陵桜杯大戦大会
第３話「大いなる戦いの序章」

６月第３週の土曜日、いよいよ大会当日。こなた達５名は互いが昨日自らのデッキのエース格とするカードを話し合いながら登校していた。
こなた「私は、ＳＲ（スーパーレア）趙雲をメインにするつもりだよ。」
みゆき「趙雲殿がエースですか。でもこなたさんはアニメやゲームにお詳しいはず…」
こなた「当然萌え系は入れる！三国志大戦２のカードも１枚入れるつもりだよ。」
かがみ「あたしはＳＲ呂蒙をメインに戦うわ！」
こなた「『麻痺矢』デッキか…かがみんらしいね。」
まずこなたはＳＲ趙雲がメインの蜀単デッキ、かがみはＳＲ呂蒙の計略『麻痺矢の大号令』をメインに戦う『麻痺矢』デッキを組むようだ。
つかさ「私のメインは、Ｒ（レア）曹丕（そうひ）だよ。」
こなた「おー、『魏武』デッキ！」
みゆき「曹丕殿は『文帝』の諡（おくりな）で知られますが…魏武帝なら父の曹操殿の諡です。」
こなた「だから曹丕はファンから『文帝』って呼ばれているけどね。」
みゆき「私自身は故事をモチーフとしたデッキを組みます。関羽殿の千里行にかかった方々のデッキです。」
こなた「史実デッキかぁ…そのデッキなら軍師不在だけどみゆきさんにかかりゃ、って感じだね。」
つかさはＲ曹丕の計略『魏武の大号令』メインの『魏武』デッキ、みゆきは『関羽千里行』デッキともいえるデッキで戦う。
こなた「最後はゆーちゃんだけど…ゆーちゃんのメインは誰？」
ゆたか「私のメインはＳＲ陸遜だよ。お姉ちゃん同様三国志大戦２のカードを２枚入れるつもり。」
こなた「『孫武』デッキか…本来は守りタイプのゆーちゃんだけどね。」
そしてゆたかはＳＲ陸遜の計略『孫武の大号令』をメインとした『孫武』デッキで戦う。
こなた「かがみん、みさきちとあやのさんは誰メインって言ってた？」
かがみ「日下部はなんかスピード重視って言ってたわ、ＵＣ（アンコモン）蔡文姫メインかもしれないわね。峰岸はＳＲ魏延メインに多数枚で組むって。」
こなた「みさきち『飛天』デッキかも、あやのさん『ワラワラ』デッキか…」
『背景コンビ』みさおとあやのも当然出場する、みさおはＵＣ蔡文姫の『飛天の舞』でスピードアップ主体かもしれない、あやのは蜀単の『ワラワラ』デッキと呼ばれる多数枚構成のデッキを組むようだ。
こなた「ゆーちゃんもみなみちゃん達にデッキコンセプトを聞いてるんでしょ？」
ゆたか「うん。みなみちゃんは漢軍のＲ袁紹がメイン。田村さんは魏の武将で漫画家さんのイラストのカードばかり使うって言ってたよ。パティちゃんはＳＲ董卓がメインだって。」
こなた「ひよりんはやっぱり漫画家カード単か、ＥＸ（エクストラ）かＬＥ（レジェンド）を入れてくるかもね。」
そして、みなみは漢Ｒ袁紹の『漢の大号令』メインのデッキ、ひよりは漫画家カード単、パティはＳＲ董卓の『暴虐なる覇道』メインのデッキを組んでくる。

そして、開会式。校長・生徒会長の話に続いて、ルール説明がなされる。担当はやはり、自らもオンラインゲームをプレイするななこ。
ななこ「えー、ここに集まってるみんなならもうルールは聞いてると思いますから一つだけ。『回線切り』や『台バン』だけはせえへんようにお願いします。」
ななこの言った『回線切り』とは、ゲーム機の電源を抜きゲーム機を止める悪質行為のこと、『台バン』とはその名の通り台を『バン、バン！』と強打する行為である。まあ、こなた・ゆたかが『手裏剣』をするかもしれないが…
カードを進めるとき、弾くように進めるプレイヤーがいるのだが、それを『手裏剣』と呼ぶことがあるのだ。二人とも高校生とは思えぬ小柄、奥のほうに手が届かないと見てこの行為…いやテクニックを使わねばならないだろう。

司会「最後に、選手代表による選手宣誓を行います。代表、３年Ｂ組、泉こなたさん、」
つかさ「こなちゃん、呼ばれたよ。」
こなた「じゃあ、行って来るね。」
司会「３年Ｃ組、柊かがみさん、」
あやの「柊ちゃん、ほら。」
かがみ「ええ！」
司会「１年Ｄ組、小早川ゆたかさんお願いします。」
ひより「小早川さん、宣誓だよ。」
ゆたか「うん、じゃあ行って来ます。」
宣誓を務めるはこなた・かがみ・ゆたか。
こなた「宣誓！私達、生徒一同は、」
かがみ「プレイヤーシップに則（のっと）り、」
ゆたか「全力で、一軍を率い、勝利を目指し、」
３名「戦い抜くことを誓います。」
こなた「生徒代表、３年Ｂ組、泉こなた。」
かがみ「３年Ｃ組、柊かがみ。」
ゆたか「１年Ｄ組、小早川ゆたか。」
司会「ありがとうございました。それではこれより、競技に移ります。」

機って落とされた大戦の火蓋。先陣をきるは主人公・こなた…彼女は、『堕落の舞姫』と相対することになる。