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遠くへ去ったアキトと出会う前のルリ:1 前編
作者:ふじ丸   2011/12/10(土) 21:43公開   ID:HWSHbprkrFk
〜初〜
ルリ:
研究所の事務局から今、外出許可が下りた
研究所から近場の公園に気分転換に行くだけなんだけど
私の場合ちょっと面倒くさいっていうか、ままならないっていうか
まあ、特殊で重要機密な研究をしてるからしょうがないか

初めの頃は外出禁止だった
少し前は事務員さんと一緒なら30分程度の外出はOKになった
…30分で何しろっていうのか、ふうっ
たまたま、近くに公園があったので、そこで気分転換
最近は外出届けを出せば一人でもいいとなっが…

行くことのできる場所はこの公園だけ、30分間は変わらない
…30分じゃ何もできないので、ただ呆けている…ふう
でも大事な30分でもあります

今は公園の芝の生えている所で裸足になって、感触を楽しんでいる
そして今は夏、夏真っ盛り、暑い、麦藁帽子でもかぶって来ればよかったな
そういえば、公園の向かいに駄菓子屋があったっけ

今となっては珍しいお店であると事務員さんが言っていたな
あっ、言葉遣いや駄菓子屋とか言っているから
そこそこ年のいっているキャラと思うでしょうが、私はまだ微少女です

こんな住宅地の隅にある研究所だから
重要機密とか言って、大げさとか思うかも知れませんが
実は研究所ではIFSとか、新アーキテクチャのコンピューターのオペレートとか
多種多様なことをしている…ようです

そして私はそれに関わる勉強をしていますし
IFS強化訓練とか試験とか実験とか…
「実験」と言う言葉が、ひっかかりますが…
…まあ、私の立場として少々の事は目をつぶることにしてます

〜壱〜
「びゅうっ」

と、私の後ろで局地的な突風が吹いた?
私のスカートがまくれ上がったが、慌てず騒がす落ち着いて…
「あっ きみ ルリちゃん ルリちゃんだよね」
自分の名前を呼ばれたので、くるりと後を振り向くや否や
「ああ やっぱりルリちゃんだ」
と、言うが早いかその人?が私の右手首を捕まえた

「ビリビリッ」
その捕まえられた手首がもとに、全身に電気が走ったようにびりびりっときた
あうー
不覚にも声をあげてしまった
ちょっとやそっとでは、顔に出さない、声に出さない、態度に出さないこととしていた私が
あうーだなんて!

〜弐〜
ルリ:
前に居た研究所では私と同じIFS強化処理された子たちがいた
その子達と手を繋ぐ時、ピリピリっとする時があって
その子の感覚、感情、イメージが伝わってくる
伝わるって言ってもおぼろげな感じなんだけど
まあ、中には全然感じない子もいたけど

この人の場合、ピリピリではなくビリビリって、そう感電した感じ
この人もIFS処理されているのかな
見るからに怪しい、全身ほとんど黒、黒い人、この夏真っ盛りに暑くないのかな
私の あうー を聞いたこの黒い人、見ているこっちが暑くなるな

黒い人は暑いからアイスでも食べようか、とか言って買いに行こうとしたけど
私が止めた。何せ、黒くて怪しい格好だから
このアイスは私が駄菓子屋から買ってきた、ちょうど食べたいとも思っていたから
黒い人はいらないと首をふる(私は無理強いはしない

この場所じゃ人目がありすぎるから、私から手を繋いでこっちへと
公園の隅にアイスを食べながら移動した(暑いから溶けてしまうし
公園の隅にも芝があったのでそこに腰を下ろした

アイスを買いにいった時、いえ、一寸声を上げたりすれば
簡単に逃げることは出来たけど…

手を繋いでいた時、IFSインターフェイス越しに流れてくるこの感覚、感情
繋いでる手も優しく、私を強く思うようなこのビリビリは、なんなのだろう
そして時々悲しい…

〜参〜
黒い人:
過去に戻って何をするというのか、何かの解決になるとでも言うのか
ただ逃げているだけじゃないか
ふっ、やっと会えたルリ、だけど過去に戻りすぎだな、まだ微少女じゃないか
この時の彼女は幸せなのだろうか
そうじゃないとしても、今の俺にはどうすることもできない

彼女はすぐ横にいる
手でパタパタと顔をあおいでいる
鼻の頭とか首筋に一寸汗をかいている
さっきも暑そうなので、アイスでも買おうかと言ったら
怪しいからだめと言って、自分でさっさと買いに行ってしまった

時より風が吹く
う〜ん、夏の風だから温風のようだな
……!、くん、…くん、くん! 微かにおう 彼女の方から
この匂いは…
ああっ そうかっ! ルリはいい匂いだ

〜つづく〜

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■作者からのメッセージ
ちょいと前のおえびに描いた小ルリ絵にSSを付けたのが始まりで、これの前のは2話目となりこれは1話目となります。
設定なんかは適当なので、あしからず。
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