外伝その194『GET WILD』


――野比のび太。1988年8月生まれ。2000年当時に12歳、2013年時点で25歳、息子・ノビスケが10歳時に35歳。セワシがドラえもんを送り込むまでは、どこにでもいそうな成績が悪いいじめられっ子の小学生であったが、ドラえもんが来たことで本来の潜在能力が目覚め、青年期以降は『もっこりしない冴羽リョウ』とも、『刑事コロンボの皮を被ったシティーハンター』とも評されるに至る。顔立ちが成長で整った事、童顔が原因で、実際の歳よりかなり若々しい容姿を保っており、既婚者かつ父親となり、実年齢が30間近になっていた時代でも、20代前半に見られるくらいの容姿を保っていた。のび太が裏世界で名が知られたのも、この頃だ。普段の愛銃は少年期はコルト・パイソンとスーパーレッドホークであったが、パイソンのいい個体が入手困難になったため、青年時はスーパーレッドホークに統一している。調はその頃になっても野比家に仕えており、家政婦としてのポジションを確立し、のび太亡き後も、連続して仕えた当主はのび太のひ孫であるのび三までの100年以上に登る。セワシがドラえもんを買う頃に暇を請い、野比家を離れたが、セワシが老い果てた23世紀の野比家に雇用されたため、結果としてはセワシの子や孫が必要として呼び戻したと言える――


「調はどうして、のび太君と一緒にいるのデス?」

「それがあの子が選んだ未来だからさ。のび太君が亡くなっても、ひ孫の代まで仕えていたけど、あの子は今や年を取らなくなったからね。君との関係を前みたいに戻せなくなったのを自覚しているんだよ」

切歌はドラえもんがクロに連絡してきたのを見計らって、ドラえもんと話したいといい、クロの許可を得た。Gウィッチ化したために、不老不死になり、切歌とは一緒にいられないと悟ったのも、のび太のもとに身を寄せた理由だとも、ドラえもんは語った。

「調はどうして、そんな事になったのデスカ!?不老不死なんて、そんな……」

「綾香さんとの感応と成り代わりの影響さ。それに聖闘士になったから、老いが感応で遅くなったところにトドメになった」

「どうすれば、調と並び立てるのデスカ!?」

「単純明快、君も聖闘士になればいい。さすれば光は見えてくるよ」

「じゃあ、このまま修行を続けていれば!」

「君もそうなれるはずだ」

切歌は当時、魔鈴のもとで鍛えられており、兆候が見られるようにはなっていたが、覚醒には至っていない。これは切歌自身の必死の努力で勝ち得たものであり、聖闘士としては星矢の妹弟子にあたる。その段階で参加しているため、以前より戦闘力は上がっており、少なくとも、黒江と智子からは『クリスよりは戦力になる』と見なされていた。魔鈴は弟子に『小宇宙が目覚めれば絆を結んだ相手ならどんなに離れていても互いを感じられる様になる、小宇宙は互いに宇宙で繋がっているんだ!』と説いており、魔鈴の弟子で大成した最初の例が星矢である。ドラえもんはこの頃には、黒江と智子の事もあって、聖域とのコネクションも持っており、アテナ/城戸沙織とは電話一本で連絡できるほどの物を持つ。つまり、ドラえもんは電話一本でオリンポス十二神の名を出せるのである。

「電話一本で聖域に連絡取れるから、聖闘士の公的派遣もしてもらえるし、医療面でぼくが噛むようになってからは死亡率下がってるんだ」

また、甲児を依り代に、ゼウスも顔を出すため、新生野比家はオリンポス十二神の休養所の様相を呈している。ゼウスが甲児の未来の姿である恩恵もあり、オリンポス十二神はのび太たちには身近な神々と化している。ただし、ハーデスはミケーネ闇の帝王であり、ゼウスとは敵対関係にあるため、その中間点のポセイドンとも折り合いが悪いのがゼウス親子だが。ちなみに十二神の上位神であるウラノス、ガイア、クロノスは十二神の争いを傍観しているが、秩序維持のため、ゼウス寄りの姿勢である。そのため、ゼウスもそういうところは中間管理職と言える。神々も階級があり、黒江達は最下位に近く、オリンポス十二神で第二層に位置する。最上位とされるウラノス、ガイア、クロノスはゼウス達に権能を奪われているが、権威としての威厳は保っており、その点では神々の王と言える。レイブンズは階級としては、一兵卒に近い身ながら、最上位三神に気にかけられているため、十二神の中では、青二才と鼻で笑わせる程度の頭脳の神であるアレスの嫉妬を買ってもいる。そのため、アレス配下の狂戦士(バーサーカー)達との聖戦待ったなしであり、ゼウスがアルトリアやジャンヌに二度目の生を与えた理由である。

「ゼウスからアテナに伝言があってね。戦神アレスが戦を仕掛ける気配があるそうだよ」

「アレス?」

「マルスともいう戦神だよ」

アレスは神話でも粗野とされるが、実物は美形なのにオツムが残念の筋肉バカというのが、黒江の談。彼の配下の軍団は狂戦士と書いて、バーサーカーと読ませるなど、粗野で、オリンポス十二神の配下の軍団の面汚しと謗られるような無法者の集まりである。過去の聖戦では、黄金聖闘士に天秤の武器での戦が許可されたほどの破壊を齎したとされる。

「配下のバーサーカーは無法者の集まりとされる集団で、神々の軍団の面汚しと謗られる連中さ。昔の戦じゃ、天秤の武器で倒した記録があるそうだよ」

「バーサーカー……」

「そう。ゼウスはそのために英霊を蘇らせたのさ」

「調はそんな連中と戦うことに!?ますます一人で戦わせるわけにはいかないデスよ!」

「そういきり立たないの。バーサーカーはその名の通り、青銅聖闘士じゃまともにやったら殺される位の平均能力値だそうだ。最低でも魔鈴さんと同階級の力がないと戦いにならない」

聖戦では、青銅聖闘士は雑兵に毛が生えた程度の扱いになる事が普通で、白銀聖闘士も戦力と見なされるか怪しいこともある。最低で白銀聖闘士の上位とみなされる『マッハ5』が目安とされる。白銀聖闘士もピンキリだが、バーサーカー戦ではマッハ3程度では通じない次元でしかないため、星矢達が異常なのがよく分かる。

「戦線を維持するのに、グレートブースターと同じ疾さで動くのが必須だから、君は間に合わないと思うな」

「マッハ5って、そんなに…」

「大気圏での最新鋭可変戦闘機の限界速度と同じ程度だから、壁みたいと思うべきだね」

「嘘ぉ……」

切歌に立ち塞がる壁。それは第六感を極限まで鍛える事で達成できる限界速度のマッハ5である。魔鈴とシャイナはその領域に達しているが、セブンセンシズの覚醒には至っていないので、セブンセンシズに達するのは、星矢達のように、状況と才能に依存する。そのため、聖闘士の壁はセブンセンシズ、エイトセンシズ、ナインセンシズと段階的に存在すると言えよう。

「だから、綾香さんと智子さんは修行時代の時点で、次期黄金を目されていたんだよ。それだけの才能があったしね」

「うぅ。いきなり黄金になれるなんて、チートデス!」

「だから、今の時点じゃ、君が急いで修行したところで一角獣星座の邪武に追いつけるかどうかだ。焦ることはないさ」

星矢達を除いた場合の最高の青銅聖闘士の実力者は一角獣星座の邪武だが、その彼はせいぜいマッハ1.4程度の蹴りしか放てないため、聖戦には参加していない。聖戦の際に、星矢の実姉の星華を守護した程度だ。有事に黄金聖闘士が出張るのはそういう事なのだ。また、星矢と四人の友が特別な存在であることでもあり、黄金聖闘士の地位が約束されている。

「それに宇宙をも穿つほどの力であり、神の領域がナインセンシズだよ。聖闘士の力の壁を打ち破るには、最低でもセブンセンシズが必要だ。まずはそれを目指しな」

ドラえもんは、切歌にセブンセンシズを目安にするように促す。切歌は小宇宙に目覚めつつあるため、この時点で響の拳を見切れるようになっていた。その響はエクスカリバー、エア、シュルシャガナの原典などがバンバン放たれているのに羨望を覚え、自分も追いつこうとしており、そこが響のいいところであり、諦めの悪いところともされる。

「私が目覚める事で、響さんに目標与えられますカ?」

「そうだよ。綾香さんがいた時期、あまりに力の差があるから、味方になっても目標にできなかったって言っていたしね」

「それと、なんでイガリマが綾香さんには通じなかったか、わかりますか?」

「のび太君が言ったろ?本質ではないし、君のイガリマはそれを模した先史文明の模造品だ。概念武装に勝てるワケがない」

「それとなんで対消滅を起こさないんですか?」

「それは模造品とは言え、聖遺物の力が込められているのを21世紀の科学や錬金術で無理に開放してるから、ちょっとしたきっかけで暴走して、消滅するまでエネルギーになってしまうからさ。響さんがガイちゃんのデュランダルに驚いてたのはそういうことだったんだろうね」

「それと、疑問デス。なんで、綾香さんは剣でも手刀でも、なんでエクスカリバーを使えるデスカ?」

「綾香さんのエクスカリバーはその要素発現のみだから形さえ似ていればその力を映す事が出来る。意味さえ同じなら、手刀や剣指でもエクスカリバーの有り様を映し出し、その物としての力を振るう事ができるのさ。それと綾香さんはエヌマ・エリシュが切り札だからね?」

「エヌマ・エリシュ……」

「世界を切り開いた原初の剣。あれはガングニール、エクスカリバー、ゲイ・ボルグも問題外の代物。世界を斬るんだから。防げるのは全ては遠き理想郷のみさ」

「アヴァロン……デスカ」

「そう。アルトリア・ペンドラゴンさんの持つ最後の宝具にして、アテナの盾に匹敵する守り。あれ以上の守りは殆どないね」

アヴァロンの防御力はアテナの持つ盾に匹敵する。並の出力のエアであれば防げるため、ドラえもんは最高レベルの守りと表現した。

「それと、クロちゃんの言うことを聞きな。クロちゃん、ああ見えても戦慣れしたプロだよ。無名の英霊『アーチャー』の化身だからね」

「そういうことよ、切歌」

クロはルッキーニが変身した姿だが、それを感じさせないキャラだ。更識楯無に近い大人びた性格であるが、元々の明るさも維持しているので、ギャグに対応は余裕だ。これはリーネが元の引っ込み思案な性格ゆえの悔いを改めるために、完全に美遊・エーデルフェルトになりきったのに比べると、余裕のある証拠でもある。

「アーチャー?」

「弓兵って意味の単語なんだけど、カラドボルグのコピーくらいなら作れるし、使えるわ。魔術で作るから、錬金術とも違う原理だけど」

クロは無名の英霊の姿を模した服装をしている。その『彼』の事は、黒江と智子は知っているが、説明がややこしいために伏せている。どこかの世界で美遊の『兄』だった男がたどり着く可能性であったのは確かだが。

「細かい説明は省くわ。とにかく、この世界を救うことを考えなさい。仮面ライダーや宇宙刑事、スーパー戦隊の『超英雄』に頼ってばかりじゃ情けないし」

仮面ライダー達をそう形容したクロ。仮面ライダー達『超英雄』は黒江達がさらに憧れ、追いつこうとする偉大な存在。一人一人が世界を邪から救った者たち。黒江は転生を繰り返す内に、彼等への憧れと親愛を強くしているし、智子もその一面がある。リーネが美遊になることを選んだのも、彼等が自分達とは関係ない世界を『世界や時代が求めるかぎり、俺達は不滅だ!』と言って、戦ってくれたことへの負い目も関係している。同じ目標を見て違う道を歩く覚悟を決めた者、それがグランウィッチと呼ばれた英霊を宿した魔女達の有り様であった。ライダー達と同じ道は歩めないとしても、同じ目的地を目指し戦い続ける事を選んだ故に、より良い結果を求めて転生を繰り返している。『何故やり直しを繰り返すのか?それは心の弱い証だ』、『ドラえもんとのび太に会いたいからじゃないのか』、『デューク東郷を超えてみせろよ、ウスノロ』と謗られる黒江達だが、心は超英雄と共に有りたい。それが黒江達の転生理由であり、神格になれた原因だ。その気になれば、黒江はデューク東郷を倒す手をダース単位で持っているが、直接対決を互いに避けている。デューク東郷も『敵には回したくない』とし、黒江も『異能生存体かっていうくらいに運がいいから、そういう因果律あるんじゃね?ゲイ・ボルグも逸れそうだし』と言っている。つまり、ゴルゴはゲイ・ボルグを以ても殺せないほど神に愛されるくらいの強運の持ち主であり、生存力の持ち主であるのだ。つまり、戦えば倒せるが、ゴルゴの異能生存体級の強運でけして殺せはしないため、デューク東郷もだが、お互いに不毛であるとして、戦わないのだ。ただし、ゴルゴの代替わりはその生命力も引き継ぐのか、初代から二代目へ引き継いでそれほど経たない頃に初代デューク東郷は呆気ないほどに人知れずに死去している。そのため、二代目デューク東郷はレイブンズに『自分は初代デューク東郷から役目を受け継いだクローン人間であり、2010年代までには自分も後継ぎを育てなくてはならない』事を明かし、2000年代が後半に入る頃、初代デューク東郷の遺伝子と、帝政ロシア皇室の生き残りであり、公には死んだと思われた皇女『アナスタシア』の遺伝子を組み込んだ三代目デューク東郷を創造することをG機関に依頼。その時から、G機関はデューク東郷のサポートも引き受けたのである。なお、二代目は2010年には壮年を迎えており、スイーパーとしての寿命で言えば晩年に差し掛かっている事を意識しており、そこもG機関に自らの後継ぎの創造を依頼した理由だろう。なお、二代目はのび太が少年頃に、初代デューク東郷の絶頂期のポテンシャルに達したため、のび太が20代の内が脂が乗った時期と言え、実際にレイブンズやのび太と依頼人の相違(のび太は日本の統幕調査部、二代目デューク東郷はロシア対外情報庁)から交戦し、その強運で生き延びている。のび太とレイブンズの連携も強運で乗り切った後は、しばし好敵手であった。なお、個々の分野ではレイブンズが上であるが、総合的にはデューク東郷が勝るという互角の戦いであった事も、お互いに不毛と判断しての協定を結んでいる。一匹狼のデューク東郷としては異例中の異例の協定だ。戦で発揮されるデューク東郷の異能生存体かと思うほどの強固な生存因果律は、ゲイ・ボルグすら直撃させられないほどで、黒江が『ボトムスの主人公かよ!?』と腰を抜かすほどに強運である。つまりゴルゴの生存の因果は、ゲイ・ボルグすらねじ伏せる(必ず、急所から逸れる)圧倒的なものであったのだ。そのため、のび太の就職間もない頃の対決が最初で最後の頂上決戦だったと言える。また、レイブンズは個々の分野では成人したのび太に勝るが、抜き打ちで負けるため、何度か模擬戦闘訓練をしたが、抜き打ちに太刀打ちできず、圭子が『早すぎだぞ!』とぶーたれたほどだ。そのため、のび太は二代目デューク東郷に『抜き打ちであれば、俺を凌ぐ』と高く評価されている。(のび太が西部開拓時代の頃で無敵と謳われた理由は、レイブンズすらもその反応が追いつかない速さの抜き打ちができる才能にある)

「それに、彼等ばかりに頼ってると、陰口叩かれるのよね。私達みたいに普通より強い力持ってると、妬み嫉み凄いのよね、世界を守る事にそんな感情はいらないと思うけど」


「クロの言う通りだよ。世界を守る、救う理由はそれぞれだけど、誰かの命を守ることに理由なんていらない」

「美遊、あの子たちは送ってきたの?」

「ヒスパニアに送ってきた。とんぼ返りだよ、クロ」

「貴方もクロさんと同じ?」

「私はブリタニア空軍少尉、美遊・エーデルフェルト。クロの同僚」

アルトリアの絶頂期の象徴である青い騎士服と腕の篭手を着込んでいるが、目測で12歳程度の白い肌の少女、美遊・エーデルフェルト。儚げな印象を与えるが、強い意思のこもった眼とその力のシンボルたるエクスカリバー。その華奢な体と裏腹の内に秘めたる確固たる信念を切歌に感じさせた。

「ブリタニア?」

「ここの世界でのイギリスの事。私はイギリス人なんだ」

素体であるリーネがイギリス人なので、変身しても身分はそのままである。ただし、リーネとしてはこの時期は本来なら、まだ曹長だが、この次元では人型怪異周りの事件が回避された事、芳佳が戦功で45年までに少尉になったことから、同階級であった。これはクロが中尉であるのとは違いがあるが、アルトリアと違い、クロとしては、ルッキーニと別人扱いなための措置だ。人型怪異の事件は今回、坂本の監督かつ、地球連邦軍の護衛で行われたが、トレヴァー・マロニーがウォーロックで横槍を入れたことで接触に失敗、監督責任が生じたブリタニアに失われた赤城の代替艦の賠償金が国際連盟の名のもとに課せられた。(それがプロメテウス級であったので、ブリタニアの担当者は目を回したという)

「細かい説明は後で。クロ、海の方から応援要請が出てる」

「制空権の確保?」

「いよいよミッドウェイが出てきたみたい」

「ミッドウェイ級が?ネームシップが参戦してたの?」

「コーラル・シーと隊列を組んでるみたい。もう改装後のアングルド・デッキみたいで、ジェット飛ばして来てるとか」

「どうせバンシーとかでしょうけど、小さい分、数出せるからなぁ、あれ。切歌、ついてらっしゃい。空中機動を教えてあげるわ」

「ちょっと待ってください!私のイガリマには肩にブースターついてますけど、あれは姿勢制御用で、本格的な空中戦には……」

「小宇宙燃やせば、リミッター外せるわよ、さっ、行くわよ」

「え〜!?海の上で戦うンデスか!?」

「光栄に思いなさい?戦艦大和の護衛よ」

「あのぉ〜私、アメリカにいたから、その戦艦大和って分からないンデスが…」

「ラ號の姉妹よ、姉妹。そう言えばいいかしら?美遊、行くわよ」

「分かった」


こうして、美遊とクロは切歌を連行していく。何気に美遊はサイドアームがHS.404であるあたり、空中戦に即したメインウェポンを持ってきたようだ。これはウィッチの武装としては普及していない銃だが、一応、専門部隊専用という形で細々と生産されていた。そのため、ダイ・アナザー・デイに合わせて増産が間に合った。美遊は威力重視のために選んだのだろう。

「あたしはいつものでいいわ。キャノピーか、フラップ狙うし」

変身しても、空戦ウィッチらしい面は見せる二人。変身した姿でウィッチらしい銃を持ち歩く姿はシュールですらあるが、本来の職分は捨てていないらしい。ストライカーは必要としないが、空戦機動は応用できる。そう考え、二人は切歌を連合艦隊の待つ海域へ連行していった。切歌にはいきなりハードルが高いが、洋上飛行技能を覚えないと、今後の任務に差し支えるため、現地に連れて行って叩き込もうとする。切歌は事実上のアメリカ育ちであるので、戦艦大和を知らないという意外さに顔を見合わせて、ため息をつかれたためにムスッとする。クロが大和について説明する。日本一有名な戦艦である事、日本海軍悲劇の象徴にして、決戦兵器と目されていたことを語る。

「日本人の滅びの美学を体現しつつ、本来の目的で活躍できなかった造船科学の偉大な足跡。日本戦艦の最後を飾った最高傑作よ」

クロは大和のことは滅びの美学を体現した生涯かつ、宇宙戦艦ヤマトとして不死鳥のように甦った経緯から、ファンであるようだ。美遊は自国の戦艦がイギリスの場合、廃品再利用のヴァンガードが最後なこと、ブリタニアとしても、性能面で大和の後追いであるので、羨ましいような様子を見せた。世界最強の称号を一時的にも得られたイギリス軍艦は歴代通しても、意外と少ない。フッドは世界最大の称号は持てたものの、純粋な戦艦ではなかった。そのため、生まれながら最強の称号を持っている大和へは特別な思いがあるようだった。これは各国がレイブンズの流した欺瞞にまんまと引っかかった事を意味する。『大和の艦砲は18インチ(46cm)である』。これは扶桑も紀伊の喪失まで公認していなかったが、未来世界との接触で公認し、次期艦砲である20インチ(51cm砲)の開発に成功した(正確には提供だが)事を期に、公認した。これは紀伊の亡失で向けられた批判、日本から流布された『日本製装甲はアメリカ製装甲の半分の強度性能』の評判で起こったパニックに対応するためもあった。実際は紀伊の防御力は完成当時であれば、要求性能を満たしていた。それは紀伊が45年に改装予定であった書類が証明している。扶桑も45年には紀伊型の第一次近代化をする予定だったが、大和型戦艦の増強に予算が回された。また、モンタナに駿河と尾張が相手にされずに一蹴された事(生き延びたが、相手がラ級であった事を考えれば上出来)、大和との間に世代間の性能差があった事を考えれば仕方ないことである。また、不幸は長門と同世代であった事による旧式扱い、対峙したのが対大和型戦艦の嚆矢と言えるモンタナであった事である。そのため、日本は紀伊型の維持に反対したのだ。しかし、紀伊型は建造が軍縮条約の煽りで10年遅れ、内部構造は10年の技術革新で一新されていた。しかし、財務官僚はケースメイト式副砲を指して、前時代の遺物と笑い飛ばしたのだ。これは建造決定当時、砲塔式への改正を艦政本部が建造期間短縮から却下しただけであったが、日本の財務官僚からすれば『旧式』でしかない。これは当初は旧式高角砲が積まれた場所に、15cm砲を臨時で積んでいただけという、事変の修理の事情も絡んでいた。黒江がISで吹き飛ばした箇所に臨時で余った15cm砲を積んでいただけであるが、日本側には旧式副砲と見なされ、予算削減対象とされた。これに反発したのが近江の艦長で、彼は後にクーデターに艦ごと参加するが、今回は前史と違い、艦の損失は免れるが、クーデター参加が災いし、予備艦扱いで、室蘭に放置されてしまう。そのため、武蔵の航空戦艦への変更が強行されたのである。この決定は見せしめに近く、扶桑から反対が出たが、『モンタナに勝てるのは大和だけだ!』とする大和信仰が扶桑に思わぬ衝撃を与えた。これは日本が『敵がモンタナバンバン作るのなら、大和を増やすしかないだろ』とする艦隊決戦優先思考であった事からの行き違いであった。元々、大和に愛着が薄い扶桑であったが、日本が宇宙戦艦ヤマトにするまでの愛着を持つことには大いに困惑していた。しかも、『戦艦の規格統一』という観点ではあっている。その兼ね合いが、予定外の五番艦『三河』を生み出すのだ。そのため、扶桑は移動司令部の役目をより強大な三笠、後に敷島へ移行させ、紀伊型の本来任務を大和型戦艦で行う事になってゆくため、艦政本部は今後、ますます困惑してゆく。これはリベリオンの主力戦艦がパワーアップを遂げていくため、それに合わせての移行ではあったが、大艦巨砲主義が息を吹き返した理由が『空母と搭載機の果てない高額化』というのに、虚しさを感じた技師が多かったという。

「でも、敵は核が造れないからって、戦艦に走るのはどうしてなの、クロ」

「核やミサイル、潜水艦に注ぎ込まれたはずの予算が戦艦にいくからよ。空母はウィッチ閥の跋扈で大抵の世界ほど打撃力に期待が持てないもの」

クロのいう通り、核技術者の亡命でファットマンを超える核爆弾を造れず、潜水艦やミサイル技術の年単位での遅れと、空母戦力の質の低さは物量で補えないと判断したリベリオン本国は大艦巨砲主義に針が振り切れていく。これは航空戦力と潜水艦隊が充実していく扶桑と違う針の振り切れ方で、圭子をして『フォン・ブラウンいねーと、思考が近世に戻んだな』と言わしめるほどであった。これはカールスラントから亡命した技術者が今度は扶桑に亡命していったことで生じた技術的停滞が原因だ。(扶桑は扶桑で、核爆弾の保有が日本からの圧力で表向きできないので、地球連邦軍が『隕石破砕機材』と称し、23世紀型反応兵器を保有させている)

「だから、大艦巨砲主義が死に絶えないのよ。日本やアメリカは奇異に思ってるそうだけど、日本やアメリカの航空戦力じゃ巡洋艦は撃沈できても、戦艦は無理だから、空自も『F-2さえあれば』とぼやいてるらしいわ」

「あの戦闘機は対艦番長だから。あれば、撃沈は無理でも、戦闘能力の低下はさせられるからかも」

日本では与党の有力政治家などの機数削減のイメージで低評価だが、実際に運用する現場では『F-2』は高評価である。黒江も『コツさえ覚えれば楽に飛ばせる』と評価しており、艦攻出身者にいいんじゃね?と考えている。実際にF-2の航空阻止任務はかつての陸攻や艦攻が担っていた任務を継ぐものであり、扶桑軍出身者も欲しがる逸品である。そのため、扶桑軍は『F-2を寄越してくれよ』とぶーたれている。しかし、日本では事実上の攻撃機でもあるF-2は年式の新しさ(就役が2000年代)と、ラインが閉じられていた故の貴重性から、現場の強い意見具申があっても、防衛省が見送った理由の一つである。絶好の実戦での使用機会なのにだ。しかし、防衛省としては2011年の地震での損害と、教育に使用していることから、意見具申を退けたのだが、事もあろうに、黒江が使用した(外見を模したレプリカだが)ことで、現場から不満が出されたのだ。黒江は使用した同機を『超文明でマニア向けに作られているレプリカです』と釈明している。しかし、対艦戦闘の実践のいい機会であるのは確かなので、航空自衛隊は表向き『超文明の有償援助』という名目で、初期型コスモタイガーU60機、VF-1EXの提供を受けた。コスモタイガーはガトランティス戦役から使用されているので、状態のいい初期型があちらこちらに残存している。また、連邦軍の現用機種なので、手厚いサポートが受けられる利点もある。整備要領も21世紀のターボファンを基本にしているため、覚えやすかったのも受けがいい。何よりも『宇宙戦艦ヤマトの栄光を支える戦闘機』という箔がある。自衛隊上層部はその箔を重視した。黒江は戦いの合間に、その搬入を視察している。



――ある日 自衛隊駐留の前進基地――

「お前ら、連邦軍から贈り物だ。中古品だが、コスモタイガーだそうだ」

「コスモタイガーっすか、統括官」

「そうだ。白色彗星帝国の戦の時に作られた初期の単座型がお前たちに与えられる」

「白色彗星帝国の時の機首が短いタイプですね?」

「そうだ。三座型は残った個体が少ないそうだから、単座型になる。ミサイルのハードポイント規格はかわんねーから、お前らの使用するミサイルを使って飛ぶ事になる。塗装は初期の銀色主体のものだ。そこは我慢しておけ」

「統括官、コスモタイガーのマニュアルはあります?」

「ああ、お前ら用のは山本玲に作らせた。今、あいつが整備員にマニュアルを配ってるところだ」

「部品はどうなります」

「連邦軍が潤沢に用意してくれるぞ。パルスレーザーだから、ミサイルなくても、空戦に貢献できるのはいいぞー」

コスモタイガーは初期型の時点からパルスレーザーを積んでいる。その火力が地球連邦軍で受けた理由だ。

「機動性は高機動バーニアを併用しない場合はマルヨンと似たような特性の重戦闘機だ。まずはそこから慣れろ」

新コスモタイガーでは、再設計で緩和されているが、初期のコスモタイガーは大気圏内での飛行特性がかつてのF-104寄りの機体である。主翼が小さい点も似通っている。初期のコスモタイガーがエース部隊に優先されて引き渡されていたのはその特性も関係している。

「とてもそんな風に見えないですけど」

「主翼が小さめだからな。高速ではクイッと曲がれるが、低速だと曲がりにくい。ヤマトの連中がエース揃いだから、高機動バーニアを駆使して大気圏内戦闘もこなせたんだ」

黒江はコスモタイガーのバーニアを併用しない場合の機動性をかつての名機兼未亡人製造機に例える。ただし、機体の反応速度は21世紀戦闘機より鋭いため、ラウラ・ボーデヴィッヒが『怖いくらいに早いな』と評している。ラウラはコスモタイガーの補助プログラムの完成度を評価し、素の特性をプログラムで補正できる事に感嘆の言葉を残している。

「いいか、コスモタイガーは最新型もだが、補正プログラムで新兵にも扱いやすいが、真にエースになりたけりゃ、素の機体特性を覚えろ」

黒江は終始、エース部隊の在籍であるため、育成には厳し目のところがあり、ハルトマンと意見が合う事が多い。カールスラントで同じような役目を担っていたロスマンが、素養が熱意に釣り合わないような生徒に冷淡なところを指摘され、その指摘による精神的ダメージから、矢島風子になり切ることになったのに比較すると、年の功と元々の面倒見の良さで、厳し目ながらも人気のある教官である。黒江は『アニメで描かれた人物像は実像の一面しか見せないことが多いぜ?気にすんな』と、ロスマンに声をかけたが、ロスマンは幼少期の父親との一件のトラウマで、日本人からの指摘が退役軍人の父親に知れることで予想される叱責を恐れており、その恐怖から救うために、マキのいる世界に送り込んだ。ロスマンはアニメでメインキャラクターとして出ていたので、人物像に誤解を受けやすいのも不幸で、本来は休暇中には思いっきり羽目を外す人柄なのだ。また、件の『雁淵ひかり』(この次元では雁渕だが)とは、この次元では接点がない上、ロスマン自身が父親が第一次大戦での佐官かつ愛国者であることで、父親に『この役立たずめが!』と、軍から弾かれた事を罵倒されたトラウマがあるため、ある意味、ひかりに近い立場にいた事がある。そのため、アニメに出演していないレイブンズ(智子は人形としてなら出ていたが)の気楽さに比べると、ロスマンは本来の享楽家の面より、先生としての面が強調されることで苦悩してしまったと言えよう。対照的に菅野は、アニメよりよほど過激で、『怪異ならぶっ壊す!人ならぶち殺す!』と言う武闘派で、主な口癖が『バカヤロウ』な事、芳佳とコンビを組んでいることで、独自のアイデンティティがあると理解され、逆に人気が出た。アニメが『先輩に気に入ってもらいたいから粋がっている子供』であるのに対し、実物は『バカヤロウ』口癖、戦闘で血が騒ぐ、『飛びゃ治る』、『操縦させろぉぉ』なウォーモンガーであり、孝美に執着がない事も好意的に見られた。その相棒がアニメではリーネと百合的な関係を持っている芳佳であり、実物はアニメと異なり、やることが角谷杏であり、見かけと裏腹の腹黒さを持つ狸であり、後輩を『○○(名字)〜ちゃん』と呼び、猪突猛進の菅野の知恵袋になっている事が人気の理由である。アニメと違い、実物は『会長』と渾名されており、ヘッツァーを個人所有している、軍人としての自分に肯定的で、士官の自覚があるなどの明確な違いが却って良かった。アニメでの評価と実物に差異が少ないのはバルクホルンやハルトマン、シャーリーだが、シャーリーは『コー○ギアス』の紅月カレンの『激しさ』、美雲・ギンヌメールの『歌唱力と落ち着いた振る舞い』を併せ持つ状態であることから、『紅蓮で暴れる美雲さん』と言われており、ギャグ的評価である。また、サーニャはイリヤになっているが、魔法少女としてのイリヤである事、サーニャとしてよりはっきり感情を表すことから大人気であり、自衛隊で『三角関係?』と言われているアイドルになっている。リーネは美遊になったことで元々の引っ込み思案が無くなり、芳佳とイリヤのためなら『火の中水の中』を地で行くこと、また、セイバーのクラスカードをアニメ以上に使う事もあり、少女騎士としての側面がクローズアップされている。また、芳佳とイリヤを『自分を友達と言ってくれたから』と言い、二人のためにエクスカリバーを構える姿は早くも、自衛隊諸兄の心を捉えている。そして、そのイリヤへ片思いし、自分のポジションが美遊に侵食されたことへの危機感で不死鳥の制御に至ったエイラは『愛の戦士(笑)』とあまり笑えない渾名をもらっていたりする。

「統括官、501のネットでの評判知ってます?」

「ああ。皆、見てるよ。ロスマンは落ち込んだし、菅野はあれだ。リーネは美遊になって、サーニャはイリヤだ。美遊は宮藤とイリヤのどっちが好きなんだとか書かれてたな。どうなんだろーな?」

ニヤニヤする黒江。元々、リーネは芳佳に百合的感情があったが、覚醒して、イリヤとも同等以上の感情を持つようになっている。そのため、美遊に自覚はないが、エイラが血の涙を流していたりする。

『サーニャへの愛に生きるとなると、美遊やクロも纏めて面倒見ろって?マジかヨ!仕方ない、全部纏めて受け入れてやんヨォォ!!』

「うお!お前、フェネクスのデストロイモードのスピーカで叫んでるけどいいのか!そもそも、なんでフェネクスで来たんだよ」

『持ってこいって言うから持って来たんダロー!』

「ガンダム越しにジタバタするなよ。デストロイモードで地団駄踏むなんて、シュールすぎる」

フェネクス越しに地団駄踏むエイラ。デストロイモードで地団駄踏むのはシュールな光景だが、ユニコーンガンダム系列の操縦系統の高性能さの証明でもある。

『あ、やっちまったー!でも、本気の覚悟だし、今更誰に聞かれても関係ないゾォォ!!』

「カミングアウトキター!お前ら、録音したか?」

「バッチリです!」

「ネットでスレ立てました!」

「ガンダムで愛のカミングアウトなんて、ドモンさん以来だしな。伸びいいだろ」

「でも、デストロイモード解除されませんね」

「ああ、デストロイモードの維持に制限がないんだろうな。Gウィッチの力に反応してるのもあるだろうけど」

『そっか?』

「さすが、アナハイム。あぐらかけるとは」

Gウィッチ化したエイラの力に反応しているのか、フェネクスはデストロイモードを維持している。しかもその姿でエイラの思考を反映し、あぐらをかく。アナハイム・エレクトロニクス社驚異の技術だ。

「モビルファイター並になったよなぁ、近頃のモビルスーツも」

黒江のあっけらかんとした感想もシュールさを誘う。サイコフレームが露出し、緑色の淡い発光をしている状態のフェネクスがあぐらをかく。一年戦争時代のジオンのMS技術者が見たら驚くが、モビルファイターのパーツもアナハイム・エレクトロニクス社の供給が多いので、近頃は関節処理が人体に近くなり、一年戦争時代から比べると、自然なアクションができるようになっている。フェネクスの自然なあぐらがその証明で、モビルファイターではないMSが自然なあぐらをかき、乗っているエイラの癖を反映した足の組み方をしている。また、ため息をついたり、イリヤのことでソワソワしているアクションも見せる。(心情の反映によるツインアイの点灯や指がリズムをとったり)

「統括官、凄いアクションですよ、これ」

「マークUが戦犯だ。初代じゃできんしな、こういう繊細なアクション」

「フル装備のMSがこういう自然なアクションできるんですね。アニメでは見ません」

「まぁ、ガンダムタイプで、最新技術てんこ盛りだから」

フェネクスは贅が尽くされたガンダムタイプであるので、一年戦争時代からは考えられない自然な写し身さながらのアクションを見せられる。それでいて、デストロイモードであるので、その気になれば、ユニコーンガンダム同様の圧倒的戦闘力を見せられる。MSの範疇から言えば、ガンダムタイプでも特に強いと言える。

『でもさ、ビームマグナム、使いづらいゾ?」

「ビーム・ガトリングガンでも用意してもらうか、ゼータ系のロングライフル使うか?」

『ロングメガバスターか、ハイパーメガランチャーないの?』

「あいにく、出払ってる。Gバードならあるが、フェネクスのサイズには合わん。」

『んじゃ、近くの敵を倒したら、ゼータのロングライフル借りてく。アレなら使えるダロ?」

「ん?待て。おまえ、背中のアームドアーマーDEのビームカノン忘れてるだろ?」

『いっけね。固定武装だから忘れてた』

「普段と違って、MSは固定武装あんだぞ?見ろ、自衛官の連中が笑ってんぞ」

『ぐぬぬ…!笑うんじゃねー!』

エイラらしいアクションで怒る動きをするフェネクス。自衛官らは大笑いだが、エイラは即席でパイロットになった経緯のため、MSの固定武装を忘れてしまう。固定武装という概念が普段はないためだが、ガンダムタイプは固定武装も強力である事が多いので、宝の持ち腐れとも言える。憮然としつつ、『プイ!』という擬音がつきそうな可愛い拗ね方をガンダム越しに見せるエイラ。

「あ、ソイツはNT-D起動時は切り離してビットとしても使えるらしいぞ?今、ネットで調べたけど」

『あ、マジ?後で試してみよう』

「あ、アナハイム・エレクトロニクス社にライトニングゼータのオーバーホール頼んでくれ。黒田が馬鹿やって、負担かけたから」

『わかったー』

フェネクスの一連の自然な動きは、ネットで投稿された動画を偶然閲覧した、21世紀日本の技術界を興奮させ、機械工学者とロボット工学者を発奮させるが、それはまた別の話。21世紀前半の平均技術レベルから見れば言葉に表せない高度な技術だが、日本にはそれを理解できる土壌があったし、過去に伝来した宇宙のオーバーテクノロジーを手中に収めた実績もある。その実績が後に短時間でのOTMの実用化、波動エンジン製造の理由とされ、銀河連邦で『技術力の地球』と言われるほどの国家になる礎となるのだった。



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