外伝その237『フューチャーヒーロー8』


――ダイ・アナザー・デイではかなりの戦力が投入されたが、その中で通常ウィッチ達はかなり苦しい立場に置かれた。一騎当千のGウィッチ達の存在は彼女たちには多大なプレッシャーとなったからだ。機動力以外はレシプロ戦闘機と大差ない戦力と見なされたのもあり、組織的行動は控えられた。特に序盤で赤ズボン隊が無人戦闘機ゴーストに返り討ちにされたことはウィッチ部隊を恐慌状態に陥らせたのは言うまでもない。ゴーストは名うての可変戦闘機乗りが高性能機に乗ることで初めて対抗できる。黒江は『ゴーストに落とされたぁ?どんだけトロくせー飛び方してんだよ、目標がちいせーんだから相手の動きよく見てりゃ落とされねーだろうが』と辛辣なコメントを出しているが、通常ウィッチではマッハ5.5を超える速度のゴーストは視認すら困難である。レイブンズはそれぞれ、『動きを合わせて剣を立てたら一発でしょ?』、『ガキ共には無理だろ。そんなん。あたしらの感覚とは違うからな』という調子だが、通常ウィッチからすれば、超人の所業である。圭子は比較的理解があるほうであり、圭子が一番、異名の割には501内部でも人気があった。黒江はストイックと思われ、智子は遊撃隊という親衛隊を抱えているため、一歩引かれているという事情があったからだ。圭子は口調が荒々しい割には面倒見がいいため、割合、元502、504、506出身隊員にも慕われていた。あの竹井が常に敬語を使う点でも、504出身者にはクスリとなっている――


――駐屯地――

「加東さん。コーヒーを入れてきました」

「竹井か。机に置いとけ」

「本当、前史と違いますね」

「昔に言ったろ?飽き飽きしてたって」

圭子は元の姿に戻っていたが、タトゥーは維持しているし、タンクトップとホットパンツ姿である。おおよそ軍人には見えない。

「まぁ、つい、取り残されてるヤツが居ると世話を焼いちまうのは染み付いた性分なんだろうなぁ」

「若い子たちに人気ですよ?貴方」

「綾香はオフの事知らねーとストイックと思われるし、智子は昔のイメージが残ってるからな。実際はヘタレのくせに」

「徹子が愚痴ってました。『オレだって、覚醒が早けりゃ…』って」

「あんのガキ。よほど事変ん時にライトニングプラズマされたの根に持ってんな」

「貴方達が好き勝手してるんで、若い子たちは凹んでますよ。特に504や506出身の事情を知らされていない子達が」

「最近のガキ共は戦闘詳報みねぇのか?」

「あなた達の戦闘詳報、最近まで機密だったんですよ?アフリカで暴れた加東さんはともかくも」

「仕方ねぇ、覚醒直後の体が出来てねぇ時の鍛練法を叩き込んでくるか!」

腕を回しながら出ていくケイ、竹井は『若い子を凹ませないでくださいよ―』というのが精一杯だ。

「醇子、加東が鼻息荒く出ていったが…まさか?」

「そのまさかよ」

「若い連中を潰さなきゃいいが。あいつは荒いからな」

「あ、そのコーヒー、飲んでくれない?」

「あいつめ、飲み忘れたな。……あいつが一番、若い連中からの人気がいいってのも意外だが」

「面倒見いいし、黒江さんはオンオフが激しい差があるのは若い子には知られてないもの」

「転生前のストイックなイメージが残ってるのも大きいが。もっとも、今のキャラに困惑した私が言えた事ではないがな」

圭子の『よーし、先ずはワンセット百回!アタシが300終えるまでに終わったヤツにはアイス1つ進呈だ、始め!』という声が外から響く。506B部隊出身の二人を鍛えているらしい。その内のマリアンは友人が自分たちを庇って、表向き、戦死した事になった事、ハインリーケが実はブリタリアの伝説の王の転生体である事を知ったため、以前より訓練に打ち込む様になった。

「マリアン大尉か?」

「あの子、ジェニファー大尉が他のみんなを庇う形で軍を『去った』事に負い目を持ってね。それに黒田さんが本気見せて、アルトリア王が覚醒なされたでしょう?それで、ね」

「黒田はああ見えて、平成仮面ライダーかぶれだしな。クリムゾンスマッシュなんてやらかしおって。上が怯えてたぞ」

「その時に言った台詞回し、聞いた?『あたしはもう迷わない……。戦うことで人を傷つけるなら、人相手に戦う事がこの世界で罪になるのなら……あたしが背負ってやる!!』だそうよ」

「仮面ライダー555じゃないか、まったく…」

「でも、黒田さんの今の実力を示すにはうってつけの台詞回しなのは事実よ」

竹井と坂本の言う通り、黒田はその台詞回しとともに、仮面ライダー555/乾巧を彷彿とさせる戦闘法を見せ、クリムゾンスマッシュで〆ている。昭和仮面ライダーかぶれである黒江と好対照である。

「あいつら、いい意味で好対照だな」

「ただのかぶれでなくて、実力も伴ってるもの」

黒江と黒田は今回、バディとしては扶桑歴代最強と誉れ高い。

自衛隊員(おおきなおともだち)喜んでるし、好きにやらせたら良いさ。ああいう遊びがないと、気が狂うんだそうだ」

「日本軍はそれが失敗の元だったそうだしね」

黒江と黒田の行為は事後であるが、日本連邦軍上層部も公認している。特に人手不足が騒がれている2010年代には、ああいう遊びも大事なのだ。自国軍隊に残虐非道のイメージが啓蒙され続けるのは日本くらいなものだ。文化人も古い世代、特に戦争中に青年以下だった世代ほどそのイメージを啓蒙したがった。日本の軍隊は装備は二流だったが、統率は世界最高水準にあったともされる。そのため、シンフォギア世界で黒江が憤慨したのである。黒江は防大時代、自分からしごきを頼んでも、先方が萎縮してしなかった。旧軍将校をしごくことなど現役にもできない(黒江は陸士50期である)からだ。陸士50期の現役パイロットという事が伝わると、2000年前後当時の防大は扶桑に『現役の将校、それも佐官を送ってこないでくれ』と抗議している。いくら極秘任務とは言え、佐官級将校を送って来られても、防大はあくまで、若者を士官候補生にする学校であり、幹部学校のような高度な専門カリキュラムは教えていないからだ。ましてや『陸士』を出ていたのなら尚の事だった。防大の主をして君臨し、民間に合わせて、空自のパイロットにつけるための規定が変えられるほどの優遇ぶりであった。小泉ジュンイチローなりの日本連邦軍への布石であった。また、飲酒については、扶桑の酒蔵の雇用維持の問題も絡んだので、自衛隊は処理に困り、扶桑にできるだけ配慮した文面の規則でお茶を濁している。また、黒江の自由気ままな統括官としての勤務態度も、一応、規則を最低限は守っている事や、扶桑軍で特権を有することから許されている。(空将になった上、扶桑軍内部では『特権階級』と言える地位にいるため)

「しかし、黒江はよく空自に入れたな?」

「源田大佐の口添えがあったのよ。陸自が欲しがってたというのは聞いたわ。で、空自も密約が高官レベルで結ばれてたから、規則を変えたらしいわ」

「向こうは女性自衛官がパイロットになれるのは本当は2020年を目処にしていた、というのは噂に聞いていた。そうか、黒江のためか」



「ええ。黒江さんはパイロットとして稀有な才能も持っていた。同位体も航空自衛隊の黎明期の高官だった。その事もあって、比較的スピード出世できたのよ。私達からすれば、パイロット技能は物好きの部類だったけどね」

「確かにな。あいつは特機も操縦できるが、あそこまでいくと尊敬するよ」

「逆に、今はその技能が無いと、ウィッチ兵科が危ない事になっているのは皮肉なことよ。おじい様の功績を鑑みて、陛下が維持なさっているけど、功労者のおじい様が亡くなれば、兵科を維持する理由も消える」

「閣下がお亡くなりになられれば、MATに多くが流れたウィッチ兵科を守る必要も消えるからな。前史でも問題になったが、今回はどうするんだ?」

「大先輩は特殊部隊扱いにする事で、ウィッチが軍にいられるように取り計らうと仰られてるわ。今の子らはウィッチになる事への特化教育で育ったけど、今はある一定の軍事教育がないと、逆に使い物にならないと言われる時代だもの」

「士官になる者だけが、引退後も考えての高度な軍事教育を施されるのが今までの常識だったからな。未来の職業倫理が入ってきたことで、一律で同じ教育が施されるが、今の現役からすれば、自分たちの受けた教育はなんだったのか、と憤慨するものだな」

「ええ。今まで軍に残るほうが少数派だったけど、勤続年数で退職金と恩給に差が生ずるようになって、定年まで勤め上げれば、勲章が貰えると分かれば、ねぇ」

「やれやれ。親達にしてみれば、婚期の問題があるんだろうが、日本にしてみれば、高い金をかけて育成した人材が数年でやめられても困るんだろうな」

その問題が大きく絡んだためもあり、軍ウィッチの応募数は数年ほど大きく目減りしてしまう。太平洋戦争が勃発してもしばらく回復基調には戻らず、その数年の世代が太平洋戦争を戦い抜いたという点から、その後、軍隊でGウィッチに次ぐ発言力を持つことになった。その彼女たちが実質的に日本連邦軍第1世代のウィッチということになる。

「ええ。黒江さんや穴拭さんのように、ウィッチ以前に、戦士として一騎当千の力を持つのは何十年に一度だもの。だから、自由気ままな振る舞いも許されてるのだけど」

「あいつらコンビは組めば、戦局も動かす。未来で言えば、アムロ・レイやカミーユ・ビダンのような存在だが、あいつらは一度、記憶を封印されている。その事が今回の騒動の遠因と思うとな…」

記憶の封印は、転生の副作用兼肉体の休眠期というべきものだが、特にそれが強かった黒江。(前史よりは弱まっていたが)前史で得たものが特に大きかったためだろう。だが、解かれた後は好き勝手しており、シンフォギアを日常で使ったり、その姿で『超弾動』を『小宇宙』と複合させた力で『雷光斬』を放ったりと、やりたい放題である。風鳴翼が『反則だ!!』と、黒江にぶーたれているのは、『小宇宙』というオリンポス十二神(ギリシア神話)発祥の概念と、『超弾動』という儒教から生まれた概念の力を同時に行使できるという点であるが、それでも勝てない剣士がいるので、次元世界は広い。


「あいつ、山羊座の黄金聖闘士だろ?先に行った世界が世界なら、鎧擬亜を纏ってたかも知れん」

「上としてはそちらのほうが良かったかもしれないわね」

「お前、そう言えば。若返ったけど、口調は戻したのか?」

「仕事中だしね。それに、定子にロリっ娘してるイメージじゃないとか言われて」

「あ〜…、なるほど」

竹井は11歳当時の容姿に戻っているが、下原からの苦情で、仕事中は口調を元に戻したらしい事を坂本にいい、坂本は思わず苦笑した。

「お前も大変だな」

「慣れたわ、これ。今は上がいるから、以前より気楽にやれるけどね」

「今までは上がいなくなってたからな。ある意味では幸運だよ」

坂本の言う通り、上が残るという事は、面倒事を上に押し付けられる事でもあるが、若いものにとっては、自分が出世し難くなる事の証明でもある。しかし、今の時代は若さよりも経験値が求められるため、必然的に古参兵が重宝される。ましてや、敵は最低でも時速630キロは出してくるのだから、新兵には荷が重い。ウィッチ隊の存在意義は怪異撃滅にあったため、人同士の戦争で用いるには、人員の教育が全く間に合っていなかったのだ。どんな相手でも渡り合うことが可能とされたGウィッチに期待がかかるのは仕方がない事だった。

「しかし、黒江の奴、行った世界が世界なら輝煌帝の鎧纏えたんじゃないか?」

「多分、光輪の鎧は呼べそうとか言うから、本当に輝煌帝を持って来そう」

黒江は心が『礼』である故に光輪の鎧擬亜に適正があり、存在の位的に輝煌帝の鎧擬亜の負荷にも耐えられるという。因みに『仁』の心は智子であるとのことで、そこは主人公属性の特権であった。

「やりたい放題だな、あいつら」

「それも特権でしょうね。聖闘士であって、鎧擬亜の資格も持つなんて、アニメオタクが聞いたら腰抜かすわよ」

聖衣と鎧擬亜の双方を使えるという点で言えば、智子と黒江は凄まじく羨望を浴びて然るべき存在である。また、双炎斬と雷光斬は調と箒、芳佳にも伝わっており、三人に相応の力を与えている。その強さがそれぞれ一人づつ嫉妬を買い、それがモードレッドの覚醒のきっかけであったり、切歌を修行に邁進させたり、セシリアと鈴に対抗心を持たれたりと、忙しい。双炎斬については芳佳が三者の中では一番の熟練者であり、前史と違い、決め技に多用している。

「皮肉なことだが、それがアニメとの宮藤の違いとして示すアイテムになっているからな。アニメでは烈風丸を持ったのが最初で最後だったが、こっちでは元から剣術の猛者だ」

「確かに。アニメじゃ、やる時はやるけど、基本的には人に銃や剣を向けない。こっちは駆け引きのために積極的に使うしね。小さい頃に穴拭さんが身分を隠して指南していて、その流れで中学まで剣術教室に通っていたというから」

その剣術教室の講師が非番の時の赤松であり、知っていて同行していたみっちゃんを誘い、その流れで仕込んだ。これは赤松が基地で始末書ものの事をやらかし、小園大佐(その当時は少佐)が基地の周りで、なんか役立つ仕事しろ』と言い始め、開いた剣道教室が好評であり、非番士官の持ち回りで各基地で開かれるようになった。小園大佐はこれで芳佳を捕まえるつもりであったのだ。元々、智子が素地を作っていたため、すんなりと芳佳は入塾。軍隊に入り、覚醒した後は自分が講師をしていたりする。黒江と関係を持ったのは、今回ではその流れである。覚醒後は腹心にちゃっかり収まりつつ、角谷杏由来の狸な面ももつため、意外にダーティーな事もしている。

「しかし、今回はミーナが目覚めてくれて助かったよ。前史は酒が入るとヒステリックになって、怖い声出してたし」

「あ、ああ――」

坂本は前史で一番手を焼いた事項があっさり片付いた事に安堵しつつも、ミーナの『ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ』としての自我が薄れた事に一抹の寂しさも滲ませた。現在のミーナの自我意識のおおよそ八割以上は西住まほとしてのそれであり、特質の歌が残った以外は薔薇乙女的なハッタリを聞かせた態度も見せられるため、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケとしての割合は一割程度だろうと見込んでいる。

「まあ、前史みたいなヒステリーを起こされるよりはシスコンのほうが遥かにマシだ。イオナには悪いが、我慢してもらおう」

前史で八つ当たりされ(当人は記憶がないらしいが)た身としては、シスコンをこじらせていたほうがマシだと断言する坂本。今回のミーナは『乳酸菌とってるか?』というなど、人間的には現在のほうが実直かつ、ユーモアを解するので、付き合いやすいと坂本はいう。前史で、黒江関連で話がこじれ、よほど心労があったらしい事が伺える。

「前史はその、ご苦労さま」

「黒江とのことは私のポカだから、どうたら言わんが、ミーナは理不尽だったからな…。ドラえもんにも愚痴ったよ。今回に転生してから」

坂本は基本的には豪放磊落だが、意外に繊細な一面も存在する。黒江への気遣いがそれだ。しかし、ミーナが坂本へ抱いていた思いを厄介と解釈するところなど、坂本はそういうジャンルにまで考えが及ばないらしい。また、坂本は早期に覚醒を遂げていたため、人間関係は前史のそれを大まかに引き継いでおり、プライベートでは黒田とは対等に口を利く。これは前史では自分の『後輩』であった名残だ。

「異世界からやってきたあの少女たちだが、戦力にはなるようだな?」

「精神面のケアは必要だけどね。調の事でギクシャクしてるというし」

この頃には、切歌や響と調の問題が坂本らに至るまで認知されていた。響当人はなんとか折り合いはつけたものの、色々なしがらみなどがあり、おいそれとは和解に至らないのが現実の厳しいところだ。響は切歌を想い、それ故に調の帰ってくる場所を守りたかった。だが、結果的には調当人の気持ちを希望的観測で推し量ったのが仇となり、『善意の押しつけ』を嫌った調に避けられ、SONGから調が出奔してしまう結果となった。(悪意はないため、調としても困惑していたのも事実だ)そのため、響は和解に踏み出したものの、戦線復帰には小日向未来の後押しを必要としている。

「仕方がないな。黒江に『代わり』をさせたという点では失策だったと言わざるを得ん。赤松大先輩のフォロー次第だな」

響が善意が先走って、黒江にさせた『調の代わり』という役割。それは結果的に調と周囲の関係にある種のしこりを生じさせてしまった。赤松がフォローしていたのと同じ時刻に坂本が話題に出すあたり、重要な問題と見られていたのが分かる。クリスやマリアが比較的第三者的な立場で俯瞰してみてわかったことだが、響は調の居場所を守りたい一心で押し通したが、実際には調は『日本の第四の装者』となり、国連の追求を受けない立場で固定された事、司法取引でマリアと切歌の処刑は免れ、更に調当人は黒江が維持していた場所にいるのに罪悪感を感じたなどの気持ちのすれ違いが起こり、結果的には調を混乱させただけに終わった。その点を抑えた赤松のフォローは見事であった。違えた道までは元に戻せないが、互いに同じ方向に向く事はできる。それがGウィッチたちにできる範囲内での、立花響への精神的フォローであった。概念武装という哲学兵装の更に上位の存在、『物質化した奇跡』。エクスカリバー、ゲイ・ボルグ、バルムンク、アスカロン、シュルシャガナ、乖離剣エア。それら高位の宝具が跋扈する世界でのガングニールの立ち位置、元の世界で発揮できた力はガングニールとロンギヌスが別個の存在として存在する世界ではガングニール本来の力しか引き出せないという、元になった宝具由来の枷。響はそれに気づき、ショックを受けているのも事実である。因果律すら操れる宝具に元の世界での神殺しの力が出せないガングニールの力がどこまで通用するのか。そのことへの疑念が湧いてしまったのも二の足を踏む理由であった。赤松は自信を取り戻させるため、自身と手合わせするようにいい、一試合やらせる。そこで自信を取り戻した響は戦線復帰。調が何故、野比のび太を家族同然に愛し、その身を捧げたのか。その疑問と向き合うことを選ぶのだった。



――これだけは確実だ。のび太は主を失い、悲しみに沈んでいた調に『新たな生き方と未来』を指し示し、彼女にやすらぎと居場所を与えた。ドラえもんに守られたり、叱咤激励されていた彼が冒険以外で初めて自分で救った『子供』であり、のび太の生き方に影響を与えた。調も野比家の温かさで家族のぬくもりを真に得、初めて自分で切り開いた温かな未来。調に取って、のび太は自分に未来に歩き出す事を教えてくれた『ヒーロー』であり、『兄』である。彼女にとって、『未来』を作ったヒーローはのび太であった。妹分としてのび太とその家族を守る。それこそが彼女が見出した道であると――



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