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大帝国〜ドクツの韋駄天〜 第七話
作者:rahotu   2012/06/04(月) 02:03公開   ID:uDORifmbmYg

ゼーレヴェ作戦に失敗したドクツであるが、それで彼等の戦いが終わるわけではない。

同盟国であるイタリン支援の為新たにアフリカ戦線を含め、エイリス帝国の西部戦線、ソビエトと国境を接する東部及び北部戦線。

いずれも四方に戦線を抱えたドクツの状況は常に予断を許さぬものがある。

そして特に東部戦線においてはソビエトの動きがドクツを神経質にさせていた。

ドク・ソ秘密協定を結ぶと同時期、日本とも公に不可侵条約を結びその中立性を確保。

国内においてはロシア平原からより東へと工場の租界と住民の避難訓練及び大規模な軍事演習等など。

ドクツにとってソビエトはエイリスと並ぶ脅威になろうとしていた。

秘密協定の中にはお互いの不可侵が盛り込まれて入るが、北欧のフィンランドを制したソビエトが残りの二国を狙うのは明白であり、又ポッポーランド周辺の肥沃な星域はソビエトが何としても手に入れたい領土であった。

同時にドクツにとってもソビエトから秘密貿易で得る燃料や希少鉱石そしてなによりも欧州のパン籠と形容されるロシア平原の穀倉星系。

共有主義とファンシズムの思想の違い云々よりもお互いがお互いに無い物を求め合うのが両者が決して相容れない点である。

故に復帰したアドルフ総統は再度ソビエトとの不可侵を強く確認すると共に今後の世界戦略を新たに決めた。

「ドクツとその国民の未来は東にある」

アドルフが最終的にソビエトとの戦端を開くことを決意するのは暫く時間を置くが、しかし、この日間違いなく史上最低と呼ばれる凄惨な戦いが運命付けられたのだ。








-統一宇宙暦940年-

先のゼーレヴェ作戦失敗から早三ヶ月。

南のアフリカ戦線を除き西部東部共に非常に平穏な日々を過ごしていた。

が、それは一般市民からの視点でありドクツ国内ではアドルフが新たに軍制を改め
方面軍を廃止。

並びに新たに軍を置きそれを国内と国外合計四つ設ける事になった。

まず第一軍マンシュタイン元帥の本国軍。

第二軍ロンメル元帥のアフリカ軍。

第三軍グデーリアン上級大将のドーヴァー軍。

第四軍ルントシュテット元帥及びヒムラー率いるSSをあわせた主に植民地を統括する軍。

これ等四つの軍に再編を行うと共にドクツでは新たな艦種の建造が進んでいた。

ゼーレヴェ作戦に間に合わなかったドクツ初の航空母艦、グラーフ・ツェッペリン級。

新型高速戦艦、航空戦艦、Uボート。

他にも極地での戦闘を予測し防塵艦、防寒艦、並びに艦隊の盾となるべく開発されたバリア艦等など。

軍事だけに留まらずそれらは多岐に渡り全てはアドルフが構想する新たな欧州戦略の一環であった。

エイリス帝国の早期降伏を諦めたアドルフは国内の開発と戦力の状況に務めると共に同時にエイリス国内に複数のUボートを放ちエイリス惑星間の航路を襲撃させた。

他にも今までドクツ国内だけであった高速航行路アウトバーンを植民地にまで広げ、新たに工場を新設するなどアドルフが考え出した技術研究成果の全てを遺憾なく注ぎ込まれた大改造計画。

今のドクツには遣るべき事が多くある。

幸いにしてエイリスは先の攻略戦で勝利こそすれその傷は深く年内の反攻は出来ないと予想され、アフリカにはロンメルがいる。

ソビエトは今の時点でドクツと戦端を開く期は無いのか、あるいはこちらから仕掛けるのを待っているのか不気味な沈黙を保ち続けていた。

初戦の激闘の後にポカンと空いた余白。

しかし、この時間の使い方が今後の国家の運命を制すると誰しもが予感していた。










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七話を投稿。

モンスターを狩るモンハンに始まり、モンスターを融合するテリワン。

六月にはモンスターを厳選するポケモン。

.....別に次の投稿が未定でもいいんだよ?

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