ここは全年齢対応の小説投稿掲示板です。小説以外の書き込みはご遠慮ください。

遠くへ去ったアキトと出会う前のルリ:1 後編
作者:ふじ丸   2011/12/10(土) 22:06公開   ID:HWSHbprkrFk
〜肆〜
黒い人:
「こくこくっ」
彼女がラムネを飲んでいる

やはり夏だな、ビンの青色、中に立つ泡、涼しそうだ
今の俺はラムネを飲んでも味が分からない、冷たさも良く分からない
ははは、今の俺には感覚がほとんど無い
この夏真っ盛りに、こんな真っ黒い格好でも、さほど暑いとは感じない、汗もでない

実はこの黒いスーツとマントのおかげだ
感覚の鈍っているこの身体を防護してくれている
寒暖に対して調整してくれている
本当なら彼女以上に俺は汗だくなはずだ(男の汗だくは考えたくないな

!! 時折風にのって彼女の香りが漂う
しかし香りに慣れてきた感じだ、香りがよく分からなくたってきている
このまま彼女の胸に顔をうずめて、くんかくんかしてみたい…
「どうしたの」
わっ、いや、えーと(いやーびっくりした
ここにいても、何の解決にもならないから、もとの場所へ戻ろうかと思ってね
これ以上いると、ルリちゃんをお持ち帰りして、裏のほうへ行ってしまいそうだから
「裏の方って、何ですか」
いっいや、なんでもない、ジョ ジョークさ
うっ こっ子供相手に何言ってんだ 俺は…

〜伍〜
「私も、戻ろうかと思います」
「そろそろ30分経ちますから研究所の人たちが探しに来るだろうし」
そう、そうだね、研究所近くまで送ろうか
「力いっぱい怪しいのでやめた方が良いと思います」
うっ、それじゃあどうしようか
「このまま、ばいばいしましょうか」
えっ、えーと

「ふうっ」
飲み終わった?飲み終わったら、お店にビン返しに行こうか
あれ、ルリちゃん!?
とっとっとっ っとお店の方に歩き出した
えっと、彼女一人で返しに行った?のかな
!(このままばいばい…
今か、今、別れるか、ジャンプするなら今がいい…

ルリ:
はいっラムネの瓶
「おっありがとよ、お嬢ちゃん」
「はいよ、これ、ビン代の五円、落とさないようにね」
「お母さんに、渡すのかな?」
ううん、いないし、黒い人ももういない…
「えっ なんだって って、あれ、お嬢ちゃん… いないや」




〜陸〜
研究所に戻る私、門の所で立ち止まって、ふと、また逢えると思ったのは変かな…

〜終〜








〜外〜
さよならも言わずにジャンプをした
ふと、出会った時を思い出した
散々探したやっと見つけた嬉しさから
急に腕をつかんじゃって、びっくりしてたな

「あうー」とか言って、振り向いたな、彼女
あうーですか、あうーっ

(絵)
裏行きにならなくてよかった

いやっ、おしか…った
いやいや
何もなくてよかった

できれば
これからも…
〜完〜


■作家さんに感想を送る
■作者からのメッセージ
どうやら一回の投稿ではイラスト三枚までなので、四枚あるので前後編に分けた。
テキストサイズ:2011

■作品一覧に戻る ■感想を見る ■削除・編集
Anthologys v2.5e Script by YASUU!!− −Ver.Mini Arrange by ZERO− −Designed by SILUFENIA
Copyright(c)2012 SILUFENIA別館 All rights reserved.