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大帝国〜ドクツの韋駄天〜 第一話
作者:rahotu   2012/05/13(日) 01:21公開   ID:dh7ydQPqcL.

統一宇宙暦939年ドクツ第三帝国

万能の天才レーティア・アドルフによって再建された独帝はポッポーランド、エイリス、オフランスに宣戦を布告。

世界は二度目の大戦に突入した。

当初誰しもが予想だにしなかったポッポーランドの早期陥落。

並びに北欧連合王国の一つであるノルウェーも僅か一週間で併合されエイリス、オフランス両国はドクツ軍の実力に戦々恐々とし、マジノラインに拠り徹底抗戦の構えを見せていた。



-ドクツ第三帝国西部方面軍艦隊旗艦グラフシュペー-

その艦橋にドクツ第三帝国大将グデーリアンはいた。

「グデーリアン大将。ベルリンの総統閣下から通信が届いております」

「了解した。繋げてくれ」

艦橋のスクリーンにドクツ総統レーティア・アドルフの姿が映し出されグデーリアン以下艦橋にいる全員が敬礼する。

「「「ハイル・アドルフ」」」

右手を斜め上に掲げ、画面の向こう側のアドルフも同じ形の敬礼で答える。

そしてアドルフが腕を下ろし、艦橋にいるグデーリアンを除く全員が再び任務に復帰した。

「久しぶりだなグデーリアン。二ヶ月ぶりか?」

「マインヒューラー。遅ればせながらポッポーランドと北欧での大勝おめでとうございます」

「いやなに、マンシュタインとロンメルが私の指示通り動いてくれたお陰だ。無論二人の能力もあっての事だ」

マンシュタインとロンメル。

新生ドクツ帝国軍を代表する両元帥は特にアドルフ総統の寵愛厚く、ロンメルなど史上最年少での元帥抜擢等アドルフのやり方に反感を覚える者と大多数が誰にでもチャンスが与えられるドクツとそしてアドルフを好意的に見ていた。

グデーリアンも総統の親衛隊とまではいかないが、しかし能力は認めており又ある程度の好意的評価(自身が望む装備とドクトリンの採用の結果)をしている。

「エイリスとオフランスの様子はどうだ」

「はっ。依然としてマジノラインに篭ったきりです。特にオフランスは戦意乏しくエイリスの欧州派遣軍との関係も良好ではありません」

「うん。大体状況は理解した。一週間後マンシュタインとロンメルそれとデーニッツが合流する。二人には既に対オフランス攻略計画を指示してある。合流後良く協議して作戦に備えてくれ」

「はっ。了解しました」

スクリーンからアドルフ総統の姿が消え司令官席に座り直したグデーリアンはかぶってていた軍帽を目深にかぶり直した。

ハインツ・グデーリアン

マンシュタイン、ロンメルの影に隠れがちだがドクツが誇る最強のドクトリン電撃戦ブリッツクラークの生みの親にして自身も又優れた能力を持つ軍人である。

ドクツ第三帝国軍の中ではマンシュタインに次いで古参兵からの信頼が厚く、また誰にでも意見する胆力からアドルフからも一定の信頼を勝ち得ていた。

しかし、彼には本人しか知らないある秘密がある。

それは...

「デーニッツが来るという事は大体本編通りか。だがここでエイリスの精鋭を逃すのは惜しいな」

グデーリアンはそう小声で呟きながら頭の中ではこれから彼が知る本編の幾つかのルートを思い浮かべていた。

彼が知る中でドクツは時に世界征服を成し遂げ栄光を掴み取り、ある時は新型爆弾によってベルリンが消滅し、ドクツが滅亡する未来。

COREと呼ばれる殺戮集団によって愛すべき国民も何もかも失い恥辱に塗れる美しいアイドル総統と遠い異国の地で再起し人類の敵を倒す為に共に戦ってくれる未来。

何れにおいても彼の祖国は最終的に敗れ去るが、何の因果か自分はそれを知ってしまった立場にある。

そう、彼は俗に言う転生者という存在だ。

本人も第一次世界大戦が終わったときからここが自分が嘗て知ったる世界の舞台だと知り、そして行動を起こした身である。

「祖国にとって最良の結果を」

それが彼の行動原理でありこの世界の指針であり到達すべき目標である。










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■作者からのメッセージ
シルフェニア初投稿が大帝国というなんとも言えませんがこれから何卒宜しくお願いいたします。

注意
*今更ながらキャラの口調や性格及び原作のストーリーを大幅に逸脱するような事もあります。
*更新は不定期です。
*大幅にストーリーを短縮するので飛び飛びです。

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