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黒の異邦人は龍の保護者 # 17 “Two persons of fate are resumed under moonlight. ―― 月明かり、反撃の鐘は鳴り響く ―― ” 『死神の涙』編 O
作者:ハナズオウ   2012/06/07(木) 00:25公開   ID:ZQVYnnW.e1Y




 能力を持ったと突然変異の人類“NEXT”と、人類が共存する街“シュテルンビルト”。

 その一角で突如として起こった原因不明の停電。

 突如として発生した停電に市民達は混乱した。

 ヒーロー達が出動したが、解消されない停電に市民達のストレスは溜まる一方である。

 出動したスーパーヒーロー達は、市民のストレスが爆発して暴徒と化さないように必死だった。

 製薬会社パンドラは試供品などの配布するなど市民が暴徒化しないように、協力していた。

 ブルーローズはHERO TVのプロデューサーであるアニエスの指示により、急遽ライブを開催して既に1時間が過ぎようとしていた。

 休憩だ。っとトレーラーに引っ込んだブルーローズは汗を拭き、モニタに流れるHERO TVを眺める。

 今回の停電の情報を流しつつ、この一週間の黒の死神が映った映像を流し続けていた。

「この人……やっぱり悲しそう」

 ブルーローズはモニターに映る黒の死神を眺め、ポツリと呟く。

 ブルーローズが汗を拭き、モニタから視線を逸らさずにソファーに座る。

「にゃっ!」

 丸いクッションを踏んだような感触と共に、聞こえてきた猫の悲鳴。

 飛び退いたブルーローズは自身が座った場所を見る。

 そこには白目を向いた黒猫が潰れるように寝転がっている。

 ゆっくりと白目から瞳が現れて、大きな溜息と共に黒猫が立ち上がる。

「ょ……よぉ。いい穴してるな」

「ま……マオ!? どうしてここに?」

「まぁいいじゃねぇか。いやぁ助かったぜ。ここに来るのに時間が足りなかったんだがな。

 お前さんのトレーラーに乗せてもらったぜ。ありがとうな」

「いつ乗ったのよ。っというよりもアンタどこ行ってたのよ! ホァンが大変な時に!」

「その決着をつけるためさ。そんじゃありがとな」

 猫はブルーローズにウインクして、トコトコと入口に向かう。

「どこ行くのよ!」

「見たい未来を引き寄せにな。そういえばお前、何か“大切なモノ”忘れてる感じしねぇか?」

 入口の前に来て背を向けたまま話し始めた猫。

 ブルーローズは、ずっとモヤモヤとした気持ちを握りしめるように胸の前で手を握り首を縦に振る。

「忘れた方がいいぜ……そういうのはな。気にしたまま生きてると、綺麗な青春送れねぇぜ」

 そう言い残し、猫は静かにトレーラーから出ていく。

 残されたブルーローズは、猫の言葉を何度も何度も思い返す。

 ソファーに座り込み、モニタに流れる黒の死神を眺めながらボンヤリと過ごす。

 ………………

 …………

 ……



 停電に襲われ、ついには2時間が経過したその時だった。

 まるでブルーローズの呟きが正解だと言いたげにモニタにノイズが入る。

 ノイズは画面を全て飲み込む。

『……我々は、“Evening Prim Rose”。

 この世界に混じった『異物』を治癒する組織。

 我々は何も望まない。名声も名誉も、金も地位も……。

 我々の望みはただ一つ。

 ――我々が望む幸せな世界を実現させること』

 ノイズに支配されたモニターから流れてきたのは中年の男の声。

 陽気そうな声は、シュテルンビルト……延いてはHERO TVへの宣戦布告にも取れる言葉を告げた。

 ヒーロー達と同じ『正義』は行うが、HERO TVとは道を分かつ……聞く者全てにそう理解させたのだ。

 ヒーロー達全てが理解不能と唖然とする中、モニターを支配していたノイズが晴れていく。

 ノイズが晴れたその先からは、陽気そうな白人の叔父さんが社長が座るようなリッチな椅子に座って笑っている。

 クセ毛の黒髪をドレッドにして後ろで纏めている男は、まるでお昼時のお茶をしているように陽気に笑っている。

 宣言への質問も、意見も、批判も、想いも、思考も、その全てを放っておき、叔父さんは楽しげに語り始めた。

『俺達は別にHERO TVさんを敵に回そうなんて思ってないさ。

 ただな、今日は俺達にとっても大事な用事があるのさ。

 パンドラの筺によって操り人形になってしまった可愛いお姫様を救い出さないといけないんでな。

 邪魔しないでくれよ、ベイビー』

 その場にいる全ての者を小馬鹿にしたような陽気な男の声が響き渡る。

 自分の要求は無条件で受け入れられると信じているように明るい。

 男のあまりの突然の宣言に静寂に包まれていた街の中に、女の怒号が飛ぶ。

 女の名はアニエス。HERO TVのプロデューサーである。

「ふざけんじゃないわよ! 私達にとって変わろうっていうの!?」

『違うぜ、レディ。

 俺達が狙うのはあんた達には手が届かない闇の底にある犯罪者達だよ』

「何言ってんのよ! それがとって変わろうとしてるって言ってんのよ!」

『まぁいいさ。そこらへんはおいおい。

 とりあえずは、我々の実行者を紹介するぜ』

 男はウインクすると、停電が起こっているエリアで光を放っていたモニターなどが全て光を堕とす。

 再び暗闇に落ちたシュテルンビルトの一角。

 パンドラの前に集まった市民達は、パニックに陥り始める。

 突如、ライブが始まるかのように暗闇に包まれる一角の一部――市民達が集まっている地点から約50m程離れたビルの光が灯る。

 ビルの明かりに全ての市民、ヒーロー達、パンドラの視線が集まる。

 そこには黒の死神……ヘイが立っている。

 黒は白地に左目に紫の雷模様が入った仮面をしている。

 その身には黒いロングコートを着ている。

 黒は先頭服を着て、堂々と立っているのだ。

『数日前の再開発地域での戦闘はこっちの完敗だった……。

 あのシュチュじゃぁ、こっちには勝ち目はない。

 だから、再戦といこうじゃないか』

 男の声と同時に黒は、大量の市民とヒーローがいるその先――製薬会社パンドラへと向かって走り始めた。

 市民達と黒との50mという短い距離は一瞬で消えてなくなる。

 市民達の囲いの中に陣取っているヒーロー達は、市民達に突っ込んでくる黒を捕まえるべく戦闘態勢へと移行する。

 黒が突っ込んでくる方向から、ワイルドタイガー、バーナビー・ブルックス・Jr、ファイアーエンブレム、ロックバイソン、スカイハイへとほぼ等間隔で市民の間に配置している。

 ライブをしていたブルーローズだけがトレーラーへと引っ込んでいたため、出遅れる事となった。

 パンドラの前に配置した全てのヒーロー達は、黒との第二戦が開始されたのだと認識し、黒の死神から目を話さない。

 犯罪者との戦闘経験が豊富なヒーロー達を取り巻く環境は普段とは少し違う。

 先程まで暴徒となろうとしていた市民達のストレスは、ヒーローと犯罪者との戦いを間近で見ようと我先に最高の見物ポイントを得ようと思い思いの方向へと動き始めたのだ。

 守るべき市民に囲まれたヒーロー達の戦力は9割以上減少する。

 ヒーローをヒーローたらしめる『能力』の使用が不可能になるためである。

 能力を開放しても、この黒が市民に近すぎるせいで、守るべき市民に攻撃があたってしまう可能性が高いからだ。

 つまり、個人の身体能力、技能のみで対応しなければいけないのだ。

 ヒーロー達のすぐ近くを市民達は興奮気味にあっちへこっちへと移動しているのだ。

 能力開放は絶対厳禁……、能力を使用すれば市民に当たってしまう。

「間違っても能力を使わないでくださいね、オジさん」

「わぁってるよ! 動きにくいのはあっちも一緒だろうが!」

 勢い良く答えたワイルドタイガーは、拳を握りつつも変な緊張感に包まれる。

 得意の全力全開のパンチを黒の死神へと撃ち込んだとして、それが市民に当たらない保証は一切ない。

 威力よりも市民へと当てない正確性が最重要なのだ。

 これにより、ワイルドタイガーはもちろん、他のヒーロー達の戦力はほぼ封じられたのと同義なのだ。

 もちろんそれは黒も同様だ。

 “EVENING PRIM ROSE”が『正義の味方』を宣言した以上、市民に危害を加えることはできない。

 っが、黒の走りは加速する一方だ。

 最高速で、あっちへこっちへと移動する市民の群れへと飛び込んだ黒。

 今回の犯罪者である黒の死神を間近で見ようとする市民や捕まえようとする市民の動きが黒の行く手に立ちはだかる。

 最高速で走り続ける黒はなんの手品を使ったのか、数十mをまるで何もない平野を走っているかのような速度で走り抜けた。

 立ちはだかる市民を全て巧みに速度を落とさずに走りきり、避けきったのだ。

 まるで風になびく柳のように流れる動きで避けきった黒の死神は、気づけばワイルドタイガーの背を取っていた。

 背を取ろうと、黒の疾走は止まらない。

 あまりにあっさりと背を取られたワイルドタイガーが反応するよりも速く、黒はワイルドタイガーの頭を軽く握る。

 そして一瞬だけ軽く能力を開放し、帯電対策されたワイルドタイガーのスーツの表面を伝い地面へと還っていく。

 即座にワイルドタイガーは右の肘撃ちを背に向けて放つも、黒は肘撃ちを右掌で受ける。

 肘撃ちを受けた衝撃を、黒は加速に加える。

 限界を超えた速度で走る黒は再び市民の群れへと入っていく。

 肘撃ちの勢いで後ろを向いたワイルドタイガーに飛び込んできたのは、既に遠ざかって市民の群れへと消えていった黒の後ろ姿であった。

 バーナビー・ブルックス・Jrは、ッスゥッと場所を微かに左にズラし、右側に隙間を開ける。

 市民の群れの中を最高速を超えて走る黒は即座に頭の中でバーナビーを抜くルートを作り出す。

 黒が自身が即座に作り出したルートを正確無比に辿り、バーナビーのすぐ横へと進路を取る。

 バーナビーはタイミングを合わせてコンパクトに力を込めて右回し蹴りを放つ。

 黒はその蹴りを身を屈めて地面を前回りに転がって避ける。

 その最中にバーナビーの軸足を握り、小さく能力を開放する。

 そして、速度を殺さずに再び走り始め、市民の群れへと消えていく。

 接近戦をほとんど行わないファイアーエンブレムに至っては、反応する前に黒は通り抜け、電気だけが地面に流れていた。

 ロックバイソンもファイアーエンブレムと同様に反応しきれずに、軽く電気がスーツの表層へと当たる。

 全ての黒の攻撃にダメージは一切なく、悪くともパチっとした程度しかない。

 攻撃だけは確実に手を抜かれている。

 しかし、誰も黒に触れることすら出来ないで、通り抜かれてしまったのだ。

 ワイルドタイガー達は黒を追うために走り出すが、市民のランダムな動きに翻弄され思うように進めない。

 それと対照的に、黒は速度をさらに上げて進んでいく。

 最後の砦のスカイハイは、既に空へと飛翔している。

 っが、スカイハイは黒を見失ってしまっていた。

 あまりにも華麗に無造作に動き回る市民の間を抜けていき、最高速で移動を続ける黒を市民の群れの中に見失ったのだ。

 黒を探すスカイハイは、あっちへこっちへと視界を動かす。

 動き回る市民の間から放り上げられたモノが二つ。

 一つは製薬会社パンドラの屋上へと伸びるワイヤー。

 もう一つは丸い物体。

 スカイハイは丸い物体がなんなのか、凝視していた。

 スーツに内蔵されたモニターはそれが何かを解析し、その結果を検索していた。

 その結果が表示されるよりも早く、丸い物体は強烈な閃光を放ち、スカイハイの視界を数秒奪う。

 奪った数秒を逃さず、ワイヤーに引き上げられた黒は手に持ったナイフでスカイハイのスーツのブースターを破壊する。

 そのまま、黒は製薬会社パンドラの屋上へと消えていく。

 黒と対峙したヒーロー達はただ見送るしか出来なかった。

 悔しがるヒーロー達の無線に先程モニターで喋っていた男の声が流れる。

『あんたらと黒の死神の第二戦はこっちの勝ちって事で。

 パンドラ内で第三戦をしてもいいがな……。

 黒の死神を追う前に話を五分間聞いてもらおう。そうしてくれたら、そこの停電を解除しよう』

「卑怯だぞ!」

『違う違う。

 情報をあんた達の時間、5分で売ろうって言ってるんだ。

 停電を解除する特典つきだぜ? こっちは大盤振る舞いしてるんだ、文句はねぇよな』

 男はウインクをして、静かに笑っている。





―――――――





TIGER&BUNNY × Darker Than Black


黒の異邦人は龍の保護者


  # 17 “Two persons of fate are resumed under moonlight. ―― 月明かり、反撃の鐘は鳴り響く ―― ”


『死神の涙』編 O


作者;ハナズオウ







―――――――




『あんた達へ売る情報は2つだ。一つはかくれんぼしてる犯罪者の情報。

 もう一つは囚われのお姫様についてだ』

 ヒーロー達とスタッフを繋ぐ無線をジャックした猫は飄々と話している。

 情報を得るよりも、黒を追おうとワイルドタイガーはワイヤーを黒が消えた屋上に照準を合わせる。

 スーツの補助により、モニタにワイヤーの照準が示される。

 指に力を入れてトリガーを引こうとした瞬間、モニタに全てを埋め尽くす程の多大なブラウザが開く。

 開いたブラウザにはそれぞれ違う人物の写真が写し出されていた。

 虎徹はその中の数人に見覚えがあった。

 この一週間で捕まえた犯罪者達だった。

 それも能力を使って暴れ、逮捕後には能力の兆候は一切見えなかった奴らだった。

「アニエス! こいつらって」

「ええ……この一週間であなた達ヒーローが捕まえた犯罪者よ。逮捕後は能力の兆候は一切見られない不思議な犯罪者たちよ」

『そうだ。それは一つの薬によって引き起こされた事件さ。信じられないか?

 しかし、お前は所持すらしてたんだぜ? ブルーローズ……ハヴォックに渡したあの無針注射器に入っていたのがそうさ』

「あれ……が」

 ブルーローズ、カリーナ・ライルは、自身がハヴォックに返したあの注射器の事を思い浮かべる。

 あれを打ったハヴォックはそれまでと違い、ガタガタと震え涙を流していた。

 それが能力を手に入れる副作用? っと考えたがそうではない。

 ハヴォックは能力を嫌っていた感じがあった。

『この世の異物、契約者については既にあんたらは知ってるな?

 合理的な思考をして能力を使用すると対価と呼ばれる行為を行わなければならない。

 信じる信じないはそっちに任せるが、俺達契約者はこの世界の人間ではない』

 無線から流れる飄々とした男の声が告げたのは、異世界人であるという告白。

 信じられず、ポカーンとしてしまう一同。

『話を戻すと、俺達の世界での異物“覚醒物質”と呼ばれるとある契約者から産み落とされた物質だ。

 その物質を取り込んだ人間は一時的にではあるが能力を手に入れる。

 能力を使いこなすには複数回取り込む必要があるがな。

 それを作り出せる契約者はこの世界にたった一人。それが所属しているのはあんた達をが今いる製薬会社パンドラさ』

「はぁ? 何ガセ言ってんだよ!」

 虎徹は飄々と話す男に怒りを含んでいる。

 それをアニエスが強く叫ぶように止める。

 アニエスがいるトレーラーのモニタには男が喋った内容を補足するような資料がいくつも映し出されたのだ。

 全ての資料をハードディスクに保存して検証しようと支持を出したが、何度トライしても保存することが出来ない。

 モニタをスクリーンショットで保存しようとしたが、その画像にはポッカリと資料の部分が抜け落ちている。

『保存しようとしても無駄だぜ。これが後の世に残ったらまた騒動が起こりかねねぇからな。

 あんたらも検証しやすいモノを出してやるさ』

「というよりも、あんたは誰なのよ!」

『……ぁあ、俺はリカルド。正真正銘本名さ。しかし、俺は見つけられねぇぜ?

 それよりも、もう一つの情報を検証する方が先だと思うがな』

 無線をジャックした男、リカルドは再び話し始めた。

『この写真をまずは見てくれ』

 リカルドは停電しているシュテルンビルトのモニタに一枚の写真が映し出される。

 そこには赤毛の東洋系の女の子と黒髪の角刈りの東洋系のスーツの男が映し出されている。

 その写真を見た市民達からポツポツと人の名前が呼ばれる。

“あ、エリック西島さんだ”

 ここ数年でグングンと業績を伸ばしている製薬会社パンドラの代表取締役の名前である。

 メディアの露出も高く、キリッとした風格でありながら口も上手い男として市民からも受け入れられている。

 ヒーロー達はエリック西島の名前を言うと同時に、女の子の名前を発していた。

蘇芳スオウ……パブリチェンコ」

『そうさ。この少女が今回の肝さ!

 市民の皆、ネットで日本警察のサイトで“牧宮蘇芳”っという名前を検索してみてくれ。

 きっと楽しいぜ』

 リカルドの言葉に、動かされた市民の極一部からザワザワとした声が上がる。

 それを中心として市民へと波紋のようにザワザワが広がっていく。

「……おんなじだ……」

 各所から上がる同様の言葉。

 モニタに写し出された少女と携帯で検索を掛けて出てきた少女が同じ少女なのだ。

 そして、検索を掛けて出た写真について書かれていた内容に更に市民達の波紋は更に波立つ。

 そこにはしっかりと“捜索願”と書かれている。

 そして内容には、神隠しにあったかのように消えてしまった。

 カメラマンの母親と研究者の父親は必死に世界中を探し回っている。

『そうさ、エリック西島と写ってる少女は日本の新宿で捜索願が出されている少女さ。

 神隠しにあった少女がなぜ、パンドラの代表取締役のエリックと一緒にいるのか……

 そして、この少女は洗脳され、少年兵のように銃を持たされ、ヒーロー達を襲わされたのさ……なぁヒーロー?』

 リカルドの言葉にざわついていた市民達は近くにいるヒーロー達へと視線を向ける。

 急に周りから向けられた大量の視線に、ヒーロー達はビクッと怯えるように後ずさる。

 そして、無言で首を縦に振る。

 それにより、市民は全て理解する。

 “パンドラが一人の少女を兵士へと変えてヒーロー達を襲った”

 この市民の理解を得た事で、リカルドの目的は達成した。

 黒が潰そうとしているパンドラは、市民から信頼を得ている。

 その信頼を、市民から絶大な信頼を得ているヒーローと少女、蘇芳を使って崩したのだ。

 これによって市民は、黒とパンドラとの戦争に傍観者として、黒の邪魔をする存在ではなくなったのだ。

『それじゃぁ、大人しく聞いてくれたヒーローと市民の皆にご褒美だ』

 リカルドはウインクと共に指をパチンと鳴らす。

 すると、ッパッパっと原因不明だった停電から復旧する。

 暗闇に包まれていたシュテルンビルトに光が戻る。


 ………………

 …………

 ……

「さぁてと、なんとか作戦は成功かな……。

 まぁ、ここからが本番!

 実戦は任せるぜ、黒。お前がお姫様を救い出さないと何も出来ねぇぜ。

 電脳世界は任せときな……しかし、この姿は懐かしいが、まぁこっちがいいな」

 リッチな椅子に座っていたリカルドは、苦笑して手で目元を隠す。

 すると、リカルドにモザイクが掛かり初めて、全身に掛かる。

 モザイクはゆっくりと消えていき、それに包まれたはずのリカルドは消え去っていた。

 そして残されたリッチな椅子の上には黄色い鈴を着けた黒猫が気持ちよさそうに座ってる。

 それは間違いなく猫である。

 そう、リカルドとは猫の人間だった頃の名前である。

 そして猫がいるここは現実の世界ではない。

 電脳世界で作り出したホログラムだったのである。

 HERO TV側が必死に逆探知しようとしても、永久に現実世界にいる猫本体のもとへは辿り着けはしない。

 既に猫はシュテルンビルト全域のネットワーク全てを掌握してしまっているのだ。

 アンバーにより未来からやってきた世界初のNEXT能力を持つ猫の身体の能力を使ったのだ。

「さぁて、黒のパンドラ侵入は成功か……ここからはアンバー

 ――お前さえ見た事ない未来だぜ。楽しめよ」

 猫はホログラムの中で、静かに天を見上げる。





―――――――




 屋上へと逃げてた直後黒は電気が消え、暗闇に包まれるシュテルンビルトを見下ろした黒。

 道路には市民の群れが虫の様に蠢いている。

 その中でヒーロー達は固まって動いていない。

 打ち合わせ通り、猫が足止めをしている最中であろう。

 猫の足止めも稼げる時間はさほど多くはない。

 それまでに少しでも奥に進まなければ……っと黒は屋上の入口へと身体を向ける。

 屋上の入口の影と星の光によって輪郭だけが浮かび上がっている。

 屋上の入口にマントを羽織った大柄の男がゆらりと立ち尽くしている。

「待っていたよ、黒の死神……」

 ニヤリっとした嫌な感じを伴った男の声と共に、屋上の入口から一人の男の姿が、黒に近づきながらハッキリと映し出される。

 肩まで伸びたノペッとした脱色された脂ぎったような髪。不気味に上がる口元、ガッシリとした身体。

 頭のてっぺんの禿げた地肌に電極のようなツマミが三本ほど突き刺さっている。

 何よりも不気味なのは、腰に纏わり付く巨大な黒いタンポポである。

 下半身は黒い葉で覆われ、地肌はおろかズボンすら見えずにゴワゴワとしている。

 黒は、この男を知っている。

 以前の世界で黒とは正反対と言える存在だ。

 『亡霊ファントム、ハーヴェスト』

 物質分解能力を持つ契約者にして、黒いタンポポに寄生される事で生きる男だ。

 電子の結びつきを繋ぐ能力を妹より借りている契約者を演じた黒と、電子の結びつきを引き剥がす能力を得た契約者のハーヴェスト

 戦闘を嫌々ながら行なってきた黒と、戦闘を楽しむハーヴェスト。

 世界を守ろうとした黒と世界を破壊しようとしたハーヴェスト。

 絆を守ろうとした黒と繋がりをなくそうとしたハーヴェスト。

 『なにか』を持っている黒と『なにか』を持たないハーヴェスト。

 無表情を守る仮面を着けた黒とニヤリと笑うハーヴェストは視線を合わせたまま動かない。

「なぜここにいるか聞きたそうだな……」

「蘇芳を救い出す……そして、パンドラを潰す」

「オレの事は眼中にないか? ククク。

 何も変わらないな、あんな脆弱なモノを守ってなにになる?

 もっと合理的に考えろ」

 まるで演説するように体全体で己の主張を放つハーヴェストは、不気味な笑みを崩すことはない。

 無表情を守っている黒の仮面の下で、黒も無表情を保っている。

 ヒーロー達の包囲網を抜け、パンドラへと侵入する。そこに現れた契約者てきが現れた。

 黒は慣れたモノで、どのような非常な事が襲ってこようと動揺を抑えるために、黒は心を静かに凍らせる。

 動きを最小限に、ハーヴェストに攻撃を加えようと右手に力を入れた瞬間、黒の耳元に小さな声が聞こえてくる。

『黒……まって。一人はやだよ……』

 ホンの刹那、黒の頭の中へと響く黄 宝鈴ホァン パオリンの幻聴。

 ドクンっと高鳴る鼓動に、溶かされるように凍りつかせた黒の心にヒビのような亀裂が走る。

 ただ一言の幻聴。それだけで、どのような非常にも動揺を抑えていた黒の心を酷く動揺する。

 ハーヴェストはそれを見抜いたのか大きく笑い、口を開く。

「この世界は実に不合理だと思わないか?

 我らと同じ能力者を持つ世界。我らと違うのは“対価”に縛られていないという事と

 ――最も嘆かわしいのは“合理的思考”を持たないということだ。

 だから我は再び計画したのだよ」

 ハーヴェストはマントをヒラリと右腕を上げて開く。

 そのマントの下からは真っ黒のタンポポがビッチリと生えている。

 布に寄生しているタンポポ。

 黒はそのタンポポがゲートからの流出物であると過去聞いた記憶を呼び起こす。

 ハーヴェストがマントの裏に寄生している黒いタンポポの利用方法についてすぐに辺りをつける。

「そのタンポポの種子を市民に植え付けるつもりか」

「そうだ……あの時はタンポポの契約者ほんたいを蘇らせたために失敗に終わった。

 今度は大量の流星のカケラを用いて、まずはこのシュテルンビルトを合理的な思考のその先へと!!」

「……させない!」

 わかっていたさ……っとハーヴェストはニヤリと不気味に笑いながら両手を屋上の床へと当てる。

 青い光、ランセルノプト放射光を放ち、パンドラの屋上の床は砂へと代わり、重力に囚われて落ちていく。

 床を失った黒もパンドラの施設の中へと落ちていく。

「味わえ、絶望を……黒の死神よ。非合理な思考を捨てたくなるほどに……」

 ハーヴェストは落ちていく黒を見下ろしながら、不気味な笑いを崩すことはない。

 暗闇へと落ちたいく黒は、ハーヴェストの姿が見えなくなっても、空を睨むように視線をそらさない。

 ハーヴェストの能力、黒いタンポポを放っておいてはシュテルンビルトが、延いては世界が崩壊してしまう。

 何をおいてもこの二つを消し去らなければならない。

 黒がそう考えた瞬間、暗闇から淡い青い光が蛍の光のようにポツポツと輝き出す。

 その淡い光は何かを引き起こすでもなく、輝いては消えていく。

『ここまで来ちゃったんだね、黒。

 でも、今のままだったら足りないよ』

 淡い光から聞こえて来たのは、嬉しそうなアンバーの声。

 黒はまた幻聴か……っと苦笑を漏らしたが、そうではない。

 アンバーの声は明らかに黒へと語りかけている。

 そう感じた時、黒は無意識につぶやいていた。

「足り、ない……?」

『そう、足りないよ。

 私達暗闇に囚われた契約者を日向まで連れていってくれる“優しい手”が足りないよ』

「優しい……て」

『黒、あなたはもう既に“優しい手”を知ってるんだよ』

 フフフっとアンバーは笑い、淡い光が消えると共に声は消えてしまう。

『黒は一人じゃないよ』

 アンバーの声が消えた瞬間、次に聞こえてきたのはインの声。

 それ以上銀は語ろうとはせず、淡い光は黒を優しく包み込もうと光を心ばかり輝きを増す。

 銀とアンバーの幻聴にどこか黒は懐かしさを胸に抱く。

 青い光はすぐに全て消滅し、再び暗闇の中黒は落ちていく。

 視界が暗闇に包まれた黒は、懐かしさが孤独感に侵食されるように寂しさが黒の胸を支配する。

 床の気配を察知し、黒は身体を回転させて着地する。

 黒は直ぐ様周囲の気配を探る。

「……囲まれている」

 ポツリと呟いた黒の周りには暗闇に隠れるように無数の影が蠢いている。




―――――――




 黒が降り立ったフロアは、大きな会議室だったのかかなり巨大な空間である。

 そこに約30人の迷彩服を着た男達が黒を中心に囲むように立っていた。

 その半数が小型のマシンガンを構えている。

 残りの半数は手には何も持たず、背中に小型のマシンガンを携帯している。

 黒はすぐ周囲を取り囲んでいる男たちの配置を確認する。

 銃を持つ者、携帯している者、それが規則正しく互い違いに配置されている。

 その佇まい、重心の置き方を見て、黒は男たちが戦闘訓練を受けていると判断する。

 黒の脳内でこれまでの全ての事柄から一つの事実へと思考をたどり着かせる。

 マシンガンを背に背負った男達はほぼ確実に“NEXTになれる薬”を打ち込んで能力を得ている……覚醒兵だ。

 マシンガンを構えている男は能力を得ている男の補佐、警備兵だ。

 しかし、その数が多過ぎる。

 通常、銃を持つ複数が単独の敵と戦う場合は、銃弾の軌道上に仲間を配置しないように敵を囲むのが定石。

 それに敵を陥れる必殺のトラップに狙撃手を一人配置しているとなおよし。

 っが、それをするには数が多過ぎる。

 マシンガンというどうしても銃弾が散らばるように飛んでいく銃を扱う今の場合では確実に味方に銃弾が当たる。

 今回パンドラが仕掛けてきた全ての出来事を思い起こし、黒はこの部屋に落とされたのはハーヴェストの独断であると判断する。

 パンドラが仕掛けてきた全ては、執拗な場でに計画的に仕掛けられてきた。

 蘇芳によるトレーニングセンター襲撃、再開発地区での記憶から黒の記憶を消したヒーローの襲撃。

 しかし、今回はその執拗さはない。

 ハーヴェストという男は己の目的の為ならば組織を裏切るはもちろん、何でもする男である。

 契約者を上手く利用しているパンドラとはいえ、この男を上手く操作はできなかったという事か。

 っと黒は冷静に判断して、目の前の状況へと頭をシフトする。

 冷静に状況を打破するために頭を回し、それを冷酷なまでに機械的に実行できるように黒は心を凍らせようと心を沈める。

『……黒、どっかいっちゃ……いやだよ……ぼく』

 心を沈めようとすると、黄 宝鈴の声が幻聴として黒に響く。

 その幻聴が凍らせようとした黒の心を震わせ、黒の心を動揺させる。

 いつもならば自然と戦闘に集中出来ていた黒が集中ができないでいた。

 突如として動き始めた周囲の男達の攻撃に、精彩を欠いた動きで避ける事で精一杯だった。

 慣れきれない能力により大きめの動作を持ってのテレフォンパンチに近い攻撃。

 いつもの黒ならば楽々と避けて攻撃に移れたはずの攻撃。

 黒は大きくステップを踏んで避けて、攻撃に繋げることが出来ない。

 巨大化した手、伸びた手、衝撃波、などの様々な攻撃を連携もくそもない周囲の攻撃。

 黒は一人も倒すところか攻撃を大げさなまでに動いて攻撃すら出来ないでいる。

 覚悟を決めたはずの黒の心は、戦闘になっても凍る事が出来ない。

 心の動揺を抑えるどころか、グラグラと揺れていつもならば出来ていたはずの事が出来ない。

 集中力を欠いた黒に、いつもの迅速で繊細な動きは見る影もない。

 その原因は分かっている。

 “黄 宝鈴の幻聴”である。

「……ック」

 苦し紛れに黒は能力を発動させる。

 自身の身体を中心に雷を放ち、周囲1mを雷で埋め尽くす。

 黒の攻撃は空を斬り、周囲の男の誰にも傷一つ付けることは敵わない。

 しかし、無秩序に近く打ち込まれていた周囲の男達の黒への攻撃をピタリと止む。

「…………」

 ピタリと止んだ攻撃に、黒はホッとしつつも今の自身の現状の不味さに小さく歯軋りを起こす。

 今現状、周囲を多数の敵に囲まれてしまっている。

 ワイヤーによって上の階へと逃げ延びることも可能ではある。

 しかし、周囲を囲んでいるのは薬により一時的に能力を得た者と銃を持った者だけである。

 たかだか、この程度の障害をクリアすることが出来ない自分の戦力では、パンドラが抱える契約者や策略をクリアして蘇芳を救い出すことなど不可能である。

 周防のもとへと辿り着くことならば、なんとか可能ではある。

 しかし、そこから蘇芳を救い出す余力がどう計算しても出てこない。

 戦闘に没頭しようとすると、聞こえてくる鈴の声。

 それによって戦闘に集中する事ができず、攻撃もままならない。

 最悪のケース、猫がヒーロー達へ情報を流しており、黒が死のうとも救い出す算段をしたはずである。

 パンドラへのヒーローの侵入が遅れているのがその証拠だろう。

 ……生きていても、蘇芳の、黄 宝鈴の足でまといにしかならない。

 死への行軍……絶望を自覚していたハズの黒の心を、その言葉を認識してから黒くドロドロとした絶望が支配し始める。

 今までも何度も絶望しかないという状況にも遭遇している。

 っが、いつもならば凍らせていた黒の心が凍らずに、絶望に震えてしまっている。

 死んでしまっても、黒の目的は完遂される……そう思い、黒は無表情の仮面の下で苦笑を洩らす。

 『死』……黒は自然と受け入れ、自然と体から力が抜けていく。

 ホールの中で誰も動かず、静寂が支配する。

 動かない黒に対し、痺れを切らした一人の男が能力を発動させながら近づいてくる。

 青い光を発し、能力によって右手を巨大化させる。

 大きく振りかぶり、狙いを黒の頭部に定める。

 ……これで終わる。

『黒ー!! 黒!!!』

 無線から、空から聞こえてきた女の子の声。

 今度は幻聴ではなく、本物の声。

 黒がその女の子の声を聴き間違えるはずはない。

 ――黄 宝鈴の声が、黒に降り注いだのだ。

 黄の声を認識した瞬間、力が抜けていた黒の身体は咄嗟に動き、巨体の打ち下ろしを避けた。

 打ち下ろしを避けた黒は、再び部屋の中央へと戻る。

 微かに掠った打ち下ろしの右により、黒の仮面はひび割れ、ボロボロと砕け落ちる。

 周り360度にざっと取り囲んでいる覚醒兵と警備兵は、狂気に満ちた瞳で黒を見つめている。

 兵は周りへの警戒心もなしに、咄嗟に動いた自身の体に驚いていた。

 『蘇芳を救い出す』

 そう決意して鏑木家を後にしてから――いや、黄と分かれることを決意した瞬間からポカリと心に闇よりも暗い穴が空いた。

 その穴が、黒の動きを鈍らせてきた。

 それが黄の声が聞こえた瞬間、穴がなくなったような感覚が黒を包み、黒の身体を動かした。

「俺は……生きたいのか……?」

 黄の声が聞こえた瞬間、諦めが支配していた黒は咄嗟に生きることを選んだのだ。

 暗く沈んでいた黒の心には『黄 宝鈴』という存在が、太陽のように暖かく照らしている。

 黄の声に惚けている黒に、警備兵達は一斉にマシンガンを撃ち込む。

 惚けていた黒は、その銃弾に反応できず、迫り来る銃弾に対して一切の反応が出来なかった。

 迫る銃弾を見るしか出来なかった黒の足先に小さな薄い影が現れる。

 刹那、黒の視界を突如として暗闇が覆う。

 何かが黒の周囲全てを覆い込み、黒と銃弾の間に一枚の暗闇の壁が現れたのだ。

 その暗闇の向こうで金属がぶつかるカンカンっという高い音が周囲に鳴り響く。

 銃弾の雨を弾ききった暗闇は天に舞い上がり、再び黒に光の世界へと戻し、足先の薄く小さい影が大きくなっていく。

 ットっと降り立った影は、黒の目の前に降り立つ。

 背は中学生くらいで、体型は華奢な女の子。

 黒い布に裏地は黄色いフード付きのマント、下にも黒地のひざ下まで伸びる裾の服を着ている。

 黒はその衣装に見覚えがあった。

 そして何より、その女の子は顔に黒が着けていた仮面と同じものを着けている。

 右目に紫の雷模様を着けた無表情の仮面。

 その2つを見て、黒は確信する。いや降り立った瞬間に確信していたのだ。

 その仮面の下にある女の子が誰であるのか、黒は何度も何度も心の中でつぶやき続けていた。

 次第にそのつぶやきは大きくなり、戦場の真っただ中で視線と意識を女の子から反らす事ができない。

「黒っ!」

 仮面を着けた少女は、力強く惚けている黒へと手を差しのべる。

 黒と同じ仮面を着けた少女の声に、聞き覚えがあった。

 聞き違えるはずはない。


 ――黄 宝鈴。鈴の声を。

 鈴がつけた仮面は無表情に、黒へと視線を投げつける。

 鈴はすっと仮面を外し、その素顔を黒に見せる。

 満面の笑顔。全てを失った黒を絶望の底の底から掬い上げた笑顔がそこにはあった。




 ふと、雲に隠れていた月が顔を出し、2人を包み込むようにスポットライトとなりて照らした。

 2人を歓迎するように、周囲の空間には青い光がポツポツと光っては消える。


 『黒の死神』と『ドラゴンキッド』……

 『師匠』と『弟子』――

 『李 舜生』と『黄 宝鈴』……

 黒と鈴が、戦場にてようやく再会を果たしたのだ。





―――――――




......TO BE CONTINUED









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■作者からのメッセージ
本当にお久しぶりです、ハナズオウです。

リアルが忙しすぎて中々新話を掛けず、更新できずに申し訳ないです。
ようやく完成いたしまいた!

リアルのお話をすると、遂にロードの全てのパーツを全て外して自分で新しいパーツに取り替えることが出来ました!
自転車野郎として少しはレベルアップしたのではないかと思っています。

さて、本日の無駄話はこれくらいにしておいて!

遂に離れ離れになった黒と鈴がようやく出会えました。
ここから反撃始まりますよー
最初の構想で出たシーンが掛けてホッとしております。
サラっとドラゴンキッドのオリジナル衣装を出したのですが、
挿絵入れたかったんですが、時間やら諸々がなかったため断念しました。
またフラッと挿絵入れるために更新するかもです。

かも……ね

さて前話では、4つもの感想を頂けました!
嬉しいですねぇ
読者の皆様も、気がむいたらさらっと感想をくださいますと
私は小躍りするほど嬉しいので!
まってまぁす。

では、ここより感想返しコーナーとさせていただきます。

  >黒い鳩 さん

いつも感想ありがとうございます!

前回はパーセルと黒の復帰の回でしたね。
パーセルは中々お気に入りキャラですからね。動かすのは楽しいですw

楓はですね、ヒーローではバーナビーのファンです。
もちろんきっかけは原作通りスケート大会にて助けてくれたからです。
黒に懐いているのは、近所の優しいお兄ちゃんに懐く幼女的な感じですね。
ですので、HERO TVでキャーキャー言ってるのはもちろんバーナビーとドラゴンキッドの活躍シーンです。

ここからはようやく広げた風呂敷がたたまれ始めれるかと思っています。


  >謎の女剣士 さん

感想ありがとうございます。

黒は原作では大食いキャラですので、胃袋はフードファイター並以上にあると思っています。
そして、黒が寝ている時は身体のエネルギーを使いきり、意識を失って、身体がエネルギーを求めていたためになったものです。


  >13 さん

いつも感想ありがとうございます。

遂にドブ川の主人公こと、黒が反撃しますよー
広大なフィールドではない建物内は黒の得意なフィールドだと思っています。大暴れしてもらおうと思っています。


  >鎌足太 さん

 できれば、読んで感想が欲しかったですが、そこそこ長くなっていますしね、
 気にしないでください。

 鎌足太さんも頑張ってください。


 以上で、感想返しは終わります。

 また次回の話のあとがきでお会いしましょう!


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