ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

零崎白織の人間正義 第1話『白織、屋根に立つ』
作者:遠理巣狩   2009/02/19(木) 23:20公開   ID:BODBKdQ9UgY

「……え〜と〜」

気がついたら落下の真っ最中。
これっていったいどういう状況なんですか。
このままだと下の家に落ちますね。
それじゃあ

「レビテイトユニット、ON」

屋根に着地成功。
現在の状況整理。…って頭に流れ込む情報からすると

「聖杯戦争の〜、サーヴァントとして呼び出されて〜召喚ミスで〜上空に出ちゃったと〜いうことですか〜…めんどくさいな〜」

ボク、願いとかとくにないんですけど、それにえーとマスターとして参加したときはその聖杯がドロドロだったしなぁ。

「とりあえず〜マスターの顔でも〜見に行きますか〜」






「なんで現れないのよーっ!手応えバッチリだったのにー!」
エーテルの手応えも時間もバッチリだってのにどういうことよ。
「あの〜、あなたがボクのマスター〜なんですか〜?」
「…ん?………………は?」
後ろから声がするので振り向けば
2メートルを超えた体
ルビーをおもわせる赤く背丈よりも長い髪
それを三つ編みにして一つにまとめ
なぜか先にでかい球をつけて引きずっている
巨乳や爆乳どころじゃない胸
顔は前髪が長くて目が隠されてよくわからない
そしてなにより

「………メイド服?」

そう、頭のカチューシャ
黒くて足首まで隠れる長いスカート
その上の白いエプロン
間違いなくメイドさん
このラインの感じ…まさか

「あ、あの、アンタ……サーヴァント?」
「えーと〜おかしな召喚されたせいか〜クラスが〜わからなくて〜どういう英霊か〜思い出せないんですが〜そーですよ〜」

お父様、許してください。
なぜかメイドさんを召喚してしまいました。
しかも召喚をミスったらしくクラスがわからない。
さらに記憶喪失状態。
終わった、完膚なきまでに終わった、私の戦いは戦わずに終わった。



魔術師、遠坂凛は知らない
裏の世界のことを

壱外いちがい』、『弐栞にしおり』、『参榊さんざか』、『肆屍しかばね』、『a砦ごとりで』、『陸枷ろくがせ』、しちの名(変換できなかった)が無くて、『㭭限はちきり』、そしてそれらを束ねる『玖渚機関くなぎさきかん』。
権力の世界を支配する。

赤神あかがみ』、『謂神いいがみ』、『氏神うじがみ』、なぜかひとつだけ『絵鏡えかがみ』、『檻神おりがみ
経済力の世界を支配する五大財閥総じて『四神一鏡ししんいっきょう』。

そして暴力の世界。支配というより君臨というより秩序ある無秩序、殺し名と呪い名の世界。

第一位、頼まれたら誰でも殺す『ころ』匂宮雑技団ざつぎだん
実力だけでなく人数も第一位。
第二位、ある特定の他人のために殺す『暗殺者あんさつしゃ』闇口しゅう
暗殺者というより命令に忠実な忍者。
生まれながらの奴隷候補生。
忌み嫌われぶりも第二位。
三位は下で。
第四位、正義のために殺す『始末番しまつばん』薄野武隊ぶたい
第五位、みんなのために殺す『虐殺師ぎゃくさつし』墓森司令塔しれいとう
第六位、綺麗にするために殺す『掃除人そうじにん』天吹正規庁せいきちょう
第七位、生きているべきでない者を殺す『死神しにがみ』石凪調査室ちょうさしつ
最下位にして特権階級。

そして残るは。
忌み嫌われぶりナンバー1の最悪の集団。
数の少なさもナンバー1の集団。
絶対敵対したくない最悪なる軍隊。
絶対味方にしたくない醜悪なる群体。
第三位、理由なく殺す『殺人鬼さつじんき』零崎一賊いちぞく
血の繋がりではなく流血の繋がりによってのみ繋がる、生粋にして後天的な殺人鬼の集まり。

よりにもよって零崎一賊の者をサーヴァントとして召喚してしまったということを遠坂凛はまだ知らない。



「気絶〜しちゃいましたね〜」


遠坂さんが呼び出したんですね。
腕はいいけどドジなこの人らしいです。
まあいいや。
とりあえずこの世界がどういうのかを調べないと。
錬金戦団、学園、ボンゴレマフィア、ミスカトック大、覇道財閥、時空管理局…
『アル・アジフ』の所有者、
『クロウカード』の所有者、
練馬にいる未来からの来訪者、
埼玉にいる破天荒な幼稚園児、
今の世の中英霊なみの連中はゴロゴロしているのだから。


「零崎を〜始めるのって〜めんどくさいですし〜」



怠け者な英霊、零崎白織の聖杯戦争の戦いかたはまさに聖杯戦争を完璧にぶち壊しかねないやり方であった。

しかし彼女はまだ気づいていない。
冬木市に戯言使いが来ていることを。
玖渚友が来ていることを。
そして





「友、なんでここにいるんだ」
「僕様ちゃんがいいたいよー。気がついたらここにいていーちゃんが近くにいたんだよー」
「ありゃ?欠陥製品じゃねーか。変なこともあるもんだ」
「こっちがいいたいよ人間失格、友のつ「ぎえーーーっ!!!」え?」
「今の声は…伊織…かな?なんであいつまで」
「あー人識くん!たたた助けて!守ってください!幽霊です!ゾンビです!お化けです!妖怪です!」
「違う伊織ちゃん!まってくれ伊織ちゃん!話を聞いてくれ伊織ちゃん!私もさっぱりわからないが気がついたらいたんだー!妹に悲鳴あげられて逃げられるだなんて兄として情けないよー!お願いだから待ってよー!って人識!」
「あ……兄貴?」
「トキの次はレン…俺は夢でも見てるっちゃか?それともいつの間にか死んだのかっちゃ?」
「…また会えるとは思わなかった、悪くない」
「大将はともかく曲識のにーちゃんもかよ、傑作にも限度があるだろ。なあ欠陥製品」
「こっちは誰かさっぱりわからないんだぞ人間失格」
「あれー、ぐっちゃんなにそのかっこー、いつもはスーツなのに、それって普段着?」
「ぼ、ぼぼぼ暴君ー!これはあのそのどのなにで!」
「なんだアス、その女の子と知り合いか?」



零崎人識が来ていることを。
無桐伊織むとういおりこと零崎舞織が来ていることを。
玖渚友の前では式岸軋騎しきぎしきしきと名乗っている零崎軋識が来ていることを。
死んだはずの零崎双識が来ていることを。
死んだはずの零崎曲識が来ていることを。






■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
白織のステータス(不完全)

身長209センチ
体重殺されたくないから不明
スリーサイズ 119、60、109
クラス バーサーカー(予定)

レビテイトユニット 異界戦記カオスフレアのアイテム、飛行可能


アオ様、応援ありがとう。玖渚友や零崎一賊すら振り回しかねないハチャメチャ連中はまだ出ませんが頑張ります。
テキストサイズ:4866

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.