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マブラヴオルタネイティブ-フォーアンサー 【第零話】 前書き
作者:首輪付きジャッカル   2012/07/04(水) 16:49公開   ID:aJK45xIaU56
どうも、首輪付きジャッカルとか申します
見覚えある人いると思いますけど・・・

注意:
この作品にはマブラヴオルタネイティブのネタばれが容赦なく含まれる予定です
また、アーマードコア・フォーアンサーのネタもチョイチョイ飛び出します
これら二作品を余す所なくやり尽くしたぞ!という方はお進みください
そうでない方は、多少何かを覚悟した上で突っ走ってください
また、『オルタの後』、ではなく『オルタの』世界です
以上です


以下、プロローグ


「―――ここか・・・」
 世間一般で『大虐殺者』や『人類種の天敵』などと呼ばれて恐れられている男、キャエーデ=スペミンフィーメン。彼が操る愛機、ネクスト、『シィカリウス』の中でキャエーデがつぶやく。
 目の前には巨大な建造物。実に数ヶ月ぶりの依頼の内容は、ここに不法に滞在している武装集団の排除だ。かなり規模の大きい集団らしく、ACなども所持しており、首領格の人物はネクストに乗っていると言う情報まである。
 なぜ武装集団ごときがACどころかネクストまで所持しているのか疑問は残るが、彼はネクストの歩を進め建造物の中に入っていった。

 程なくしてACや改造車両などが現れ、攻撃を仕掛けてきた。
「はぁ、仕事とはいえダリィなぁ〜」
 人間離れした機動で敵の攻撃を掠らせもせず、右手のライフルで改造車を破壊していく。1台に付き1発、確実にエンジンを打ち抜いていく。改造車の爆発に紛れ、または敵の隙を付き、または堂々とACに近づき、左手のブレードで敵を破壊していく。彼を阻む連中は一人残らず死んだ。皆平等に、立ち向かう者も逃げ惑うものも罵るものも許しを請うものも強者も弱者も皆平等にシィカリウスの攻撃が全てを鉄屑とゴミに変えた。
「はぁ〜ダルイ〜手ごたえ無い〜
これは首領も期待できねぇな」
彼の興味は最上階にいるであろう首領のネクストだけになっていた。



「ついたはいいけどこいつはいろいろと話が違うにも程があるだろ・・・」
 最上階に辿り着いた彼の眼前には、敵の首領が悠然と待ち構えているなんて言う様ではなく、
フロア一体を埋め尽くす数百数千のネクストやノーマルACが自分に向けて武器を構えているというまさに地獄絵図だった。
『騙して悪いが仕事なんでな、我々にとって貴様は脅威以外の何者でもない。ここで消えてもらう』
無数のネクストのまたはノーマルACの一機からの通信。そしてこの言葉を合図に敵は同時に攻撃を開始した。
「上等だ。企業連も躍起になってると見える。んならこの大虐殺者、本気で相手してやるよ!!」
 武器を構え、命を投げ出すつもりで彼は敵に突撃した。



「くそったれがぁ、企業連めぇ」
 自分でもわかり切っていた事かもしれない。この戦力差だ。いかに自分のネクストがただのネクストではないとは言え、数で押されればひとたまりも無い。もう少し広い場所で・・・外での戦闘ならば彼のネクストについてこれるものなどいない。だがここは室内だ。いくら巨大な建造物とは言えこれだけ沢山の機体がいればそれなりに狭い。どこに移動しても敵、敵、敵。逆にスピードが仇になった場面も多々ある。
 それでも戦い続け、残りネクスト6機、ノーマル13機まで追い詰めた。しかしここまでの代償は決して小さくない。ミサイル及びライフルの残弾0。ブースターもだいぶガタが来ている。それに右腕を肩口から持っていかれてしまった。残っているのは左手のブレード、『MOONLIGHT』のみである。
 敵のACがグレネードを放つ。それは真っ直ぐ自分のコアに向かって飛んでくる。
「なめんなぁあああああ!!!!」
グレネードを紙一重でかわし、腕を振るう。また一機、ACは鉄屑へと成り果てた。
それでもまだネクスト6とノーマル12。自分がまだ万全なら意にも介さない数字だ。
しかし今の自分と愛機は満身創痍。運がよくてもネクスト3機とAC5機倒しきるのが今の限界だろう。
 彼が最早諦めかけたその時、敵は突然彼に背を向け撤退していった。このまま戦闘を続ければ間違いなく彼を殺しきれたはずだというのにだ。
「理由はどうでもいい。生き延びた―――
しかし何だあのネクストの数は?ネクストを操れる人間てほんの一握りじゃなかったか?ざっと200近くいたぞおい」
 よくわからないが生き延びて冷静になり疑問を口にする。
「まさか脳でもいじくってリンクス量産できるようになったとかじゃねぇよな・・・
だがそういえば俺のネクストの開発者のイカレタ爺もそんなことを研究してたような・・・って何だ!?」
 突然の周りの変化で思考は中断される。周りを緑の光が包む。
「これはコジマ粒子・・・なるほど連中はコジマ爆発で俺を跡形もなく消したいわけね。
今の俺の機体じゃどうがんばって逃げても間に合わない。
殺してるんだ、殺されもするさ。今更ばたばたうろたえる気はない・・・
でもまぁ・・・何というか・・・長かったな・・・」

 一帯は強烈なコジマ爆発により消し飛んだ。
 史上最も多くの人命を奪った個人は、最期の最期までその生き方を変えることなく世を去った。
この時の戦闘により全企業はほぼすべての戦力を失った。この日を境に企業間の争いは水面下で留まり続けることになる。一抹の平和の時代の訪れである。
 この時、戦争の最後の犠牲者たる大虐殺者とそのネクストが最期の戦場の瓦礫の中から忽然と姿を消していることに気づいた者は誰一人としていなかった。


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