陵桜杯大戦大会
第４話「こなた 対 堕落の舞姫」
こなたは自らのデッキを確認すると、すぐに出会った２年生の男子生徒と交戦し始めようとしていた。
男子生徒「先輩とはいえ、負けませんよ！」
こなた「こっちこそ、返り討ちにしてやろうかね。」
こなたは、君主カードを差し込むと、武将カード５枚、軍師カードをゲーム機の上に置いた。
泉狐軍を形成するは、ＳＲ趙雲、ＳＲ孫尚香、ＵＣ甘皇后、ＵＣ鮑三娘（ほうさんじょう）、ＵＣ鄧（とう）芝の５枚、軍師はＳＲ諸葛亮、「七星祈祷」を選択している。
配置は鄧芝・鮑三娘を端に置き、孫尚香・甘皇后は真ん中、趙雲は自城内待機。軍師諸葛亮は城のやや前に配置した。
男子生徒「趙雲を待機させますか。」
こなた「あたしは最後に彼を使う気なんでね。」
一方、外モニターでは他の数試合と共に、この泉狐軍の戦闘も映し出されていた。
つかさ「ちょ、ちょっと！趙雲さんの姿が見えないよ！」
かがみ「こなたの奴…どうするつもりなのかしらね。」
みゆき「鄧芝殿を端に置いています…端攻城し守りきるつもりなのでしょうか…」
試合開始と同時に、泉狐軍鄧芝隊が戦場の右端をするすると進軍していく。ますは知力も高い騎馬の彼で端攻城を狙うつもりだ。しかし、彼の進軍が戦場中盤ほどで止まった。
こなた「（伏兵か…端攻城兼伏兵踏み正解だね。）」
敵の男子生徒は前線に「伏兵」の特技を持つ武将を配置していたようだ。「すみません」と自らの出現を謝るような少女の声が響き渡り…一人の少女が現れた。
これを外で見ていた３人は彼女の出現を見るや、
みゆき「あら？これは愛らしい少女ですね。」
つかさ「うんうん、黄色のツインテールが似合ってるよ。」
かがみ「でも、緑色のドレスは胸元が大きく開いてて、色っぽさもあるわね。」
一方、伏兵出現を見たこなたは、逆端にいた鮑三娘隊を進軍させ、鄧芝隊で伏兵武将に対し突撃を行った。
こなた「（堕落デッキだったんだね、この娘（こ）は早々撤退させないと！）」
伏兵として表れたのは、他軍のＵＣ鄒（すう）。彼女の計略「堕落の舞」は待っている間両軍の最大士気を下げてしまう「堕落デッキ」のキーカードなのだ。
一方の相手は騎馬２部隊を中央より進軍させた。
男子生徒「（先輩は鄒を潰しにきてる、鮑三娘での攻城を許しても、ここは城門へ攻城だ！）」
しかし、
こなた「甘いよっ！」
ここでこなたはエース趙雲を出撃させ一方に当たらせる。もう一方には孫尚香を当てた。彼女は槍、騎馬には強い。
その間に鄒が撤退、鮑三娘の攻城が決まった。
外では、ななこが３名に話していた。
ななこ「ほー、泉は堕落デッキ戦か。」
みゆき「鄧芝殿は史実にて蜀呉同盟を成立させた方、彼の計略は…」
ななこ「そや、最大士気アップの『同盟締結』や。」
かがみ「黒井先生、こなたのデッキの萌え要素、グラフィックでわかりました。」
つかさ「そういえば、趙雲さん以外、長めのソックスを穿いてる。」
みゆき「膝まで届くソックス、『ニーソックス』を穿いているのですね。」
ななこ「その通りや！あんな長いソックスを穿く人は少ないからな。」
一方、戦場では。
こなた「（よし、後は…）」
こなたは鄧芝隊を後退させ、敵軍騎馬隊の猛攻を孫尚香の「憤激戦法」、象兵の鮑三娘で防ぎ、そして…
男子生徒「（し、神速戦法！今までの士気温存はそのためか…）」
趙雲の『神速戦法』を以って更なる攻城を図った。さらに「七星祈祷」、甘皇后の「回復の舞」を以って永久なる回復を図る。
こなた「よし、今だ！残り時間は少ない、ここで賭けに出るかね。」
敵主力をことごとく撤退させたこなたは、甘皇后隊以外の４隊で一斉に攻城を図るべく、「手裏剣」行為も使用しながら進軍し始めた。
男子生徒「あれ、手裏剣ですか。」
こなた「うん、そだよー。これなら違反じゃないでしょ？」
男子生徒「そうですね。」
その間に泉狐軍鄧芝隊がまず攻城、つづいて趙雲隊、鮑三娘隊、最後に孫尚香隊が攻城し大打撃を与える。そして…
こなた「やったー、勝ったー！」
泉狐軍は勝利を収めた。
一方、外のかがみは。
かがみ「さて、今度はあたしが行くわ！峰岸はどこにいるのかしらね。」
今度はかがみが動く、どうやらあやのを探しているようだ。
３年Ｃ組の優等生同士の戦いが始まる。