外伝その2


‐アフリカ。この`似て非なる`世界においても我々の知る地名と同様の名前で呼ばれる地は1940年以降、人類と`ネウロイ`との激戦地となっていた。その中で第31統合戦闘飛行隊「ストームウィッチーズ」はその人類側の反攻を支えていた。しかし不幸にも、偶発的な事故で次元を飛び越えたティターンズ残党軍が戦場に介入。戦況は彼らの軍事行動により、瞬く間に混乱に陥ってしまった。

彼等がアフリカ方面に投入したのはティターンズが存在した時期には珍しくなったであろう、通常兵器を主体とする方面軍。部隊の主力は`地球連邦軍最後のMBT(主力戦車)`61式戦車と形式問わずの古新東西のジェット機(時代相応のエンジン・アビオニクスには換装済み)。ティアナを驚愕させたA-10 サンダーボルトU(正確にはサンダーボルトと言うよりはウォートホグというほうが有名であるが)もその配備機材の一つ。その搭載武装の有用性から、就役から百年以上がたっても現役に留まり活躍を続けてきた。この戦いでは61式の近接航空支援を務めるべく、ウィッチたちの前に姿を見せた。ガトリング砲の火力を以てして陸戦ウイッチの緒戦能力を奪ったり、爆撃任務にも活躍を見せていた。「アフリカ」のウィッチ達をして苦戦させられたのはサンダーボルトの防御力である。戦いでは、この時代では飛行機としては重装甲を誇る本機の耐久性がモノを言った。MG34などの火器では元々、23mm徹甲弾などにも耐えるように設計された上に、改修で素材が最新鋭の物にされたサンダーボルトUの装甲を完全に穿つことはできず、ボディを穴ぼこにするのが精一杯だったり、エンジンカウルを吹き飛ばして飛行不能と判断しても、`実は帰投可能だった`というケースもあった。












−旧・ティターンズ アフリカのとある方面軍基地

この基地の格納庫には`骨董品`とも形容され、外見上は博物館に陳列されるような代物がズラリと並んでいた。主に旧時代の名機で固められ、かつての超大国`アメリカ合衆国`の「F−8 クルセイダー」や「F−14トムキャット」、フランスの「ミラージュ2000」など、まるでかつての日本の少年漫画さながらの`動く戦争博物館の様相を呈していた

「へえ……、よくこんな博物館行きの代物が残ってたもんだ」

一人のパイロットが格納庫に収容されている戦闘機の陣容に関心をもつ。ここにあるのは彼等の常識から言えば、既に退役して久しいはずの旧時代の遺物ばかりだからだ。

「展示飛行用機材として保存されていたのさ。最も`ジェットコアブースター`や``セイバーフィッシュ`最終型の部品を使って現在の高速戦闘に耐えられるように改造してあるがね」

−かつての国々が採用していた戦闘機の数々は大半が戦争博物館行きか、解体される運命を辿った。その中でもこれらは幸運な運命をたどって、展示飛行用に稼働状態でモスボールされていた機体なのだ。なので年代・所属国・形式はてんでバラバラである。

「元は人員に対して不足気味の航空機材を補うための皮肉の策だったんだが、なかなか働いてくれる。流石にご先祖様達が命運を託していっただけはある」

老境に差し掛かったこの整備士は満足気にF-14トムキャットを整備している。自分の曾祖父などが乗ったであろう名機に触れるのがよほど嬉しいらしい。

「機体も大昔に一時代を築いた物だし、それにパイロットは一流だ。たとえ乗ってる機体が年代モンだろうが戦ってみせるさ」
ティターンズは経緯はどうであれ、元々は地球連邦軍の特殊部隊であった。通常部隊より平均的な練度が高い事もあり、航空戦でウィッチと交戦しても損失を出していないのである。

「頼もしい限りだよ。ところで例の`魔女`と交戦したんだって?」
「ん?ああ。爆撃班の奴らが戦車の支援に行ったら出くわしたって。スピードはレシプロ機の延長線なんだけど、小回りは聞くそうだ。今度は俺達が偵察も兼ねていってくる。
取りあえずクルセイダーを使わせてもらうぜ」
「トムキャットとかじゃなくっていいのか?」
「実はというと、俺の先祖がベトナムで使ってたんでね。ご先祖様に肖りたいのさ」
「そうか。先祖に笑い飛ばされるなよ?」
「あいよ」

`彼`は格納庫に駐機されているF−8 クルセイダーに乗り、エンジンを始動させる。僚機は整備完了された機体の都合上、攻撃機はA-4 スカイホーク、戦闘機はF-4 ファントムU、F-111アークバークなどの主に米ソ冷戦の時代(ベトナム戦争当時)に開発された米軍機で固められていた。
これらの機体は直ちに出撃。偵察も兼ねた作戦行動を開始した。


「クルセイダー1、テイクオフ」

高性能エンジンに換装された「F‐8クルセイダー」は現役当時より遙かに短い滑走距離で離陸する。そして、これが「彼」の対空任務での初陣であった。

‐アフリカの星へ後世のジェット時代の洗礼を浴びさせるために。







‐第31統合戦闘飛行隊「ストームウィッチーズ」でも陸戦ウィッチからの通報、ジェット機の接近をキャッチ。直ちに迎撃に出た。
そしてその先鋒は`アフリカの星`ハンナ・ユスティーナ・マルセイユであった。ウィッチの例に漏れず、美しき美貌を持ち、人類最高のエースの一人に数えられる。

彼女は敵が視認できる距離にまで接近するとその陣容に驚愕した。それらはリベリオン合衆国(実際はアメリカ合衆国)の識別マークを着けた、見たこともない未知のジェット戦闘機だった。


「何だと……!?」
『どうしたのマルセイユ?』

「ストームウィッチーズ」の隊長である加東圭子少佐への通信にマルセイユは彼女にしては珍しく驚いている声で答えた。

「噂のジェット戦闘機を確認したんだが……私の見間違いか?リベリオンの識別マークが見えるんだが』
『この近くにリベリオンの通常部隊は展開していないわ。しているとしたら……例の部隊よ』
「噂の`未来の軍隊`とやらか。あいつらには借りがある」
『すぐに増援を向かわせるわ。それまで持ちこたえて』
『了解』

この日から数日前、彼女はティターンズの繰り出した「A-10」と初めて交戦していた。機関銃をこれでもかと撃ちまくったが、その重装甲の前に決定打を与えられずに逃走されていた。その時の口惜しさからか、彼女はジェット戦闘機を落とすことに意欲を燃やしている。マルセイユは隊長機であろう、編隊の中央を飛ぶ、変わった形の機首を持つ機体(インテークの上から前方に突き出した機首コーンを持つF−8 クルセイダー)に対し、攻撃をかけるべくストライカーユニットの魔導エンジンを吹かした。


「F−8 クルセイダー」のパイロットもマルセイユの姿を視認すると笑みを浮かべ、通信回線のスィッチをオンにする。

『あんたと手合わせできるとは思ってもなかったよ。`アフリカの星`マルセイユさんよ』
『……ほう?私のことはご存知なわけか』
『まあな。お手並み拝見と行かせてもらう……各機侮るなよ。アフリカの星のお出ましだ』


短く通信を交わすと両者は交戦に入った。かたや人類最強とも言われるウィッチ。かたやベトナム戦争時において、米軍戦闘機隊の栄光を支えた「最後のガンファイター」、「ミグマスター」と呼ばれた戦闘機。


十字軍戦士(クルセイダー)1、交戦(エンゲージ)

ジェット戦闘機とウィッチの戦いが幕を開けた。ジェットエンジンの快音と銀翼が太陽の光を浴いて空を切り裂く。対するマルセイユは冷静に機関砲を構える。相手がジェット機であろうとも当てる自信があるらしい。だが、クルセイダーの運動性は予想以上に軽快だった。マルセイユの射撃を避けきって見せたばかりでなく、逆に反撃をしてくる。


「……あの時の変な形の攻撃機とは違うということか!」

マルセイユは持ち前の腕前を持って、不意を打って、インメルマンターンで背後をとる。そしてエンジンを狙える絶好の位置をとり、機関砲を撃とうと引き金に指をかける。その瞬間だった。クルセイダーのエンジンの火が一層激しく燃え、機体が急加速する。マルセイユはその衝撃波をモロに喰らって吹き飛ばされる。
これがこの時代のジェットエンジンには無い機構であり、超音速機には必須となった装置`アフターバーナー`である。`米軍の遺産たる超音速機`群は`いくらアフリカの星といえども超音速機を落とすのは容易ではない`と言わんばかりに上空を飛ぶ。吹き飛ばされながらも体制を立て直し、それを追うマルセイユ。

「チィッ!!よくもやってくれたな!!」

-ドックファイトはまだ始まったばかりである。時間にしてまだ3分と立たないだろう。マルセイユは不思議とこの戦いに今までとは違う`何か`を感じていた。―機械化航空歩兵と20世紀にて活躍した名機の翼が交錯する。

「ふっ、なかなか可愛いお嬢ちゃんだな。俺のタイプだ」
「んなっ!?バ、バカにするな!!」

互いに火線を入り交じりさせながら交信しあう。しかしマルセイユの火線を巧みに逸らす彼の技量は凄まじいの一言。
十字軍戦士の名をコールサインにしているだけあって、空戦術は一流。オーバーシュートしてしまったマルセイユの背後を取る。その鮮やかな機動は神業的と言えた。

「私が背後を……!?馬鹿な!?」
「油断大敵だぜ、嬢ちゃんよ」

クルセイダー1は空中戦でのセオリーを心得ていた。レシプロとジェットでは小回りの良さが全く違う。それでジェット機が持つ最大のレシプロへの利点は「速度」。大戦中は僅か30キロの違いが空戦の優越を分けたという伝説が残っているが、ジェット機がレシプロを陳腐化させたのはその速度。いわば彼はマルセイユを蜘蛛の糸に絡めとったも同然であった。

だが、彼はマルセイユが旋回しようとした時にだけ機銃を威嚇射撃代わりに撃つだけであった。一回で落としては面白くはないという考えから、彼は手心を加えたのである。

「どうした、早くやれ!!もう貴様の勝ちだ!」
「いや、やめだ」
「やめだと!?」
「これじゃゲームよりも簡単すぎる。それに俺はジェット。嬢ちゃんはレシプロだ。差がありすぎる」
「これは戦争なんだ、ルールも糞もないだろう!?」
「いや、戦いにも一応のルールはある。少なくともこれは俺の性分じゃねぇ」

彼は戦いを打ち切り、帰路に着く。マルセイユは手加減されたという悔しさ以上に不思議な感覚が芽生えるのを感じ、なんとも言えない表情であった。空戦の中で騎士道精神を見せた彼の言葉が心のなかにリフレインする。

「アイツ……何故……?」


これがハンナ・マルセイユとティターンズのエース「クルセイダー1」の出会いであった。彼女らはこれをきっかけに幾度と無く交戦することになる。互いの誇りをかけて。






















―ティターンズはマルセイユと交戦した部隊の他にも、航空部隊を派遣していた。連合軍がアフリカ支援のためにリベリオン合衆国のヨークタウン級航空母艦3番艦「ホーネット」とその縮小形と言える「ワスプ」が護衛艦隊を率いてジブラルタル海峡に馳せ参じた事を知らせる無電を傍受し、直ちに現地の臨時基地から攻撃部隊を差し向けた。機種は何の因果か、米国海軍の「F/A-18E/F スーパーホーネット」(兵たちの間ではライノサラスの短縮形のライノが愛称として定着している。これはレガシーホーネットとの区別をつけるため、IFFアンテナが目の前に在ることから、それを動物の角に見立てた)複数の対艦ミサイルを敢行し、音速の速さで攻撃に向かった。大戦型空母の持つレーダーの性能は十分にその性能を認知していたし、世界大戦が起こっていないこの世界では1944年でも「 F4F`ワイルドキャット`」が最新鋭機で、下手すれば大戦前の「F2A バッファロー」しか配備されていないかも知れない。そう知らされた搭乗員達は肩をガックリと落としたとか。



「何か拍子抜けだぜ。F2A バッファローじゃこの`ライノ`の敵じゃないし、
しかも艦船の対空砲火にはVT信管さえもついてないんだぜ」
「アフリカの星に挑む第2戦闘飛行隊の奴らが羨しいよ。俺らなんて大戦中最新鋭のエセックス級ですらない戦間型の正規空母狩りなんだからな。せめて大鳳とか持ってる日本海軍と戦いたいよ」

史実における米軍の大戦前の空母搭乗員の練度は決して高いものでは無く、猛訓練を積んでいた大日本帝国海軍航空隊の前にはいい鴨でしか無かった。それが逆転するのは1943年以降である。それは大戦が起こった場合で、しかも通常兵器の部隊が戦場の花形では無いこの世界では一九四四年でも練度は低いまま。下手すれば一機や二機のスーパーホーネットで空母のドテッ腹をぶち抜いてしまう可能性がある。唯一懸念されるのは頑丈な装甲を持つ戦艦の艦砲を含めた対空砲火で、このミサイルでは戦艦の装甲には大した打撃は与えられないからだ。そもそもこのスーパーホーネットが開発された時代には`戦艦`という艦種は無くなっているからである。

「しかし大物がいないわけじゃない。`魔女`達もいるだろう。それとしばし遊ぶのも余興だ」
「確かに」

彼等はスーパーホーネットのジェットエンジンを吹かして、ヨークタウン級のいる海域へ向かった。`米国の作った航空機が米国の空母を沈めにやって来る`。双方の兵器の生まれを考えるとなんと言う皮肉としか言いようがない出来事であった。


―ヨークタウン級航空母艦「ホーネット」 島型艦橋

「レーダーに感あり、距離50000」
「……ネウロイか!?」
「いえ、ネウロイとは反応が異なりますので、通常の戦闘機だと思われますが……とんでも無いスピードです!!時速950キロを優に超えてます!!」
「全艦、戦闘配備!!対空戦闘用意!艦載機およびウィッチの発進準備を急げ!!」

ホーネットの飛行甲板では艦載機の発進準備が進められ、先行して直掩に上がっていたF4F`ワイルドキャット`が援護に当たる。しかしハチの一刺しはすぐそこまで迫っていた……。それは彼等ではどうすることも出来ぬ双方の技術力の差の不可抗力であった。

スーパーホーネットはその速度でワイルドキャットを置き去りにし、空母に一直線に迫った。


「`アドラー(ドイツ語で鷲の意)`1、フォックス3」

スーパーホーネットの翼のパイロンに敢行されていたレーダーホーミング型の対艦ミサイルが発射される。ミサイルは音速を遥かに越えるスピードで護衛艦隊の対空砲火を振りきり、あっという間に空母の土手っ腹に命中した。
しかし、この命中弾は彼等の本意では無かったらしく、パイロットは舌打ちをしながら第二弾の準備を始める。
(因みに`フォックス〜`とはミサイルの種別のコードで、20世紀後半以降に普及した軍事用語である。)

「クソったれめ、飛行甲板を外れやがった。ワスプに攻撃を集中!!挨拶代わりに沈めてやれよ!!」

彼としては史実のミッドウェー海戦における「赤城」「加賀」などのように飛行甲板に命中させて、誘爆・撃沈を狙っていただけにミサイルが`逸れた`事に落胆した。対空砲火が上がってくるが、この程度ならどうということは無い。VT信管でも当てるのが容易ではないジェット機に太平洋戦争開戦時レベルの『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』でしか無い時限信管の弾丸を当てるのはよほどの名人でもなければ不可能だからだ。

「全機に告げる。空母及び巡洋艦にミサイルを撃て。沈められたら大万歳だ。雑魚の駆逐艦には目もくれるなよ。魔女と遊ぶのもいいが、長くやるには燃料の余裕が無いから程々にしておけ」
「了解」

スーパーホーネット(ライノ)」は旧来の「レガシーホーネット」よりは燃料に余裕があるが、基地への帰還を考えるとあまりこの戦いは楽しめないだろう。彼は部下に`燃料の残量に気をつけるように`と注意を促しながら悠然と「ワスプ」の上空を飛行する。


―かつての米軍が誇ったであろう正規空母を同じアメリカの航空機で沈める。これはこれい以上無い皮肉であった。(史実では大日本帝国海軍のイ号潜水艦によって沈められた「ワスプ」だが、この世界で引導を渡すのは同じ国が創り上げるはずの戦闘攻撃機であった)


「アドラー4、フォックス3」

スーパーホーネットの4番機の放った対艦ミサイルが艦載機で満杯のワスプの飛行甲板に命中し、デヴァステイター用の航空魚雷やドーントレス用の545kg爆弾が次々と誘爆し、大爆発を起こす。


―ワスプの島型艦橋は大パニックに陥っていた。

「甲板の弾薬が誘爆し、火災が発生しております!!」
「消火作業を急げ!!なんとしてもこれ以上の誘爆を避けるんだ!!可燃物は投棄しても構わん!!彼女たちをなんとしても守れよ!!」

そう。艦船所属のウィッチを失えば大きな損失になる。ここでこれ以上被弾すれば沈没はまぬがれない。何としてもウィッチは守り通すしかない。たとえ無理やり発艦させようとも。

(ワスプが失れようと彼女たちが無事ならそれでいい……!)

火災の火が上がる飛行甲板を見ながら「ワスプ」艦長は独白した。いやいられずにはいられなかった。
自国の識別標識を持ったジェット機に沈められる。これ以上の屈辱があろうか。

彼の前で一人の母艦飛行隊のウィッチがジェット戦闘機の対空ロケット弾によって撃墜される。黒煙をあげながらストライカーユニットが脱落し、意識が失われている。別のウィッチが急いで救出に向かう。

「なんと言うことだ……第31統合戦闘飛行隊に打電!我、敵航空機群と遭遇、誘導機能を持つロケットに気をつけられたし、と」
「了解!!」

―あの様な誘導ロケット弾を持っているとなれば、我らにとって最大の脅威になる!!
そう確信した彼は急いでモールス信号で打電させる。―だが、運命は残酷であった。第二弾のロケット弾が土手っ腹に命中し、大穴が開き、その浸水によってバランスが崩れ、艦が傾き始める。

「進退窮まったか……!」
「艦長!!」

もはやワスプの運命は決した。彼は断腸の思いで最後の指令を出した。

「総員退艦せよ!!飛行中のウィッチはまだ無事なホーネットに迎え!!発艦していないものは急いで内火艇に乗れ!!」

上空で交戦していたワスプ所属のウィッチは母艦が沈み始めたのを目にし、思わず目を覆う。

「ワスプが……沈む……そんなっ……」

―1944年、某日。リベリオン合衆国の空母機動部隊の一翼を担った「ワスプ」は史実より2年ほど遅い最期を遂げた。それも人類同士の戦いで初めて沈んだ近代空母の汚名を被ってである。彼女のせめての抵抗か、完全に横倒しになった状態になってもしばらくは浮き、完全に沈没するには10分を要した。やがて機関のボイラーが水蒸気爆発を起こし、黒煙を上げながらこの世に別れを告げた。スーパーホーネットのパイロット達もワスプの沈没する様に思わず敬礼していた。


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