛相談に乗っていたりもする。
 しかし男性経験などなく、見た目に反して奥手な一面も――まあ、元シスターですから。
 愛用の武器は、蛇腹剣。

フラン・シーカー
 クロスベル警備隊に所属するノエルの妹。
 嘗てはクロスベル警察に所属していたが、姉を救いたいという一心でリィンに交渉を持ち掛ける。
 その交渉の結果、現在は〈暁の旅団〉で船のオペレーターを担当している。
 密かにリィンのことを想っているみたいだが、まだ本人にその自覚はないようだ。
 警察にいた頃よりも給与が良いので、いまの生活にはそれなりに満足している様子。


【エレボニア帝国】

ギリアス・オズボーン
 元エレボニア帝国宰相。その強引且つ無慈悲とも言える冷酷な政治手腕から、鉄血宰相の異名を取った男。
 嘗ては平民出身の宰相と言うことで『英雄』ともてはやされたこともあったが、最後は帝国の内乱を招く原因を作ったことや、マリアベル・クロイスと結託してゼムリア大陸を混乱に貶めた罪で『大罪人』として歴史を名を残す結果となった。
 ノルド高原での戦いでは、光の巨神に姿を変えた〈灰の騎神〉の一撃を受け、対となる巨神〈エレボニウス〉と共に消滅する。
 大きな罪を犯してまで彼がなそうとしたことは、古き秩序を壊し、新たな秩序で世界を再構築すること。この世界からハーメルのような悲劇をなくすことにあった。その点で言えば、女神の摂理から世界を解放しようと目論んでいたマリアベルと、目的に至るまでの手法は違えど共感するところがあったのだと思われる。なお、他にも原作と大きく違う点として、ギリアスが死なない理由がリィンに自分の心臓を移植≠オたからではなく別にある点が挙げられる。地脈に蓄積された大地の記憶から人格と記憶をホムンクルスの肉体に転写することで、不死身を演出していたのだ。
 だが、至宝すら消滅させるリィンの力で完全に消滅させられたことで、もう復活することは出来ないだろうというのがベルの見立てだった。例え、蘇ることが出来たとしても、それはもうギリアスではなくギリアスの記憶を持っただけの別人だ。それに十三工房から脱退して孤立無援となった現在の〈黒の工房〉では、ギルドや教会だけでなく各国から放たれた刺客を凌ぐのに精一杯で、そこまで大掛かりな儀式は易々と出来ないだろうとの推測から、ほぼギリアスの復活はないという結論に現在は達していた。ギリアスもそうだが、彼等は世界を敵に回した。余りに多くの敵を作りすぎたのだ。

ルーファス・アルバレア
 アルバレア公爵家の長男。ユーシスの兄に当たる人物。宮廷剣術の達人で帝国の内乱ではカイエン公の右腕として活躍した頭の切れる参謀でもあった。
 そんな貴族派の中心人物とも言える彼が、〈鉄血の子供たち〉の筆頭としてギリアスの下についたのは、幼い頃から見る一つの夢に理由があった。それは獅子心皇帝の記憶。あくまで記憶のみでリィンのように魂や人格が伴うものではなかったが、獅子心皇帝が仲間たちと共に必死に築け上げた帝国の姿を知っている彼の目には、嘘で真実を覆い隠し、貴族が平民を虐げる現在の帝国の在り方は酷く醜いものに映ったに違いない。
 そして彼には、もう一つ大きな秘密があった。本来のルーファスはクロスベル解放作戦の九年前に亡くなっており、ギリアスが計画に必要な手駒として加えるために彼を蘇らせたのだ。
 ルーファスは記憶のなかにある獅子心皇帝の姿を、弟のユーシスに重ねて見ていた。
 元よりギリアスと運命を共にすることで、帝国の未来、アルバレア家の将来を弟に託すつもりでいたのだ。
 しかし戦いの最中、その話を聞かされたリィンはルーファスの生き方を否定する。そんなものは、ただの自己満足に過ぎないと――
 他人の記憶に引き摺られ、ただ英雄に憧れただけの子供。それがルーファス・アルバレアの最後だった。

レクター・アランドール
 ギリアス・オズボーンの直属の部下〈鉄血の子供たち〉の一人だったが、彼自身はあくまで協力者のつもりで心から従っているわけではなかった。
 ギリアスが立てた壮大な計画。その結末を見届ける役目を彼は自身に課し、ギリアスもそんな彼の行動を認めていた。
 そんな風に彼が自分の決めた役割に徹したのは、ハーメルの悲劇を企てた主戦派にして貴族派の准将を父に持つからだった。
 既に彼の父親は勿論のこと、ハーメルの悲劇に関わった貴族の多くは処刑されたが、それでも彼の心が晴れることはなかった。
 帝国軍がリベールへと侵攻したというニュースを聞いた時、これから起きるであろうことが、戦争の裏側が、レクターには視えてしまったからだ。
 それは一種の異能と言ってもいいかもしれない。未来予知ほど確かな力ではないが、彼は昔から勘の鋭い少年だった。
 ただの勘だ。それでも結末がわかっていながら何も行動を起こさなかった。
 ハーメルの人々が死ぬことも、父親が処刑されることも、何もかも気付いていながら何もしなかった。
 そんな自分が嫌になり、レクターはすべてを受け入れることを決めた。生きることを諦めたのだ。
 主戦派の背後にいた大貴族が証拠隠滅のため、遺された息子を処分しようとしていることにも気付いていながら――
 だが、彼は死なずに生きている。大貴族の動きを察知したギリアス・オズボーンが彼の前に現れ、運命を変えたからだ。
 その後、ギリアスに誘われ、彼は情報局に入った。
 それはレクターの勘≠フ先を読み、死の運命すら変えたギリアスの為そうとしていること、その結末を確認したいと思ったからだった。
 しかし、その世界の命運を懸けたゲームは、ギリアス・オズボーンの死という結末で幕を閉じた。
 すべてを見届けた彼は『アランドール』の名を捨て、現在はレミフェリア公国に身を寄せている。
 嘗てギリアスが彼に言った『生きる意味』の答えを、未だにレクターはだせずにいる。
 お節介な後輩に問われた『なりたい自分』の答えもだせないままだ。
 だから彼はルーシーの手紙に応えることにした。自身の勘≠ノ従って――
 余談ではあるが、甲斐甲斐しくルーシーに世話されるレクターを見て、血の涙を流すゼノの姿が確認されている。

クレア・リーヴェルト
 鉄血の子供たちの一人で〈氷の乙女〉の異名を持つ鉄道憲兵隊所属の大尉。現在は少佐に昇進している。
 元は帝国有数の楽器メーカー『リーヴェルト社』の令嬢だったが、両親と弟を導力車の事故で失ってしまう。
 しかしある日、偶然に見つけた帳簿の記録から事故に不信感を持った彼女は、それが事故ではなく当時副社長だった叔父によって仕組まれた事件であったことに気付く。
 全体と部分を瞬時に把握し、普通なら見落としてもおかしくない僅かな点を繋ぎ合わせることで真実へと辿り着く洞察力。
 統合的感覚とも呼べる、その能力をギリアスに買われ、彼女は〈子供たち〉の一人となったのだ。
 真実を明らかにし、その手で叔父を処刑台に送るという結果と引き替えに――
 家族の敵討ちを手伝って貰ったという恩。その代償として家族と故郷を失い、道を見失っていた自分に居場所を与えてくれたギリアスに彼女は心の底から感謝していた。
 しかし同時に、ギリアスのやり方に疑問を持っていたのだ。そのことをリィンに突かれ、彼女の心は揺れ動く。
 だが、内戦を通じて自分の目と耳で見聞きした情報をもとに答えをだす。
 同じ悲劇を繰り返さないために、大切な人たちを、故郷を守るために力を使うことを誓うのだった。

ミリアム・オライオン
 帝国軍情報局に所属する青い髪の少女。アルティナと同じ〈黒の工房〉出身の人造人間で〈アガートラム〉という名の傀儡を操る。
 本作品では、彼女はVII組に所属していない。レクターの指示でセドリックの誘拐にも協力し、暗躍していた。
 しかし、ゼンダー門にセドリックを送り届ける任務を最後にレクターからの連絡が途絶え、最後の指示に従ってカレイジャスに合流する。
 そこでリィンに武器を向けられ捕らえられるも、交渉の末に協力を持ち掛けられ、仲間に加わった。
 内戦終結後は情報局に戻り、クレアの指示で帝国全土を飛び回っている。余りの忙しさに『休みが欲しい』と愚痴を溢すほど。
 最近は、クレアに内緒で報告書の作成や資料整理を手伝ってくれるトワに懐いているようだ。
 ミリアム曰く、クレアは鬼姑。トワは天使という認識。その所為で、余計に仕事が増えていることには気付いていない。

ユーシス・アルバレア
 元VII組の生徒で、平民の母を持つアルバレア公爵家の次男。
 士官学院を卒業後は、正式にアルバレア公爵家の当主となった。
 父や兄がしたことを酷く気にしていて、現在は公爵家の私財を投じて被害者の救済を行っている。

ラウラ・S・アルゼイド
 元VII組の生徒で、レグラムの領主ヴィクター・S・アルゼイドの娘。
 光の剣匠の異名を持つ父親に憧れ、アルゼイドの名に恥じぬ剣士でありたいと日々剣の修練に磨きを掛けている。
 過去の経緯からフィーをライバルにして目標と位置付けており、学院卒業後は父親と共に修行の旅へとでた。
 フィーとは修行から帰ったら再戦をする約束を交わしているらしい。

ガイウス・ウォーゼル
 高原の民で知られるノルドの族長の息子。槍術の達人。
 元VII組の生徒で、トールズ士官学院を卒業後はノルドの民と共に帝国の遊撃士として活躍している。

マキアス・レーグニッツ
 元VII組の生徒で、平民でありながら帝都知事にまでなったカール・レーグニッツの息子。
 士官学院を卒業後は、政治の道を志すべく帝都の学校へと進学する。
 だがクロスベルでの事件の後、父親が帝都知事を辞任したことで、複雑な心境を抱いているようだ。

エリオット・クレイグ
 元VII組の生徒。士官学院を卒業後は、帝都の音楽学校に通っている。
 被災者を支援するために教会で開いた演奏会が話題を呼び、若手の音楽家としてそこそこ名前が売れてきているらしい。

トワ・ハーシェル
 トールズ士官学院の卒業生。内戦時はリィンに任され、カレイジャスの指揮を執っていた。
 学院卒業後はクレアにスカウトされて、鉄道憲兵隊に所属。
 クレアに認められたその手腕を発揮し、グノーシスを使った集団テロ事件では被害を最小限に食い止め、解決することに尽力した。
 その功績で現在は中尉に昇進。異例とも言えるスピードでの昇進は、軍の間でも驚きの声が上がっている。
 ちなみにクロウの様子は内戦時に作ったツテ≠使い、逐一把握しているとのこと。

クロウ・アームブラスト
 蒼の騎神の起動者にして、元帝国解放戦線のリーダー。一時、VII組に所属していたこともある。
 ここまでは原作通りと言っていいが、〈灰の騎神〉との直接戦闘はこれまで一度もなく、本人も決着を臭わせる発言をしているが戦いを避けている。
 それでも勝算を上げるために鍛練は続けているが、強くなるほどに実感するリィンの非常識さに頭を悩ませているようだ。
 現在は皇帝となったセドリックから騎士(シュバリエ)の称号を授与され、ヴィータと共に〈黒の工房〉の関連施設を潰して回っている。
 リィンと戦うくらいなら〈黒の工房〉を相手にしている方がマシと本気で考えいるあたり、ルーレや煌魔城での一件がトラウマになっているようだ。

ジョルジュ・ノーム
 士官学院を卒業後は、修行の旅と称して各国の有名な工房を転々と渡り歩いている。
 アリサも敵わないと断言するほどの天才で、技術者としての腕は頭に超が付くほどの一流。
 アルティナの新しい相棒〈フラガラッハ〉の開発にも携わり、最終調整は彼が行った。

アンゼリカ・ログナー
 ログナー侯爵家の令嬢。トワやジョルジュ、それにクロウの友人にして士官学院の卒業生。
 内戦終結後はハイデル(叔父)がしでかした失態を埋めるために実家へと戻り、多忙な当主を補佐している。

オーレリア・ルグィン
 黄金の羅刹の異名を持つ貴族派の英雄。帝国二大剣術を修めた最強クラスの剣士。その実力は〈光の剣匠〉に迫るほど。
 リィンに敗れたことで彼に淡い恋心を抱き、せめて子種だけでも欲しいと周囲に男を籠絡する方法を相談しているようだ。
 この相談を受けたカイエン≠フ名を継ぐ少女が、目的のついでにオーレリアの願いを叶えようと裏で画策しているとか……。
 そんな二人の姿を見て「すまない。なんの力にもなれそうにない……」と、リィンの身を案じるウォレスの姿があったそうな。

ヴィクター・S・アルゼイド
 光の剣匠の異名を持つ帝国最強の剣士にして、レグラムの領主。オーレリアの師の一人でもある。
 二度に渡ってリィンと剣を交えており、勝利を収めているが彼自身はその結果に納得していない。
 リィンの力に惚れ込み、アルゼイドの道場で剣を学んでみないかと誘ったことも――
 実のところ娘の気持ちを見抜いており、ちょっとした親心でもあった。

サラ・バレスタイン
 帝国のギルドに所属するA級遊撃士。
 ノーザンブリアの出身で、故郷に血で汚れていない真っ当な金≠送金したいという思いから遊撃士となった。
 しかし帝国のギルドが半ば活動休止状態にあったため、オリヴァルトの誘いを受け、VII組の教官をしていた。
 内戦終結後、帝国内でのギルドの活動が再開したことで、現在は遊撃士として活躍している。
 リィンやフィーとは彼等が〈西風〉にいた頃からの付き合いで、何度も戦場で相見えた仲。
 性格的に相性の悪いリィンとは余り仲が良いとは言えず、顔を合わせる度に口論している姿が確認されている。

オリヴァルト・ライゼ・アルノール
 お馴染み『放蕩皇子』の名で知られるアルノール皇家の庶子。
 皇位継承権こそ持たないが、幼い妹や弟に代わって皇家の代表として国内外の行事に参加することが多く、交友範囲が広い。
 飄々とした性格で抜け目がなく、交渉能力や外交手腕の高さを発揮する場面も度々見受けられる。
 現在は幼くして皇帝となったセドリックの補佐として政治の世界に身を置き、奔走する毎日を過している。とはいえ、セドリックが成長するまでは仕方がないと諦めているが、数年後には皇族の身分を捨て、褐色肌の美人と結婚して田舎で畑でも耕しながら自由気侭に暮らしたいという願望を語っており、よく親友(ミュラー)に現実を見ろと呆れられているようだ。
 アルフィンには冷たくあしらわれているが、それでも妹が可愛い様子。リィンとの関係を心の底から応援している。

ミュラー・ヴァンダール
 オリヴァルトの幼馴染みにして専属護衛。帝国軍第七機甲師団に所属する軍人でもある。階級は少佐。
 帝国二大剣術の一つ『ヴァンダール流』の使い手で、達人クラスの実力者。
 一応、オリヴァルトの護衛という立場にあるが、気心の知れた幼馴染みに対する扱いは慣れたもので容赦がない。
 彼が胃薬を常備している理由の大半は、オリヴァルトが原因。その関係はアルフィンとエリゼにも受け継がれているようだ。

セドリック・ライゼ・アルノール
 原作では頼り無い感じの皇子様だったが、内戦を経て幾分か成長を果たし、皇帝の椅子に着いた。
 まだ年若いこともあってプリシラ皇妃が後見人として政務を補佐しているが、意外と抜け目のない一面も見せており、アルフィンがクロスベルの総督に就任したのも彼とオリヴァルトの仕業。
 姉想いで、アルフィンの恋を応援している。ただ非情に徹しきれなく、為政者としては少々甘い面がある。
 閃の軌跡Vではヘイトを集めまくった彼だが、本作品のセドリックは本当に良い子です。あれはギリアスの洗脳教育が悪いんだ……。

ユーゲント三世
 アルフィンとセドリックのパパン。現在は皇帝の地位をセドリックに譲り、カレル離宮に幽閉されている。
 ギリアス・オズボーンを帝国の宰相に任命した人物。すべてを知りながら何もしなかったと言う意味では、彼もギリアスと同罪。
 実は『黒の史書』の内容を把握しているが、本編開始の四年前から史書に新たな歴史が刻まれることがなくなった。
 ここからギリアスとの関係が微妙に変わり、物語が大きく分岐したものと思われる。詳しくは、そのうち本編で明らかとするので割愛。

カール・レーグニッツ
 マキアスの父親で、元帝都知事。
 現在は表向き罪には問われなかったものの、大陸を騒がせた事件の責任を感じて帝都知事を辞任。
 どこでどうしているかは息子にも報せておらず、『ねくすと!』で明らかとなる予定。


【クロスベル】

ベル・クラウゼル
 旧名マリアベル・クロイス。
 クロスベルを発端とした事件の黒幕の一人として死亡が公表されたが、魂と記憶をホムンクルスの身体に移し替えることで別人として生存。
 姿は幼い頃のマリアベルそのもので、現在は十歳程度に若返っている。このことを把握しているのは、リィンと〈暁の旅団〉の主要メンバー。それにアルフィンとエリゼ、エリィの三人。トマスや他にも事件に関わった何人かはベルの正体を察している様子だが、リィンとの関係悪化を憂慮して追及しない姿勢を取っている。
 実は記憶の転写を続けることで、大崩壊以前の記憶も残している歴史の生き証人。
 その膨大な知識と強大な魔力は、結社の使徒〈蒼の深淵〉を凌ぐほど。リィンとはエリィを取り合った仲(現在も係争中)

ロイド・バニングス
 クロスベル警察・特務支援課に所属する捜査官。
 オルキスタワー攻略作戦の前夜にノエルから告白され、ドッグタグを受け取っている。
 その後はティオと共にレジスタンスとして活動するが、ギリアスの支配からクロスベルを解放した後は警察に復帰。
 愛用の武器はトンファー。現在はノエルやティオと共同生活を送っている。

ティオ・プラトー
 エプスタイン財団から魔導杖の試験運用のために特務支援課に出向していた少女。
 エイオンシステムという感応力を利用した特殊な力を使う。
 クロスベル解放の後は、政府からの協力要請でIBCのシステム及び導力ネットワークの復旧に従事。
 その後、正式にエプスタイン財団クロスベル支部の研究主任に就任する。
 見た目は幼くとも恋愛に関しては積極的な一面があり、ノエルを出し抜き両親にロイドを紹介済み。
 なお、極度のみっしぃマニアで知られている。

ノエル・シーカー
 クロスベルの警備隊に所属する隊員。フランの姉でもある。
 帝国に併合され、国防軍が解体されたことで警備隊に復帰。
 ロイドとは半ば恋人のような関係にあるが、いまのところ深い仲には至っていない。
 そんなロイドの唐変木とノエルの奥手の隙を突いて、最近はティオが攻勢を仕掛けているという構図が……。
 他にも妹が自分のために警察を辞め、いまも〈暁の旅団〉に所属していることが悩みの種となっている。

ランドルフ・オルランド
 嘗てはクロスベルの警備隊に所属し、特務支援課のメンバーでもあった。
 だが現在はシグムント(叔父)の誘いに乗って〈赤い星座〉へ戻り、猟兵としての腕を磨いている。
 オルキスタワー攻略作戦の失敗やリィンとの戦いが切っ掛けとなり、原作ほど過去のことを引き摺っている様子はない。
 猟兵に嫌気がさして捨てたはずの力。しかし結局は力がなければ何も守れず、何も成し遂げることが出来ない。
 そんな現実を目の当たりにして彼が求めたのは、我儘を押し通す力だった。そのためにシグムントの誘いを受け、赤い星座に復帰する。
 現在はクロスベルを離れ、シグムントと共に戦場を転々と渡り歩いている。いつか『闘神』の名を継ぐために――

ヘンリー・マクダエル
 エリィの祖父。元クロスベルの議長。
 クロスベルが帝国に併呑された後、政治家としての地盤をエリィに譲り、現在は一線から退いている。
 だが、その影響力は未だに健在で、政府の相談役として重責を担っているようだ。

ヴァルド・ヴァレス
 嘗てはクロスベルの旧市街で不良チームを束ねていた青年。
 グノーシスを投与されても理性を失わない強靱な精神と適性をマリアベルに見出され、仲間となる。
 だがそれも、ワジとの決着をつけるためだった。
 後にワジに連れられて法国へと渡り、従騎士としての訓練を受けることになる。

セルゲイ・ロウ
 クロスベル警察の捜査官。特務支援課の発起人にして室長を務めていた。
 後にレジスタンスに加わり、クロスベル解放作戦に参加。
 クロスベルが帝国へ併合された後は、警察に復帰している。

アレックス・ダドリー
 クロスベル警察の捜査官。エリート集団である『捜査一課』に所属している。
 セルゲイと共にレジスタンスで活動していたが、現在はクロスベル警察に復帰。街の秩序を守るために、捜査官としての手腕を日夜発揮している。
 最近の悩みは『暁の旅団』。クロスベルの解放に力を貸してくれたことに感謝はしているが、相手は〈赤い星座〉と同じ猟兵団。警察官として複雑な心境を抱えているようだ。何より、リィンとの相性が余りよくない。

ソーニャ・ベルク
 クロスベル警備隊の司令官。ノエルの直属の上司。
 実はセルゲイの元奥さん。眼鏡のよく似合う美人。三十半ばを過ぎてるとは思えな……(げふんげふん)
 一時、ヘンリー・マクダエルの国外逃亡を幇助した罪で拘束されていたが、現在は警備隊へ復帰している。
 部下からの人望が厚く規律に厳しい側面がある一方、〈暁の旅団〉を上手く利用したりと清濁を併せのむ懐の深さを持つ。

ミレイユ
 ランディの嫁……恋人候補。
 冗談はさておき、ランディが警備隊に所属していた頃からの付き合いで、現在はベルガード門に勤務している。
 生真面目な性格が災いして、昔からランディとは口論になることが多い。

イリア・プラティエ
 劇団アルカンシェルの二大スターの一人。炎の舞姫の異名を持ち、国外のファンも多い。
 肝の据わった豪快な性格をしており、リィン相手にもリーシャのことで一歩も退かない態度を見せた。
 その後、リーシャの件は本人の意思を優先すると言うことでリィンと話がついたが、資金難で苦しむアルカンシェルへの融資を引き出した。
 転んでもただでは起きない女。

ガルシア・ロッシ
 元〈西風の旅団〉のメンバーで、〈キリングベア〉の異名を持つ。
 現在はクロスベルに拠点を構えるマフィア、ルバーチェ商会の若頭をしている。
 ノックス拘置所に会頭や仲間と共に収監されていたが、クロスベル解放作戦の際、事態の収束に貢献したことから釈放された。
 釈放された後はリィンの預かりとなっており、ルバーチェ商会諸共〈暁の旅団〉の傘下に入っている。
 ゼノと同様に面倒見の良い男で、彼が〈西風〉にいた頃はリィンも頼りにしていた。


【カルバード共和国】

サミュエル・ロックスミス
 カルバード共和国の大統領。歳は六十を超える恰幅の良い男性で、いつも笑顔を崩さない。
 しかしなかなかの狸親父で、あの鉄血宰相を相手にしても一歩も退かない度胸と狡猾さを隠し持つ政治家。
 リィン相手にも笑顔で近付き、その裏で〈風の剣聖〉や〈黒月〉を使って様々なアプローチを繰り返している。

アリオス・マクレイン
 風の剣聖の異名を持つ元A級遊撃士。
 嘗ては遊撃士協会のクロスベル支部に所属していたが、現在は共和国のキリカ・ロウランの下で働いてる。
 エリィが帝国へ協力を働きかけようとしたように、アリオスは共和国に働きかけることでクロスベルをクロイス家の支配から解放しようとしていた。

キリカ・ロウラン
 共和国大統領直属の機関、ロックスミス機関の室長を務める黒髪の女性。
 東方系の美人で、泰斗流奥義皆伝の武術の達人。嘗てはリベールの遊撃士協会で受付嬢をしていた経験を持つ。
 実の妹のようにシズクを可愛がっており、任務で忙しいとはいえ、たまにしか顔をださないアリオスを叱る場面も――
 鋭い洞察力と問題解決能力を買われて機関の室長となったが、根は優しく面倒見の良い女性。

シズク・マクレイン
 とある事故で目が見えなくなっていたが、零の巫女となったキーアの力で治療され、現在は共和国で元気に暮らしている。
 キリカのことを母親や姉のように慕っており、自分のために無理をしていないかと父親を心配することも――
 他人のことを気遣える優しさを持つ反面、自分のことは後回しにして感情を押さえ込むところがあり、そこをキリカに指摘されたことがある。


【リベール王国】

エステル・ブライト
 太陽の娘の異名を持つ、空の軌跡の主人公にしてヒロイン(実はヨシュアがヒロインという説も)
 非常に真っ直ぐな性格で曲がったことが嫌い。それ故にリィンとは相性が悪く、出会った頃から険悪な関係が続いている。
 頑固でこうと決めたら融通の利かない性格は、亡くなった妻によく似ているというのはカシウスの談。
 表向きはクロスベルの復興を支援するため、裏では〈暁の旅団〉の動向を監視すべく遊撃士協会のクロスベル支部に身を置くことになる。
 レンが〈暁の旅団〉に居着いていることも、エステルがリィンのことを気に食わない理由の一つになっている。

ヨシュア・ブライト
 元執行者のメンバーにして、命を狙った相手――カシウスに拾われたことで現在はブライトの姓を名乗っている。
 リベールの異変を最後に結社とは完全に決別し、現在はエステルと共に遊撃士として活躍している。
 直接的な戦闘能力よりも隠行術に長けており、レン曰く「かくれんぼ」ではヨシュアに勝てないとのこと。
 ハーメルの遺児と言うことで、最初はリィンのことを気に掛けていたが、現在は特に確執はない。
 しかしエステルとの間で板挟みの状態にあり、いつも苦労している。

レン
 結社の元執行者。嘗ては『殲滅天使』の異名で呼ばれ、〈パテル=マテル〉と名付けたゴルディアス級戦略兵器を所持していた。
 しかしクロスベルで激突した神機との戦いで〈パテル=マテル〉を失う。その後、回収されたパーツから生まれた新しい命〈アルター・エゴ〉が現在の相棒。
 クロスベル解放作戦の後、エステルやヨシュアと一緒にクロスベルに移り住んだが、エリィの家に居候している。孫の誕生を楽しみにしているカシウスに配慮したとのこと。気遣いの出来る少女である。
 愛用の武器は、身の丈ほどある巨大な鎌。個人戦闘力はフィーやリーシャと、ほぼ互角。ありとあらゆることに精通した天才で、特に情報収集と未来予測を得意としており、〈子猫〉の名で知られる有名なハッカーとしての一面を持つ。なんだかんだとリィンのことを気に入っている様子で、よくカレイジャスに遊びに行っている姿が目撃されている。

カシウス・ブライト
 エステルやヨシュアの父親。リベール王国軍の総責任者で階級は准将。元S級遊撃士でもある。
 百日戦役の英雄として知られ、その戦争で最愛の妻を亡くしたことを、ずっと後悔していた。
 その後、思うところがあって軍を辞め、遊撃士として活躍していたリベールの内乱を切っ掛けに軍に復帰した。
 本作品ではリィンに触発され、エステルが持つ問題に気付き、ずっと心の何処かで避けてきた問題と向き合うことを決意する。
 現在はエステルとの間にあったわだかまりも解け、孫が生まれるのを楽しみにする余裕まで生まれているようだ。
 ちなみに孫の件がレンの口からエステルとヨシュアに伝わり、再びエステルとの関係が悪化するのだが、そこは自業自得と言っておく。

クローディア・フォン・アウスレーゼ
 リベールの王太女。エステルやヨシュアの親友で、レクターと同じジェニス王立学園の卒業生でもある。
 この作品ではリベールで開かれた通商会議でルーファスに誘拐され、〈輝く環〉の力を制御するための装置として利用される。


【七耀教会】

トマス・ライサンダー
 元トールズ士官学院の教官。教鞭を振い、生徒たちに文学史及び帝国の歴史を教えていた。
 その正体は、守護騎士第二位『匣使い』の異名を持つ星杯騎士団の副長。
 ここ数年、帝国で起きている異変の調査やギリアス・オズボーンの狙いを探るために、正体を隠して帝国へ潜入していた。
 その異変にリィンが深く関わっていると考えたトマスは、密かにロジーヌをカレイジャスに近付けさせ動向を観察させる。
 そして内戦で得た情報を元に、真相を確かめるためにリィンへの接触を図った。
 帝国の内乱から続く異変の解決後は、リィンとの諍いを避けるために教会と〈暁の旅団〉の間に立ち、心労を煩っている。
 なお、最近の一番の悩みは、星杯騎士団の総長アイン・セルナートがリィンに興味を持っていること。
 暁の旅団への干渉はしないようにと念を押してはいるが、それもいつまで抑えきれるかと胃を痛めている。

ロジーヌ
 元トールズ士官の生徒。X組に所属していた。
 その正体は、トマスと共に異変の調査のために帝国へと潜入していた教会の従騎士。
 最初は教会の任務でカレイジャスに接触していたが次第に打ち解け、現在はそれなりにリィンとも良好な関係を築いている。
 異変解決後はトマスとの連絡役を務めるために身分を隠して、クロスベルの教会でシスターをしている。

ワジ・ヘミスフィア
 星杯騎士団に所属する守護騎士の一人。〈蒼の聖典〉の異名を持つ。
 教会の指示でロイドたちとリィンを引き合わせる役目を担い、碧の大樹での戦いではヴァルドと死闘を演じた。
 現在は負傷したヴァルドを治療するため、法国に戻っている。

ケビン・グラハム
 関西弁を喋る人当たりの良い巡回神父を装っているが、その正体は第五位『外法狩り』の異名を持つ星杯騎士団の守護騎士。
 本作品では、教会の強硬勢力に〈外法〉認定されたリィンを殺すために〈暁の旅団〉に接触した。
 しかしそれも実はトマスの計画で、教会内部の不穏分子を炙り出すことが狙いだった。
 その後、アルティナの治療に協力し、リィンから預かった手紙をアイン・セルナートへ届ける。
 教会内部のゴタゴタが片付いた後、ようやく申請が通り、二つ名を改名して『千の護手』を名乗っているようだ。

リース・アルジェント
 腹ペコシスターの異名を持つ教会の従騎士。ケビンの相棒。
 実力の方は確かなのだが、言動がぶっきらぼうで誤解を受けやすく、常に食べ物を手にしているほどの大食い。
 ケビンと共にアルティナの治療に協力し、リィンから預かった総長への手紙を届けた。


【その他の登場人物】

シーカー
 真理の探究者。本名は不明。人体実験など非合法な実験を繰り返してきた教団の研究者。
 ヨアヒムとも面識があり、〈真理〉に迫るために教団の研究に力を貸していた。
 被検体として誘拐されたエマを連れ、精霊窟を訪れた際、フィーを傷つけられた怒りから覚醒したリィンに殺される。
 死の間際、リィンのなかに眠る力の正体に気付き、番外編では怪異(グリード)となってリィンの前へ立ち塞がった。

セリーヌ
 エマの使い魔、黒猫。
 しかし里をでる時にエマに置いて行かれ、そのことを現在も根に持っている。

ヴィータ・クロチルダ
 同じ師匠から魔術を学んだエマの姉弟子。血は繋がっていないが、実の妹のようにエマのことを可愛がっていた。
 しかし故郷を去り、現在は〈結社〉に所属する使徒として盟主に忠誠を誓っている。
 彼女が魔女の禁忌を破り、里を去ったのは、エマが関係しているらしい。
 いまはクロウと行動を共にしており、十三工房から脱退し〈結社〉を裏切った〈黒の工房〉に制裁を加えるために動いている。
 内戦時はリィンと密約を交わし、協力をしていた。ビジネスライクな付き合いではあるが、関係は良好。
 そのためか、エマとの仲も原作と比べると若干改善している。

アリアンロード
 結社に所属する使徒の一人で、鋼の名を持つ最強の騎士。
 巨大なランスを振い、光と風の属性を操る。〈王者の法〉を発動したリィンとも互角の戦いを演じた。

デュバリィ
 アリアンロードを頂点とした鉄機隊の筆頭を務める女騎士。〈神速〉の異名を持つ。
 騎士道精神を重んじ、弱きを助け強きをくじくを地で行くだけあって、基本的に悪人ではない。
 カレイジャスが襲撃を受けた際には、身を挺して船を守ったことも――
 敬愛するマスターと互角の戦いをしたリィンには一定の敬意を払っているが、彼の性格を少し苦手としている。

マクバーン
 結社最強の執行者と呼ばれる男。火焔魔人の異名を持つ。
 炎に特化した異能の持ち主で、リィンの〈鬼の力〉に似た力を使う。
 得意とする属性だけを見ればリィン以上の能力者と言えるが、能力の相性の問題で煌魔城での戦いでは撤退を余儀なくされた。
 再戦を心に誓っており、アリアンロードのもとを尋ねる彼の姿が確認されている。

F・ノバルティス
 博士の名で呼ばれる結社の使徒。
 欲望に忠実で自らの知識を満たすためなら、どんな犠牲も厭わないという非情な性格をしている。
 アルフィンを〈緋の騎神〉に取り込ませたり、クロスベルの戦いでは神機を動かすためにクローディアを誘拐するように仕向けたのも彼の仕業。
 戦いの中、不意を突いたヴァリマールの集束砲に呑まれたが、生死は不明。〈結社〉にも戻らず消息不明となっている。

シャロン・クルーガー
 ラインフォルト家のメイド。結社の執行者の一人で〈死線〉の二つ名を持つ暗器使い。
 原作通り、その立ち位置に大きな変化はないが、リィンをアリサの未来の旦那様と位置付けている。
 リィンの依頼を受け、レクターに伝言とルーシーからの手紙を届けた。

ゼノ
 罠使いの異名を持つ〈西風の旅団〉のメンバー。レオニダスの相棒。
 関西弁を使うノリと面倒見の良い男で、リィンに導力地雷の作り方や猟兵のイロハを仕込んだのは彼。
 一時、ルトガーを埋葬する際にイリーナに世話になったことから、彼女に雇われていた。
 セイランド社とラインフォルトの間に立ち、荷物≠届ける役目を負っていた。
 セイランドの令嬢ルーシーに懸想していたが、その恋もレクターの登場によって儚くも散ったようだ。

レオニダス
 破壊獣の異名を持つ〈西風の旅団〉のメンバー。ゼノの相棒。
 そのクマのように大きな図体からも分かるように寡黙な男で、相棒のゼノによく振り回されている。
 猟兵としての実力は高く、腕力だけならルトガー以上で〈西風〉で一番の力自慢だった。
 リィン曰く『変人の多い〈西風〉のなかで唯一の良心』が彼とのこと。
 しかしフィーを溺愛しているところは彼も他の団員と変わらず、リィンに対しては厳しい一面を持つ。




用語設定

ヴァリマール・ルシファー
 魔女の伝承にある双神の片割れ。白の巨神。
 猛き力を取り込み、担い手となったヴァリマールの覚醒した姿。
 覚醒には〈零の至宝〉――ノルンの助けが必要で、ノルド高原での戦い以降、使用できなくなっている。

エレボニウス
 魔女の伝承にある双神の片割れ。黒の巨神。
 ギリアス・オズボーンによって復活し、覚醒したヴァリマールの力で倒される。

七の騎神
 閃の軌跡Vでは、〈鋼の至宝〉を封じ込めるために七つの器を用意し、力を分けたとなっていますが、この作品では『異界の敵から世界を守護するシステムであると同時に巨神を封じる鍵』としています。
 原作の設定に寄せるために至宝に関する考察を今作では追加していますが、この作品はこういうものだと思って楽しんで頂ければ幸いかと。天地無用が作品媒体ごとに設定が異なるようなイメージで(え?)
 基本的に起動者は原作と同じです。ただ〈緋の騎神〉の呪いがリィンの力で浄化され、本作品ではシャーリィが起動者になっています。
 前作までで判明している騎神と乗り手は以下の通り。

 灰の騎神:リィン・クラウゼル
 緋の騎神:シャーリィ・オルランド
 蒼の騎神:クロウ・アームブラスト

暁の旅団
 帝国解放戦線の残党をメンバーに加えることで、リィンが造った猟兵団。
 リィン・クラウゼルを筆頭に、名だたる実力者が主力を担っている。
 前作までで判明している主なメンバーは以下の通り。

 団長:リィン・クラウゼル
 副団長・大隊長:ヴァルカン
 部隊長:シャーリィ・オルランド
 部隊長:フィー・クラウゼル
 部隊長:スカーレット(主に工作部隊を指揮)
 諜報・斥候担当:リーシャ・マオ、アルティナ・オライオン
 整備主任 兼 技術顧問:アリサ・ラインフォルト(ラインフォルトからの出向扱い)
 オペレーター:フラン・シーカー
 相談役・協力者:ノルン・クラウゼル、エマ・ミルスティン、ベル・クラウゼル(旧名:マリアベル・クロイス)

フラガラッハ
 壊れた〈クラウ=ソラス〉の残骸を回収して作られたアルティナの新たな相棒。
 コアには〈クラウ=ソラス〉から回収した導力演算器が仕様されており、自律戦闘が可能。
 使用者との共鳴接続により操縦者との意思疎通が可能で、通常の人形兵器には難しい本能的な動作を実現している。
 見た目は甲冑を纏った白銀の騎士と言った姿だが、オーバルギアを応用した技術が用いられていて強化外骨格のように装着して戦闘も可能。
 開発にはZCFの他、人形工房のヨルグ・ローゼンベルクが関わっていて、機体の最終調整はジョルジュが行った。
 面制圧用の特殊兵装の他、対物理障壁。近接戦闘用の武器や光学迷彩を搭載するなど、エイドロンギアの実質的な後継機とも呼べる。
 お馴染み『エーテルバスター』も搭載。

アルター・エゴ
 神機との戦いで大破した〈パテル=マテル〉の残骸を回収し、新たに開発されたゴルディアス級戦略人形兵器。
 元となった〈パテル=マテル〉のデータは破損していたが、開発に協力したヨルグ曰く『魂は受け継がれている』とのこと。
 飛行形態では背に悪魔のような羽根を広げ、竜を模した尻尾を持つ。
 機体カラーはフラガラッハとは対照的に黒を基調としており、金色のラインが装甲の隙間に入っている。
 バスターキャノンを進化させたダブルグラビティカノンを搭載し、カタログスペックは従来機を凌駕する。
 神機とは別のベクトルで完成に至ったゴルディアス級の最終型。純粋に〈パテル=マテル〉の後継機と呼んでいいだろう。

 全高:16.5アージュ
 本体重量:70トリム
 合金:クルダレゴンU
 兵装:戦闘車両用擲弾砲『ショルダーバス』
    炸薬式打撃機構『クラッシュクロウ』
    治癒・蘇生エネルギー生成機構『リバイバルシステム』
    超重力砲『ダブルグラビティカノン』

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