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八つ当たりばっかりの(ry  すれ違いと空回りの協奏曲
作者:trs   2009/08/22(土) 23:19公開   ID:eIdUu0NhGms
5/1 晴れ

今日はお義父さんが変に深刻な顔で帰ってきた。

私の学習した「いい女の条件108」によれば、あまりうるさく聞いたりするのはよくないらしいから、向こうが話してくれるまで待つことにする。

リニスも妙にこわばった顔をしていた。どうしたのだろう。まぁリニスはどうでもいいけど。猫だし。多分動物的な気分で行動してるだけだろう。

私が不審げに見ているのに、流石に猫さんは鋭く気づき、困ったように眉を顰めた。さすがに野生動物、勘が鋭い……もやしな現代人には無い能力だ。



ふむ、どうやら義父さんがお見合いをするらしい。



ふーん、そうなんだー。













あ?












5/2 晴れ


今日は家族会議が招集された。家族会議なのにどうしてお隣さんやらすずかやらが来るのかは理解できない。

お義父さんの両隣に猫とただ飯喰らいが居座り、小さくなっている。注目されているからだろうか。それとも主にすずかの目が怖いからだろうか。

先ず説明がされた。

複数機関から見合いのオファーが来ているということだ。


どうやらお義父さんは政治的に微妙な立場らしい。と、いうのも夜天の書なんていうものを持ってる上に強力な使い魔を従えているし、私やラピスみたいに結構強力な、とか特殊な能力をもつ人材もいる。

月村や八神家にも繋がりがあり、個人的にも特殊な能力を有している。こんな個人がのさばっていてもらっては困るようだ。

うん、それはわかる。建前ってことがよぉくわかる。


アリシア?誰それ。


それにしても、引き込むには血の結合か。古今東西政略結婚というのは幾度となく行われてけれど……確かに合理的で確実だ。

何か、最初は聖王教会から申し出があったらしい。聖王教会には借りがあるので、仕方なく受けようとしたところ、戦力を取り込む好機と思ったか管理局側やらその他雑多な組織から申し出があった、と。

確かに小さい組織はテンカワ家を取り込めば聖王教会の庇護…といっていいのか、何なのか、も加わって影響力を一気に増すだろう。しかし、それを管理局側が許容するだろうか。

お義父さんもそう考えたようで、中小組織からのオファーはすぐに断ったらしい。GJ。いいよいいよー。

でも問題は管理局。聖王教会の方を受けて管理局を受けないとなると、立場がまずくなる。

少し考えさせてほしい、と管理局側には保留を要請して、取りあえず家に帰ってきた、と。


困ったね。


既に受けてしまった聖王の方を、今更断ることはできない。それは聖王教会内での心証を悪化させてしまう。

かと言って管理局側を断れば、最悪地球側に対する強硬姿勢を許すことになりかねない。

業腹だけど、両方を受ける他ないだろう。もしくは両方断る、ちょっと問題なんだけどね。私的には愛の逃避行がお勧めなんだけど。


私がそんなことをつらつら考えているとすずかがおずおずと手を上げた。胸揺らすな、帰れ。


「相手は誰なんですか?」


おっと、いい質問だった。おーい、山田くーん。座布団全部もって行きなさいー。

お義父さん渋面だ。知り合いなのかな。


「騎士カリムだ、カリム・グラシア」


…………?


あのロリ婆……婚期逃したからってまさかお義父さんにとり憑いてくるとは…!



5/3 曇り


ラピスと対策を立てる。聖王教会と管理局を同時爆破テロの標的とし、両者を混乱および疑心暗鬼にさせることによって全世界規模の抗争に発展させる。

どさくさに紛れて私たちはトンずらこく。

と、言いたいところだけどお義父さんがこんなことは許さないだろうな。

こーいうことには頭が固くて困る。

じゃあどうしようか。お義父さんに断って貰えば済む話なのだけど、婚期を逃したロリ婆の妄執は正直侮りがたい。私にはお局の高笑いが聞こえるよ。

中学生のような面と体して子供がほしいなど片腹痛いわ。冗談は歳だけにしてくれないかな。寝言は寝て言え、と。

しかし…聖王教会の方は分かったけれど、管理局側は一体誰が…?

まあ取りあえず、ロリ婆の方は粗探ししておかなきゃ。それにお義父さんの様子も少し変だ。調べておこう。

はふ、気分は女流探偵。なんか漲ってる、頑張る私。やったね。


5/4 晴れ


管理局のコネを使ってロリ婆の情報を検索したけれど、見事に削除されていた。ロリ婆恐るべし。コネっていうのは言葉のあやかな。

ただ私はすずかの私品を売りさばいてるだけだし。でも何か一大マーケットに成長したんだよね。実は秘密だけどラピスのも売ってる。

まぁそれはそれとしてあのロリ婆、少将の地位をコネと権力振りかざして奪取しただけはある。伊達に年はとってない。

まーもっとも義父さんは断る気満々だからね、いいんだけどね。

でも断ることで聖王教会との関係の悪化を恐れているみたい。

考えてみれば、断ることで発生するメリットってないんだよね。敢えて上げると、中立であるというアピールくらい。でもそれって現状でしょ。

本となら、ここいらで聖王教会か管理局に取り入って、保身と地球の保護をするのが得策ではあるよね。

そうしないのは、まぁ、あれ、理由はある。取りあえず義父さんあーゆう組織信用してないし。そこんとこ演技できない人だからね。


それに、こちらとしても嬉しくないんだな。


あのロリ婆、義父さんが断りにくいことを知っていて自己の情報の流出を防ぐとかかなり必死だ、まじキモいんですけど。

ぶっちゃけーぶっちゃけー。



5/5 晴れ


ロリ婆のことを調べていたら、何故かはやての情報が手に入った。

最近足繁く管理局に出入りしているらしい……もしかして、管理局側のホシを探っているのだろうか。

しかし、だとしたら何故私たちに協力を要請しない?何か裏がありそうだ。

あの子はあれで腹が黒いから、面倒なことにならなきゃいいけど。尻は青いくせに。嘴も黄色いくせに。でもお腹は出てる。狸だから。


今夜はぽんぽこ狸の夢を見れそうだ。ぽこぽこ。



5/6 曇り


すずかが意味の分からないことを言い出した。私が押さえつけラピスが110番をした。公僕の皆さん、お疲れ様です。

頭に行くべき栄養が無駄に胸にいってしまったから、仕方ないのかもしれない。可愛そうに、むしろラピス(笑)

しかし、行き成りわたしが貰うなどとわけの分からないことを言われても困る。ちょっと、冷たい独房でくさい飯食いながら反省してほしい。

まーでもすぐ出てくるかな?多分だけど。一応Kの字には黒い金渡してるみたいだしね、後始末とかに。

出てきてもまたぶち込めばいいだけなんだけどねー。私は私でまぁ、ね。Kの字にも色んな趣味の人がいるから、ね?

ま、こんなどうでもいい事よりはやての動向調べなきゃ。


何かロリ婆の情報は聖王教会側が処理したんじゃないらしい。なら管理局か、それとも別の敵対勢力か。

でもある程度以上は強力な組織で絡んでいるはずなのに、その姿を管理局も聖王教会も掴めていないみたい。

はやて。あやしーんだよね、あの子。

でももしあの子だった場合、調べればすぐ分かる気がする。猪突猛進ぱいおつ魔人とかコマンドはガンガンいこうぜ幼女とか置物犬とかおまけとか、
情報戦できないでしょ。

だから多分別のところだと思うのだけど。そーすると怪しいのは……?


5/7 曇り

はやてが管理局入りを希望している?不確実ではあるがそんなことを小耳挟んだ。

正直私も混乱している。

まさか、まさかとは思うが…あの子は腹に一物ありそうだから困る。それに付き添いおっぱい魔人がなんだかそわそわしていたらしい。

揉まれた直後だったのかもしれない。

自分のがないからって、他人のを揉んでも自分のは大きくならないだろうに。

義父さんは、一応ロリ婆と見合いをするらしいが…何か、事前にロリ婆とコンタクトを取って、ちょっとお茶して帰るみたいな感じでお茶を濁そうとしているみたいだ。

義父さん、お気楽だよ、あのロリ婆は婚期逃してるから。必死だよ?スッポンみたいなものだよ?

雷鳴らなきゃ離しやしないって。鳴っても離さないか、もっと性質悪いもんね。

やっぱり義父さんは私が守らなくちゃだめだ。うん、頑張ろう。


5/8 曇り

ラピスと一緒に不幸の手紙を書く。

手紙は文面が大切だ。

まず、最初に書くのは定番の

これは不幸の手紙です、と。

次は、

3日以内に同じ内容の手紙を4444444444444444444444に出さない、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね

これでよし、と。

のど渇いたな、あ、コーラこぼしちゃった。丁度黒ずんで血の跡みたいだ。これでいこう。



5/9 晴れ



昨日はいいことしたので気分がいい。あのロリ婆が少しでも不快な気分になれば私たちのミッションは成功だ。

作戦と言わずミッションという辺にこだわりが感じられるね。

ん、私宛に手紙がきてる。あ、ロリ婆からだ。何の用だろう、私には用ないんだけど。捨てちゃおっか。




「お母さんって呼んでくれてもいいんですよ」




………何この不幸の手紙?

義父さん、私放火犯がどうして火を見ると気分がいいのか分かってしまいました。ダメな娘を許してください。

灰は庭に埋めた。土を被せて踏んでおいた。さっさと塵は塵に還りやがれ。




5/10 雨


空が涙を流している。私の心もブルーだ。ああ、この陰鬱な気分、靄を、雨が押し流してくれればいいのに。

はぁ、私詩人だ。ロリ婆死ねばいいのに。

義父さん、ロリ婆懐柔作戦失敗したらしい。居間で頭を抱えているのを見た。そりゃ、行かず後家をいきなり押し付けられたら誰でも頭抱えるよ。

猫と無駄飯食らいも多少動いているらしい。でもロリ婆の結婚願望には届かないかなー。

いやまじ、管理局の対抗馬って誰なの?

……はやてに聞いてみようか。あの腹黒、何か知ってるかもしれない。


ところで義父さんは一人で聖王教会と折衝してたみたいだけど、猫とただ飯喰らいが別行動をとっていた。何やってるんだろう。

猫はこたつで丸くなってるかも知れない。どうだろう、意外と働くからね、あの猫。長靴はいてるのかもしれない。



5/11 晴れ


今日は家族でお出かけした。

はしゃぎ回るなんてはしたないけれど、血沸き肉踊る…ん、ちょっと違うか。

それはそれとして。

ロリ婆、にこやかに笑っているけど…なぜお前がいる。

どこかいい霊媒師いないかな、何か義父さんに憑いてる。どんな悪霊だよ、成仏しろ。


とりあえず塩を投げておいた。ヒマラヤ直産切り出し岩塩。四角に切り出して貰ったから、角をぶつけてやった。




5/12 曇り

管理局内で意見が割れているらしい。まーどんな組織も一枚岩じゃないって話。

実際、義父さんと付随する戦力は非常に魅力的だから、取り込みは確定らしいんだけど。いやいや、やらせはせん、やらせはせんぞ。

で、その内容があれ。

先ず未亡人・行かず後家組み。売れ残りや使用済みを斡旋しようとするかな、普通。陸の方で主張されてるらしい。


次、結婚適齢期組み。まぁ、嫌だけど理解はできる。これなんかは色んな派閥から推薦があるって。

一人を選出するわけだから、意見纏まるのかな、これ。無理なんじゃない?


次、幼少期組み。なぜ幼少期?ミッドチルダって幾つから結婚できるの?14くらい?

別に義父さんは特殊な性癖の持ち主ってわけじゃないのに、管理局勘違いしてるね。この前寝室のDVDレコーダーを開けたら、おっと禁則事項。

まぁ義父さんが顔を顰めて断ることになるだろうから、静観の構えでいこう。




以上はやてちゃん情報でしたー。この組織頭大丈夫なのかな。どう考えてもまじで瓦解する5秒前って感じなんだけど。ま、潰れりゃいいよ。




5/13 晴れ

悪霊対策の護符を造った。私の魔力を入れてあるから割と強力なはず。

これを、細切れにして、と。

あ、リニス、スープは私が見てるよ。主菜やっててよ。

さて、猫の目を誤魔化してこれで出汁をとる。

悪霊がね、強力だから効果覿面かどうかは分からないけど、やらないよりはやったほうがいいよね。よし終わり。

あとは寝室の屋根裏や居間の絨毯の下とかにお札貼っておかないと。ついに家にまで出現したら困るからね。


ふと思ったけれど、どうして管理局側は候補者すら出してこないんだろう?

色々派閥があるとして、それぞれから代表者的な形として情報が漏れてもおかしくないはずなのに、わざと誰でも知れるようにしてあるにもかかわらず代表者の具体的な名前がちっともでてこない。

時間稼ぎ…?理由が無い。むしろ聖王教会よりも先手を打ちたいはずなんだ。

陰謀の匂いがしますよ奥さんっ。

……なぜか猫さんが疲れた目で私をみていた。


5/14 晴れ


はやてとなのはが来た。今私は呪いの藁人形を作るのに結構忙しかったんだけどな。

まぁでも悪霊を呪いでどうにかしようとするのが間違っている気もしないでもない。人を呪わば穴二つともいうしね。

ん、そう言えばなのはって管理局の人間だったっけ。忘れてた。丁度いいから管理局内部でどんな状況が聞いてみよう。


「アキトさんの見合いのせいだったんだ。よく知らないけど、殺気立ってる人が何人かいるよ」


そうかもしれないね。んで、誰がホシか分かる?


「どうなんだろう?」


少なくともまだ確定には至っていないらしい。意見が割れるのはしかたないけど、あのロリ婆、管理局が意見を固めない間に絶対なんかしてくるよ。

むしろ今が好機だと思ってるよあのロリ婆。


「アキトさん、要は断りづらいから困ってるんやろ?」


ん、そうだね。

聖王教会の方を断って、管理局をOKするのも、その逆もよろしくない。かといって両方OKとか絶対させないし、残るは両方断るてこと。

でも成婚により受けるメリットってのはかなり大きい。聖王教会なら管理局との交渉の力となるし、管理局なら地球への干渉の抑止力となる。

まぁ相手にもよるけどね。聖王の方は結構な地位のロリ婆だし、なんというか、あの婆法王と直接面識あるみたいだしね。権力はある。

管理局も、成婚と同時に地球への不干渉の特約でも結べばいい。管理局にとっては私たちは危険ではあるけど、魅力的な戦力だしね。

これらのメリットを個人的な判断で捨てることは、ね。


そう言えば義父さんどうして今まで結婚しなかったんだろう?

まぁ私たちが散々妨害工作を取ってきたことも遠因にあるかもしれないかもしれないけど。


「だったら偽装結婚でもすればいいんやない?」


………!

ナイスアイディア!

早速ドレスの寸法測らなきゃ。


「フェイトちゃん…それ無理でしょ」


問題ないない。むしろ萌える?



5/15 雨


偽装結婚。これはありだと思う。と、いうことでラピスに相談してみたら一も二もなく賛成だった。この子、根が単純だよね。

とりあえず国籍移しておこう、東欧当たりに。そこなら大丈夫だから、色々。

まーラピスが居れば戸籍の偽造改造どんと来い。あ、いいこと思いついた。

ロリ婆の情報消去されてるんなら造っちゃえばいいじゃない。私天才かも。

ラピスー、ロリ婆殲滅作戦開始するよー。


ん、ふと思ったんだけど――あの時どうしてはやては管理局の情報を知ってたんだろう。

接触があったのは私も知ってはいるけど、あの内容って結構重要なことだよね。代表者の名簿こそなかったけど、そうとうに重要な情報だったはず…

なのはは局員だけど局内がごたごたしている程度しか知らなかった。なのにどうして――?




5/16 雨


あのロリ婆の罪状はどんなものがいいだろうか。

とりあえず10になるまでヤンキーで盗んだバイクで走り出したり邪気眼を発動したり未来予知したり地震予知したり色々した。

その後権力中枢に取り入ろうと画策し、権謀術数を駆使して現法王を傀儡とし騎士の称号を得る。

そして好き勝手に振舞っているうちに敬遠され、行かず後家になる。

うん、普通にありそうだ。これにしよう。

趣味は、弱者をいたぶること、と。特技は歳を偽ること、独身。

ん、独身って特技なのかな。天涯孤独のがいいかな?ああ、変態チックな弟がいるんだっけ。

じゃあ特技は……行かず後家で。

剃髪して出家すればいいよねー。教会だけに。なんみょーほーれんげきょー。




5/17 曇り


八神家に悪霊が出没したらしい。今日の外出は控えたほうがよさそうだ。

戸締りを確認、ベニヤをバツの字に貼り付け補強してから居間に降りると義父さんと猫とただ飯食らいが額を突き合わせていた。取りあえず猫を引っぺがした。

うん、聖王教会と管理局両方とも断りたいが断れない状況にあるってことだね。

そうだ、どうして義父さん結婚しないのか聞いてみようと思っていたのだった。こらそこの猫、恨めしげな目で睨まないで。


「昔結婚していたからな。俺は死亡扱いだろうが、離婚したわけじゃない」


ああ、なるほど。昔の女に義理を立てているのか。健気だなぁ。萌える、萌えるよ。

でも、そろそろそんな事いってる余裕なくなってきたよ。


「…そうだな。どうにかしないと…」


ロリ婆の方に対する有効策もだけど…管理局の方は今しばらく混乱しててくれないと困ったことになりそうだね。

それに何か―――裏がありそうな気がする。勘だけど。

なぜか猫が疲れた目で私を見ていた。



5/18 曇り

各地にクラッキングしてロリ婆の前歴(偽)を垂れ流す。あーあ可愛そうにロリ婆。これで生暖かい目で見られること確定だね。

さて、これでなんとなく断る理由ができたかなー。

元ヤンの人はちょっと…ってね。悪霊退散悪霊退散どーまんせーまんどーまんせーまん。

んまーロリ婆がどうこうより義父さんが軽々しく見合いオーケーしちゃったのが問題だね。それがなければこんな騒ぎにならないわけで。

ここはきっちりはっきりくっきり私がお説教しとかなきゃいけない。またあったら困る。

ま、でも婚期逃したロリ婆はともかく義父さんきっと真摯に見合い云々について聖王教会に弁明するんだろうな。

他勢力に簡単に編入できないだけ実質戦力が大きくなりすぎたのもちょっと問題だね。

もっと勢力が小さければ、どこかに編入する必要もなかったかなー。でもそうすると最初から私たちをほしがる勢力なんてないわけで。

私とラピスが管理局いって、義父さんとそのお供が聖王教会行ったとしてそうやって分割すれば見合いとか関係なかったのかな。


ま、お断りだけどね。


5/19 晴れ



今日は久しぶりに皆でお出かけした。

といっても先週も出かけたか。悪霊が度々出没したせいで一週間がやけに長く感じられたね。

義父さんは私たちに悪い虫が付かないか心配だなんて言ってたけど、まーそんなことはそうそうないだろうね。

大体、腕力だけでもそこいらの男より強いんですけど。これ減点じゃないかな。

あーラピスは儚げだね。しょうがない。というか電波?うん、電波さんなのは否定のしようがない。

最初に例のアレ、私はアキトの目、アキトの耳云々を聞いたときには流石の私も思わず精神科に電話しかけたもん。


おっと、懐かしのチンピラパンツ一丁阿波踊り定食屋到着ー。その昔パンチラしながら裸足で逃げ出したチンピラ二人組みがいたというある意味伝説の店だ。

無論、パンチラとチンピラをかけているよ。

どこまでモロパンチラしながら走ったのかな、猥陳罪で捕まらなかったのかなー。公僕の皆さん、いつも本当お疲れ様です。

テーマパークみたいなとこの付近にある店は客足が多いから、結構工夫とか努力とかしてないことが間々あるんだよね。

でも割とここはいいみたい。妙な裸侍(笑)が出没することもあるけど。

残念なことは当時写メとる余裕がなかったことかな。あったらそれをネットに大々的にアップしてあげたのに、惜しいことをした。


ラピスがまたへばった。


あの子、わざとやってるんじゃないだろうか。

いい歳こいて義父さんの膝枕を堪能してるとは……許せる!

むしろ今度私も試してみよう。酒かっくらってコースター乗れば少しは酔っ払うかな。



5/20 晴れ


眠い。サボりたい。



5/21 曇り


れいのロリ婆過去捏造、ちょっとした反響がある。祭りの予感がする。わっしょいわっしょい。

あのロリ婆が顔を真っ赤にして必死に削除して回ってる姿が想像できる。あービールがうまい。

ま、煽ってたのは主にラピスの作った自動誹謗中傷書き込み君3号だけどね。

電子の世界でラピスの敵はいないっての。ネットあればどこでも侵入するような子だしね。


…本当に法王傀儡だったんだろうか。私はそれが心配です。


あ、そういえば変な情報があったんだった。聖王の方のお偉いさんが色々ごたごたに巻き込まれてるみたい。

まぁ私には全く全然ちょっとも関係ないし、対岸の火事を見物する分には楽しいよね。他人の不幸は蜜の味とはよく言った。たーまやー。



5/22 雨



はやてが落ち込んでいた。よく分からないけど残念だったね、と声をかけておいた。情けは人のためならず。

一方なのはが青褪めていた。何があったのだろうか。ん、いや真っ青なんですけど。どうして私を見るの?私にそんな趣味はないよ。

それはそうとして。

聖王教会の方はちょっと混乱してきたらしい。グッドだね。

というか、何か私たちの意図したところと違う結果が招来したらしい。

何かよく分からないけど、ロリ婆を推すの推さないのではなくて予知云々の話。

まー別にいいよね。私関係ないし。



あ、何か不幸の手紙が流行っているらしい。怖いよねー。

きゅんきゅん☆


5/23 雨


私は最近よく思うのだけど、なんであの無駄飯食らいは餌を必要としているのだろう。義父さんに負んぶに抱っこで演算されてるんじゃないんだっけ?

要らないだろう、ご飯。

ということで居間で菓子を適当に見繕って暴食している全自動家計圧迫機に直撃インタビュー。


「やっぱり空気が大切だと思う」


意味が分からん。


「リニスが食べていて私が食べないのも変だろう」


あー、そういうこと。なら今食ってる菓子類は何。ん?じゃ猫は何でご飯食べてるんだろう、習慣かな?お腹減るんだろうか?世界は謎で満ちている。


「味覚はある」


趣味かよ。食ったものどこに消えるんだろう。


「禁則事項です☆」


私は自室へ帰った。

帰る前に安心してほしい等と、独り言のような呟きが聞こえた。なんだったんだろう。

まぁ、ただ飯喰らいの言葉に意味なんてないのかもしれない。




5/24 曇り


管理局と聖王教会が迷走しているらしい。信頼できる筋からの情報だ。

原因はロリ婆……の予知みたいなもの。その内容までは分からないけれど、余り芳しくないものだということは予想できる。

そのせいなのか、なのはとはやて、特にはやては妙に落ち込んでいるように見える。腹黒なのだが、打たれ弱いのだろう。

もっとも、私見ではむしろ腹黒なのがいい、ということになる。手間のかかる子ほどかわいいみたいなものだろうか。

早く元気になって持ち前の腹に一物背に荷物、権謀術数万歳なはやてに戻るといいと思う。

ロリ婆がどんな予知をしたのか、探ってみようかな。


義父さんが居間で考え事をしていた。二大勢力が迷走しているから身の振り方を考えているのかもしれない。

とりあえず、どっちかと組んで片方潰そ、ね?




5/25 曇り


ラピスに頼んでロリ婆の予知を探ってもらう。しかしネットワーク上には記録されていないらしい。

紙媒体で保管してある……?何か、用意が良すぎる気がする。

ラピスは割かし有名だから、知られないように紙媒体にするのも分かるには分かるが、そう考えると「私たちに」知られたくないってことになる。

じゃなきゃ自分たちのセキュリティを信頼していないってことになるしね。おかしい。用意が良すぎる。

それはラピスも感じたようで、眉を顰めていた。顰に倣うと私も儚げな感じでいい感じになるのだろうか。なぜだが蒼い顔したはやてを思い出した。


義父さんが聖王教会に召還された。陰謀の匂いがするなぁ。

帰宅した義父さんに話を聞くと、悪い予知が出たから関係者に事情を聞いて回っているらしい。聖王教会暇だね。

で、予知の内容はなんだったのだろうか。


「それが良く分からないんだ。今見合いを進めると悪いことが起こるだとかなんとか」


何その超個人的な事柄。でも私ご機嫌。ビールうまー。



5/26 曇り


なのはが元気になっていた。いい事だ。

何があったのかは教えてくれない。私としても元気のない状態を見ているだけに、根掘り葉掘り聞くのには躊躇いがある。

今日も担任の毒にも薬にもならない睡眠時間確保のための授業が始まる。最近私は目を開けたまま行儀よく眠る術を覚えた。

これで担任から目をつけられず且ついい感じで爆睡できるってもんよ。右手にペンを持っていかにも真面目に聞いてます的な空気を出すことも肝要だ。

ちょろいねっ。


ん、ところではやての姿が見えない。

なのはに聞くと聖王教会に召還されているらしい。

ん、あれ?

関係者……?




5/27 雨


料理の練習をする。猫は私のことを残飯生産機だと言った。失礼な。なら猫は残飯加工機じゃないか。

猫風にいうなら私の残飯処理は主にキャロと義父さんがする。私が厨房に立つと、何時のころからかキャロが涙目になることに気づいた。

たまに失敗するとなぜか謝罪してくる。わけが分からない。いい子になりますは聞き飽きた感がある。芸風を変えてほしいと思う。


義父さんもたまに昔が懐かしいと言う。何時のことをさしているのだろうか。

まさか味覚がなかったというころのことをいうのではないだろうね。


そうだ。ただ飯食らいに残飯処理をさせよう。趣味で菓子を食い散らかすなら私の残飯を食い散らかすがいい。

さて菓子類没収ー。


5/28 雨


梅雨らしい。雨が良く降る。

迷信ではあるが、照る照る坊主を吊るそうと思う。白いシーツを切ったり貼ったりしてキャロに着せて吊るしておいた。

頭に白い頭巾を被っているみたいでなかなか可愛らしい。天井から吊るした綱を巻いてやるとあ〜とか情けない声を出してくるくる回るのも点数高いね。

その隣にもう一匹吊るそうかと思ったけど、やつめ、どうやら危機を感じたらしく逃げやがった。今夜は私がご飯を作ってやる。楽しみだ。

その代わりとして、しょうがないのでアルフを吊るしておいた。

もふもふ。

居間を除くと、猫が丸くなっていた。最近よく出かけていたが、なんだったのだろうか。

新しい縄張りでも作りにでかけたのだろうか。


5/29 雨


今日は突然なのは及びはやてに謝罪を受けた。意味が分からない。ただ、なんとなくそういうことがあったらしい。

私は蚊帳の外でぶんぶん飛ぶ蚊に刺されていたのだろうか。そう聞いたらむしろ逆だと苦笑された。

取りあえず良くわからない事件は良く分からないうちに幕を下ろした…らしい。何があったのだろう。


「手紙がね、ちょっと、ね」


手紙…?


「脛に傷ある人が多かったみたいで、しょうがない…のかな。まだ親離れも子離れもできてないからって色々」


……?

よくは分からないが、そういうことらしい。私は余り知ってはいけない事項なのかもしれない。

世の中、そういうこともある。

ラピスの虚弱が演技かどうかとか、ね。




5/30 晴れ


ロリ婆との見合いが延期されて、義父さん目に見えて元気になった。いいことだ。すばらしい。

私が慰めたり東欧に行ったりするのができないのは少しだけ残念だけどね。

はやてが元気になっていた。管理局の間で何やらあったらしい。だけど私には教えてくれない。

やばい話なのかもしれない。

問題はあれだね。



延期ってこと。



私は来るべきロリ婆強襲に備えて今日もお札をつくっている。

まぁ私の最終兵器は着実に成長中だ。まな板程度に負けるはずがないけどね。

ん、プラスチック爆弾の原料が不足してる。買い物いかなくちゃ。

リニスには猫缶とほねっこあればいいか、ただ飯食らいにキャラメルコーンを買っていくのは業腹だが、今の私は気分もいいし買ってやろう。




私はとことこ玄関まで小走りに走り、勢いよく開けた。雲ひとつない蒼穹から太陽の光が雨のように降り注いでいる。

きゅっとリボンを結びなおすと、私は光の雨の中に駆け込んだ。







水溜りがあった。死ねばいいのに。








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■作者からのメッセージ
意外なところから応援もらってですね、書いちゃいましたこんばんわ。何がこれ系の話に対し支持を受けたのか作者としてはとんとわかりません。


キャラが弱い弱いと思いながらつらつら書き連ねていたら、立派に腐ってしまいました、いい訳ですすいません。

次から真面目に書き…たいなぁ。
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