ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

レイハさんが実はロストロギアだったようです。 プロローグっぽいもの
作者:くま   2009/08/03(月) 01:57公開   ID:2WkxvL3EczM

※注意事項※
 このSSは全てが作者の妄想から出来てます。
 ので、りりかるな主人公がオリ主と化して、別の作品内で暴れまわる内容になっております。
 所謂原作レ○ープモノですので、両作品のファンの方は読まれない方が良いと思います。
 しかも今回はプロローグ的な部分のみで話が続くかどうかも不明です。
 それでも構わないという奇特な方だけ先にお進みください。


























『おはようございました、マスター』


(え?…あ、…うん。おはよう、レイジングハート。あ、そうだ。あれからどうなったの?)


『無事、4代目の術によって封印されました。

 同時に、マスターはそれまでの戦闘による傷で…。つまり“また”という事です』


(あー、うん、そっか“また”なんだ。

 そう言えば,最初に結構きついの貰っちゃったからね、仕方が無いよ)


『仕方が無いというか、たかが9才児のマスターが、

 災厄たる九尾の相手をするのは無理が在ったのですよ。

 肉体的に幼すぎて、大きな砲撃魔法を使う事も出来ませんでしたし』


(にゃははは。まあ、それもしょうがないよ。

 その辺はチャクラによる肉体強化と魔力の並列使用で、何とかするつもりだったんだけどね)


『確かにマスターはアカデミーに通っていましたが、

 チャクラの運用は、戦闘に耐えるレベルとはほど遠いのは判ってたでしょうに…』


(うん、解ってた。

 でも、それでも、里の皆を守りたかったし、なによりあの仔とお話がしてみたかったんだ)


『……やっぱり生まれ変わっても、マスターはマスターという事なんですね。

 まあ、仕込が無駄に成らずに済んだのは良い事ですが、まさにこんな事もあろうかと!ですね。

 フフフ、これこそデバイス冥利に尽きると言うものです』


(仕込?こんな事もあろうかと?レイジングハート、今度“は”何したの?)


『封印されつつあったあの尾獣の存在を半分パクって私の内側に閉じこめました。

 存在を半分に引き裂かれた痛みの所為で、今でも怒り狂ってますので、

 マスターがお話できる様にしてあげてください』


(レイジングハート、それってどういう意味かな?)


『マスターがその馬鹿げた砲撃魔法で、あの獣を大人しくさせれば良いって意味です。

 アレが存在するのは私の内側の例の異次元空間です。

 マスターも本来の力で全力を出せるはずですし、

 何時もどおりにお話し合いをどうぞ、と言う事ですが?

 何か問題が?』


(……ふーん、そっか、レイジングハートは私の事をそういう人間だと思ってるんだ。

 ……良く解ったよ。それで、もちろんレイジングハートも手伝ってくれるよね?)


『?正直マスター一人でも十分だと思いますが、別に断る理由もありませんのでお供します』


(……じゃあ、レイジングハート“も”一緒に、……少しお話しようか?)



その後、とある空間内で2種類の悲鳴が響き渡ったとか……。
































先ほどから少女を会話をしていたのは、その首にかかったペンダントと思しき紅い珠。

宝石とは違う輝きを持つそれは、別の世界ではインテリジェントデバイスと呼ばれる特殊な道具だった。

だがその実それは、インテリジェントデバイスなどというありふれた物ではなかった。

とある神に創られた意思を持つ神器。

ただし予定とは異なった意思構成を持った(つまる所性格が腐れていた)故に、

神によりその機能を大きく封印される羽目になったシロモノだった。

今はとある世界のインテリジェントデバイスに偽装したそれは、

己の欲望を満たす為神に与えられた使命を全うする為、使い手たるパートナーを探し、

時々に合わせて姿を変えつつも長い年月をかけて幾人もの人々の間を渡り歩いた。

神により意思を持つように創られた神器とは言え、所詮は道具にしか過ぎず、

使用者が居なければ、その能力を使う事すら覚束無いのだ。

そして、その神器の使い手として選ばれたのが、先ほどから神器と声を出さずに会話をしていた少女だ。

彼女の名はナノハ、つい先日三歳になったばかりの女の子であった。

ただし、神器に使用者として認められた事により彼女の魂は神器に捕らえられ、

輪廻による記憶の消去も無く生まれ変わり、都合3回目の生を受けていた。

彼女の1度目の生は、生涯現役の言葉のままに98歳まで空を飛び、

多くの人々の命と平穏とを引き換えにして己の人生に幕を引いた。

2度目の生は先ほどの会話にも在った様に、災厄に巻き込まれわずか9歳で夭折した。

そして、3度目となる今回の彼女は、

2回目の時の成人の記憶を持ちながら排泄などの世話を親にさせたという苦い経験を生かし、

つい先ほどまでその記憶の殆どを神器たるレイジングハートに封印させていたのだ。

それまで何処となくぼーとした感じの女の子という印象を回りに与えていた彼女は、

その日を境にはっきりとした意思を表に出すようになり、周囲の大人達を少し驚かせる事になった。

森で拾ってきたのか、何時の間にか彼女の側に居た“くーちゃん”と呼ばれる子狐が、

塞ぎ込みがちだった彼女の精神に、今の所は良い影響を与えている。

という風に周囲の大人達は納得し、あえて深くを彼女に追求する事は無かった。

子狐が唯の子狐では無く、何かしらの力を持った小動物である事を、回りの大人たちは気付いていたが、

そういった存在もその村では珍しい訳ではなく、悪影響が出ない限りはと傍観する事に決まったのだ。

生まれ変わる前の経験から、時折子供らしからぬ一面を見せる彼女は、

身内に振り回された人生経験から色々と悟っていた両親とおっとりとした性格の姉に優しく見守られ、

他人に迷惑をかけない範囲で、割と自由奔放にたくましく育っていく事になる。

その後に生まれ一緒に暮らすようになった従兄弟も交えた煖かな日々は、何時までも続くかに思えた。

イギリスの片田舎で平穏無事に過ぎるはずの日常が壊れたのは、

ナノハ=スプリングフィールドが、9歳の誕生日を迎える少し前の春の事だった。






























村が燃えていた。

ナノハの住む村から歩いて20分ほどかかる森の中で、前世に習得した忍術による結界を張り、

その内側のレイジングハートによって展開された擬似空間を用いての戦闘訓練。

記憶の封印を解いてから、毎日のように繰り返されていた訓練を終えたナノハ。

村へ戻る途中で彼女の目に飛び込んできたのは、遠くに望む見慣れた家々が炎に包まれている光景だった。

ナノハは歩くの止め、即座にバリアジャケットを展開、空へと舞う。


「アレは悪魔種族?一体…何が?」


村を蹂躙する異形の存在を認めたナノハの口からは、自然とそんなつぶやきが漏れていた。


『マスター!!』


そのつぶやきに答える様に響く、レイジングハートからの念話。

そこに込められた警告を感じたナノハは、即座に防御魔法を展開した。

直後、村の方から放たれたであろう攻撃魔法により、ナノハは防御魔法ごと弾き飛ばされてしまう。

展開した魔力シールドでその攻撃を上空に逸らす事には成功したのだが、

生まれ変わってから初めて受けたその高威力の攻撃魔法の衝撃を、吸収しきることが出来なかったのだ。

繰り返されてきた限界ギリギリの戦闘訓練による疲労、そして8歳の女児の小さな体格と魔力。

その二つのハンデが、生まれ変わる以前の全盛期の力を阻碍している事は明らかだった。

結果、大きく飛ばされたナノハの小さな身体は、村とは反対方向の丘陵に叩きつけられる事になる。

地面との衝突の際に受けた衝撃を殺しきれずに、ナノハは意識を失ってしまった。

数分後、ナノハがレイジングハートとくーちゃんが続けた呼びかけで意識を取り戻すのだが、

ナノハが気を失っている数分の間にも、事態は大きく動いていた。

村は未だ炎に包まれていたが、何者かに倒されたのか悪魔種族の姿は無くなっていた。

探索魔法であるエリアサーチを使い、即座に現在の状況を確認しようするナノハ。

返ってきたのは、村を望む平原の三つの反応以外、生きている人間は居ないという探索結果だった。

前触れも無く奪われた平穏に膝を着きそうになるナノハ。

だが、その場から離脱する三つのうちの一つの反応が、ナノハにその暇を与えなかった。

再び空に舞い、ナノハは去ろうとする反応を追っていく。

そして村からある程度離れたポイントで停止し、標的へとレイジングハートを構えた。


「ディバイン…バスター!」


レイジングハートから放たれた桃色の奔流は、真っ直ぐに目標へと向かい、

そして、瞬間移動としか思えない機動を取った相手を捉える事無く、虚空へと消えて行く。

だが、その回避もナノハには想定の内らしく、反転して自分へと向かってくる相手に反応していた。


「ディバインシューター」


キーワードと供に生成された32の誘導式の魔力弾は、複雑な軌道を描きつつ相手へと向かう。

同時にナノハも前進し、反転してきた相手との距離を詰めていく。

長身で痩型な男の姿を肉眼で捉えつつも、誘導弾で牽制し本命の砲撃の機会を伺っていた。

男が数発目の誘導弾を魔力を込めた拳でまとめて打ち払ったその隙を突き、

足を止めたナノハは、再びレイジングハートを男へと向けて構えていた。


「ディバイン…バスター!」


構えた杖の先から再び放たれる砲撃魔法。

だが、男の見せた隙はナノハの砲撃を誘う為のものだった。

突如その速度を加速した男は、ナノハの砲撃の射線から逃れ、

直後にその方向を切り返し、まだ打ち消されていなかった魔力弾を数発喰らいつつも、

魔力の込められているであろう拳を振りかぶり、ナノハへと直進してくる。

無論砲撃直後のナノハとて、その攻撃をそのまま喰らうほどに隙を見せたわけではない。

咄嗟に展開したシールド系の防御魔法で、自らを打ち抜かんとした男の拳を防いで見せる。

だが、シールドと魔力の込められた男の拳による拮抗は、僅か一瞬の事だった。

男が込めた魔力の大きさを感じ取ったナノハが、シールドごと男を爆破したからだ。

しかしながら、男もただその衝撃を喰らうような真似はしなかった。

爆破により弾かれ、離れる一瞬の間に拳を振り切り、ナノハへとその衝撃を与える事には成功していた。

バリアジャケットこそ抜かれなかったものの、男の振るった拳と自らが爆破したシールドの衝撃で、

ナノハは真下に広がっていた森へと墜とされる事になる。

だが、ナノハもただで墜とされるような事は無く、残っていた誘導弾全てで男を急襲。

その全てを近接爆破する事で、ダメージこそ低くなるが目晦ましも兼ねた男への攻撃を成功させた。

結果、負ったダメージからか単にその姿を見失ったからか、

ナノハを追撃する事無く男はその場からそのまま去っていく。



それから3日後、通信の途絶えた村に救助隊が到着した。

派遣された救助隊が保護する事が出来たのは、年端もいかない小さな少年と10台半ばの少女のみ。

数百人は居た村人の内のたった“二人”だけだった。


■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
取敢えず書いてみた分を投稿。
続けていいものが甚だ疑問。
それでも楽しんでいただける方が居たら幸いです。
テキストサイズ:8712

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.