外伝その414『海戦の本番1』


―いよいよ、戦いの火蓋は切られた。優れた索敵が可能な連合艦隊は敵主力空母機動部隊を捕捉、ただちに対艦ミサイルによる先制攻撃に打って出た。近代装備を持つあらゆる戦闘艦から対艦ミサイルが放たれる。目標は護衛空母部隊であった。頑強な正規空母よりも打撃を受けやすい護衛空母を攻撃し、敵の予備兵力を削ぐのが最大目標であった。同時に潜水艦による雷撃も敢行され、敵艦隊は護衛空母を中心に早くも損害を被った――


「敵の対艦ミサイルです!」

「迎撃を開始せよ!電子装備の対抗を忘れるな!空母機動部隊はただちに航空機の発艦を!」

ティターンズ艦隊は近代装備を持つ戦艦が他艦艇を統率するトップダウン形式であった。これはいくら、当時にもっとも先進的な指揮システムを備えたとされるリベリオン合衆国海軍と言えど、コンピュータとはまだ縁もゆかりもない時代の装備しか無いため、ティターンズの持つ戦闘システムに組み込むにはあまりに原始的にすぎたからである。日本連邦(地球連邦軍)海軍が諸勢力の技術供与で近代的な戦術情報処理装置を備え、M粒子下でも機能する23世紀型艦隊指揮管制システムを運用する『新世代ネットワーク型海軍』と化しているのに比して、質的劣位は明らかであった。彼らの努力にも関わらず、対艦ミサイルは無情にも護衛空母に次々と命中していく。

「護衛空母部隊、被弾の模様!」

「損害を報告せよ」

「ボーグ級が六隻ほど轟沈!カサブランカ級は四隻が大破し、搭乗ウィッチの七割が死傷したと」

「フン。大言壮語の割には、この程度か。使える者以外は今後の編成から外しておけ」

「ハッ」

ティターンズ艦隊の司令は護衛空母に搭乗していたウィッチの七割が死傷したという報告に眉一つ動かす事無く、むしろ切り捨てると明言した。ウィッチは空に上がらないと無力であり、更に、不意をついてのミサイル攻撃で死傷するリスクが生じた事もあり、ウィッチ対ウィッチの空戦が起きる可能性はいきなりであるが、大きく減じた。ティターンズ艦隊はその損害を意に介さず、主力艦のミサイル攻撃を開始させ、航空機の発艦を行わせる。

「ふん。エゥーゴ共め、これで出鼻を挫いたつもりか?片腹痛いわ。ジープ空母など、いくらでも補充できるのだ。主力部隊は健在な以上、大勢に影響はない!」

空母機動部隊の主力空母から雲霞のごとく、レシプロ戦闘機、爆撃機、雷撃機が発進する。その数、なんと第一陣の戦闘機だけで500機を超え、史上空前規模の空母戦になることは確実と言える陣容であった。








――戦艦『メネシス』艦橋――

「隊長、偵察機より打電!敵航空部隊で空が青く見えないそうです!!」

「偵察機からの通信は!」

「『敵の数が多すぎて、空が青く見えない!!いいか、空が二割、敵が八割だ!!』とのことです!」

「敵も本気を出してきたわね。全艦、戦闘配置!!空母機動部隊に迎撃機の発艦と主力艦隊に防空戦の用意を促して!!」

「了解!!」

「綾香、出て頂戴。艦隊は直掩中隊で持たせるわ」

『頼むぜ』

武子の号令一下、64Fの保有艦からMSとVFなどの機動兵器が一斉に全力出撃していく。同時に主力艦隊のジェット戦闘機部隊、レシプロ戦闘機部隊、MS隊、VF隊、コスモタイガー隊、ウィッチ隊も発艦する。この陣容が連合艦隊の持てる全力の機動兵器部隊であった。






――艦隊同士の中間地点あたりの空域は血で血を洗う『敵味方が視界内に数百機を超える』文字通りの大空中戦であった。F4F、F6F、F4U、F2Aなどの米軍系レシプロ機と零戦、紫電改、烈風、陣風などの日本軍系艦上戦闘機、F-8、F-14、F/A-18E/Fなどの米軍戦後型ジェット戦闘機、コア・ファイター、ワイバーン、セイバーフィッシュ、コスモタイガー、ブラックタイガーなどの新旧地球連邦軍系航空機などが入り乱れ、大乱戦であった――


『雑魚は退いてろ!』

そんな中、シャーリーはキュアメロディの姿で紅蓮聖天八極式(コピー)に搭乗。並み居るレシプロ機を意に介さない奮戦を見せる。なお、紅蓮聖天八極式は輻射波動の他に小型ミサイルを持つが、この時はナイトメアフレーム用に新造されたダウンサイジング武装の一つである『ジム・ライフル』を左手で使用していた。予備のマガジンも携行しており、(弾倉交換の際は右腕を通常のマニピュレータを備えるタイプにモーフィング変形させる必要があるが)エネルギーをそれで節約していた。この時代の航空機はダウンサイジングされたとは言え、ジム・ライフルの威力であれば『お釣りが来る』からだ。

「このビヤ樽野郎っ!!ウロチョロ飛んでるんじゃねぇ!!」

F2Aを撃ち抜き、炎上させる。レシプロ機はナイトメアフレームにとっては、前時代以前のカトンボに等しい。また、コピー元の機体より耐弾性能を上げるため、機体の構成素材そのものを未来世界の頑強な軽量合金のどれかに置き換えているため、MAとも戦える物理的耐久性を備えていたりする。機体動力も本来のものは必要物質である『サクラダイト』が存在しないため、未来世界で普及している技術である『熱核融合炉』に置き換えているなどの代用技術使用部も多いが、本来のユグドラシルドライブを圧倒的に上回る余剰出力により、輻射障壁の防御力が強化されるなどの恩恵が出ている。インターフェースは原型のままだが、マグネットコーティングで機体の反応速度も上がっており、その戦闘能力は本来の流れでの次世代機である『紅蓮特式』をも凌駕するイレギュラーなナイトメアフレームであった。

「ガンダムやモビルアーマーと戦うために改造した紅蓮をなめるなっ!!」

「自信はいいけど、油断大敵だよ」

「わーっとる!こちとら、ナイトメアフレームのプロだぞ、プロ!のび太、あたしを安く見るなよなー」

「はいはい。ダブルスペイザーに乗りな、突っ切るよ」

「分かった」

のび太に促され、シャーリーは機体をダブルスペイザーの上に乗っける。ダブルスペイザーはナイトメアフレームなどの小型機であれば、サブフライトシステムとしての運用もできるからだ。

『サイクロンビーム!!』

のび太はダブルスペイザーのサイクロンビームで敵編隊を崩し、機体を突撃させる。この海戦の後、のび太は裏方のマネジメントに転ずるように妻のしずかから言われ、息子の事もあり、徐々に軸足を移していくため、かつてのような華々しい活躍を実戦で見せたのは、この時が最後になった。

『さて、爆撃機と雷撃機には消えてもらうよ。ダブルカッター!』

爆撃機と雷撃機へダブルカッターを撃ち出し、まっ二つにしてゆく。ダブルカッターは軌道を遠隔コントロール可能なため、このような芸当が可能だった。

「レーダー艦だ、近くに艦隊がいるぞ!」

「わかってるよ。とりあえず沈めるよ」

「輻射波動を円盤型に収束して投げつけるから、ダブルスペイザーのカッターで続いてくれ」

「OK」

この時にジェット機と人型機動兵器の戦場での優位性は嫌というほど連合軍上層部に示された。それらに有象無象の如く、レシプロ機は蹴散らされ、脆弱な従来型駆逐艦は尽くが撃沈していく。なお、洋上戦であるため、陸上機は双方共に投入していない。(ただし、扶桑は在来型では年式が新しい事を理由に、海軍攻撃機『銀河』、陸軍重爆『飛龍』を予備兵力として待機させていたが、防御性能不足と稼働率の不安を理由に、投入を見送らせた。見送りは飛龍の搭載量不足も一因であった。航空撃滅戦での反復攻撃前提の戦前期以来の設計は史実米軍超重爆のイメージが強い日本人には『もはや時代遅れの代物』と見做されたからだ)例外的に超重爆が投入され、敵味方共に後方基地の攻撃に使われた程度である。

「敵艦隊だ。護衛空母の艦隊か……」

「撃滅する?」

「もちろん。プリキュアに戻ってからは華々しい戦果と無縁だったからな。ここらで稼いでおく」

「行くよ」

「OK!」

二人は共同攻撃をかけた。対象の護衛空母艦隊は既に六隻が海の藻屑となり、四隻が大破していたが、それでも多数がおり、雲霞のごとくという表現がもっとも似合っていた。また、護衛艦も対艦ミサイル攻撃で何かしらの損害を被っていたが、それでも空母だけで相当数がいる。その内のウィッチ搭載艦が被弾し、轟沈したわけだ。当時、ティターンズがもたらした技術情報で艦載機が大型高性能化し、ウィッチを正規空母に敢えて搭載する意義が薄れ、護衛空母へ回されたわけだが、重点的に搭載した艦が対艦ミサイルで轟沈、あるいは大破。戦うことなく、多くのウィッチが死傷したわけで、この戦訓が敵味方問わずの海軍ウィッチの政治的立場を決定的に悪化させた事になる。

「ジープ空母相手に使うのはもったいないけど…、弾けろぉ!」

護衛空母へ輻射波動を撃ち込み、そのマイクロ波誘導加熱効果で飛行甲板をめくれ上げさせ、使い物にならなくさせるシャーリー。既にキュアメロディへ変身済みであり、マシンマキシマムでの戦闘に備えての態勢を取っている。

「のび太、ダブルカッターだ!」

『OK、ダブルカッター!』

のび太がすかさず、ダブルカッターを放ち、護衛空母のアイランドを切断し、空母としての機能を喪失した『浮かぶスクラップ』に変える。

「敵の対空砲火に構うな!こいつらを叩きゃ、予備兵力を削れる!この海をアイアンボトムサウンドに変えても構わねぇ!生かして帰すなよ!」

シャーリーは紅月カレンとしての苛烈さのスイッチが入ったようで、『祖国を売った売国奴と言える者達の走狗』には情け容赦がない様子を見せる。ただし、既に戦闘の意思を失った者には一応の慈悲があるため、そこが彼女なりの慈悲とも取れる。

「ウィッチはどうやら、対艦ミサイルの攻撃の時に多くが死傷済みのようだよ」

「ハッ。サボタージュしてる阿呆共はそれを懸念してたよーだけど、実際はどうだ?まったく、目先のことしか見ねぇ連中だぜ」

紅蓮越しに呆れるような仕草を見せるシャーリー。ただし、多くのウィッチは長く続いた怪異との戦闘に慣れきっていたため、『同胞殺し』を嫌悪していたという事情を勘案しなければ『公平』ではないだろう。戦士として完成されている彼女達の思考はウィッチ世界では『異端』である事情から、事変を知らないシャーリーやバルクホルンの世代以降の若者たちよりも、生存競争であった扶桑海事変世代の古参兵に理解者が多い。そこも世代間対立の根源であった。

「まぁまぁ、そう言わない。巡洋艦を黙らせてくれ。鹵獲できそうだよ」

「わーってるよ」

シャーリーは機体をボルチモア級重巡洋艦の前部砲塔の上に滞空させ、呂号乙型特斬刀を艦橋の窓から見えるように突き立て、通信をかける。

『巡洋艦の艦長さん!こちらは合衆国空軍少佐のシャーロット・E・イェーガー。この機体の力は見たでしょ、こっちはいつでも艦橋を斬り落とせる。命が惜しけりゃ、艦ごと降伏しな。ジュネーブ条約に則った扱いは保証する!』

シャーリーはこれ以後、艦艇の鹵獲の請負人的役目がチェスター・ニミッツから委託されていく。自由リベリオン海軍への艦艇供給体制の確立には時間がいるからだ。また、紅蓮の圧倒的戦闘能力も鹵獲の成功に繋がった面もある。リベリオン本国軍の統制は意外に緩んでいるところがあり、鹵獲があっさり成功したのは『将校層のティターンズへの反発』も大きかった。

「ご苦労さん」

「あとの空母は?」

「甲板を見てみて。四隻が白旗上げてるよ」

「あとは逃げたか?」

「ま、今の見りゃね」

「えーと、大破してるのと撃沈したの入れると、14隻を無力化か。半分もやれてねー…」

「週刊護衛空母だから、数週間で補充されるだろうしなぁ」

護衛空母は史実の記録では、100隻近くが数年で竣工しており、14隻は六ヶ月もあれば補充される程度の損害である。のび太はプラモ作りでそれを知っていたため、脅威と見ている。

「あ、別の艦隊からの増援だよ」

「カトンボ共が来たか、ワイドレンジで消し飛ばす!」

紅蓮聖天八極式のワイドレンジ輻射波動でF4Fが大量に消し飛ぶ。

「ふう。熱核反応炉に変えといて正解だったな。昔はカートリッジ式だったから、乱発すると弾切れになるんだよ」

「よく変えられたね」

「昔も戦後はテスパイしてたし、生まれ変わってからは機械工学を噛んだしな。それに空中元素固定で機構は作り変えたよ」



――紅蓮聖天八極式を未来世界の技術で改造した結果、設計にまだ伸びしろがあったのが、本来の次世代機『紅蓮特式』をも凌駕した事は皮肉な結果だが、数多の機動兵器が存在する世界においては『元のままでは性能不足』である事を痛感していたシャーリーは自分流に改造した。その結果、紅蓮聖天八極式でありながら、本来の流れの後継機である『紅蓮特式を凌駕する性能』を持ってしまったのである。ただし、弾薬搭載量などは原型から変化していないため、手持ち武装を追加で携行する事もある、MSからのダウンサイジング武装も使用可能であるなどの改修が施されている。

「V1のジェネレータを参考にしてみた。そうしたら、特式より性能が上がっちまって、特式用のフレームコートっていう重装フルアーマーも要らなくなった。マグネットコーティングでレスポンスも特式以上だぞ。前世で世話になったメカニックの連中、目を回すな」

「泡吹くと思うよ。あの世界、熱核反応炉はないし」

シャーリーはマグネットコーティングを愛機に施した。そうしたら後継機のはずの紅蓮特式よりも操作レスポンスが良くなった上、機体のエナジーウイング展開の所要時間も短縮されている。機動兵器が発達している世界の技術を取り入れれば性能はどう考えても向上するのだ。

「つーか、お前!なんで詳しーんだよぉ!」

「そりゃ、ぼくが見てないと思ったのかい?」

「ぐぬぬ〜…つーか、その頃、大学受験だったろー!?」

機体越しにワナワナと震えるシャーリー。機体管制OSも未来世界で組んだものに刷新したため、人間臭い動作が可能なのだ。

「つか、えらく人間くさい動作させるね」

「いーだろー!OSも自分で組んだんだからー!」

と、拗ねる。原型機の設計者が見たら目を回しそうなほどの人間的な動作だ。

「実は最近、オンデマンドビデオで劇場版見たんだ、ま、ルルーシュもスザクもやることが裏目に出た末に選んだ最終選択だろうし、君の前世がその世界であるとは限らないけど、殴る権利はあるね」

「だろ!?あいつら、もし会ったら、大事なとこを上げてやる!」

そう息巻きつつ、降伏した空母と巡洋艦の事を別働隊に連絡し、シャーリーは敵の主力を探すのであった。

「金的はダメージキツいからボディブロー程度にしてあげて、それともなけりゃ、パドルスパンキングとか精神が死ぬ方向で」

「……会えたらな。C.Cとも怪しいからなぁ」

シャーリーはそこは妥協したようだった。






――こちらはキュアドリーム。このダイ・アナザー・デイの時点では、まだ正式な機動兵器操縦訓練は受けていないため、シャイニングドリームの姿で海戦を戦うこととなった。(ただし、錦から引き継いだ航空機操縦技能はあったが)

「先輩、なんであたしは生身なんですか」

「ピーチもそうだし、お前はシャーリーと違って、機動兵器の訓練を受けてねぇだろうが」

「うぅ。テスパイの技能あるんだから、Z系に乗せて…」

「バカモン、ゼータはお前にゃはえーよ」

黒江はZプルトニウスを駆っている。なお、キュアハートとキュアダイヤモンドもMSに乗れているが、彼女たちは転生先が逸見エリカ(キュアハート)、婚后光子(キュアダイヤモンド)だった兼ね合いで技能があるからだ。

「Z乗りたきゃ、先にクロスボーンX1でも乗ってこい。それともなければワイバーンで空戦訓練受けてこいよ」

「うぅ。先輩、キツイです…」

「あたしはコズモバルカンとか乗りたいんですけど」

「バカ、ありゃ高等向けだぞ、ピーチ」

「えー!バリドリーンに乗るって言ってるんじゃないんですから」

ピーチは特撮オタクなため、戦隊メカに乗りたいと言ってきた。黒江もこれには驚く。キュアピーチ/桃園ラブは子供の頃に『地球戦隊ファイブマン』を見て以来、隠れ特撮オタクであり、今回で始めてカミングアウトしたのだ。

「お前ら、少なくともパワードリフト(推力離陸機)の免許は必須だぞ、可変機は。戦隊メカは大きいから、操縦も大変だぞ。コズモバルカンとか、ジェットチェンジャー1に乗らせてくれた事あるから言うけどよ」

「えー!?乗らせてくれたんですか!?」

「バルキリーのライセンスでパワードリフト持ってるから、前にスティック握らせて貰えたんだよ。操縦むずいぞ、あれ。シミュレーターでジェットマンやバイオマンのメカもやった事あるが、ジェットマンとマスクマン、ライブマンのが比較的に優しかったな」

戦隊メカの多くは変形合体が前提条件なことが多いため、単機での空戦性能は据え置きな事が多く、黒江も悪戦苦闘したという。なお、巨体に見合わぬ機動力だったのがゴーグルジェットであり、逆に小さすぎて、ダイナマッハは繊細な操縦を強いられたとの事。

「ダイナマッハは操縦に気を使うぞ。小さすぎて感覚が掴めなかったからな。ゴーグルジェットは見かけの割によく動ける印象だ」

「いいなー」

「シミュレーターなら、スカイアルファがインプットされてる思うぜ」

黒江は嵐山長官に頼み込み、シミュレーターを用意してもらい、そこで戦隊メカの操縦を体験し、何回か実機に乗らせてもらえたと話す。その中にはバリブルーン以来の歴代空戦メカのデータがインプットされており、その中には、ラブが憧れている地球戦隊ファイブマンのファイブレッドの『スカイアルファ』のデータもインプットされている。

「やったー!これでやおいちゃんに自慢できるぞぉー!」

「キュアピースのことか?」
「はい。あの子、おおっぴらな特撮オタクで」

「そいつ、今はプラウダ高校の主将してるぞ?」

「え、えぇ――!?」

「コスモから聞いてないのか?」

「きーて無いですよぉ!」

「ピース、やよいだよ、黄瀬やよい。正確には」

「え、そだっけ」

「良かったな、キュアコスモがいたら、お前はシベリア送りだぞ」

キュアピース/黄瀬やよいは名前を間違えられやすい。そこは気にしているらしいが、転生先がカチューシャの都合で、現役時代より子供っぽさが増した面と、策略には一流の頭脳明晰な面が同居する。戦車道世界でのえげつない大洗女子学園の連合チームの攻撃はキュアピース(カチューシャ)が原案を出したとハートは言っており、えげつない手を使うのが好みと公言していた。

「でも、あたしのほうが大変だよ?非西住流のチームを一年で作らないといけないし。時間がなさすぎるよ」

そこで愚痴るキュアハート。今回は技能の関係で『リ・ガズィ・カスタム』で出撃している。

「まほも、たった一年で西住流依存から転換できるとは思っちゃいないだろ。お前は西住流依存からチームを立て直せばいいんだよ、ハート」

キュアハートは元の世界に戻れば、黒森峰女学園を率いて、次の大会へ向けての準備が控えているため、ダイ・アナザー・デイ後の半年は元の世界で逸見エリカとしての業務に追われていたりする。その事は別個体のまほの転生であるミーナにも伝えており、檄を飛ばされている。(以前と違い、マナとしてのカリスマ性を行使できるため、後輩からの人望はあるが)

「うーん。責任重大ですよ、あたし…」

「ま、お前も頑張る事だな、ハート。ピーチ、本当に良かったな。コスモがいたら、お前は明日からおやつ抜きだ」

「……良かったぁ…」

キュアコスモはプリキュアの現状の席次では最も後輩の部類だが、ノンナとしての『顔』を時々覗かせるため、そのお仕置を『シベリア送り』と冗談めかして言うようになった。なお、ノンナはあらゆる技能を身に着けていた(小学生当時から、大人びた外見のために周囲から過剰な期待を背負わされ、それに応えるのを当然とする家庭環境だったらしく、銃器の扱い、運動、格闘技などのあらゆる分野で一流となった)ため、それがキュアコスモになっているため、現役時代より戦闘向きの気質になっている。

「コスモは現役時代よりガチで強いからなぁ。お前ら、格闘技の基礎は奴から習っとけ」

「え、なんでですか」

「転生先で基礎をきっちり身につけてるから、中国拳法も使えて、最近は気孔拳と気功掌が撃てるようになったとか?」

「なんですか、それー!」

ぶーたれるドリーム。キュアコスモが修行で気功掌や気孔拳を撃てるようになった事は黒江も最近になって把握したらしい。戦場となる空域につくまでの束の間、戦闘を行うのび太とシャーリー(キュアメロディ)とは対照的に、平和そのものな会話を楽しんでいた。



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